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カドゥケウスZ 2つの超執刀 - (2016/11/01 (火) 10:33:35) のソース

*カドゥケウスZ 2つの超執刀
【かどぅけうすぜっと ふたつのちょうしっとう】
|ジャンル|医療ドラマアクション|&amazon(B000FS7V86)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|アトラス|~|
|発売日|2006年12月2日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|新主人公のシナリオ追加&br;キャラデザは賛否両論|~|
|>|>|CENTER:''[[カドゥケウスシリーズリンク>カドゥケウスシリーズ]]''|

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**概要
DSで発売され高評価を受けたSF外科手術アクション『[[超執刀カドゥケウス]]』のWii向けリメイク作品。Wiiのローンチタイトルとして発売された。~
一見すると章立てされたシナリオを進めるアドベンチャーゲームのようだが、DS版と同様に''シナリオパートでは選択肢等が一切存在していない純然たるアクションゲーム''である。

北米・欧州ではDS版同様高い人気を誇っており、『Trauma Center Second Opinion』のタイトルで発売されて40万本を越えるヒット作となった((ちなみに発売日はアメリカ版の方が早い。))。
カドゥケウスシリーズは同社の海外向け主力シリーズとなっていた。

**仕様・システム
-DS版がタッチペン(もしくは、直タッチ)で操作していたのに対し、こちらは''Wiiリモコンによるポインティングと、ヌンチャクによる手術器具の選択で操作を行う。''

-グラフィックが全面的に描き直されているほか、新たなシナリオと主人公が追加された。
--キャラクターデザインはDS版の池端まぐろ氏ではなく、『[[ペルソナ2>ペルソナ2 罪]]』で副島成記氏と共にサブキャラクターデザインを勤めた土居政之氏が担当している。シナリオはDS版と同じく磯貝正吾氏が手がけた。

-難易度選択も可能となっており、EASY、NORMAL、HARDの三段階からステージ毎に自由に選択出来る仕様が取られている。
--以前は人を選ぶ難易度だったのが、''今作は概ね全年齢向けと言える。''それでも難しいと思う人間には難しく、アクションパートでは瞬時に的確な道具を選び状況を見極めて効果的な処置を施さなければ目的の達成は難しい。

-16:9のワイド画面には非対応であり、4:3のノーマル画面でのプレイ専用ソフト(プログレッシブ出力にも非対応)。

**ストーリー
あらゆる病の撲滅を目的とする''世界組織カドゥケウス''。~
表向きには難病の研究をする機関として認知されているが、その実態は医療テロや劇症型の伝染病と闘うために結成された特殊機関である。

超執刀という特殊な技を使える主人公の''月森孝介''はカドゥケウスの外科医として、死に至る''謎の奇病ギルス (guilth) それを生物テロとしてバラまくテロ組織「デルフォイ」''と戦う。

**特徴・評価点
''追加されたミラ・キミシマのシナリオ''
-アメリカ国籍の日系3世で27歳。交換医師としてアメリカから日本にやってきたが、病院勤務の傍ら、とある裏研究に関わった患者の非正規の手術にも携わっている。
--そのため月森とは''対照的でダーティーな雰囲気のするシナリオである''。
--また彼女は終盤月森と合流し、DSとは違ったEDを見せる。

-彼女の使う超執刀は患者の体力を回復させるものであるが、これは古インド医術の気脈の注入を表しているので、割と初心者向きと言える。

-月森のシナリオはギルスメインだが、彼女のシナリオは暗闇で行うなど特殊な条件でする事も多く、月森のシナリオと被らないようにできている。
--ミラ自身は続編の『[[HOSPITAL. 6人の医師]]』でも主人公の一人として再登場する。

''手術アクション''
-追加された手術アクション
--カウンターショック:前作の心臓マッサージのかわりに導入された。Wiiリモコンとヌンチャクを画面に近づけタイミングよくZボタンとBボタンを押すと心拍数を回復できる。
--フラッシュ、ペンライト:暗闇の中で、前者は一時的に、後者は部分的に術野を確保することができる。

-ハードがDSからWiiに変更されたが、操作性はきちんとWiiリモコンに最適化されており良好。
--特にピンセットの「つかむ」操作はまさに3D的な操作のWiiならでは。
--また''大型画面のため実際の手術の舞台と近く没入感が増した。''
--幾多ものWiiのサード製タイトルの中で、''最もWiiリモコンとヌンチャクの特性を活かしたという声もある。''
--またタッチペンとは異なるスピーディでシームレスな操作感が癖になる。 
--ドレーンも操作しやすくなっている。
---長い管を使って血溜まりや膿を吸引するのだが、DSの場合は「患部をタッチし、ペンで上にあげる動作」であり画面上で行うため限度がある。
//一度でもう一回同じに操作をしなくてはならない。
//↑すみません、この文の意味が汲み取れなかったので修正できませんでした。
--今作ではWiiリモコンのBボタンを押すだけで吸い上げる為、やりやすい。

''SE・BGM''
-Wiiにリメイクされた事によって、音質が向上した。
--これによってSEにリアリティが増し、ゲームの緊迫感を増す事に一役買っている。
--前作のBGMは音質のせいであまり高い評価は得られなかったが、Wiiにリメイクされた事によって音質が向上し高評価を得ることが出来た。
---ラスボス戦BGMは新曲が使われたが、こちらもかなり好評。

**賛否両論
''キャラクターデザインの変更''
-上記の通り、''キャラクターデザインはDS版と異なり、土居政之氏が担当している。''
--アニメ絵タッチだったDS版から少女マンガ的な線の細いリアル寄りの絵柄に変化しており、DS版のキャラデザインを評価していたプレイヤーからは賛否がある。
--以降の本シリーズのキャラクターデザインは、本作から連なる『ニューブラッド』『HOSPITAL.』は勿論、DS版の直接の続編『[[救急救命 カドゥケウス2]]』も土居政之氏に変更されてしまった。
--スタッフによると、海外展開を視野に入れた変更とのことらしい。

**問題点
''シナリオの削除。''
-最終章の展開が本作独自のものになっている関係上、''DS版の終盤~結末がダイジェストで済まされる''。
-デルフォイ創設者「プレジデント」との対決とデルフォイの崩壊を描く物語があるのだが、''全て黒バックに文章で飛ばされる。''
--DSのこの部分は熱い展開もあり、月森も男らしくなる。それが丸々ダイジェスト化されているだめ、残念に思うDS版ユーザーが多い。

''フルボイスでは無い''
-月森役の近藤孝行氏やアンジュ役の川澄綾子氏((DS版の中村サチコ氏から交代。))の患者との命のやりとりを行う緊迫した画面に適した熱演をしているのだが、フルボイスではないので一部にしか声がついていない点が指摘される。
--DS版も同様のパートボイスだったのだが、「Wiiでリメイク」と聞くと改良されていると期待してしまうユーザーもいた。
--またシナリオ進行場面は無音声のメッセージが流れるのだが、手術中はメッセージを読んでいる時もバイタル低下と制限時間が経過しているので一度に読むのは困難になる。
--この点は続編の『ニューブラッド』で改良された。

''専門用語の説明が無い''
-こういった特殊な世界観のゲームには良くある専門用語辞典という物が無い。
--特に今作は難しい漢字の専門用語と疾患名が続出するので、初心者の中には困惑する人もいる
---映像作品における医療ドラマなら時間の都合上説明を省くのは仕方ないが、プレイヤーのペースで進められるゲームという媒体なのだから、用語の意味を理解できるようにする配慮は普通にあって然るべきであろう。

''ミラのエピソードが少ない''
-ミラのシナリオは月森の5分の1程度であり、おまけ要素とはいえもう少し欲しいという意見がある。

''ギルスメインの手術''
-DS版同様ギルスばかりで飽きるという意見がある。
--続編の『ニューブラッド』では大幅に手術の種類が増えた。

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**総評
タッチペンからWillリモコンに変更されたが、よりリアルな動作を表現しており、操作性、没入感は大幅に向上。~

一方で、キャラクターデザイン変更やシナリオ削除など、DS版からのファンにとっては不満と受け取られる箇所も多い。~

しかしながら、燃える展開やシナリオ、キャラ、BGMなどはDS版に負けじと劣らずゲームを盛り上げてくれ、Wiiならでは操作性も加わってゲームの醍醐味が更に増している点は高く評価できる。

DSならではの機能で名作医療アクションとして評価されたDS版同様、本作もまた、名作医療アクションゲームとして過言は無いであろう。

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**その後の展開
-続編として、同一世界観でありながら舞台や登場人物を一新した『[[カドゥケウス NEW BLOOD]]』が発売されている。