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*SIMPLE DSシリーズ Vol.41 THE 爆弾処理班 【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむよんじゅういち ざ ばくだんしょりはん】 |ジャンル|爆弾処理アドベンチャー|&amazon(B001ADW50O)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|トムキャットシステム|~| |発売日|2008年7月10日|~| |定価|2,800円(税込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|過去作で培われた良質な構成&br()シナリオの出来も悪くない&br()シナリオにそぐわぬ温い作りには賛否あり|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLE DSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 爆弾処理をテーマにしたアドベンチャーゲーム。低価格ソフトシリーズ『SIMPLE DSシリーズ』のVol.41である。~ 開発は、SIMPLEシリーズでは『[[THE 推理シリーズ]]』・『[[THE 鑑識官>SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官 ~緊急出動!事件現場をタッチせよ!~]]』の両シリーズなどで知られるトムキャットシステム。 **ストーリー 飲んだくれでだらしないが気立てのいい中年男、バートが主人公。~ 南米で鉱山のダイナマイト技師として働いていたバートはトラブルを起こして仕事をクビになり、密林のど真ん中で無職となってしまう。~ 職を求めて出した大量のメールへの返信は一通のみ。差出人は巨大警備グループ企業「BBカンパニー」。~ バートは、言われるがままに採用会場へ向かう飛行機へ乗り込むのだった。 **ゲーム内容 -ストーリー構成は『THE 鑑識官』シリーズに近く、1話につきプレイ時間にして平均1時間前後の中編で構成されている。全8話。分岐などはない。 --エンディング後に、それぞれのストーリーの後日談が見られる構成も受け継がれている。 --『THE 鑑識官』ではそれぞれのストーリーで一定の成績を残さないと後日談が見られなかったが、煩雑さを回避するためか撤廃された。 -それぞれのストーリーは、シナリオを読み進める間に爆弾解体を含む特殊パートが挟まれる形式。 --道具を駆使して爆弾を見つけるパートや、部屋などを調査して手掛かりや道具を見つける脱出ゲームの操作に近いパートもある。 --爆弾の解体後には、ボスやオペレーターのアポロへの報告パートが挟まれることがある。報告パートでは、適切な選択肢を選んで状況を報告、今後の方針を決定する。 -キャラクターデザインはトムキャット製アドベンチャーでは恒例のシケナオト氏。 --フルボイスではなく、ボイスは一部でシステムボイス的に流れるのみとなっている。爆弾の解体開始時にアポロが「さあ、始めましょう!」と言う、など。 -舞台は『THE 推理』や『THE 鑑識官』らと同じ世界の模様。わずかだが『THE 鑑識官』からのゲストキャラも登場する。 --ただし『THE 推理』⇔『THE 鑑識官』ほど密な関係ではなく、両作に特徴的な設定である「擬人」も本作には登場しない。 ---- **評価点 -爆弾を見つけ、解体するまでの作業がそれなりに楽しい。 --解体作業はネジをグルグル回して緩めたり、導線に垂直に線を引くことでニッパーで切ったりと、タッチペンの動きでうまく表現されている。 --解体作業はバラエティに富んでおり、作りとしては良好である。 -ストーリーの出来もなかなか良い。 --組織に不平をこぼし、金を手に入れてオサラバしようと度々画策するものの、結局は組織に振り回されてしまう主人公・バートがいい味を出している。 --周囲の人物も、一筋縄ではいかないがなんだかんだで嫌いになれない良いキャラが揃っていて親しみやすい。 --ユーモア描写や盛り上がりなども良好で、爆弾解体以外の部分でもテンションをうまく保ってくれる。 --爆弾やその処理に関する情報も作中で豊富に披露され、十分なリサーチを行って書かれたシナリオだということが伝わってくる。 --2話で登場する洞爺湖サミット((本作の発売日は、2008年に洞爺湖で行われた第34回サミット終了の翌日である。))ネタを皮切りに、時事ネタなどもしばしば登場する。 -オートセーブ代わりの細かいセーブ確認、丁寧なチュートリアルなど、システム周りも悪くない。 **問題点 -「報告パート」以外の選択肢には間違えてもペナルティは一切なく((報告パートでの選択肢は、一定回数間違えるとゲームオーバー。))、ストーリー中の選択肢があまり意味をなしていない。 --「どの道具とどの道具を組み合わせれば事態を打開できるか」などの重要な場面もあるが、総当たりで解いてしまっても何ら問題ない。 --『THE 鑑識官』シリーズのミスが評価に直結するシビアな評価システムもやり直しが煩雑で批判されがちではあったが、本作の緩いシステムも完成されたとは言えないところ。 -シナリオも完璧とは言えず、ある程度は不満も挙げられる出来。 --ややリアリティを欠いた強引な部分や、最終話などにおける盛り上がりの不足も指摘される。 -爆弾解体パートはプレイ時間的にそれほどの分量を占めておらず、プレイ時間の多くがアドベンチャー部分で構成される。 --ストーリーに沿って爆弾が登場しなければいけない都合があることも察せるが、ちょっと「想像と違った」と思ってしまうプレイヤーもいるだろう。 --後述の難易度問題にも繋がるが、一回一回の爆弾解体パートが短いのもそれに拍車をかける。 -爆弾解体の難易度もかなりヌルい。 --新しいトラップが出てくる度にオペレーターのアポロが逐一説明をしてくれるので、目的や手段の手探り感は低い。同じ爆弾解体ゲーである『[[鈴木爆発]]』とは真逆である。 --ストーリー終盤にきてもそれほど難易度が上がるわけでもなく、最後まで難しい技術・判断はあまり要求されない。 --この手の解体ゲームの定番ともいえる時間制限も毎回あるが、よほどゲームに疎くない限り余裕で余るだろう。 -爆弾のトラップとして、あまり現実味のないバラエティ重視のものが複数ある。 --音階を覚えて再現するだとか、いわゆる「ヒット&ブロー」を行うとかは、爆弾解体としてやはりリアルとは言いがたい。 --全部が全部こういったものではないが、気になる人は気になるはず。 ---- **総評 爆弾解体作業とシナリオが上手く絡まっており、比較的出来の良いシナリオにアクセントの入る構成は十分な長所といえる。~ 開発元のトムキャットシステムがこれまでの作品で培ったノウハウが活かされているゲームと言えるだろう。~ ただし、爆弾処理という響きからのシビアな印象とは裏腹な、プロデューサー曰く「遊んだ方全員にエンディングに辿りついてほしい」難易度は評価の分かれるところ。~ SIMPLEシリーズということもあってか本格派ではないのだが、気楽に読む分には値段分楽しめる作品ではないだろうか。
*SIMPLE DSシリーズ Vol.41 THE 爆弾処理班 【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむよんじゅういち ざ ばくだんしょりはん】 |ジャンル|爆弾処理アドベンチャー|&amazon(B001ADW50O)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|トムキャットシステム|~| |発売日|2008年7月10日|~| |定価|2,800円(税込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|過去作で培われた良質な構成&br()シナリオの出来も悪くない&br()シナリオにそぐわぬ温い作りには賛否あり|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLE DSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 爆弾処理をテーマにしたアドベンチャーゲーム。低価格ソフトシリーズ『SIMPLE DSシリーズ』のVol.41である。~ 開発は、SIMPLEシリーズでは『[[THE 推理シリーズ]]』・『[[THE 鑑識官>SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官 ~緊急出動!事件現場をタッチせよ!~]]』の両シリーズなどで知られるトムキャットシステム。 **ストーリー 飲んだくれでだらしないが気立てのいい中年男、バートが主人公。~ 南米で鉱山のダイナマイト技師として働いていたバートはトラブルを起こして仕事をクビになり、密林のど真ん中で無職となってしまう。~ 職を求めて出した大量のメールへの返信は一通のみ。差出人は巨大警備グループ企業「BBカンパニー」。~ バートは、言われるがままに採用会場へ向かう飛行機へ乗り込むのだった。 **ゲーム内容 -ストーリー構成は『THE 鑑識官』シリーズに近く、1話につきプレイ時間にして平均1時間前後の中編で構成されている。全8話。分岐などはない。 --エンディング後に、それぞれのストーリーの後日談が見られる構成も受け継がれている。 --『THE 鑑識官』ではそれぞれのストーリーで一定の成績を残さないと後日談が見られなかったが、煩雑さを回避するためか撤廃された。 -それぞれのストーリーは、シナリオを読み進める間に爆弾解体を含む特殊パートが挟まれる形式。 --道具を駆使して爆弾を見つけるパートや、部屋などを調査して手掛かりや道具を見つける脱出ゲームの操作に近いパートもある。 --爆弾の解体後には、ボスやオペレーターのアポロへの報告パートが挟まれることがある。報告パートでは、適切な選択肢を選んで状況を報告、今後の方針を決定する。 -キャラクターデザインはトムキャット製アドベンチャーでは恒例のシケナオト氏。 --フルボイスではなく、ボイスは一部でシステムボイス的に流れるのみとなっている。爆弾の解体開始時にアポロが「さあ、始めましょう!」と言う、など。 -舞台は『THE 推理』や『THE 鑑識官』らと同じ世界の模様。わずかだが『THE 鑑識官』からのゲストキャラも登場する。 --ただし『THE 推理』⇔『THE 鑑識官』ほど密な関係ではなく、両作に特徴的な設定である「擬人」も本作には登場しない。 ---- **評価点 -爆弾を見つけ、解体するまでの作業がそれなりに楽しい。 --解体作業はネジをグルグル回して緩めたり、導線に垂直に線を引くことでニッパーで切ったりと、タッチペンの動きでうまく表現されている。 --解体作業はバラエティに富んでおり、作りとしては良好である。 -ストーリーの出来もなかなか良い。 --組織に不平をこぼし、金を手に入れてオサラバしようと度々画策するものの、結局は組織に振り回されてしまう主人公・バートがいい味を出している。 --周囲の人物も、一筋縄ではいかないがなんだかんだで嫌いになれない良いキャラが揃っていて親しみやすい。 --ユーモア描写や盛り上がりなども良好で、爆弾解体以外の部分でもテンションをうまく保ってくれる。 --爆弾やその処理に関する情報も作中で豊富に披露され、十分なリサーチを行って書かれたシナリオだということが伝わってくる。 --2話で登場する洞爺湖サミット((本作の発売日は、2008年に洞爺湖で行われた第34回サミット終了の翌日である。))ネタを皮切りに、時事ネタなどもしばしば登場する。 -オートセーブ代わりの細かいセーブ確認、丁寧なチュートリアルなど、システム周りも悪くない。 **問題点 -「報告パート」以外の選択肢には間違えてもペナルティは一切なく((報告パートでの選択肢は、一定回数間違えるとゲームオーバー。))、ストーリー中の選択肢があまり意味をなしていない。 --「どの道具とどの道具を組み合わせれば事態を打開できるか」などの重要な場面もあるが、総当たりで解いてしまっても何ら問題ない。 --『THE 鑑識官』シリーズのミスが評価に直結するシビアな評価システムもやり直しが煩雑で批判されがちではあったが、本作の緩いシステムも完成されたとは言えないところ。 -シナリオも完璧とは言えず、ある程度は不満も挙げられる出来。 --ややリアリティを欠いた強引な部分や、最終話などにおける盛り上がりの不足も指摘される。 -爆弾解体パートはプレイ時間的にそれほどの分量を占めておらず、プレイ時間の多くがアドベンチャー部分で構成される。 --ストーリーに沿って爆弾が登場しなければいけない都合があることも察せるが、ちょっと「想像と違った」と思ってしまうプレイヤーもいるだろう。 --後述の難易度問題にも繋がるが、一回一回の爆弾解体パートが短いのもそれに拍車をかける。 -爆弾解体の難易度もかなりヌルい。 --新しいトラップが出てくる度にオペレーターのアポロが逐一説明をしてくれるので、目的や手段の手探り感は低い。同じ爆弾解体ゲーである『[[鈴木爆発]]』とは真逆である。 --ストーリー終盤にきてもそれほど難易度が上がるわけでもなく、最後まで難しい技術・判断はあまり要求されない。 --この手の解体ゲームの定番ともいえる時間制限も毎回あるが、よほどゲームに疎くない限り余裕で余るだろう。 -爆弾のトラップとして、あまり現実味のないバラエティ重視のものが複数ある。 --音階を覚えて再現するだとか、いわゆる「ヒット&ブロー」を行うとかは、爆弾解体としてやはりリアルとは言いがたい。 --全部が全部こういったものではないが、気になる人は気になるはず。 ---- **総評 爆弾解体作業とシナリオが上手く絡まっており、比較的出来の良いシナリオにアクセントの入る構成は十分な長所といえる。~ 開発元のトムキャットシステムがこれまでの作品で培ったノウハウが活かされているゲームと言えるだろう。~ ただし、爆弾処理という響きからのシビアな印象とは裏腹な、プロデューサー曰く「遊んだ方全員にエンディングに辿りついてほしい」難易度は評価の分かれるところ。~ SIMPLEシリーズということもあってか本格派ではないのだが、気楽に読む分には値段分楽しめる作品ではないだろうか。

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