「BLADESTORM 百年戦争」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

BLADESTORM 百年戦争 - (2017/01/14 (土) 23:23:33) のソース

「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
----
#contents(fromhere)
----
*BLADESTORM 百年戦争
【ぶれいどすとーむ ひゃくねんせんそう】
|ジャンル|部隊アクション|&amazon(B000FPWBNO)|&amazon(B000N4B7O6)|
|対応機種|プレイステーション3&br;Xbox 360|~|~|
|発売元|コーエー|~|~|
|開発元|コーエー(オメガフォース)|~|~|
|発売日|【PS3】2007年8月30日&br;【360】2007年10月25日|~|~|
|定価|通常版:7,800円&br;プレミアムBOX:9,980円(各税別)|~|~|
|廉価版|PlayStation3 the Best&br;2008年11月13日/3,800円&br;2013年1月17日/1,800円(各税別)|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|中世欧州を舞台とした部隊アクション&br;空気になるプレイヤー|~|~|
----

**概要
-本作は中世ヨーロッパの戦乱渦巻く英仏百年戦争がモチーフとしており、歴史上の人物も多数登場する。
--フランス全土を戦乱の渦に巻き込んだ"英仏百年戦争"の戦場を舞台に、プレイヤーが傭兵隊長となって部隊を率い、その部隊を直接操作して戦う新しいスタイルのアクションゲーム。
--多数の兵が戦場で入り乱れて戦う戦場アクションということで、単に無双シリーズの中世欧州版ということではなく、部隊を直接操作して戦う『決戦III』に似た戦闘システムである。


**ストーリー
>王位継承問題に端を発したイングランド王国とフランス王国の争いは、長きに及んでいた。~
互いに強力な2国の力は拮抗し、容易な決着を許さなかったのである。~
両国の騎士や兵士にも疲労は色濃く、結果、戦場の主役は傭兵へと移り変わろうとしていた。
>
>金次第で敵味方を入れ替える傭兵は、いまだ蔑視の対象となりつつも~
何物にもとらわれない自由を持ち、実力さえあれば富も名誉も手にすることができた。~
何かを成さんとする者にとって、戦争は渾沌と荒廃のみならず無限の可能性をもたらしたのである。

>そして、今また一人の傭兵が戦場に足を踏み入れた。~
その目の先にあるのは富か名誉か、あるいは……。
(公式サイト引用)


**特徴
***ゲームシステム
-基本は酒場で準備を整え依頼を受け、戦場でそれをこなし報酬を得たりクエストを進めていく形になる。
--酒場では商人から武器や防具を買ったり、部隊を雇ったりする。酒場にいる傭兵からちょっとした小話を聞く事もでき、戦闘との良い塩梅になる。基本的にはこの酒場を中心に行動することになる。
-酒場で依頼を受けた後戦場にてクエストをこなすことになる。
--戦場は数日の期限があり、その期間内にクエストをこなすことになる。戦場については初めはノルマンディー等フランス北部のみだが、ゲームの進行でマップが増えていく。
---酒場での依頼には「○○を占領しろ」「○○日目までに~~個の拠点を制圧しろ」などの依頼がある。
---それぞれのステージには数多くの拠点があり、それらの争奪により勝敗が決まる。
---プレイヤーが攻略する敵拠点の中には、拠点隊長という通常の敵より強い敵が出てきて、拠点隊長を倒すと拠点を奪取できる。
---拠点を奪うとアイテムや金が貰える。
---目標を達成して戦闘が終了すると、あらかじめ決められた報酬のほか、敵撃破数や制圧した拠点数などに応じて戦果ポイントを獲得できる。ポイントは成長に使える。
-依頼・クエストはイングランド軍かフランス軍のどちらかに所属する形で進めることになる。
--どちらについたからといって片方から不利になるようなことはなく、ゲーム進行でも両方につくことが必須になる。
-戦場の活躍での活躍により名声が上がる。1~4のレベルがあり、そのレベルに応じてシナリオが解放される。

-率いる部隊は戦場に配置されている野良の部隊を率いるのが基本になり、近づいて×ボタンを押すと率いることができる。このほかあらかじめセットした部隊を呼び出すこともできる(酒場で購入する回数制になっている)。
--1回に率いることができるのは原則1部隊のみで、他の部隊を率いる場合には一回解散する必要がある。
---解散は戦闘中等にかかわらずいつでも行うことができる。部隊が崩壊し始めた時に自分だけ逃げることも可能。
---部隊については後述する兵法書を持っていない部隊は率いることができない。

-部隊は兵科という形で多数の分類に分かれており、「兵法書」を入手することで、新しい兵科を統率することができる。さらに兵科は兵種という形で再分化されている。
--たとえば長剣であれば、「長剣の書」を持っていれば率いることが可能になり、その中でさらに「長剣」「長剣+盾」「両手剣」「両手刀」等々に細分化されている。
---それぞれで能力の特性やスキルが異なっている。さらに兵種内でも能力に差がある複数の部隊がある。「長剣」の「長剣」ならば「長剣兵」「メン・アット・アームズ」「バイキング長剣兵」という具合。基本的にはストーリー後半に出てくる部隊ほど性能が高い。
--兵法書のの中でもさらに特殊な部隊は「兵法書の切れ端」というアイテムを追加入手することで初めて率いることができる。
---たとえば槍兵を率いるには「槍の書」が必要であるが、槍兵の一兵種であるアダガ兵は「槍の書/アダガ兵」という切れ端を入手することで初めて率いることができる。
--兵法書は戦場で入手する他、酒場の商人から購入できる。切れ端も同様であり、一部兵科についてはクエストをこなすことで入手ができる。
--兵科どうしはそれぞれで相性を持ち、敵の兵科と自分の兵科の組み合わせ次第で戦闘の行方が左右される。
---戦場では相性が視覚化されているため覚えていなくても相性の良し悪しはわかるようになっている。相性の悪い兵科については基本的にかなり不利であり、適宜率いる部隊を変える等が求められる。

-部隊は戦場で使って経験値を貯めることでレベルが上がり、さらにその際に貯まるスキルポイントを消費することで、さまざまなスキルを習得して成長させることができる。
--プレイヤー自身が各兵科を自分好みに成長させることができるが、どのように育てても最終的にはすべてのスキルをとることが可能(これが100%クリアの条件となっている)。

-戦闘では通常攻撃(一部兵科を除く)と部隊アクションを駆使して敵を倒していく。
--通常攻撃はR1でくり出す最も基本的なアクションで押し続ける限り攻撃し続ける。
--部隊アクションは前述した部隊ごとの固有アクションで、□、△、○ごとに独特のアクションをくり出す。
---通常攻撃より強力だが、アクションゲージが回復するまで使用できない。
--敵を倒すことでストームゲージが貯まり、満タンになるとストーム状態となり部隊が無敵になり攻撃や移動等の速度が大きく上昇する。
--さらに敵を連続で倒すとコンボが起き、コンボ数を重ねることで大量の経験値を得ることができる。
---スキルを駆使してコンボ数を貯めて、ストーム状態で一気に蹴散らすという爽快感がゲームの肝になっている。
-戦闘では戦旗を使用することで様々な効果を得ることができる。
--戦旗は戦闘や商人から購入して手に入れることができる。
---一度に三種類、それぞれ9個まで所持できる。戦闘中に使用することで「自分の部隊の攻撃力(防御力)アップ」「敵の攻撃力(防御力)ダウン」「敵の攻撃を無効化」など様々な効果が現れる。

***キャラ・ゲームデザイン
-ゲームデザインは前述の通り英仏百年戦争をモデルとしている。
--ただし百年戦争のどの時期かは定まっておらず、キャラクターも百年戦争初期~最末期まで幅広くとられている。
--戦場は英仏百年戦争の戦場になった地域となっている。現在の地域でいえば南仏を除くフランス全土とベルギー(フランドル地方)にあたる。

-キャラクターデザインについては決戦や無双でみられる、「ある程度史実をもとにしながらド派手でぶっとんだデザイン」になっている。
--イングランド・フランス軍は基本的に史実の将軍や貴族が登場している。ただし従者格については架空の人物で、傭兵はホークウッドを除いて全員架空の人物となる。
---フランス軍はジャンヌ・ダルク等、わりと有名どころがそろっているが、イングランド軍は結構マイナーな人物が揃っている。
-キャラクターデザインについてはおおむね過去の文学イメージを踏襲している他、イングランド軍についてはウィリアム・シェークスピアの戯曲の影響がはっきり見受けられる。
--ハルというキャラが登場するがこれは戯曲「ヘンリー四世」におけるヘンリー5世の呼び名である。手下を従えて粗暴な振る舞いをするというキャラデザインもこの戯曲そのままである((さすがにヘンリーパーシーと一騎打ちをして打ち取るということは無い))。
---ファストルフは史実では単なるジェントリの「軍人」であり、他のキャラのように名前が出てくるような地位では本来無いのだが、彼はシェークスピア戯曲における超人気人物「サー・ジョン・フォルスタッフ」の名前の元になった人物である。


**評価点
-部隊を率いてコンボを重ね、ストームで一気になぎ倒す爽快感。
--無双シリーズのような一騎当千ではなく、部隊を率いてなぎ倒す独自の爽快感を生みだしている。
--スキルからストーム状態が一気に決まりコンボ数が一気に重なった時の爽快感はなかなかのものである。

-PS3の性能を生かした次世代のグラフィック。
--アクション系作品としてはコーエーにおけるPS3初作品であるが、PS3のグラフィック性能をしっかり発揮させている。
--全体のゲームデザインや音楽もよく中世の雰囲気ぴったりである。

-PS3の高解像度に見合ったエディット機能。
--男女に加えて顔のパーツや体格の細かい設定はもちろん、頭部、鎧、手、脚に個別に装備できる多種多彩な防具も豊富に用意してある。
---ムービーにも装備やグラフィックがちゃんと反映される形になっており、キャラを作りこむ甲斐がある。

-''百年戦争をベースにしたオリジナリティ''
--同社作に限っても日本の戦国時代、中国の三国志、第二次世界大戦などが多い歴史モノの中で、中世ヨーロッパという比較的マイナーな舞台を使っている。
--英仏百年戦争における史実や登場人物も多く登場しており、百年戦争について詳しいプレイヤーも満足できる仕組みとなっている。
---ただしあくまでモデルというレベルであり、作品のストーリーなどは実際の戦争経緯とはかなり乖離している。

-多種多様な部隊
--プレイヤーが傭兵隊長として傭兵を雇い、率いることができる部隊は40タイプ100種類以上も用意されている。
--兵科も、歩兵・弓兵・騎兵から砲兵・攻城兵器、その他多種多様に用意されている。


**賛否両論点
-全体的にゲームデザインが史実に忠実では無い。
--「百年戦争」をモチーフとしているが、あくまでもゲームとしての面白さを優先させているので、兵装や戦闘の経緯などの史実関係の大半は無視されている。また前述したように時系列が非常にあいまいである。
---例えば兵科に パイク((15世紀から17世紀にかけ、歩兵用の武器として対騎兵、対歩兵と幅広く使用された長槍。))やランツクネヒト((30年戦争に活躍した傭兵。))など、百年戦争当時には存在していない武器や部隊が登場する。それ以外にも象兵やモンゴル騎兵、華南騎兵・華北騎兵が雇えたり、日本の騎馬武者から抜け忍の集団まで登場するなど、良くも悪くも世界観破壊レベルのラインナップが出て来る。
--国王はそれぞれ「イングランド王」「フランス王」として一人の人物としてまとめられている。
---イングランド王については「黒太子の父親」であることからエドワード3世、フランス王については主にジャンヌダルク編に登場するためシャルル7世であると類推されることが多い。
---無双シリーズの一部と類似した問題ともいえるが、このゲームでは時系列の概念が存在しないため、どの時代の戦闘であっても同じ人物が国王として君臨することになる。特に劇中で「王族」とされ、後に君主になると説明されるハル周りは矛盾が起きてしまっている((ハルことヘンリー5世は、黒太子の弟筋であり、黒太子の息子リチャード2世から内乱の末王位を奪ったランカスター朝の出自))。
--さらに容姿も忠実では無くジャンヌは長髪((史実のジャンヌは男装のため髪を短くしていたと言われている。))になっていたりする。
---ただしゲームとしての面白さという点では''気にした方が負け''という話でもある。特にゲームとしての直系祖先にあたる[[決戦]]1では史実を強く意識するあまり武将の離脱が多数にのぼり、キャラゲーとしての質が大きく損なわれていた。ましてやユニークキャラ一人毎のデータ容量が増えている本作では一人の退場がどれほど響くやら。

-''空気になりがちなプレイヤー''
--ストーリーや重要な戦いは史実通りの流れで進行するものの、プレイヤー含む登場人物に寿命が設定されていないため、ストーリー中盤以降は史実の時間軸を無視したオリジナルストーリーの色合いが強い。
--戦争末期の人物であるジャンヌ・ダルクと戦争初期の人物であるエドワード黒太子が同じ戦争に立つ事もしばしば。
--そもそも''プレイヤー自身もあまりシナリオに関わってこず、キャラクター同士のふれあいも薄い。''依頼も実在の人物の手助けをするぐらいで、ストーリー自体のプレイヤーは空気になりがち。
--無双シリーズと違い主人公がオリジナルな為、歴史に関わってこないのは仕方ないが、それでも自分の作ったキャラが活躍して欲しいという声もある。~
傭兵は脇役だからと言ってしまえばそれまでだが。

-ある意味で一本道なフリーミッションシステム
--戦闘ごとに英仏いずれの陣営に属するかをプレイヤーが自由に決めることができる「フリーミッションシステム」を採用しているので、英仏それぞれの視点からゲームを楽しむことが可能。
--英仏どちらも選択できる戦闘もある一方で、史実通りの戦争でもイギリスだけ、フランスだけの依頼しかない戦闘がある。
---というよりも英仏どちらか一方だけに肩入れするというゲームデザインにはなっておらず、英仏双方のクエストをこなさないとストーリーが進まない。結局クリアするにはすべてのミッションをこなしていくしかなく、''順番が違うだけの一本道''となっている。
---傭兵という特性を味わってほしいという製作側の意図は伝わるのだが、「片方だけに参加してプレイしたかった」という声は多かった。
--一応エンディングについては双方どちらかの陣営に参加するストーリーミッションで、多く参加したほうに派生するようになっている。

-広大なフィールドは非常に広く、自由に動き回ることができる。
--丘あり街あり砦ありで中世の世界観はしっかりと描いている。
--一方で騎馬以外は移動の面で遅すぎて、広い戦場を移動するのが苦痛。歩兵で初めて目的地に着いたら既に戦争が終わっているという事も起こりえる。

-全体的に「ユルい」ゲームデザイン。
-戦闘の難易度が低く、基本的にバトルはR1を押しながら敵に向かい部隊アクションを発動させればクリアできてしまう。
--部隊が半壊しても自分だけ逃げれば失敗にならず、単調という声もある。
--たとえ倒されてもその回のミッションが失敗になるだけでデメリットが無く、酒場でマスターに「死ぬなよ」と言われても緊張感が沸かない。ストーリーミッションで失敗しても基本やり直しができる。
--討ち取った敵将も翌日には復帰している事がほとんど。
-ストーリーもどことなくしまりがない。
--イングランド・フランス両軍の将軍や従者はもとより、傭兵でさえ''誰一人死なない''。
---史実で戦死した人はもちろん、あのジャンヌダルクでさえも最終的には助かる。人が死ねば引き締まるというものでもないのだが、死亡フラグらしきものがあってもすべてへし折られての全員生存のためどうにも緊張感が無い。
---たとえ拠点をとりまくってもストーリーミッションのたびに初期化され、たとえ全拠点を奪っても延々と戦争が続く形になっている。
-全体的にユルゲーという意見の点で、この編の評価が分かれるところ。

//--「百年戦争編」にはゲームオーバーおよび戦死の概念がない。プレイヤーがやられても依頼が未達成になるだけで、セーブデータ前まで巻き戻されるということもない。

**問題点
-川が渡れない。
--馬や兵士は川が渡れずわざわざ橋まで遠回りしなくてはならない。

-字幕の文字が小さい。
--PS3のHDMI解像度を前提として当時普及し始めていた大型高解像度液晶テレビに合わせたサイズとなっており、吹き出しやハイライトも無いことからブラウン管や小さい液晶テレビでは非常に読みにくい。

-騎兵が圧倒的に強い。
--兵科については前述の通り史実ではありえない兵科も多いのだが、全体的に''思いつくものを片っ端からぶち込んだ''ような状況でありバランスはほとんど取れておらず、その中でも特に目立つ。
--移動速度の速さ、突撃や加速による突破力により非常に強力。他兵科との相性も優秀であり歩兵関連の多くに強いためあらゆる場面に対応できる。
---その騎兵の中でも装甲騎兵系は極めて優秀。十分に育った騎兵にガーディアンオーラをかけて突っ込めば''迎撃姿勢をとっているパイクすら蹴散してしまう''((パイクの密集陣形に突っ込むのは本来は自分から串刺しになりに行く自殺行為である。))。足を止めてもランスで歩兵を突き殺して蹴散らすさまに百年戦争の雰囲気はぶち壊しである。
---そのため使いやすさから自然と騎兵ばかり育ててしまう。しかし完全クリアには他の兵科も育てる必要があり、かなり作業感が強い兵科もある。
-逆に弱いのは上げればきりがないが、基本的に長剣兵科に弱いものは決定的に使いづらい。
--長剣は「なにも率いていない主人公のデフォルト兵科」(PS3版のみ固定)であり、そして雑魚としてもとにかく頻出する。おまけに拠点の隊長もこれ。そのためそれに弱い兵科はこの欠点でかなり辛い。
--このほか、長剣を筆頭とした頻出兵科にことごとく弱い細剣、通常攻撃が使えないため近づかれるとあっという間に崩される長槍、ごついくせにやたらもろい斧、などがよくあげられる。

-騎士ごとといったキャラ固有シナリオが無い。

***PS3版限定の問題点
-深刻なバグが複数存在する。ゲーム進行が不可になる深刻なバグが複数あり、しかもそれらの再現性がかなり高い。
--その中でも最大のバグが通称「特殊戦闘バグ」である。エンディング後にある程度進めると出てくる特殊戦闘を数度こなすと起きるのだが、特殊戦闘に入ると''敵も味方も誰もおらず、''ゲームが進まなくなる。しかも再現性100%((起きた時点で他のイベントが発生しなくなるため100%クリアができなくなる。回避法はないわけではないがかなり特殊な手法なうえ、あくまで特殊戦闘がバグらずに行えるというだけ。))。
---ユーザーにできる解決方法はなく、起きた場合にはコーエーにセーブデータを送って特殊戦闘自体が起きない状態にしてもらう必要があった((一応、特殊戦闘が起きる条件である「全サブキャラストーリーの達成」を最後まで行わないことで、コーエーの介在無しに100%クリアは可能。ただし普通ではありえないプレイなので知らないと絶対にはまる))。
---このほか、ファストルフが撤退せずに進行できなくなるバグも再現性が高い。
---また100%起きるバグの中には、兵科をレベル99にしてさらに経験値を稼ぐと経験値バーを突き抜けてどんどん伸びるというバカバカしいバグもある。
---これらは「プレイしていれば絶対に気付くバグ」であり、ゲーム後半の要素について''明らかにデバッグが不足''している。
---PS3のその後のゲームではバグ修正にインターネットパッチを流すケースが多いが、このゲームでは行われなかった。内部でのデータフォルダを作らないという構造上、この事態は初めから想定されていなかった模様。

-装備を一度装備してしまうとはずすことができない。できるのは別の装備に交換するだけ。
--頭装備で問題になっている部分で、せっかくキャラメイクしても兜で隠れてしまい惜しむ声が多かった。


&br
----
*BLADESTORM 百年戦争&ナイトメア
【ぶれいどすとーむ ひゃくねんせんそうあんどないとめあ】
|ジャンル|部隊アクション|&amazon(B00OH5QIO6)|&amazon(B00OH5QLF2)|&amazon(B00OH5QINC)|
|対応機種|プレイステーション3&br;プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows Vista以降|~|~|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|~|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|~|~|
|発売日|【PS3/PS4/One】2015年1月29日&br;【Win】2015年5月29日|~|~|~|
|定価|パッケージ / ダウンロード&br;【PS3】7,200円 / 6,286円&br;【PS4】7,800円 / 6,762円&br;【One】7,800円 / 6,780円&br;【Win】6,800円 / 6,000円(各税別)|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|ポイント|ファンタジー要素のナイトメア編追加&br;バグ多し|~|~|~|
----

**ナイトメア編ストーリー
>王位継承問題に端を発したイングランド王国とフランス王国の争いは一進一退の攻防が続いていた。~
だがその最中、突如として魔物の群れが出現。狼狽する人間たちを分別なく、容赦なく襲撃し始めた。~
両国は一時休戦を余儀なくされ、連合して魔物に対するが、次第に戦力の差から追い詰められていく。
>その混乱の中、更に不穏な噂が人間たちの間に広まった。~
「''魔物を率いているのはオルレアンの聖女、ジャンヌ・ダルクである''」と……。
>この魔物たちはどこから来たのか。聖女は人間を裏切ったのか。~
様々な疑問を抱え戸惑い、絶望する人々の下に、妖しき剣を手挟んだ傭兵が現れる。~
その剣は、敵であるはずの魔物を従える力を持っていた。

''魔物の正体、人間の存亡、そして聖女の真実―――すべての物語は、この剣を中心に動きはじめる。''

(公式サイト引用)


**特徴・評価点
-移植元の『''BLADESTORM -百年戦争-''』に準拠する「百年戦争編」と、ゴブリンやドラゴンが登場するファンタジー色の強いオリジナルストーリーの「ナイトメア編」から成る。
--「百年戦争編」は目立った追加要素はないが、ナイトメア編の細かい仕様に合わせるかたちでチュートリアルやゲームバランスが少々変化している。
--所持金とアイテム、プレイヤーキャラの成長などは百年戦争編とナイトメア編、および全セーブデータで共有される。

-「ナイトメア編」は「百年戦争編」の続編というベースながら、史実や前作とはまったく異なるオリジナルストーリーが展開される。
--百年戦争編における「プレイヤーが空気になりがち」という批判への対策を意識したと思われる一本道の章仕立て構造。全体的に無双OROCHIシリーズに近い雰囲気で統一されている。~
プレイヤーは魔物を率いる剣を持つ謎の傭兵となり、魔物の軍勢と戦う英雄として人類の脅威やその謎に立ち向かうことになる。

-''軍隊対魔物の戦争が体験できる。''
--ナイトメア編では様々な魔物との戦いを、前作で戦ってきたイングランド、フランスのキャラクターたちと協力して切り抜ける。
---人類軍の将一人になって魔物に立ち向かうというゲームは多くとも、主人公がエディットキャラという点が重なると意外に本数・ジャンルは絞られてしまう。そういう点でもありそうでなかったアプローチといえるだろう。
--ちなみにプレイヤーは魔物を部隊にすることもできる。ゴブリンなら最大人数がかなり多かったりなど人間の部隊とは一味違う特徴があり、異なる迫力の戦闘を味わえること間違い無し。

-最大4つの部隊をザッピング(切り替え)しながら戦うことで、広範囲にわたる敵拠点を効率よく攻略することができる。
--操作部隊は任意のタイミングで自由に切り替えできることができる。
--直接操作していない部隊は、指示コマンドで目標を設定することで自動的に拠点または敵軍団の攻撃・味方拠点の防御などを指示できる。
--ザッピングシステムは前作の騎兵優遇の対応のためか、広いステージを移動する時間を短縮できて高評価。
--プレイヤーの部隊を合流させて「軍団」として行動することも可能。この状態では体力ゲージ・ストームゲージの扱いが変化し、ストームゲージは最大になってもストーム状態にならない代わりに、1セクション消費して強力な「総攻撃」を発動することができる。

-プレイヤーキャラクターのエディット機能が強化された。多数のキャラを作成しておくことが可能で、ゲームが進めばザッピングシステムで複数キャラを使うことも出来る。
--またシナリオを進めていけば、登場したキャラクターもモデリングを手に入れる事ができる。オンライン接続で他プレイヤーのキャラが登場することも有り、出会ったキャラのダウンロードも可能。

-エディットキャラクターの''派遣システム''
--エディットしたキャラクターをオンラインに一定期間''派遣''することが出来る。(派遣したキャラクターが本編で使えなくなるなどのデメリットはない)
--他プレイヤーのオンライン接続ゲーム中に登録されたキャラクターが登場するが、最大の特徴は長く派遣すればするほど、帰ってきた時の報酬が派遣期間に応じて膨れ上がる点である。
--派遣期間は現実の1時間~3日と幅広く選択でき、時間経過した後に報酬がもらえるのだが、3日派遣した時の報酬は莫大で、SPが''99,999''((本当はもっと貰えると表示されるのだが、カンストしている為))貰える事もざらにある。
--1回のミッションで貰えるSPの数十倍であり、更にこれに報奨金+他プレイヤーが派遣したキャラクターに持たせた装備や派遣した土地で入手できる装備・道具が数十個ずつ手に入る。

-通常攻撃が多数の兵科に追加された
--R1ボタンで使える通常攻撃が弓・弩兵や長槍兵にも追加された。これによって兵科アクションを使い切って何もできなくなる兵科が無くなり、様々な兵科で隙なく戦ってコンボを繋ぐことが出来るようになった。

-撃破数ではなく、攻撃HIT数によってコンボ・経験値を得て成長するようになった。
--前作では敵を撃退しなければ経験値が得られないため、火力の低い兵科では予め育てておく必要があったが、今作では敵にどれだけ攻撃を当てたかによってコンボ数・経験値の獲得が決まるようになった。前作で手数が多い代わりに火力の低い細剣などの兵科が格段に育てやすくなっている。

-オンライン2人プレイが実装。協力してストーリーを攻略する他に、4部隊同士を操って対戦するモードが有る。

**問題点(ナイトメア)
-''フリーズが多い。''
--オメガフォースの作品はPS3の真・三国無双6~7以降、同世代の据え置き機ですらスペックが追いつかないような家庭用ゲームを多く出す傾向が強まってきたのだが、~
本作のナイトメア編は特に顕著で、大きなモンスターや魔物が登場する戦いでフリーズしやすい。

-あいかわらず''空気なプレイヤー''
--魔物と戦うオリジナルシナリオが導入されたにも関わらず、相変わらずプレイヤーは話さない上に主要人物との会話がない。
--前作のチュートリアルから世話になっているバートが今作でも主人公の相棒として最初からおり、他人に話すべき台詞を全て話すので、主人公の役割は相変わらず無言で兵隊を率いて戦うだけになっている。
--せっかくのオリジナルシナリオな上に、主人公の口調は男女合わせて6種類しかない((DLCを含めてない場合))のだから他の人物と会話する主人公も見たかったという意見が多い。((一応、主人公が近づくと「なるほど、そうか」など、簡単な受け答えで主人公が喋ったように見せる演出は有る。))

-根幹が変わらない''特定兵科だけが強いバランス''
--前述のザッピングシステムの導入によって戦場で仲間がいる場所に瞬間的にアクセスできるようになったが、肝心の「高速兵科一強」のバランスは変わっていない。
--更にナイトメア編では主要人物を仲間にする為に、特定のタイミングであちこちに移動させられることになり、足の遅い兵科はそれだけでストレスとなってしまう。
--結局、騎馬一強は免れたが、代わりに騎馬と抜け忍((厄介な状態異常を無効化し、攻撃も強く足も速い短剣系兵科))が強いというだけで、新しく登場した魔物系兵科はどれも面白い特徴を持つが、足が遅く((身軽そうに見える飛獣「グリフォン」系兵科も騎馬や抜け忍に劣る))ナイトメア編では使い勝手が悪い。

**総評
中世ヨーロッパと軍勢バトルという独特のゲームデザインの本作。~
オリジナリティ要素も強く、ハマる人はハマるが、忠実とは言えない歴史考証やプレイヤー空気になりがちなシナリオなどが少々足を引っ張る。~
ナイトメア編のファンタジーの軍勢と戦えたり、操れたりという発想はとても斬新。出来る限り、買うならこちらをオススメする。

**余談
-[[無双OROCHI2]]に、本作「百年戦争編」からジャンヌダルクがゲスト出演している。