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#contents() ---- *真・三國無双2 【しん・さんごくむそうつー】 |ジャンル|タクティカルアクション|&amazon(B0009Y48Z0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー(オメガフォース)|~| |発売日|2001年9月20日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|200KB以上の空きが必要|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象((廉価版で付与されたレーティングを記載。))|~| |コンテンツアイコン|セクシャル・暴力|~| |廉価版|MEGA HITS!:2003年3月6日/3,980円&br()コーエー定番シリーズ:2005年8月11日/1,980円|~| |配信|PS2アーカイブス:2013年1月16日/1,429円|~| |備考|独自追加要素があるアレンジ移植のXb版あり|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[無双シリーズ]]''| ---- **概要 三国志を題材としたアクションゲーム『三國無双』シリーズの''3作目''(PSの対戦型格闘ゲーム『[[三國無双]]』を初代としている。海外でのタイトルは『Dynasty Warriors ''3''』となっている)。~ 今ではすっかりお馴染みとなった「''無双(系)アクションゲーム''」の普及の契機となった名作である。~ 前作『[[真・三國無双]]』は発売当初知名度は低かったが、口コミで徐々に人気が広まってコアゲーマー間における"マイナーな良作"の仲間入りを果たしていた。~ 今作は大まかな内容こそ前作と同じだが、大小様々な仕様において改善と拡張を行っており、大幅にボリュームを増した大作となった。~ 本格的にユーザーの注目が集まるようになり、前作以上の口コミ効果によって、約1年をかけ国内だけで販売本数100万本を達成。シリーズがコーエーの柱を担うことを決定づけた。 **基本的なゲーム性 プレイヤーは一人の武将となり、数百人規模の軍同士の戦いが繰り広げられるステージにおいて、戦況を見極めながら自軍の勝利を目指して戦い、最終的に敵大将の撃破を目指す。~ 逆に自軍の総大将が倒されたり、制限時間を過ぎてしまったり、プレイヤー自身が戦死すると敗北となり、ゲームオーバーになる。また、特殊な勝利(敗北)条件が存在するステージもある。~ 戦闘に参加している武将はそれぞれの軍団に所属し、軍団同士の戦闘では主に士気によって優劣が決まる。~ 士気が低い軍団はやがて敗走して消滅し、撃破した軍団は士気が高まるので劣勢に陥るとそのまま敗北に繋がりやすいが~ プレイヤーが敵将を倒す、50人単位の兵を倒すなどの活躍により、近くの軍団の士気を高めることが出来る。~ 味方の士気が十分に高ければ敵の侵攻を阻んでくれたり、場合によってはやっかいな敵をそのまま撃破してくれるといった活躍を見せてくれるため、味方との共闘も大事となる。 戦場ではステージ(主に対応する三国志のエピソード)に応じたイベントが発生する事はあるものの、比較的自由に戦う事が出来るため、苦戦している味方軍団を救い士気を引き上げながら共闘する、苦戦を覚悟で一切を無視して総大将の首を狙うといった戦術をとることが出来る。~ また、戦場にはマップ外への道に通じる進入拠点が点在し、近くの軍団が健在ならばそこから兵が補充されるため、拠点兵長を倒して出入り口を封鎖し、敵兵の補充を封じる事も出来る。~ 操作体系が全キャラ共通で簡単なものに統一されており、基本的な難易度もやや控えめといえる範疇にあるため、~ リアルタイムシミュレーション・アクションを融合させたものでありながら双方が苦手なプレイヤーでもしっかりとゲームを進められる…そんなゲーム性の根幹は前作から変わらない。 注意点として、本作の時点では一般兵と敵武将の戦力差が現行作よりも小さく、初期状態の攻略では味方の軍勢と足並みを揃えて共闘することが重要になっている。~ 一般兵の実装が大きく変わった『5』以降を境にゲームバランスは大きく変化しており、「タクティカルアクション」というジャンルから本作などPS2版三國無双シリーズの方向性を評価する古参のプレイヤーもいる。 今後、無双シリーズは大量に発売されていくが、''基本的なシステムはほぼ今作で完成されている。''~ もちろん今作に難がなかったわけではなく、それも含めシリーズを通して改善(時には改悪)を経ていくので、一概に今作が最高傑作とは言えない面もある。~ 今作が名作である理由は端的に言うとシステムやゲームの路線を確立したこと、実際に高い売上を残して息の長いシリーズに昇華させたこと、その2つの功績にあるだろう。 ---- **今作からの要素 ''2人同時プレイに対応'' -前作では出来なかった2人同時プレイに対応した。画面中央で上下2分割した表示で、1ステージを協力して進めていくことになる。 --なお、2人プレイの場合はいずれかのプレイヤーの体力が0になってしまうと、もう一方のプレイヤーが健在でもそこでゲームオーバーとなる。 --プレイヤー2人の無双ゲージがどちらも最大・かつ近くにいる状態では互いの腕が光り、片方が放つ無双乱舞に合わせてもう片方のプレイヤーが無双乱舞を放つと強力な「激・無双乱舞」を放つ事が可能。~ 条件さえ整えば体力ゲージに関わらず何度でも放てるので、より協力してプレイする重みが出てくる。この要素は後のシリーズでも受け継がれた。 ''装備武器、装備アイテムの追加'' -前作では装備品という概念は全くなかったが、武将が装備する武器やアイテムがステージ中で手に入るようになった。それぞれ実用的な個性付けがなされており、戦略や収集の面でも大きな進化を遂げた。 --武器は各武将につき4段階の武器が用意されており、各ランクにつき1つずつ所持できる。 ---武器の段階が上がるごとに攻撃力や基礎攻撃回数も増加する。第一武器では前作同様4回だが、ゲームが進んで第三武器を獲得すると6回まで連続攻撃ができるようになる。 ---本作では第一〜第二武器を一部の武将で共有するが、第三武器以降はその武将専用に集めることになる。~ 第三武器は青龍偃月刀や方天画戟といった三国志演義でその武将が使っていた武器である事が多く、没入度が高まった。 --ハクスラ要素の実装もここから。武器には各能力を増加させる効果がランダムでつくので気に入った武器を入手するまで取捨を繰り返す事になる。後期のステージほど難易度が高いのは前作と同様だが、今作からはその分良質な武器が得られやすいという見返りがある。 --第四武器は「ユニーク武器」とも呼ばれ、固有の増加効果を持つ各武将専用の隠し武器となる。 ---難易度を「難しい」にした上で武将に応じた特定のステージで条件を満たす事で、ステージ中に貴重品の箱ないし敵の輸送部隊が出現し、入手できる。 ---ユニーク武器は第三武器と武器の見た目や基礎攻撃力は同じであるものの強力なパラメーター増加効果に加えて、一部のチャージ攻撃に''属性効果''が付くのも大きな特徴。 ---属性には浮かせて復帰するまでの間追加ダメージを与え続ける「炎」と、着地時に放電で大量の敵を巻き込む「雷」に加え、一撃で雑兵を即死&敵将にも現体力25%分のダメージを与える「斬」が存在。 ---ユニーク武器は性能が武将ごとに固定されているのだが、武将によってはユニーク武器にも属性が存在しないなど、決して小さくない性能格差を抱えている。(問題点に後述 -装備アイテムは武将ごとに一定数のスロットに装備していく形となる。 --入手したアイテムは効果が高い物が自動的に残る。そのため一人の武将が同じアイテムを2つ装備する事は出来ないが、他の武将に同じアイテムを装備させる事はできる。 --基本的には能力上昇アイテムを取捨選択するが、どんな攻撃にもガードを崩されなくなる「角鬼腕」や、体力に関わらず必ず真・無双乱舞になる「真乱舞書」に加え、赤兎馬に騎乗した状態でステージが開始される「赤兎鐙」等、パラメーター以外に影響する特殊効果を持つレアアイテムも登場。 ---レアアイテムは「ユニーク武器」と同様に効果は固定で、特定のステージで条件を満たすことによって入手する。武器ほど劇的な効果ではないが、こちらでは難易度は問われないため入手自体は簡単。 ''無双ゲージの独立化'' -前作では成長度を体力ゲージと共有していた無双ゲージが独立パラメータになった。 --この変更に伴い、呂布をはじめとした猛将タイプのキャラクターであれば初期値の時点から体力ゲージは高いが無双ゲージは少ない、あるいは諸葛亮のような軍師タイプのキャラクターなら体力ゲージが少ないかわり無双ゲージが高めなど、武将毎の能力にさらなる個性付けがなされた。 --それに伴い戦場のどこかに隠された新アイテムとして、体力ゲージを成長させる「点心」の無双ゲージ版にあたる「于吉仙酒」が追加された。 --生存率に直結するため上限値までの成長が望ましい体力ゲージと異なり、無双ゲージ側は武将次第で「(甘寧など)強力な乱舞をできるだけ長時間使えるようにする」「少ないゲージ量を逆手に取って素早く無双乱舞を回転させる」とそれぞれ戦法を選択することが可能になった。 ---ちなみに無印の段階ではまだ「武将能力初期化」がなく、一度伸ばすと元には戻せずどうしても戻したい場合セーブデータを消してゲームそのものを初期化させるしかなかった。 ''中断機能の搭載'' -前作で要望の多かった中断機能に対応。クリアするか他のステージを開始するまでだが、プレイ中のデータを残す事が出来る。 --後の修羅モードとは違い、本編の中断セーブは一度ロードしても失われない。難易度が高いステージをプレイする際の「保険」に使える。 ''チャレンジモードの搭載'' -特定の条件でスコアを競い合う「チャレンジモード」が追加された。 --プレイヤー武将が力尽きるまでのKOカウントを競う「斬合」と決められた配置の兵士・武将達を100人KOするまでのタイムアタック「神速」の二種類が遊べる。 --記録はパスワードに残るため、インターネットを使用してGAMECITY(コーエーの公式サイト)に送る事が可能だった。 ''VSモードの搭載'' -2人同時プレイの実装と同時に、2人対戦を行う「VSモード」も追加された。通常の戦場とは異なるルールで2人同士で戦うもので、プレイヤーのみで戦う一騎打ちタイプのステージもある。 --攻撃回数は6で固定、パラメーターの成長や装備アイテムは存在しないため、純粋にプレイヤー同士のスキルが試される。 --「玉璽」をとった方にCPUの呂布が援軍として現れる「呉郡攻略戦」(このステージには玉璽が2つ以上あるため、出現後に相手が玉璽を取ると呂布が''裏切る'')などユニークに富んだステージが用意されている。 ---余談だが、ここで出現する呂布は弱く、出した所であっという間に倒されて肉まんにされるだけ、とあまりボーナスになっていなかった。次回作では鬼のように強化されており本来意図したバランスになっている。 --この対戦プレイも『3 Empires』を最後に三國無双シリーズには実装されておらず、今から見れば珍しいものに見えるかもしれない。 ''事典の搭載'' -ゲームモードとは別に、ゲーム内に登場しているキャラクター=三国志に登場する人物達の簡潔な経歴を読むことができるモードも追加。三国志を既に熟知しているプレイヤー、これから入門というプレイヤー、そのどちらにとっても嬉しい配慮といえる機能である((前作の段階では戦場となるステージで大まかな概要を読むことができたぐらいで、武将ひとりひとりに対しての記述と呼べるものはほぼ存在していなかった))。 --プレイヤーとして使用できる武将のみならず、NPC専用の一般武将達まで完全網羅されており、ボリュームはなかなかなもの。 ---なお、これは以降のシリーズでも同様だが、あくまで史実上もしくは『三国志演義』における武将の情報をまとめているため((同社の『三國志シリーズ』に搭載されている武将列伝に近い内容である))、ゲーム中における描写(シリーズ独自解釈など)を載せているわけではないので注意。 **今作で強化された要素 ''イベント演出の強化'' -''ステージ中のセリフ文も含めてフルボイス''になったり、ムービーが大量に増えたりなど、この面でも大幅に前作より進化している。 --この内、戦場で起こるカットインイベントの一部は、プレイヤーキャラが代わりに起こせるというお遊び要素がある。~ 例えば「長坂橋の仁王立ち」は史実では張飛が行うのだが、条件を満たすことで''プレイヤー武将が代わりに行う事''が出来る。 --しかもボイスも含め全無双武将にしっかり対応しているので、『4』以降で固有ストーリーに置き換えられるまで、武将達の性格表現に一役買う要素となった。 ---「''羽扇を片手に長坂橋で仁王立ちする諸葛亮''」あたりだけでも十分あり得ないシチュエーションだがまだまだ序の口。~ 対応武将は特に所属勢力を問わないので、「自分で烏巣の兵糧庫を発見してしまいヘタレながら曹操に報告する曹操軍所属の袁紹」、「味方の周魴の策略に一緒に騙されてしまう呂布」といったユニークな反応も楽しめる。 ---樊城の戦い(呉軍)を蜀将でプレイした場合、敵の関羽に対して''やたら殺る気満々な劉備''((まるで桃園の誓いを忘れたかのように「愚かな弟…私自らの手で引導を渡してくれよう」とのたまう。張飛の場合は「一度本気でやってみたかったのよ、どっちが強ええのか」なので違和感がない))、「自分が相手とは難しい戦になるな」とぼやく関羽はよくネタにされる。 ---無双シリーズの司馬懿の代名詞であった「馬鹿めが!」というセリフも、本作の五丈原の戦いに存在する%%様々な武将にバカにされる%%挑発イベントで一躍有名となった。 --ステージによってはモブ武将や兵卒などにも固有台詞がある。モブキャラはもともと別の無双武将と同じ声優の兼役なのだが、その汎用セリフとも声優が異なるためギャップは大きい。しかし、夏侯恩の台詞は彼を討ち取った趙雲と同じく小野坂氏が演じる((趙雲と似た声色で「曹操様に受けた恩を仇で返すつもりか!」と台詞を喋る))等、それならではのネタが仕込まれている。 ---特に強烈な個性を放っていたのが黄巾党の張宝。曹操を担当する岸野氏の裏声という怪演は、同ステージの敵大将である頂角にも劣らぬインパクトと個性を放っており、セリフが少なく無双武将でもないのにクレジットや青二プロダクションにおける岸野氏の紹介ページにも載ってしまうという厚遇(?)を受けている。 ''登場武将の大幅増加'' -操作可能な武将の数が前作の28人から隠しキャラを含めて41人と大幅に増加した。 --「徐晃」「魏延」「孫策」など、前作で要望の多かった武将が多数プレイアブルになったのでユーザーから歓迎された。 ---「大斧を振り回す徐晃」や、「鉄鞭を振るう黄蓋」など三国志演義のイメージ通りの武将もいれば「片言喋りな仮面の狂戦士魏延」「武器から性格までまんま某有名格闘ゲームの''バルログな張郃''」等濃いキャラ付けがされた武将もいる。 ---スタート直後に操作できる武将は前作『1』同様各勢力3人ずつの9人((前作プレイ時の特典要素もあり、同メモリーカード内に前作のセーブデータが作成されていればさらに6人の武将が先行解禁される。))だが、操作できるようになった武将の増加に伴い、武将の開放条件も前作から全体的に緩和された。 --基本的に武将のアンロックは無双モードでのみ行う一方、全員開放までに必要な完走回数も抑えめになったため、より好きな武将で遊びやすくなっている。 ---前作では開放条件として「その勢力の武将全員で無双モードをクリア」する必要があった君主武将は、今作では「それぞれ勢力の武将2人の無双モードのクリア」に緩和されて格段に使用しやすくなった。 -三国に当てはまらない他勢力にも新キャラが追加された。 --南中での戦いを描くシナリオの追加に伴い、孟獲と祝融が他勢力分類の無双武将として登場した。 ---「南蛮夷平定戦」には三国の勢力とは見た目も声も全く異なる「蛮兵」が登場したり、三国志演義の小説でもお馴染みの「毒泉」や「籐甲兵」、そして「象」が登場し通常のシナリオとは一味も二味も違う味付けがなされている。 ---固有要素だらけなこのステージは特殊イベントも豊富。シリーズが進む毎に端折られていくことになるが、孟獲を複数回倒して屈服させるという展開はこの時からあった。%%初回プレイ時や、めんどくさい時はそのまま殺してしまうが…%% ''アクションの増加'' -攻撃可能な回数が4回から6回へと増加した事に伴い、全武将にチャージ5:チャージドライブ((敵を上空に打ち上げてチャージボタンでの追撃))とチャージ6(武将固有の攻撃)が追加された。 --6連続まで出せる弱攻撃、それぞれの締めとして派生する6種類の強攻撃…という共通パターンは、今後まで続く無双シリーズ全体のスタンダードになっている。 -瀕死時に無双乱舞を繰り出すと炎をまとった「真・無双乱舞」へと強化するようになった。乱舞攻撃が若干威力が減る代わりに炎属性になり、〆のアクションが変化する。 --前作では瀕死時は自動で無双ゲージが溜まっていく要素はあったものの、乱舞自体は変わらなかったため、格闘ゲームだった初代『三國無双』以来の復活となる。 -前作では無双武将のモーションに「剣(2種類)・槍・戟」の4モーションのコンパチキャラが多数いたが、本作では武将毎に何かしらオリジナルのモーションが1つ以上用意されたため、キャラごとに別物とはいえないまでも''完全なコンパチでは''なくなった。 --高齢なので無双乱舞の最後によろけてしまう黄忠や、巨体を叩きつけて爆風を巻き起こす董卓など、個性を感じられるモーションがちょくちょく追加されている。 -張角、司馬懿は剣(将剣)からそれぞれ妖杖と羽扇へと変更。本作時点でも将剣を使用する武将が6人と多いが、それを多少なりとも抑えようという意図を感じられる。 -すでに固有モーションを持っていた武将にもメスが入った。特に隙が大きかったり範囲が狭いなどの問題を持っていた呂布は、範囲の広い横振りを多用した豪快かつ強力なモーションに刷新され、「4」までのデフォルトとなった。 --諸葛亮も前作では白羽扇を用いた普通のモーションだったが、本作では初代『三國無双』の''軍師ビームがチャージ攻撃や無双乱舞としてまさかの復活を遂げた''。 ---前作での「普通」の諸葛亮を残念がる声を受けて復活したともいえる。また''司馬懿も負けじとビームを放つ''。~ が、性能的には攻撃範囲が狭すぎて散々なものに。これらのビームはシリーズを経るに連れて太くなる等改良が施される事になる。 ---好評だったのか、以後のシリーズでは''羽扇からビームが定着した''他、他の武将も火球などを放ったりと奇抜なアクションが見られるようになった。(本作まではせいぜい衝撃破を飛ばすぐらいで現実寄りな動きをしている) ''無双モード、シナリオの強化'' -前作では勢力ごとに無双モードのステージは固定されていたが、本作では三国(魏・呉・蜀)の武将それぞれに関わり深い戦いで構成されるようになり、個性がついた。 -比較的小さめのマップ・短時間でクリアになる、小規模な戦いが多数追加された。前作では全てのステージが大規模だったため、一つの戦いをクリアするのに20分以上も時間がかかるという問題点を孕んでいた。 --これに伴い、「宛城の戦い」「潼関の戦い」といった三国志上の有名な戦いも多数追加された。 -各ステージには史実に沿ったイベントが多数追加。孫堅や龐統といった、史実においても戦いの中で倒れた武将には「戦死イベント」が存在している。~ これらの武将は多くの場合、士気が意図的に低く設定されていたり伏兵などで孤立した状態に追い込まれるなど、他の武将よりも敗走しやすい状況に陥りやすく、知らずにプレイすれば史実通りにやられてしまう。~ しかし、あらかじめ三国志の知識があったり、二度目以降のプレイなどで把握していれば、特定の武将が敗走する前にイベントの条件に対応する敵将を倒す事で戦死イベントの発生を阻止できる。 --自分の活躍で「成都の戦い」で龐統を死なせないといった、歴史を変えるカタルシスが味わえる要素である。~ これを無双モードで達成すると、その武将はそのまま生存した扱いとして((通常、無双モードのエンディングにおいて死亡した武将が月にうつる演出があるが、生存させるとその代わりに宴に参加している武将を見る事が出来るようになる。))後続のステージにも登場し続ける場合がある。戦死イベントを阻止して生存クリアすることで、プレイヤーキャラとしてアンロックできる武将も存在する。 --ちなみに、無双モードを1度でもクリアした武将は、戦死イベントが発生しても生存扱いとなり続け、以降のステージにも強制的に登場し続ける。~ その場合、「大岩に潰されたのに次の戦いでは''元気に''総大将をしている孫堅」や、「関羽が''生きている''のに夷陵の戦いでやたらブチ切れている劉備((そもそも夷陵の戦いが関羽の弔い合戦である。))」といったシュールな現象も発生する。 ''フリーモード'' -前作に引き続き、無双モードで登場した全てのシナリオ+味方が全員モブだけの敵軍に味方する裏シナリオもプレイ可能。「呉郡攻略戦」で連合軍(王朗・厳白虎・劉繇)側について孫策軍を蹴散らすといったIF展開も用意されている。 --いずれも通常のシナリオと遜色のないほどボイスが用意されており、純粋にボリュームが凄まじい。 --敵軍サイド側のシナリオにも戦闘準備画面の「概要」が存在し、敵軍サイド側の視点から語られる戦況を聞くことも可能。その全てのナレーションが関羽や魏延を演じる増谷氏によるフルボイスであるという点も素晴らしい。 --呂布や董卓などの他勢力の武将には無双モードが存在せず、以降のシリーズでも見られるフリーモード専用キャラとなっているが、そのフリーモード限定シナリオに事実上彼らが主人公となるものも存在するため((呂布を虎牢関の戦い・董卓軍で使用するとBGMが終始「呂布のテーマ」になるなど、専用の演出が用意されている場合もある。))、大きな批判は見られなかった。~ むしろ呂布を使って五丈原の戦いで大暴れするといった、三國志的にありえないシチュエーションを楽しめると言う事もあり、好意的に見られていた。 -とはいえ流石に限界はあったようで、一部の武将の無双モードに存在する「集落救出戦」「山賊討伐戦」「海賊撃退戦」など選択できないステージが存在する他、無双モードで生存させた武将による登場武将の入れ替えはない。 --後述するように無双モードをやり込むうちに生存武将による置き換えで出番がなくなる武将(孫権)が出てくるため、差別化の意味でも登場武将の入れ替えに対応していないことは問題点とは言い難い。 ''グラフィックが進化'' -同機種前作より倍近いボリュームがあるにもかかわらず、グラフィックはかなり向上している。 --とは言え、発売時期もあるので同機種における後の『4』や『無双OROCHI』などと比べてしまうと苦しいのは否めない。あくまで当時としてはである。 -敵や箱からのドロップアイテムが、光と煙を放出するようになり視認しやすくなった。前作では特に敵将を撃破した際の成長アイテムが目立たなかったために全く気付かずに消えてしまう事が非常に多かった故の改良点である。 -ゲーム中は60fpsで動き、PS2の性能を見せつけている。 ''サウンド面の強化'' -前作では若干SEが篭っており、どれも鈍い打撃音に近い効果音だったが、本作では比較的鮮明に聞こえる音へと差し替わっており、爽快感の向上に一役買っている。このヒット音のセットはPS3版『5』以降で一部が差し替えられるまでの『真・三國無双4』~『無双OROCHI Z』やPS2/PSP版『真・三國無双5(Special/Empires)』まで長らく使われ続けることになる。 --「大斧」や「方天戟」のような長物や大型の刃物は鋭い斬撃音が、「鉄鞭」などの鈍器では重い打撃音が鳴る。一方で「トンファー」などの武具は軽快な打撃音が鳴るので、ただ攻撃しているだけでも爽快感を味わえる。 --本作に限り「真・無双乱舞」や「激・無双乱舞」の発動音も非常に派手で、上位の超必殺技という感じが十二分に出ている。もっともこれは後述の空耳問題に繋がるのだが… -武将の声も同様にハッキリと聞こえるようになり、後のシリーズに比べても攻撃時、ダメージ時、KO時などの声が(演技がかなり大げさになっているのも合わせて)非常に耳に残るようになっている。 ''護衛兵の自由度強化'' -前作ではシステム周りの不便さ故に変に難易度を上げたりストレスをためる要因になってしまうこともあった護衛兵のシステムも改善・強化された。 --前作で頻発した、無謀にも敵に突っ込んでいって犬死にを繰り返したり、成長したら成長したで敵武将のトドメを横からかっ攫われたりといったことも、本作では防御か攻撃といった状況に応じた指示を出すことで抑えられるようになった。 --さらに''現在出せる最大数を上限にプレイヤー側で任意に人数を調整出来るようになった''。~ つまり、成長させて8人出せるようになったからといって、8人全員を出す必要が無いのであれば人数を減らすことが出来るようになった。さらに人数0=出撃させない事もできる。 ---指示を出すのが面倒だという人は最初から護衛兵を出撃させないでおけば良いだろう。~ 特に8人に増えると後述する戦闘中の処理落ちやステルス発生頻度およびその度合いに護衛兵が及ぼす影響は大きくなるので、そういった意味でも出撃させないプレイヤーも少なくなかった。 ---特に高難易度のステージとなると役に立たずにすぐに全滅してしまう事が多く、護衛兵が死ぬ事によって得られる武勲が下がってしまうため、結局は出さない方がいいという形に落ち着く。~ 例外はパラメーターが自キャラ<護衛兵の場合で、最大まで成長すると無双武将の初期値よりも高くなるので高難易度のステージでも適度に肉まんを回収しておけば生き残る事が出来る。ほとんどの無双武将は勲功が0Ptなので意図的に剣や盾を拾わないでパラメーターを上げない様にしないと起こり得ないが、張角と董卓はアンロック時点で初期勲功が60000Ptなので、最初から護衛兵のパラメーターがMAXとなる。~ %%もっとも、初期パラメーターで高難易度のステージに挑むのはかなり無謀な行為ではあるが…%% ''各種UIの改良'' -後のシリーズ作品にも継承されていくモード選択画面のリール演出や、戦場の情報画面など、無双シリーズにおけるUIの基礎も今作でほぼ確立されている。 --各武将の名前にルビ表記が加えられるようになったのも今作から。 ---- **評価点 ''各要素の強化により前作からは比べ物にならないほど爽快感が向上し、完成度も高まった'' -上述の「追加された要素」および「強化されたポイント」はそのまま評価点であるといってもいい。 ''諏訪原寛幸氏によって前作より濃い個性付けがなされたキャラクター'' -ゲーム的に見れば単純に進化である。剣で戦っていた司馬懿が、ライバルの諸葛亮と同じく羽扇で戦うようになったり、キャラごとにモーションに個性が出たりと、~ 操作性を複雑にしないまま多様なアクションが楽しめるようになった。ほとんどのキャラが剣や槍で戦っていた前作は飽きやすい面が少なからずあった。 ''名曲揃いのBGM'' -関羽千里行などに使われる汎用BGM「ARENA」や呂布固有曲「THEME OF LU BU」、五丈原の戦い(蜀)の「SACRED GROUND Ver.2」、無名時代の一青窈氏が曲を提供したエンディングテーマである「生路-CIRCUIT-」など、名曲を挙げるときりがないほど。 --中でも「ARENA」は今もなお多くのファンがお気に入りの曲としてあげる程である((『真・三國無双7』のIFストーリーで「ARENA -DW 7th MIX-」としてアレンジを施されて使用されたのをきっかけに、『無双☆スターズ』(「ARENA -Starlet Mix-」・「ARENA -Stars Mix-」・「ARENA -Stars Mix GT-」)、『無双OROCHI3』(「ARENA -TRINITY MIX-」)でも使用されている。余談になるが、2018年3月17日に開催された「ω-Force20周年記念ライブ」においても演奏され、演奏前に曲目が発表された時に他の曲目以上に大きな反響があったことからも、未だ人気は衰えていないと言えるだろう。))。 ---また、以降の作品ではステージ専用曲は『[[6>真・三國無双6]]』を除いて勢力問わず1つになっているが、本作までは「南蛮夷平定戦」など一部を除いてそれぞれの勢力毎に全く別の楽曲が用意されている((無双シリーズ全体で言えば『戦国無双4』も勢力別に曲が変化するが、あちらは勢力でアレンジが異なる(=原曲は同じ)という仕様。))。例えば上記の五丈原の戦いは、蜀軍でのプレイでは「SACRED GROUND Ver.2」だが、魏軍でプレイすると「GRAVITY Ver.2」がかかるようになっている((プレイする勢力の置かれている状況をイメージした曲調になっているため、同じステージでも選んだ勢力によってプレイ時の印象が大きく違う、効果的な演出である。))。 ---ちなみに、一ステージ中に音楽が変化するようになったのも今作から。呂布のテーマも今作が初出((厳密に言えば前作のオープニングの一つで『真・三國無双』のテーマとして原曲となるものが存在していたが、呂布のテーマとして使用されたのは本作が初。その後、呂布のテーマは様々なアレンジを加えながら毎シリーズ必ず採用されている。))で、虎牢関の戦いでのイベントを織り交ぜた曲の変化演出は、呂布の強大さを引き立たせる事にも一役買った((このイベントにおける兵士の台詞「りょ、りょ、りょ、呂布だ~っ!!」が強烈な印象を残し、巷で使われる「りょ、呂布だー!」の元ネタとなった))。また、本作の呂布はストーカーのごとく追尾してくるため、逃げ切ったと思った初心者プレイヤーを後ろから無情にも屠る姿がより一層呂布のインパクトを強めたと思われる。 ---なお、前作『真・三國無双』の時点で使われていたBGMは基本的に流用されているが、新たにメロディーが加わったり、音質に調整が入っているため後ろに「''Ver.2''」と付記されている。 //メロディーが増えたことがわかりやすいのはOppression ver.2やYellow Storm ver.2やSacred Ground ver.2が該当。 ---- **賛否両論点 ''一部の武将のキャラ付け'' -上述した通り個性付けが強まった結果、一部の武将が硬派な三国志ファンにとっては受け入れにくい要素である事が顕著になってきたのも今作からである。~ 前作・前前作の時点で陸遜が意味不明に若いイケメンだったり許褚がコメディチックなキャラだったりといった事は少なからずあったのだが… --陸遜は夷陵の戦いの時点で39歳であり、先輩格の周瑜は赤壁の戦いの時点で33歳・死去が35歳、呂蒙は関羽討伐戦・死去が41歳。ただ陸遜については、同社の『[[三國志シリーズ]]』においても初代から一貫して若いイケメンである事からそのイメージを踏襲している可能性はある。 -今作では先述した魏延や張郃のようなキワモノとも見えなくもない新武将は勿論のこと、ただでさえ出る幕が無さそうなところに加えて幼めの外見にされた大喬・小喬姉妹を筆頭に、武将としての逸話のない女性まで舞踊的な武器を持って新規参戦(貂蝉は初代『三國無双』にもいた)など、今後の無双の方向性を決定づける''三国志崩壊祭り''であった。 -キャラクター設定および描写に関する不満意見も少なくはないが、特に女性キャラクターに関しては存在自体が以降の作品でも少なからず批判要因になっている。 --初代『三國無双』の時は、女性は三国志演義での重要人物となる貂蝉と、武芸のエピソードがあり主人公格劉備の妻である孫尚香のみで厳選されており、共に三国志演義での描写から大きく外れないキャラクター描写で厳しい批判は少なめだった。だが本作やそれ以降の女性は、女傑の祝融などを除き武芸のエピソードはなく三国志演義での重要度も低めで、キャラの描写もオリジナル要素が強めである。 --大喬・小喬姉妹については、『真・三國無双通信』にて、「小学生や女の子から三国志は知らないけど、二人は気に入っていると言う反応があって嬉しかったが、他の女性キャラとの差別化であの年齢層にしたのは、従来の三国志ファンに申し訳ない」とスタッフがインタビューに答えている。 -結局この「オリジナルなキャラ付け濃い目」的方向性は支持を得られたため、今後も継続されていくことになる。 --後の『戦国無双』シリーズや、他社の『BASARA』シリーズに比べるとこれでも「まとも」とは言われるものの、『三國志』シリーズのファンやその他の三国志ファンなどからはこれ以降、批判も少なからず出てくるようになってしまった。 ---尤もこの作品では(現在と比べてであるが)まだそこまで濃いキャラ付けはされておらず、大半の人物がまともな考えを持って合戦に臨んでいる。上記の通り一見アレな人物に見えて冷徹な面を見せる張郃、各合戦で指揮官として部下を指揮し愛する貂蝉に一途な呂布、懐の大きい王者である孟獲と言う様に、現在とは少なからず方向性に違いが見られるキャラもあるのでギャップを楽しむ事も出来なくもない。 ''声優の演技'' -前作までと違い、ボイス付きの台詞が大量に増えた事もあって「声が武将とあっていない」といった声が多く聞かれるようになった。 --まだ声優が武将の特徴をつかみ切れていない部分が散見され、''渋い顔の髭の武将が可愛い声や甲高い声''を出して似合わないといった点や、一部の武将の棒読みが酷い、空耳ボイスの宝庫といった点などの不満点があげられる。 --一方で本作はイベントやアクションボイス問わずに力のこもった演技がなされており、臨場感は高い。感情が高ぶると''妙に声が裏返る''袁紹も本作が初出となる。 --一部の攻撃を当てるとKOボイスを叫ぶ仕様になっているため、武将によっては連続で絶叫されてうるさかったり、''むねむねむねむねむね無念…''とつぶやく徐晃等、声の使い方を誤ってシュールになっている部分も見受けられる。 --次回作以降は本作と比べると武将の抑え気味になってしまったり、より声優の演技が洗練されたことによりこういった点は解消されていく。 ''チャージドライブ'' -本作から導入されたチャージドライブは自分も空中に浮いてしまう関係上、高難易度では自殺行為と思われているが実際には「当てれば敵は死ぬ」である。 --というのも本作では空中受身高度の制限が高すぎるため、&b(){チャージドライブ1段止めのみでどの武将も永久ループ可能。}~。 三國3では受け身の高度制限が緩和・4からは技自体が変更になったため本作のみのテクニックであるが、あちらでもコレくらい容易にハメ殺したいという意見もかなりあった。 ---- **問題点 ''弓兵が強すぎる'' -爽快感を得られる程度のバランスは維持しているものの、ただひとつ%%%敵の間接攻撃(弓兵と弩兵)も前作から据え置き%%%である。~ こちらの視界外の遠方からいきなり攻撃され、しかも当たると怯んでしまうためにテンポが悪くなり、ストレスに直結しがち。特に馬に乗っている時に弓の一撃で叩き落とされるのはキツい。 -落とされたり怯むだけならまだよいのだが、問題は''高難易度のステージになると矢が一本刺さるだけで敵の無双武将の一撃よりもはるかに重いダメージ''が入ること。矢が乱れ飛ぶ音と共に''いきなり戦死寸前''の状態になっている事も多い。 --なまじ&u(){弓矢に対する防御力(弓防御)は通常の防御力とは別で、伸ばす方法もアイテムや武器のランダム要素のみである}せいで、成長要素で確実に埋め合わせることすらできない。 --あくまで雑兵なので基本的に5人単位で行動し、ステージによっては大量に群れて出現するため、その存在は大いに恐れられた。 ---ただでさえ被ダメージが純粋に高く緩和手段が少ない上、撃つまでがそこそこ速い上、ごく一部のステージでは当たると気絶のチャージ弓攻撃まで使う。プレイヤーを優先的に狙ううえに矢の精度がとても高く、人数も多いので矢を避けづらい。おまけに防御力も高く一連の攻撃を耐えたりもする。そして接近攻撃で仕留め損なうとバラバラに散開してより厄介に…などのストレスフルな仕様。 ---「本作最強の敵は呂布(虎牢関にて、難易度問わず突出したステータスで登場する)でも甘寧(乱舞による即死率が高い)でもなく''弩兵長''」というネタも。 --櫓の上にいる弓兵も平然と狙撃して大ダメージを与えてくる。しかも本作は櫓に登る手段がまだないため、相手をするには有限の弓矢を使う必要がある上に5人の弓兵を弓一本で倒さなければならず、まともに撃ち合おうものならあっという間に瀕死にされる。 ---安全に倒すには弓を構えた状態での無双乱舞による乱射が有効だが、大量に矢を消費する上に一度では倒しきれない事が多い。 ---『3』以降では矢のダメージが抑えられ、櫓を壊せるようになったり、あるいは櫓の梯子を上る事で直接弓兵を攻撃できるようになると言った具合に当然のごとく弱体化され、大抵のプレイヤーからは大いに歓迎された。安直な突貫プレイを牽制する存在でもあったため、一部古参からは「弱体化されすぎ」の声もあるが…。 ''「難しい」モードと高難易度のステージについて'' -本作ではオプションで難易度設定を上昇させると敵のステータスだけでなく士気も上がり、さらに味方の士気が低くなる状態でスタートする。これらについては例外なくすべての武将・軍団に影響する。 --画面外の部隊同士の戦闘は士気を元に行われ、士気が劣っている方が確実に敗走する。それに対し自分の移動速度や殲滅効率はたかが知れているため、ちまちま敵の士気・兵力を削ってる暇がない。~ 挽回するにはすばやく敵将を倒して軍団を士気0扱いにしてしまうか、なりふり構わず総大将を倒してさっさと勝ち逃げするかの2択しかない。~ 初動に出遅れると味方が次々と敗走するため、慣れないうちは味方総大将と付きっきりでの戦いになることも少なくない。 ---中でも「夷陵の戦い」は呉・蜀両シナリオとも激戦であり、''味方の全員生存が極めて難しい''極端な難易度だったため、すぐに士気を互角に持ち込まないと味方が数分のうちに壊滅することがほとんど。~ 特に史実で一敗地に塗れる蜀軍シナリオは武将配置やイベントなど全体的に呉シナリオより容赦のない構成で、ハイパー化(能力やAIが強化されている)敵武将が増援も含め5人と非常に多い。さらに開始後に総大将の劉備に一切近づかずに行動すると、3分で劉備が敗走しゲームオーバーになるなど、時間の猶予がまったくない。 ---これが何を意味するかというと、時間制限のある撃破ミッションを必死こいてこなす過程で''前述の虎牢関の呂布に迫る強さの武将を最大5人も相手にしなければならない''という事。このハイパー武将の中には同じく前述の甘寧も含まれていて即死事故が平気で起きるほか、後半ステージであるために難易度補正で敵自体のAIも賢くなっているなどあらゆる面で厳しく、伝説のステージとまで言われるほどの難易度になった。~ 「呉の孫一門を根絶やしにするのだ!!」という劉備の物騒な台詞から始まって、逆にあっという間に蜀軍が根絶やしにされるといったネタ性の面でも強く印象に残るステージである。 ---また、マップの北西にいる呉の拠点兵長のみ、なぜか周辺の無双武将よりもはるかにタフになっており、倒すのに非常に時間がかかってしまう。その間も絶えず敵兵が補充されるので厄介な存在となる。 ---本来は火計により味方が壊滅する戦いなのに、『難しい』だと火計前から味方が壊滅するという本末転倒な事態に。しかも火計を阻止してしまうと総大将の劉備が味方本陣に後退しなくなり、『難しい』だとかえって敗走のリスクが高まってしまう始末。そしてこの難関ステージが蜀軍の武将全員の無双モードに入っている((無双モードで三国統一という不文律のうえ、呉蜀の大決戦がこの夷陵の戦い以外になかったからだと思われる。))。 --難易度「普通」ではプレイヤー・友軍・敵軍の強さのバランスはまだ良かったのだが、本作の難易度「難しい」以上では味方の弱体化が過剰であり、程良い共闘感を損なっているとする意見が多い。 ''成長要素に対する理不尽補正'' -上記の味方NPCの弱さの一因として、今作と『3Empires』までのシリーズには「自キャラ(1P)の攻撃力や防御力が成長すると、敵全軍の攻撃力や防御力が連動して少し上がってしまう」という謎仕様がある。 -こちらの攻撃力の影響を抑えるための仕様だろうが、もともと「難しい」以上では敵の防御力が十分高まっているため相対的に影響はない。~ むしろ本作は味方NPCがその煽りを食っており、アイテムや武器の付加効果で防御を''上げない方が味方NPCにとって有利''という歪なゲームバランスになってしまっている。 --そしてパラメーターの「防御」と「弓防御」が独立していることは上記したが、この内防御を上げると関係のない敵の弓攻撃力も同時に上がってしまうため、結局NPCだけの問題ではなく自分にとっても無縁ではないというオチが付く。 -つまり、自軍がやられる速度も自キャラのパラメータが影響してしまう。顕著なのが護衛兵であり、装備アイテムのパラメーター強化ができない彼らが、難易度が上がるほどすぐに全滅してしまうのはコレが原因。 --かといって今作の時点は防御手段もたかが知れているため、あえてステータスを低めに抑えて進めるといったランクシステム搭載ゲームにありがちな手も通用しない。~ ステージが長いうえにチェックポイントも任意で保存しなければならないため、死に戻りのリスクはとかく重いものになりがち。 ---この仕様は『戦国無双』で極端な形として露呈した後に『4』で廃止。さらに難易度が高いほど味方NPCのステータスが上昇するようになり、「プレイヤー武将が難易度設定で相対的に弱体化する」という形で改善された。 ''セリフパターンの少なさ'' -武将のセリフのパターンが少なく、誰に対しても同じ口調で喋る事に違和感を感じる事も --モブ武将のセリフも尊大なものが多く、君主の曹操や劉備が配下からタメ口で褒められたり、危機に陥った時に「出すぎだぞ!自重せい!」と怒られてしまう。 --イベントシーンのモブ武将のセリフは無双武将の声優が担当しており、例えば樊城の戦いの関平はイベントでは爽やかな声で謙虚に喋るが、戦闘になると''獰猛な将軍声に変貌''する他、プレイヤーの関羽が活躍すると「うむ、さすがだ!」と偉そうに喋るのでイベントシーンとのギャップがすさまじい。 ---次回作以降ではモブ武将にも専用の声優が当てられた他、目上・目下でセリフが変わったり、特定武将に対する特殊セリフが復活した事により、違和感は解消されている。 ''一部のレアアイテムの使い勝手'' -「鐙」系のアイテムはステージ開始時に馬に乗って開始できるのだが、馬の使い勝手が悪く装備に悩む。 --のちのシリーズでは鐙用の装備スロットが設けられたり、馬を呼べたり、馬がいる場所がマーカーとして表示されたりするのだが、今作の時点ではそのいずれもないために最悪馬が行方不明になる事が非常に多かった。 ---『2』までは、武功ポイントによる階級が十分に高くなければと的蘆や赤兎馬といった上位種の馬に乗れない仕様があり、鐙アイテムはそれを無視することが可能であるものの、やはりメリットは少ない。~ 無視するといっても鐙アイテムの馬のみ無視でき、戦場での馬に対しては適用されない。 --最速の「赤兎馬」といえどそれほど速くなく、足の速い無双武将とほとんど移動速度に差がないため((陸遜に至ってはユニーク武器+神速符で赤兎馬以上の移動速度となる))、尚更使用頻度が少なかった。この点も次回作以降は目に見える程の改善を受けている。 ---今作では陸遜など足の速い武将は徒歩(出来れば移動速度も強化)で移動し、許褚など足の遅い武将は現地調達で済ませるのが妥当か… ---猛将伝では武将の移動速度の上限が落とされ、大将馬より速く走ることはできなくなった。 -「剛柔法書」は鍔迫り合いに負けなくなるアイテムだが、''引き分けにはなる''ため、結局怯んでしまって無双ゲージが無くなるのであまり意味がないものとなっている。~ そればかりか勝つための必要連打数が全く緩和されていない。半分になるならまだ恩恵に与かれたのだが… ''ステルス・処理落ちの増加'' -兵士の数が前作に比べ増えたためか、処理落ちやステルスの発生頻度が増えた。 --ステルスとは互いに攻撃が当たらなくなる透明化状態のこと。本作ではステルスの対象が頻繁に切り替わるうえに敵武将も容赦なくステルスするため、敵を吹き飛ばした場合にステルス解除された敵武将から攻撃されたりする。敵味方の頭数が少ない場所では起こりづらいため、敵の頭数を減らすことや敵武将を集団から切り離すことが重要になってくる。 ---しかし慎重に立ち回ってもステルスが起こることがしばしばあるため、このことに関する批判は当時から少なくはなかった。 -特に2人同時プレイではステルス・処理落ちがひどくなる。無双乱舞で敵を掃討したと思ったらステルス化した事で生き残った敵が大量に現れると言ったケースも頻発していた。 --要するに状況打開のハズがステルスのせいで打開にならず結局新たな危機を迎えるだけになってしまう。(発動後のため再度使うには結局ゲージを溜めなければならない) --また、画面外への敵には攻撃は当たらない。当時のアクションでも諸葛亮や司馬懿のビームでは実害を被りやすく、近接武器中心のキャラクターでもステルスと合わさって意識せざるを得ない場面が多い。 -このステルスや処理落ちの問題はこれ以降もシリーズ通しての課題として残り続ける事になる。 ''ユニーク武器と属性の格差'' -ユニーク武器の『斬』属性が''どんなに強いモブ兵(親衛隊長や拠点兵長も含む)でも100%即死させる''という後のシリーズからは考えられないほどの高性能。 --総大将の親衛隊や先述の一撃で倒しきれない弓兵など、他の武将では倒すのに手こずる厄介な集団でも「斬」の一撃で全滅する。 --斬属性が付加されているユニーク武器「倚天の奸剣」を持つ曹操は、これさえ取ってしまえばあとはチャージ6連発でどうとでもなると言われるほどのバランス崩壊。 --曹操のC6が前方の比較的広範囲を複数回攻撃する上、その全てに武器属性の効果が出る。にもかかわらず''倚天の奸剣の入手難易度は他キャラのユニーク武器に比べて異様に簡単''で、最初のステージにあるため条件を知ったうえで頑張れば初期能力でも取れるほど。 ---類例に張郃も挙げられる。こちらも無双モード1ステージ目が対象のためか、初期能力でアイテム無しでも、簡単に斬属性付きユニーク武器が獲得可能。 --他にユニーク武器が「斬属性」である武将は陸遜・小喬・魏延などがいる。因みに「斬属性」は『3』以降は発動率の概念が導入されて弱体化したが、以降も割合ダメージ効果については無双シリーズ通して賛否両論の状況が続いてきた。 -『炎』属性は本作の時点では十分なスリップダメージが得られるため、C5(チャージドライブの打ち上げ)についている孫堅などはそれを延々と繰り返すだけで完封が可能な強力な属性となっている。 -一方で、増加能力は強力だが属性が無い許褚や、増加能力が非実用的な馬超、その''両方に当てはまって産廃化してしまっている劉備''等、性能が固定ということで武将の格差が広がる結果も招いてしまっている。 --そして、ユニーク武器があてにならない武将は強力な第三武器が手に入るまでひたすら『難しい』設定で高難易度ステージの周回を強いられてしまう。~ このようなユニーク武器の性能格差や第三武器厳選マラソンについては当初こそ否定的意見も少なくなかったものの、結局現在では各武将の個性付けややり込み要素の一環としてひとまずは受け入れられたようである。~ 後に『7猛将伝』のアプデでユニーク武器の自由改造が可能になった際には「真の最強武器が作れることでキャラ格差の是正に繋がる」という歓迎の声だけでなく、「キャラの個性を潰す上、やり込み要素が失われてゲームの寿命が縮む」という否定的意見に評価が二分されることになってしまった。 -残る『雷』属性は追加ダメージよりも集団戦での足止めや無双ゲージ回収が本命とされる。敵が多ければ多い程恩恵を受けられる反面、逆に一騎打ちではほぼ恩恵がない。 ''キャラ性能格差'' -一応対戦があるが基本的に対戦バランスで考慮されることはない。そのため本シリーズでは極端な強キャラについて物議を醸す例は少ないが、やはり高難易度でのプレイが困難な弱キャラはボロクソに叩かれる傾向にある。 --その中でも、本作で弱キャラとして悪名高いのが諸葛亮と祝融。まとめて言えば敵に対して出して有利になる攻撃がほぼ無いため、常に苦戦と隣り合わせ。 --また、無双シリーズは上述の補正がなかろうと基本的に高い攻撃力を数値だけでは生かし辛い仕様になっているせいで、対単体重視のキャラも弱キャラの傾向にある((本作においては張飛や孫策、太史慈等。大ぶりな上に攻撃範囲が狭いため、集団との立ち回りが難しく、さらには張飛にはチャージ6のダメージが入らないバグまで存在する))。しかもそういうキャラに限って歴史では猛将だったりするから救いようがない。 -無双乱舞でも使いやすい武将と使い辛い武将が顕著。特に将剣等の浮かせない乱舞の場合は無双武将に当て続けると確実に反撃の無双乱舞を受けてつばぜり合いに持っていかれる。乱舞時に浮かす乱舞の場合は空中ダメージの仕様により、一撃の威力は落ちるがどんな武将にも最後まで当てる事が可能といった点。 --将剣キャラの乱舞は一撃が重い上に重ね当ても出来るのでまだマシなのだが、一撃が軽い孫策や範囲の狭い太史慈の乱舞は弱い上に当て続けると反撃され、さらにはフィニッシュをガードされてしまうと反撃確定と、緊急回避以外の使い道がない。 --逆に扱いづらいが突出して強力なのが甘寧。乱舞は剣を片手にダッシュしながら突進するものだが、複数ヒットさせづらい代わりに一撃の威力が他の武将の無双乱舞の比ではないぐらい高く(一撃で他の武将で全弾当てたぐらいのダメージが入る)、しかも密着して当てれば複数回ヒットさせて高難易度だろうがあっという間に敵将を仕留められる超威力。間違いなく乱舞一筋で最強クラスのキャラになっている。 ---しかも甘寧はユニーク武器で無双増加量が大幅にプラスされる((本作での無双増加量は〇ボタン押しっぱなしによる無双ゲージのチャージにも適用されるので非常に強力。次回作以降では攻撃を与えた時のみの増加と弱体化した))ため、この凶悪乱舞を連発でき、斬キャラに匹敵するほどの敵殲滅能力を誇る。むしろ乱舞の仕様上、攻撃中は無敵なので斬キャラより安全かつ一方的に敵を倒す事が可能。 ---もちろん、この甘寧の乱舞は敵に回った時も凶悪そのものであり、むしろ''敵の無双武将は乱舞を突然出してくる''という仕様にあまりにも噛み合いすぎている。このことから高難易度の甘寧は浮かせて空中コンボで対処しないと常に即死の危険性がついて回る。 ''バグ'' -2人同時プレイは初めて故か、細かい物から致命的なものまでバグが散見される。 --本作では2P側が「自分の攻撃でふっ飛ばしたキャラに当たってダメージを受ける」というバグを抱えているため、吹き飛ばし属性の多い無双武将を使いづらくなっている。 ---特に黄蓋などの体当たり系のダッシュ攻撃をもつ武将はタックルすると敵と一緒に自分が派手に転んでダメージを受けるというコントのような現象が発生する。~ 呂布はタックル系ではないが、ダッシュ攻撃の踏み込みが長すぎるため、やはりダッシュ攻撃を当てると自分も一緒に錐揉みで飛ぶ。 --&bold(){敵の強さに関しては1Pのステータスが元になり、2Pのステータスは無視される}ため、成長度合いが極端に異なる武将で2Pプレイをするとステージの難易度が異常になってしまう。 ---総大将が一発当てただけで倒せたり、逆に''雑兵の一撃で即死する''といったゲームにならないほどの極端なバランスになってしまう事も。 ---これを逆手に取って、1Pを成長前の武将に、2Pを育てきった武将にする事で高難易度のステージを簡単にクリアできる。入手の難しいユニーク武器や質のいい武器集めに重宝された。 -カットインイベントにもバグがあり、一部のイベントで女性武将が喋るシーンで操作武将と入れ替わってしまい、''オカマ化してしまう''などの珍事が発生した。 -弓を構えた状態で、城門が開くイベントが発生すると閲覧注意レベルの表示が見えたり、マップの隙間から異次元に行けるなど、細かいバグが散見される。 ''前作ほどではないにしろ、CPU武将の回復が早く厳しい'' -体力が減ってきたら撤退するなど生易しいことはせず、たとえ戦場のど真ん中であろうといきなり溜めモーションに入ったかと思いきや''ピキーン''という効果音とともに''短時間で体力が大きく回復する''。一発攻撃すれば阻止できるが、ドロップアイテムを拾っている・起き上がりまでのうちに回復された、などということも。 --前作は起き上がるだけで回復されたのでだいぶん緩和された方ではある。敵の溜めモーションの間は無防備になるので攻撃のチャンスにも繋がる。 --特に''無双乱舞の予兆がまだ無い''ため、割り込まれて吹っ飛ばされたあとに溜め回復などはこちら側は完全になす術が無い上に、頻繁にこのコンボをやってくる。~ また、本作の無双武将は一定回数の連続攻撃を地上で受ける(ガードする)と乱舞で割り込んでくるため、嫌でも手を止めないといけない。 ---それでも今作は&u(){回復の回数自体が有限}になったのがまだ救いではある。また、仕様自体は味方CPU武将も同じである。 ''第四武器(ユニーク武器)・レアアイテムについて'' -難易度を「難しい」にした上で、それぞれ武将ごとに対応した特定のステージで特殊な条件((敵を倒す順番、時間内にイベント発生など、レアアイテムの出現多彩に渡る。))を満たせば入手できるのだが、''全くゲーム内でのヒントがない''。 -多くの武将は三国志上で活躍した戦場で史実通りの行動を起こす(張飛の場合は長坂の戦いで仁王立ちイベントを起こす)か、戦死した武将の場合はその原因となった敵を倒して生存条件を満たす(孫堅ならば呂公を撃破する)といった条件が設定されているため、 三国志に詳しい人ならばある程度条件が推測できるように考慮されている。 --しかし女性武将等、史実で戦場に出なかったキャラは困るし、そして無双モードで通らないステージが条件であるなどの例外もいた。よって自力で全てを見つけるのは尋常ではなく困難であり攻略本や当時のゲーム雑誌やネットに頼らざるをえない。 ---一応、後のシリーズ(2猛将伝も含む)と比較すれば極端に難しい/難解な条件は数が限られるものの、やはり自力取得は厳しい。 -また、輸送部隊から入手する武器やアイテムの場合、輸送部隊出現の報告と位置は情報履歴に残るものの、輸送部隊自体は一般兵に分類されるため、部隊表などから現在位置の確認が出来ず、時間が経過すると移動する上に最終的に特定の拠点から退却するため、初見殺しとなっている。このため、輸送部隊を出すまでの条件の割り出し、輸送部隊の出現位置、退却位置までも把握しなければならないため、後作と比べても入手の難易度がかなり高い。 ''カメラワーク'' -特別悪いわけではないが、カメラ操作がガードによる視点切り替えしかなく、右スティックで自由に動かすことができない。 --本作では画面に映っていない敵は攻撃が当たらない。そのため、真・無双乱舞でカメラが武将の真ん前に向くことがあり、満足にビーム攻撃が当たらない司馬懿や諸葛亮は非常につらい。 ---なお、カメラを自由に動かせるようになるのは『戦国無双2』、三國無双だと『5』まで待つことになる。 ---- **総評 前作のあらゆる要素を強化した正統続編。追加されたやりこみ要素に関するバランスの粗がかなり多いことだけが惜しまれるが、爽快感・完成度ともに飛躍的に上昇。~ 他のゲームにも少なからず影響を与えた一騎当千タクティカルアクション・無双系ゲームの普及の契機となった作品として、本作は十分にその名声を上げてくれたといえる。 ---- **余談 ''本作にまつわる空耳ネタ'' -ネット上において同人や無双シリーズのファンサイト、時にはそれ以外の場(ネット外含め)などにおいて張遼のことを「''山田''」と称することがある。~ そうなってしまった原因を作ったのは実は本作であり、張遼の「真・無双乱舞」発動時の台詞「''邪魔だぁぁぁっ!!''」が「''山田ぁぁぁっ!!''」ととても空耳しやすかったため、そのあまりのインパクトからいつの間にかネットスラングとして広まったという経緯がある。 --これはコーエーも積極的にネタにしている節があり、張遼は『3』以外、以降の作品でもどこかしらに「邪魔だ!」というボイスが仕込まれている。 ---『4』ではエヴォリューション攻撃の締めとして早くも「邪魔だぁ!」が復活した他、「''邪魔立''ていたすと容赦せぬ!」というセリフも存在する、 ---『5』では再び真・無双乱舞時に加え、乱舞の締めにまた別の新しい空耳をひっさげて復活した。 ---『6』以降は強攻撃2のボイスに当てられて、非常に頻繁に聞かされるようになる。「じやまだ」と発音しているため確信犯だろう。 --なお、本作の真・無双乱舞は発動SEがうるさかった+演技に慣れていない声優がちらほら見受けられるため空耳の宝庫と化していて、甘寧は「''茅ヶ崎行ってきたぜぇっ!''」(「血が滾ってきたぜぇっ!」)に聞こえたり等様々である((甘寧は一部ではこの空耳が原因で「茅ヶ崎」と言われていたりする。こちらは後のシリーズではかなりはっきりと正しく聞こえるようになっている。))。 ---他にも曹操が「''滅!''」→「''イェース!''」、孫尚香が「''覚悟ー!''」→「''テレポート!''」と言った空耳も…(勿論''山田''の知名度には及ばないが) ---張遼に話を戻すが、本作のユーザーでなければ意味が解らない呼び名であり、場所によってはこの呼び名を嫌悪している事もあるので、無闇に使うべきネタでないことには留意しておくべきだろう。~ 特に張遼を演じた田中大文氏はこれの影響で一時期「山田」と散々言われて多大なショックを受けたという話もある。最近はもはやメーカーともども開き直っているようだが…。 --効果音を下げてボイスだけ聞いてみると「じゃまだぁぁぁっ!!」と「じ」の部分ははっきり聞こえることが確認できる。そのため、後のシリーズと違い本作の「山田」は偶然の産物であることが分かる。 ***旧無双のNPCについて -現在でこそタダの殴られ役でしかない一般兵だがPS2版当時は違う。''連続攻撃最大4段~5段で''殴ってくる。 --もちろん個々は大した事は無い。だが5人一組の編成を組み(武将と親衛隊は最大9人一組)、それらが何組も集まって数の暴力で襲い掛かってくる。 ---難易度が高ければ高いほど攻撃も活発になる。一度攻撃を受けたらそのままボコボコにされ、ガードしたらしたで剣戟の嵐に見舞われなかなか反撃できなくなる。 ---しかもチャージ攻撃も揃っているため、気絶攻撃だの打ち上げだの攻撃方法も多彩。''後半ステージともなれば部隊長クラスの兵士が無双乱舞を使う''((兵卒の乱舞は無敵ではなく、攻撃で崩すことが可能。ちなみにモーションは夏侯淵や呂蒙といった汎用モーションの無双武将と全く同じである))。 ---こちらが攻撃している最中(無双乱舞発動時は除く)でも後ろや攻撃判定の死角から横槍を入れたり、特に諸葛亮など通常攻撃のリーチが短い武将だと判定外から差し返されることも珍しくない。 ---弓兵、弩兵も連続攻撃こそないが、同様に物量と相まって攻撃頻度が絶妙に高い。 -その中でも武将に侍るエリート兵の「親衛隊長」は高難易度だとモブ武将並みに固くなる高ステータスがあり、なめてかかると敗因になりうるほど苦戦する。代わりに撃破すると大きな肉まんを落とすので、上手く対処すればある程度余裕ができる。 --勿論難易度が上がれば。姿は鎧兵なので混戦になればお供の親衛隊や別の部隊の部隊長(伯長や卒伯など)に紛れて見失いやすい。 -そうした状況下で「一騎当千」をやるのであれば、囲まれた状況にならないよう立ち回りに気を使う、各種チャージ攻撃やジャンプ攻撃を駆使して敵の行動を少しでも封じる、横や背後に敵が陣取ってしまった場合はく包囲から抜け出す、放っておくと面倒な弓兵は真っ先に潰す、と言った事を臨機応変にやらなければならない。 --つまるところ、''この当時の無双シリーズの一般兵士はステータスやアクションに制限がかかっているだけで、それら抜きの基礎仕様はプレイヤーキャラとあまり大差がない''(これを活用したのが「4猛将伝」の立志モード)。 そして攻撃中断されないスーパーアーマーもほとんど稀だったので、何も考えずに兵士の包囲中に突っ込んで強引に暴れるということがやりづらくなっている。 -だがアグレッシブなのは味方一般兵も一緒。 --何かと集団リンチにあいやすい今作だが、敵味方が入り混じると敵兵のターゲットが移り変わりやすくなっている。要するに''自分が狙われにくくなる''。 ---手強い敵武将はまず味方の集団に誘い込んだうえで、回りの兵から掃討して(なるべく士気を削ってかつ管轄の拠点も潰す)、孤立させる状況(出来ればお供の親衛隊も倒す)を作り上げておけば敵武将と言えど自軍の一般兵に封殺されやすくなる。(代わりに''ステルスや手柄の横取りが厄介''な上に味方の士気が低いと逆に蹴散らされてしまいかねないが) ---これは基本的にハイパー化していないNPC武将は敵味方問わず''部隊長クラス以上のNPCの攻撃で必ず怯む''ため。 ---特に味方の弓兵・弩兵は敵のターゲットを奪いにくいかわりに敵武将の阻害としてはなかなかのもので、ダメージ以外ほぼそのまま敵武将に跳ね返ってくる形になる。護衛兵にも弓兵・弩兵が選べるが、それを好むプレイヤーも多い。 -基本的に自分についてくる所属部隊は撃破数達成や敵将撃破の影響を受けやすく士気が上がりやすい。場合によっては直属の一般兵(言うなれば部下)が敵武将を撃破する事もあるし、今作では''敵が起き上がり時に回復・強化しなくなった''ので味方兵士のふっ飛ばしも足を引っ張りにくくなった。 --先述の櫓の上の厄介な弓兵達も自分で倒すのは非常に骨が折れるが、士気が上がった味方が画面外で交戦するとあっという間に殲滅してくれる。(敵の士気が上がりすぎていなければの話だが) --また、前作同様に敵を倒していけばその軍団の士気が徐々に下がる。戦場全域に分布している総大将直属の兵を倒し続ければ表記以上に有利になる場合もある。~ %%それまでに味方が残っていない事も多いが%%ひたすら敵兵のせん滅に専心して士気を奪っていく事も有効な攻略手段である。 ---本先までは1000人斬りを達成すると真の三國無双と称賛されて全部隊の士気が最大になっていたが、1000人斬りの士気増加量は『3』以降では通常と同程度に抑えられ、実質賞賛台詞のみとなった。 --そのため、単なるアクションゲームとしての爽快感だけではなく、RTS的に変化していくマップを意識させることで「己の活躍が戦局を変える快感」といったキャッチフレーズが体感できるバランスとなっている。~ この戦略性は当時の制作側も多分に意識していたようで、取扱説明書にも「''武将が成長するまでは、単独行動は避けよう。突っ込み過ぎて孤立してしまうと大量の敵に包囲されて袋叩きにあうのがオチだ''」と記載されている。そして、そのようなゲーム性を現行の無双シリーズよりも好んでいるプレイヤーもまた居る。 -また、一般兵同士で鍔迫り合いを行うこともしばしばあり、この点においても無双武将との仕様差が少ない((一般兵同士であれば兵卒vs親衛隊であっても鍔迫り合いを行う。例外として護衛兵だけは何故か一般兵とは鍔迫り合いを行わず敵武将と鍔迫り合いを行い、必ず押される。))。 -ちなみに一般兵の通常攻撃回数が単発でない無双シリーズは三國が『4』(PS2シリーズ)まで、戦国が『初代』のみとなっている。~ それ以降の無双シリーズでは一般兵は実装レベルからさらに差別化されることになるが、これがゲームバランスの大幅変化につながっていったとも見れる。 ''自重(じちょう)とは'' -[名](スル)~ 1-自らを重んじること。自分の品性を保ち、卑下しないこと。自尊。「自尊―苟 (いやしく) も卑劣な事はできない」〈福沢・福翁自伝〉~ 2-言動を慎んで、軽はずみなことをしないこと。「好漢自重せられたし」「隠忍自重」~ 3-自分の健康に注意し、大切にすること。自愛。「なにとぞご自重ください」 -今作(に限った話ではないが)では味方から一定距離以上離れた状態で体力ゲージが半分以下(黄色表示)になると、自軍の総大将から「''出過ぎだぞ。自重せよ''」とのお叱りを受ける事がある。 --要するに「一人で無茶はするな」「身勝手な単独行動は慎め」という事である。 --こちらも取扱説明書に「戦(いくさ)は一人でするものではない」と記載されており、通常の難易度かつ大抵のステージなら味方と一緒に戦えば安全にクリアできるようになっている。~ しかし「''自重''せよ」と注意を受けたプレイヤーは数知れずで、今作がこの言葉を知らしめたとか… --なお自キャラが総大将であった場合は別の台詞になり、部下や護衛兵から注意を促される。~ %%姜維「危険です。自重なされよ。」%%~ %%護衛兵「友軍と合流致しましょう。」%% ''その他余談'' -今作では大喬・小喬姉妹のキャラ付けが固まっておらず、二人とも似たようなお転婆娘のようなキャラ付けをなされていた。~ 次回作『3』以降では「御淑やかな大喬とお転婆な小喬」と差別化が進んでいくが、今作時点では大喬は「''大喬でーす!''」等軽口を叩くようなキャラだったため、今改めて見返すと物凄いギャップを感じるように。 -前作から甘寧及び張遼の声優が変更され、以降のシリーズでも固定されたため、無双武将の声優が出揃った作品であると言える。以後は司馬懿役の滝下氏の死去による交替を除いては本作のキャストがそのまま演じ続けている。 -今作で導入された、戦死イベントによって本来退場する武将が生存し以降のステージでも登場するシステムによって割りを食う形でやや不遇な扱いを受けてしまったのが孫権である。 --本来、孫権は呉の君主として多くのステージで呉の総大将として登場するのだが、孫堅または孫策で無双モードをクリアすると、以後孫権の枠はその2人と置き換わる形となり、''孫権自身は無双モードでは一切登場できなくなってしまう''((フリーモードでは通常通り登場する。))。 ---武将の置き換えによってステージでの出番が増減するのは他の武将にもいえることなのだが、孫権の場合登場するステージ全てで総大将を務めており、かつ置き換えられた際に再配置されるステージが一つもないためにこういった状況が起きてしまった((孫堅と孫策の比較でも登場順では孫堅の方が優先されるため、最終的な出番の増減という意味では似たようなことが孫策にも言えるが、こちらは孫堅が登場する設定となってからも登場するステージが残されているほか、配役の変更によって自身が登場するイベントの一部演出が変化するなど少なくとも顔見せはしており、孫権と比較すると不遇と呼ばれるほどの扱いには至っていないと考えられる。))。 ---PS2時代の無双作品では孫堅を君主として扱っていた向きがあり、特に次回作では完全に君主の座を奪われてしまった。孫権自身の待遇の改善にはしばらく時間を要することになる。 -今作でゲストとして登場した中国神話に登場する人物の伏犠・女媧は、『[[真・三國無双3]]』以降はエディット専用モーションになる形で削除されたが、後に『[[無双OROCHI 魔王再臨]]』にて長い沈黙を破り再登場を果たした((もっともこちらでは外見を含めたキャラクター設定等がほとんど全て刷新されているため、実質的に同シリーズオリジナルキャラとして移籍しているといえる。))。 -事典に武将のデータが記載されていながら、実際にはゲーム内に登場しない「&ruby(はんのう){樊能}」という武将がいる。 --「呉郡攻略戦」で登場する劉繇の配下であり、本来は同ステージで共に登場するものだったと考えられるが、登場しなかった理由は不明。 --以降の無双シリーズ作品にはモブ武将として普通に登場している。 -旧無双をプレイした人なら一度は遭遇した事があるであろう、苦戦している味方の救援に駆けつけてみると、肝心の味方は元気に戦闘を続けていた、という現象。これには画面外でのNPC同士の戦闘における仕様が関わっている --PS2における無双シリーズにおいて、画面外のNPC同士は最初から武将にダメージを与え合うわけではなく、まず武将の取り巻きの兵士から削りあいが行われていく。言い換えると、兵士が武将のダメージの肩代わりをしてくれているのである。そのためこの段階ではまだ武将へのダメージが入ることがない。 --そして苦戦報告を上げている武将は、すでに兵士がある程度倒れ、武将に少しでもダメージが入ってきている可能性が高い状態ということになる。武将の体力が全く減っていないように見える場面でも、よく観察すると取り巻きの兵士・護衛兵の数が明らかに少なくなっていたりと、実際にはやはり追い詰められているのである。 ---武将ごとの兵力ゲージはあてになるわけではないが、決して嘘はつかない要素である。これらの仕様は『6』以降は形骸化されてしまったが、本シリーズの戦略性の高さに貢献している要素の一つと言えた。 ---- *真・三國無双2 猛将伝 【しん・さんごくむそうつー もうしょうでん】 |対応機種|プレイステーション2|CENTER:&amazon(B0009Y48ZA)&amazon(B00006BX9C)|CENTER:&amazon(B000087NBG)&amazon(B00006L90K)| |メディア|DVD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2002年8月29日|~|~| |定価|通常版:3,980円&br()プレミアムパック:9,800円|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |セーブデータ|262KB以上の空きが必要|~|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象((廉価版で付与されたレーティングを記載。))|~|~| |コンテンツアイコン|セクシャル・暴力|~|~| |廉価版|コーエーメガパック((プレミアムパックの価格改訂版。))&br()2003年2月6日/7,200円&br()コーエー定番シリーズ&br()2005年8月11日/1,480円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(猛将伝) 無印の好評を受けて、発売された追加ディスク。~ 新たなアイテム、第五武器、他勢力のシナリオなどの新要素をひっさげて帰ってきた。~ **特徴(猛将伝) ''他勢力の無双モードの追加'' -無印に存在しなかった他勢力(張角・董卓・呂布・袁紹・貂蝉・孟獲・祝融)の無双モードが追加された。 --貂蝉による「連環の計」によって天下を巡りやがて対立していく呂布と董卓や、曹操との戦いに主眼を置いた袁紹、一度反乱に失敗するも苦境に立たされた民を救うという信念を取り戻し苦境に立ち向かう張角、史実では敗れた諸葛亮を逆に負かしていく「逆七縱七禽」をテーマとした孟獲、各勢力の武将夫婦たち((『2』発売時点ではゲーム内で関係性が描写される場面がほとんどなかった劉備・孫尚香夫婦が初めて共演を果たしたシナリオでもある。))に夫の孟獲と共に挑んでいく祝融など、それぞれのシナリオが個性的。 --いずれも南蛮勢力を除いて三国の成立までに滅ぼされた勢力である等の立場からして、オリジナル色が強いシナリオになっている。 --シナリオはすべて無印と独立しており、猛将伝にも「虎牢関の戦い(董卓軍)」や「官渡の戦い(袁紹軍)」が登場しているが、無印とは全く別のシナリオになっている。 ''チャレンジモードの差し替え'' -種目は無印と異なり、目標地点へのタイムアタック「速駆」・足場外へのふっ飛ばし人数を競う「流星」、敵兵にコンボを決めてスコアを稼ぐ「連撃」と、3種の通しプレイ「統一」の四種類が遊べる。 --特にそれぞれのチャレンジモードで一定の記録を出すとレアアイテムが手に入るため、挑戦する必要性が増した。 ''難易度「最強」「初心者」の追加'' -難易度「難しい」をはるかに上回る「最強」難易度の追加。異様に敵兵が強くなり、少しの油断でNPCもパラメーターをMAXにまで育てた武将もあっけなく戦死するなどの激辛難易度。 -一方でさらに難易度を緩和した「初心者」も追加され、アクションが苦手な人にもフォローが出来ている。代償として難易度「初心者」では各種レアアイテムは入手できなくなっている。 ''第五武器と新アイテムとコスチュームの追加'' -難易度「最強」にした状態で新たに特定のステージで条件を満たす事によって第五段階の武器が手に入るようになった。 --第五段階専用の属性として「風」属性が追加された。敵を上空に吹っ飛ばす効果を持ち、コンボの起点になるものとして位置づけられている。 --第五武器には属性の代わりに特定のレアアイテムの効果を持つものも存在する((呂布の第五武器は赤兎鎧をつけなくても赤兎馬に騎乗してスタートできる、など))。 --また、第三武器のデザインを流用していた第四武器とは異なり、第五武器は全て完全新規のデザインの新武器。これをキッカケとして、今作以後の作品におけるユニーク武器には専用のデザインが用意されるようになっていった。 -レアアイテムを含む新たな装備アイテムも追加。気絶しなくなる「戦神兜」や、起き上がり時に攻撃力が2倍になるが防御力が激減する「狂撃術書」等。 --「レアアイテム」と「第五武器」の入手条件は様々であり、追加ステージや従来のステージに隠されている。 --また、コンボポイントを上げてクリアする事でアイテムのレベルが限界突破をするようになり、収集の楽しみが増した。 ---上手くいけば確定で限界突破アイテムが出現するため、高レベルアイテムの収集は無印より格段に楽になった。 -キャラクターごとに色違いのコスチュームが用意された。~ また、それとは別に同コーエーが発売した『[[三國志戦記]]』での衣装が呂布と孫尚香の2人に隠しコスチュームとして収録された。~ 呂布の方は条件を満たすとスペシャルステージと題して敵としても戦記衣装で登場し、ステージのBGMも三國志戦記のものへと変化する。 ''護衛兵システムの変更'' -護衛兵を4部隊((デフォルトでは魏/呉/蜀護衛隊と近衛隊の4部隊が設定されている。))作成出来るようになり、さらに護衛兵それぞれに名前が設定出来る((無印までは護衛兵は全て「護衛兵」表記となっていた。ちなみに郭淮、月英(本作では「黄月英」)、蔡文姫など後の作品で無双武将となった武将の名前がデフォルト名に当てられている例もある。))ようになり、風貌も南蛮兵や女性兵士などから選択出来るようになった。 -護衛兵の方針に「鉄壁」と「援護」が追加され、階級アップ時に増える能力を自分で決められるようになった。 --特に「防御」を重点的に上げて方針を「鉄壁」にする事で、難易度「最強」の後半のステージでも生き残る事が出来るため、囮に使うといった使い道が出来た。 -選択出来る武将にいくらかの制限がかかるが、フリーモードの1人プレイ限定で無双武将(プレイアブルキャラクター)を護衛兵に出来る「''無双護衛兵''」が追加された。こちらでプレイした場合は通常の護衛兵は登場せず、選択した任意のキャラを護衛武将として共に戦うことが出来、本来はプレイヤーが2人いないと繰り出せない特殊な無双乱舞である「''激・無双乱舞''」が繰り出せるようになる(いつでも出せるわけではなく敵兵を50人撃破する度に使用が可能になる)。 --しかし、無双護衛兵も高難易度かつ後半のステージになると力不足であっさりと戦死してしまう事が多いため、高難易度だと人数の多い通常の護衛兵の方が使いやすい。 ---護衛兵のシステム自体は『3』まで続いたが『4』では護衛武将に取って代わられ、いつしか無くなってしまうがあまり惜しむ声もない。 ---なお、無双護衛兵は''1人プレイでの2Pプレイの疑似再現として激・無双乱舞を繰り出す''要素の先駆けとなり、これが『4』の護衛武将の原型となった。 ''MIXJOY'' -『猛将伝』単品でもプレイは可能だが、無印の無双モードやフリーモードを猛将伝の仕様でプレイするにはゲーム中に無印のディスクを認識させる必要がある。 --専用のモードから一度無印のディスクに入れ替えて認識に成功した後にもう一度本作のディスクに入れ替える事で完了。電源を切るまですべての要素を楽しめるようになる。 --三国武将の第五武器やアイテム等は無印のステージに隠されているものも多いので、すべてのアイテムを手に入れるにはMIXJOYが必須となっている。以後のシリーズの猛将伝の多くにもこれは継承されている。 **評価点(猛将伝) ''バグの修正'' -無印で問題となっていた、2Pプレイ時にチャージ攻撃で自分がダメージをうけるバグが修正されており、ようやくまともにプレイできるようになった。 -呂布で第二武器を使用した際の通常5連目の隙が増大した(無印では不自然なほど隙が少なく強力だった)。 -女性のイベントに男性武将が入ってしまいオカマ化するなどの細かいバグも修正されている。 ''第五武器の追加による選択肢の増加'' -第四武器が冷遇されていた武将も新たな属性や能力を試すことができるようになり、選択肢が増した。 --夏侯淵のように『斬』持ち武器が追加されて一気に強キャラになった例もある。 ---また、全ての武将が第四か第五武器の最低でもどちらかになんらかの属性を持つようになった。 ''他勢力シナリオの作り込み'' -三国勢力の無双シナリオは共通のステージと若干の固有イベントであまり差別化されていなかったが~ 本作の他勢力のシナリオはそれぞれのステージと武将専用のイベントで大いに差別化されており、三国勢力に比べて非常に個性が強い。 --三國志戦記のスペシャルステージや、貂蝉が呂布の下を''力づく''で去る「貂蝉千里行」。妻(パートナー)を倒すと夫武将がブチ切れる「合肥新城包囲戦(祝融軍)」等中々濃いシナリオがそろっている、~ 後のシリーズの猛将伝で見られるちょっとぶっとんだ追加シナリオのはしりかもしれない。 ''全てのプレイアブルキャラクターが最初から選択可能'' -無印では特定の条件を満たさないと使用できないキャラクターが、猛将伝では隠しコマンド等無しで最初から使用できる。 --以降、戦国無双も含め、猛将伝では全てのキャラクターが強制アンロックされる仕様が定着することになった。 **問題点(猛将伝) ''さらに難解になり、それに見合わないユニーク武器'' -無印でも問題になった点ではあるが、さらに条件が難解になり((ステージが増えた事や史実とは関係のないステージが条件である武将が増えたため))、ノーヒントでの入手はほぼ不可能。特に張遼の第五武器が難解だった((俗に「山田決死隊」として全戦場で考え得る限りの条件を試すある種のローラー作戦が展開されたことで知られる。似たようなものでは、後の『真・三國無双4』のレアアイテム「絶影鐙」に対しての「絶影決死隊」がある。なお、「張遼決死隊」ではなく山田となっている理由は余談を参照頂きたい。))隠し要素であり、この問題は長年の間、実に『真・三國無双4 猛将伝』まで付きまとうことになった。 -しかも''難易度「最強」が前提条件''。そんな鬼のような条件を満たした末に取った武器が''不相応な低性能''という武将が多々存在しているのがたちが悪い。甘寧((第四武器では「無双増加量」が大幅にプラスされ、全無双武将の中でも最強の威力を誇る乱舞を連発出来ていたが、第五武器では性能がほぼ同じで「無双増加量」が「肉まん回復」に差し替えられており、弱体化している))や曹操((武器の性能そのものは悪くないものの、C6で有用な『斬』消滅がそれ以上に影響している。))などは明らかに第四武器よりも弱い第五武器とされている。 --つまるところ、第五武器は第四武器よりも入手が格段に難しいにもかかわらず、上位互換ではなく別タイプのユニーク武器というニュアンスになっているため、無駄にガッカリ感が助長されている。~ 特に蜀の武将の第五武器は不遇なものが多く、とりわけ&color(red){どちらのユニーク武器も悲惨な性能である劉備など}は筆舌に尽くし難い… --また、追加された『風』属性は敵が吹き飛ぶだけでほとんど意味がない%%文字通りの%%空気属性と化している。コンボを稼ぎやすいという利点もほとんど生かされない。 ''難易度「最強」の最凶バランス'' -敵兵が異様に強化され、士気のバランスも厳しくなった結果、よほど能力アイテムを稼いでいなければ『斬』ありきといっても過言ではないバランスになってしまった。 --難易度に因る敵の強化もさることながら、そのためにプレイヤーキャラを鍛えた時の敵の補正も助長されて味方は相対的に弱体化しすぎている。こうなるとますます士気を奪う余地がなくなるので、敵軍団長や敵総大将の速攻撃破を要求されやすい尖ったバランスになっている。 --もはやソロプレイでは厳しいバランスに片足をつっこんでおり、『斬』所有武将を2Pで操作して条件を満たすといった搦め手から攻めたり、そもそも第五武器をあきらめてしまうプレイヤーが続出した。 -第一無印の「難しい」でも後半ステージとなれば''十分凶悪な難易度''((ちなみにPS2版シリーズでは彼我のステータス差によってのけぞり耐性やガード崩しが発生することがある仕様。そのため、難易度「難しい」以上の後半ステージで初期ステータスの武将を使うと、(装備にもよるが)敵武将がスーパーアーマー&ガード不可と化す))となる。そこから更に凶悪になったのだから余計性質が悪い。 -難易度を高くすると、味方の士気が低くあっという間に敗走するが、これには例外がない。特に呂布はシナリオ上では敵を見下し、勇ましいセリフで啖呵を切るシーンが多いのだが、高難易度ほどあっという間に敗走してしまうので様にならなくなっている。 ''一部のシナリオの難易度'' -猛将伝の「合肥の戦い(袁紹軍)」は袁紹でプレイするとただの少し難しい程度のステージだが、それ以外の武将で高難易度でプレイした場合、装備にもよるが総大将の袁紹が開始から2分も保たない(難易度最強、防御MAX、攻撃最低という極端なステータスだと''30秒以内でゲームオーバー'')という恐怖のステージになってしまう。 --その他のシナリオでは基本的にプレイヤーは総大将の所属武将として扱われるので活躍次第で総大将の士気が上がって強化されるため、総大将が敗走する事はあまりないのだが~ このシナリオの場合は何故か&ruby(えんしょう){''袁尚''}の所属武将にされるため、プレイヤーが活躍しようが&ruby(えんしょう){袁紹}が敗走しやすい。おまけに袁尚が敗走すると(甘寧を撃破すれば敗走することはなくなる)以降士気があがることはまず無いためますます大変になる。 --張郃でプレイした場合は配下将も居る軍団長なので多少楽ではあるのだが…。 --また、ほぼ同じ内容で董卓軍や南蛮軍の合肥の戦いもあるのだが、こちらは総大将に所属されるため、プレイヤーの活躍次第で難なくクリアできる。%%まさか袁紹と袁尚を間違えたのでは…%% -合肥新城包囲戦(南蛮軍)等、総大将が突出してすぐに死ぬシナリオも多く、それらは原則徹底護衛か敵の総大将の速攻撃破の2択しか許容されない。 -無印の時点で問題視された弓兵の凶悪さは調整されておらず、むしろ一部のシナリオでは''火矢や氷矢を放ってくるようになり、パワーアップしている''。当然、最強難易度では一般兵の一撃も馬鹿にならない威力になるので殊更厳しい。 ''猛将伝のシナリオ'' -無双モードが追加された他勢力の武将以外の声優は新録ボイスがかなり少ないため、シナリオに違和感を覚える部分がある。 --孟獲の場合は諸葛亮との戦いがメインになるが、諸葛亮は''一切しゃべらない''。呂布の無双モードでも張遼が味方にいるムービーがあるが一切しゃべらない。袁紹の無双モードでは曹操が相手となるがry((一応、既存ボイスで喋る場合もあるが、違和感を感じるセリフになっている)) --孟獲と張郃といった他勢力の武将と担当声優が同じ武将に関しては追加セリフが存在する。「合肥の戦い(袁紹軍)」で%%ムサ苦しい%%呂蒙に挑発されて「美しくない!」と激昂する張郃の姿は笑いを誘った。 --本作の猛将伝に関しては以降に比べれば値段が若干抑えられており、%%大人の事情で%%値段を抑えて普及させるために声優を限定したと見るべきか。 ''蛇足気味な追加アイテム'' -追加されたアイテムは種類は豊富ながらも実用性に乏しかったり、使い所がほぼ皆無な死にアイテムも多い。 --特に追加パラメーター項目「チャージ力」「肉まん回復」「開始時矢数」は効果の小ささやゲームの性質上、どれも死にパラメーター。項目ランダム付与の第一~第三武器の高性能武器掘りは無印の方がやりやすい。 --「無双鎧」も弓兵から矢を受けた時に怯まなくなるのはよいのだが、ダメージはそのままなので気が付いたら瀕死になっている。脅威のダメージを抑えられたら名前に恥じないアイテムになるのだが… //--アイテムが増えた都合上、有用なアイテムである「真空書」と「活丹」が極端に手に入りづらくなった。質のいいこれらのアイテムを手に入れるには無印で粘った方がよいほど。 //猛将伝のほうがアイテムの数字の上限値が高いから無印で粘る意味はないぞ ''新たに発生したバグ'' -同じく追加されたアイテムである「狂撃術書((プレイヤーがダウン状態から起き上がった時、10秒間の間、防御力が低下するかわりに攻撃力が2倍になる効果を得られるようになる))」の効果が発動している間にゲーム中断→再開を行うと、''狂撃術書の効果による能力の変化が永続的に続くようになる''という、新たなバグが発生している。 ''レアアイテムや第4武器入手に無印ディスクが必須'' -あくまで追加ディスクであるためこれに突っ込むのは野暮かもしれないが、無印版のみで入手できるアイテムは有用なものも多く、何かしらの救済が欲しかったところ。 --特に猛将伝で無双モードが追加された武将達の第4武器入手手段が無印ステージしかないというのはあんまりである。 ---『3猛将伝』『4猛将伝』では猛将伝単体でも入手可能になった。%%戦国無双は忘れよう%% --全ての要素を遊びたければ起動の度に無印を認証しなければならないのも手間となっている。この問題は後のシリーズでも長らく問題視されていたが、『[[6>真・三國無双6 猛将伝]]』以降はディスクの入れ替えが不要な「With猛将伝」の発売や、認証に成功すれば一定期間は再認証が不要になるなどの改善が施されている。 **総評(猛将伝) これまでは「パワーアップキット」と言う名前で知られていたコーエーおなじみの廉価拡張版であり、後のシリーズでは批判の声が挙がるようにもなる存在だが、~ 今作に限れば…登場直後「新風ゲー」的な扱いをされていたからか、はたまたそもそもコーエー的にも今作にはここまでの売り上げを見込んでおらず、基本的に「善意の所業」「やりこみプレイヤー向け」として発売されたからか、厳しい批判がなされることは余りなかった。~ 元々のタイトル(無印『2』)の完成度が高く、純粋にファンの望む要素を追加した形での発売となったのがユーザーに受け入れられた理由であろう。 **余談(猛将伝) -呂布のテーマが早くもアレンジされている。シリーズ毎にアレンジが変わる事は多いのだが、無印と猛将伝で異なるのは本作のみとなっている。 -イベントシーンが一部無印と変更されており、どういうわけか目を閉じるシーンでことごとく開きっぱなしになっているため、宛城の戦いでは''目を開けたまま寝ている操作武将がどアップで映し出される''といったシュールな光景が見られるようになってしまった。
#contents() ---- *真・三國無双2 【しん・さんごくむそうつー】 |ジャンル|タクティカルアクション|&amazon(B0009Y48Z0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー(オメガフォース)|~| |発売日|2001年9月20日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|200KB以上の空きが必要|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象((廉価版で付与されたレーティングを記載。))|~| |コンテンツアイコン|セクシャル・暴力|~| |廉価版|MEGA HITS!:2003年3月6日/3,980円&br()コーエー定番シリーズ:2005年8月11日/1,980円|~| |配信|PS2アーカイブス:2013年1月16日/1,429円|~| |備考|独自追加要素があるアレンジ移植のXb版あり|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[無双シリーズ]]''| ---- **概要 三国志を題材としたアクションゲーム『三國無双』シリーズの''3作目''(PSの対戦型格闘ゲーム『[[三國無双]]』を初代としている。海外でのタイトルは『Dynasty Warriors ''3''』となっている)。~ 今ではすっかりお馴染みとなった「''無双(系)アクションゲーム''」の普及の契機となった名作である。~ 前作『[[真・三國無双]]』は発売当初知名度は低かったが、口コミで徐々に人気が広まってコアゲーマー間における"マイナーな良作"の仲間入りを果たしていた。~ 今作は大まかな内容こそ前作と同じだが、大小様々な仕様において改善と拡張を行っており、大幅にボリュームを増した大作となった。~ 本格的にユーザーの注目が集まるようになり、前作以上の口コミ効果によって、約1年をかけ国内だけで販売本数100万本を達成。シリーズがコーエーの柱を担うことを決定づけた。 **基本的なゲーム性 プレイヤーは一人の武将となり、数百人規模の軍同士の戦いが繰り広げられるステージにおいて、戦況を見極めながら自軍の勝利を目指して戦い、最終的に敵大将の撃破を目指す。~ 逆に自軍の総大将が倒されたり、制限時間を過ぎてしまったり、プレイヤー自身が戦死すると敗北となり、ゲームオーバーになる。また、特殊な勝利(敗北)条件が存在するステージもある。~ 戦闘に参加している武将はそれぞれの軍団に所属し、軍団同士の戦闘では主に士気によって優劣が決まる。~ 士気が低い軍団はやがて敗走して消滅し、撃破した軍団は士気が高まるので劣勢に陥るとそのまま敗北に繋がりやすいが~ プレイヤーが敵将を倒す、50人単位の兵を倒すなどの活躍により、近くの軍団の士気を高めることが出来る。~ 味方の士気が十分に高ければ敵の侵攻を阻んでくれたり、場合によってはやっかいな敵をそのまま撃破してくれるといった活躍を見せてくれるため、味方との共闘も大事となる。 戦場ではステージ(主に対応する三国志のエピソード)に応じたイベントが発生する事はあるものの、比較的自由に戦う事が出来るため、苦戦している味方軍団を救い士気を引き上げながら共闘する、苦戦を覚悟で一切を無視して総大将の首を狙うといった戦術をとることが出来る。~ また、戦場にはマップ外への道に通じる進入拠点が点在し、近くの軍団が健在ならばそこから兵が補充されるため、拠点兵長を倒して出入り口を封鎖し、敵兵の補充を封じる事も出来る。~ 操作体系が全キャラ共通で簡単なものに統一されており、基本的な難易度もやや控えめといえる範疇にあるため、~ リアルタイムシミュレーション・アクションを融合させたものでありながら双方が苦手なプレイヤーでもしっかりとゲームを進められる…そんなゲーム性の根幹は前作から変わらない。 注意点として、本作の時点では一般兵と敵武将の戦力差が現行作よりも小さく、初期状態の攻略では味方の軍勢と足並みを揃えて共闘することが重要になっている。~ 一般兵の実装が大きく変わった『5』以降を境にゲームバランスは大きく変化しており、「タクティカルアクション」というジャンルから本作などPS2版三國無双シリーズの方向性を評価する古参のプレイヤーもいる。 今後、無双シリーズは大量に発売されていくが、''基本的なシステムはほぼ今作で完成されている。''~ もちろん今作に難がなかったわけではなく、それも含めシリーズを通して改善(時には改悪)を経ていくので、一概に今作が最高傑作とは言えない面もある。~ 今作が名作である理由は端的に言うとシステムやゲームの路線を確立したこと、実際に高い売上を残して息の長いシリーズに昇華させたこと、その2つの功績にあるだろう。 ---- **今作からの要素 ''2人同時プレイに対応'' -前作では出来なかった2人同時プレイに対応した。画面中央で上下2分割した表示で、1ステージを協力して進めていくことになる。 --なお、2人プレイの場合はいずれかのプレイヤーの体力が0になってしまうと、もう一方のプレイヤーが健在でもそこでゲームオーバーとなる。 --プレイヤー2人の無双ゲージがどちらも最大・かつ近くにいる状態では互いの腕が光り、片方が放つ無双乱舞に合わせてもう片方のプレイヤーが無双乱舞を放つと強力な「激・無双乱舞」を放つ事が可能。~ 条件さえ整えば体力ゲージに関わらず何度でも放てるので、より協力してプレイする重みが出てくる。この要素は後のシリーズでも受け継がれた。 ''装備武器、装備アイテムの追加'' -前作では装備品という概念は全くなかったが、武将が装備する武器やアイテムがステージ中で手に入るようになった。それぞれ実用的な個性付けがなされており、戦略や収集の面でも大きな進化を遂げた。 --武器は各武将につき4段階の武器が用意されており、各ランクにつき1つずつ所持できる。 ---武器の段階が上がるごとに攻撃力や基礎攻撃回数も増加する。第一武器では前作同様4回だが、ゲームが進んで第三武器を獲得すると6回まで連続攻撃ができるようになる。 ---本作では第一〜第二武器を一部の武将で共有するが、第三武器以降はその武将専用に集めることになる。~ 第三武器は青龍偃月刀や方天画戟といった三国志演義でその武将が使っていた武器である事が多く、没入度が高まった。 --ハクスラ要素の実装もここから。武器には各能力を増加させる効果がランダムでつくので気に入った武器を入手するまで取捨を繰り返す事になる。後期のステージほど難易度が高いのは前作と同様だが、今作からはその分良質な武器が得られやすいという見返りがある。 --第四武器は「ユニーク武器」とも呼ばれ、固有の増加効果を持つ各武将専用の隠し武器となる。 ---難易度を「難しい」にした上で武将に応じた特定のステージで条件を満たす事で、ステージ中に貴重品の箱ないし敵の輸送部隊が出現し、入手できる。 ---ユニーク武器は第三武器と武器の見た目や基礎攻撃力は同じであるものの強力なパラメーター増加効果に加えて、一部のチャージ攻撃に''属性効果''が付くのも大きな特徴。 ---属性には浮かせて復帰するまでの間追加ダメージを与え続ける「炎」と、着地時に放電で大量の敵を巻き込む「雷」に加え、一撃で雑兵を即死&敵将にも現体力25%分のダメージを与える「斬」が存在。 ---ユニーク武器は性能が武将ごとに固定されているのだが、武将によってはユニーク武器にも属性が存在しないなど、決して小さくない性能格差を抱えている。(問題点に後述 -装備アイテムは武将ごとに一定数のスロットに装備していく形となる。 --入手したアイテムは効果が高い物が自動的に残る。そのため一人の武将が同じアイテムを2つ装備する事は出来ないが、他の武将に同じアイテムを装備させる事はできる。 --基本的には能力上昇アイテムを取捨選択するが、どんな攻撃にもガードを崩されなくなる「角鬼腕」や、体力に関わらず必ず真・無双乱舞になる「真乱舞書」に加え、赤兎馬に騎乗した状態でステージが開始される「赤兎鐙」等、パラメーター以外に影響する特殊効果を持つレアアイテムも登場。 ---レアアイテムは「ユニーク武器」と同様に効果は固定で、特定のステージで条件を満たすことによって入手する。武器ほど劇的な効果ではないが、こちらでは難易度は問われないため入手自体は簡単。 ''無双ゲージの独立化'' -前作では成長度を体力ゲージと共有していた無双ゲージが独立パラメータになった。 --この変更に伴い、呂布をはじめとした猛将タイプのキャラクターであれば初期値の時点から体力ゲージは高いが無双ゲージは少ない、あるいは諸葛亮のような軍師タイプのキャラクターなら体力ゲージが少ないかわり無双ゲージが高めなど、武将毎の能力にさらなる個性付けがなされた。 --それに伴い戦場のどこかに隠された新アイテムとして、体力ゲージを成長させる「点心」の無双ゲージ版にあたる「于吉仙酒」が追加された。 --生存率に直結するため上限値までの成長が望ましい体力ゲージと異なり、無双ゲージ側は武将次第で「(甘寧など)強力な乱舞をできるだけ長時間使えるようにする」「少ないゲージ量を逆手に取って素早く無双乱舞を回転させる」とそれぞれ戦法を選択することが可能になった。 ---ちなみに無印の段階ではまだ「武将能力初期化」がなく、一度伸ばすと元には戻せずどうしても戻したい場合セーブデータを消してゲームそのものを初期化させるしかなかった。 ''中断機能の搭載'' -前作で要望の多かった中断機能に対応。クリアするか他のステージを開始するまでだが、プレイ中のデータを残す事が出来る。 --後の修羅モードとは違い、本編の中断セーブは一度ロードしても失われない。難易度が高いステージをプレイする際の「保険」に使える。 ''チャレンジモードの搭載'' -特定の条件でスコアを競い合う「チャレンジモード」が追加された。 --プレイヤー武将が力尽きるまでのKOカウントを競う「斬合」と決められた配置の兵士・武将達を100人KOするまでのタイムアタック「神速」の二種類が遊べる。 --記録はパスワードに残るため、インターネットを使用してGAMECITY(コーエーの公式サイト)に送る事が可能だった。 ''VSモードの搭載'' -2人同時プレイの実装と同時に、2人対戦を行う「VSモード」も追加された。通常の戦場とは異なるルールで2人同士で戦うもので、プレイヤーのみで戦う一騎打ちタイプのステージもある。 --攻撃回数は6で固定、パラメーターの成長や装備アイテムは存在しないため、純粋にプレイヤー同士のスキルが試される。 --「玉璽」をとった方にCPUの呂布が援軍として現れる「呉郡攻略戦」(このステージには玉璽が2つ以上あるため、出現後に相手が玉璽を取ると呂布が''裏切る'')などユニークに富んだステージが用意されている。 ---余談だが、ここで出現する呂布は弱く、出した所であっという間に倒されて肉まんにされるだけ、とあまりボーナスになっていなかった。次回作では鬼のように強化されており本来意図したバランスになっている。 --この対戦プレイも『3 Empires』を最後に三國無双シリーズには実装されておらず、今から見れば珍しいものに見えるかもしれない。 ''事典の搭載'' -ゲームモードとは別に、ゲーム内に登場しているキャラクター=三国志に登場する人物達の簡潔な経歴を読むことができるモードも追加。三国志を既に熟知しているプレイヤー、これから入門というプレイヤー、そのどちらにとっても嬉しい配慮といえる機能である((前作の段階では戦場となるステージで大まかな概要を読むことができたぐらいで、武将ひとりひとりに対しての記述と呼べるものはほぼ存在していなかった))。 --プレイヤーとして使用できる武将のみならず、NPC専用の一般武将達まで完全網羅されており、ボリュームはなかなかなもの。 ---なお、これは以降のシリーズでも同様だが、あくまで史実上もしくは『三国志演義』における武将の情報をまとめているため((同社の『三國志シリーズ』に搭載されている武将列伝に近い内容である))、ゲーム中における描写(シリーズ独自解釈など)を載せているわけではないので注意。 **今作で強化された要素 ''イベント演出の強化'' -''ステージ中のセリフ文も含めてフルボイス''になったり、ムービーが大量に増えたりなど、この面でも大幅に前作より進化している。 --この内、戦場で起こるカットインイベントの一部は、プレイヤーキャラが代わりに起こせるというお遊び要素がある。~ 例えば「長坂橋の仁王立ち」は史実では張飛が行うのだが、条件を満たすことで''プレイヤー武将が代わりに行う事''が出来る。 --しかもボイスも含め全無双武将にしっかり対応しているので、『4』以降で固有ストーリーに置き換えられるまで、武将達の性格表現に一役買う要素となった。 ---「''羽扇を片手に長坂橋で仁王立ちする諸葛亮''」あたりだけでも十分あり得ないシチュエーションだがまだまだ序の口。~ 対応武将は特に所属勢力を問わないので、「自分で烏巣の兵糧庫を発見してしまいヘタレながら曹操に報告する曹操軍所属の袁紹」、「味方の周魴の策略に一緒に騙されてしまう呂布」といったユニークな反応も楽しめる。 ---樊城の戦い(呉軍)を蜀将でプレイした場合、敵の関羽に対して''やたら殺る気満々な劉備''((まるで桃園の誓いを忘れたかのように「愚かな弟…私自らの手で引導を渡してくれよう」とのたまう。張飛の場合は「一度本気でやってみたかったのよ、どっちが強ええのか」なので違和感がない))、「自分が相手とは難しい戦になるな」とぼやく関羽はよくネタにされる。 ---無双シリーズの司馬懿の代名詞であった「馬鹿めが!」というセリフも、本作の五丈原の戦いに存在する%%様々な武将にバカにされる%%挑発イベントで一躍有名となった。 --ステージによってはモブ武将や兵卒などにも固有台詞がある。モブキャラはもともと別の無双武将と同じ声優の兼役なのだが、その汎用セリフとも声優が異なるためギャップは大きい。しかし、夏侯恩の台詞は彼を討ち取った趙雲と同じく小野坂氏が演じる((趙雲と似た声色で「曹操様に受けた恩を仇で返すつもりか!」と台詞を喋る))等、それならではのネタが仕込まれている。 ---特に強烈な個性を放っていたのが黄巾党の張宝。曹操を担当する岸野氏の裏声という怪演は、同ステージの敵大将である頂角にも劣らぬインパクトと個性を放っており、セリフが少なく無双武将でもないのにクレジットや青二プロダクションにおける岸野氏の紹介ページにも載ってしまうという厚遇(?)を受けている。 ''登場武将の大幅増加'' -操作可能な武将の数が前作の28人から隠しキャラを含めて41人と大幅に増加した。 --「徐晃」「魏延」「孫策」など、前作で要望の多かった武将が多数プレイアブルになったのでユーザーから歓迎された。 ---「大斧を振り回す徐晃」や、「鉄鞭を振るう黄蓋」など三国志演義のイメージ通りの武将もいれば「片言喋りな仮面の狂戦士魏延」「武器から性格までまんま某有名格闘ゲームの''バルログな張郃''」等濃いキャラ付けがされた武将もいる。 ---スタート直後に操作できる武将は前作『1』同様各勢力3人ずつの9人((前作プレイ時の特典要素もあり、同メモリーカード内に前作のセーブデータが作成されていればさらに6人の武将が先行解禁される。))だが、操作できるようになった武将の増加に伴い、武将の開放条件も前作から全体的に緩和された。 --基本的に武将のアンロックは無双モードでのみ行う一方、全員開放までに必要な完走回数も抑えめになったため、より好きな武将で遊びやすくなっている。 ---前作では開放条件として「その勢力の武将全員で無双モードをクリア」する必要があった君主武将は、今作では「それぞれ勢力の武将2人の無双モードのクリア」に緩和されて格段に使用しやすくなった。 -三国に当てはまらない他勢力にも新キャラが追加された。 --南中での戦いを描くシナリオの追加に伴い、孟獲と祝融が他勢力分類の無双武将として登場した。 ---「南蛮夷平定戦」には三国の勢力とは見た目も声も全く異なる「蛮兵」が登場したり、三国志演義の小説でもお馴染みの「毒泉」や「籐甲兵」、そして「象」が登場し通常のシナリオとは一味も二味も違う味付けがなされている。 ---固有要素だらけなこのステージは特殊イベントも豊富。シリーズが進む毎に端折られていくことになるが、孟獲を複数回倒して屈服させるという展開はこの時からあった。%%初回プレイ時や、めんどくさい時はそのまま殺してしまうが…%% ''アクションの増加'' -攻撃可能な回数が4回から6回へと増加した事に伴い、全武将にチャージ5:チャージドライブ((敵を上空に打ち上げてチャージボタンでの追撃))とチャージ6(武将固有の攻撃)が追加された。 --6連続まで出せる弱攻撃、それぞれの締めとして派生する6種類の強攻撃…という共通パターンは、今後まで続く無双シリーズ全体のスタンダードになっている。 -瀕死時に無双乱舞を繰り出すと炎をまとった「真・無双乱舞」へと強化するようになった。乱舞攻撃が若干威力が減る代わりに炎属性になり、〆のアクションが変化する。 --前作では瀕死時は自動で無双ゲージが溜まっていく要素はあったものの、乱舞自体は変わらなかったため、格闘ゲームだった初代『三國無双』以来の復活となる。 -前作では無双武将のモーションに「剣(2種類)・槍・戟」の4モーションのコンパチキャラが多数いたが、本作では武将毎に何かしらオリジナルのモーションが1つ以上用意されたため、キャラごとに別物とはいえないまでも''完全なコンパチでは''なくなった。 --高齢なので無双乱舞の最後によろけてしまう黄忠や、巨体を叩きつけて爆風を巻き起こす董卓など、個性を感じられるモーションがちょくちょく追加されている。 -張角、司馬懿は剣(将剣)からそれぞれ妖杖と羽扇へと変更。本作時点でも将剣を使用する武将が6人と多いが、それを多少なりとも抑えようという意図を感じられる。 -すでに固有モーションを持っていた武将にもメスが入った。特に隙が大きかったり範囲が狭いなどの問題を持っていた呂布は、範囲の広い横振りを多用した豪快かつ強力なモーションに刷新され、「4」までのデフォルトとなった。 --諸葛亮も前作では白羽扇を用いた普通のモーションだったが、本作では初代『三國無双』の''軍師ビームがチャージ攻撃や無双乱舞としてまさかの復活を遂げた''。 ---前作での「普通」の諸葛亮を残念がる声を受けて復活したともいえる。また''司馬懿も負けじとビームを放つ''。~ が、性能的には攻撃範囲が狭すぎて散々なものに。これらのビームはシリーズを経るに連れて太くなる等改良が施される事になる。 ---好評だったのか、以後のシリーズでは''羽扇からビームが定着した''他、他の武将も火球などを放ったりと奇抜なアクションが見られるようになった。(本作まではせいぜい衝撃破を飛ばすぐらいで現実寄りな動きをしている) ''無双モード、シナリオの強化'' -前作では勢力ごとに無双モードのステージは固定されていたが、本作では三国(魏・呉・蜀)の武将それぞれに関わり深い戦いで構成されるようになり、個性がついた。 -比較的小さめのマップ・短時間でクリアになる、小規模な戦いが多数追加された。前作では全てのステージが大規模だったため、一つの戦いをクリアするのに20分以上も時間がかかるという問題点を孕んでいた。 --これに伴い、「宛城の戦い」「潼関の戦い」といった三国志上の有名な戦いも多数追加された。 -各ステージには史実に沿ったイベントが多数追加。孫堅や龐統といった、史実においても戦いの中で倒れた武将には「戦死イベント」が存在している。~ これらの武将は多くの場合、士気が意図的に低く設定されていたり伏兵などで孤立した状態に追い込まれるなど、他の武将よりも敗走しやすい状況に陥りやすく、知らずにプレイすれば史実通りにやられてしまう。~ しかし、あらかじめ三国志の知識があったり、二度目以降のプレイなどで把握していれば、特定の武将が敗走する前にイベントの条件に対応する敵将を倒す事で戦死イベントの発生を阻止できる。 --自分の活躍で「成都の戦い」で龐統を死なせないといった、歴史を変えるカタルシスが味わえる要素である。~ これを無双モードで達成すると、その武将はそのまま生存した扱いとして((通常、無双モードのエンディングにおいて死亡した武将が月にうつる演出があるが、生存させるとその代わりに宴に参加している武将を見る事が出来るようになる。))後続のステージにも登場し続ける場合がある。戦死イベントを阻止して生存クリアすることで、プレイヤーキャラとしてアンロックできる武将も存在する。 --ちなみに、無双モードを1度でもクリアした武将は、戦死イベントが発生しても生存扱いとなり続け、以降のステージにも強制的に登場し続ける。~ その場合、「大岩に潰されたのに次の戦いでは''元気に''総大将をしている孫堅」や、「関羽が''生きている''のに夷陵の戦いでやたらブチ切れている劉備((そもそも夷陵の戦いが関羽の弔い合戦である。))」といったシュールな現象も発生する。 ''フリーモード'' -前作に引き続き、無双モードで登場した全てのシナリオ+味方が全員モブだけの敵軍に味方する裏シナリオもプレイ可能。「呉郡攻略戦」で連合軍(王朗・厳白虎・劉繇)側について孫策軍を蹴散らすといったIF展開も用意されている。 --いずれも通常のシナリオと遜色のないほどボイスが用意されており、純粋にボリュームが凄まじい。 --敵軍サイド側のシナリオにも戦闘準備画面の「概要」が存在し、敵軍サイド側の視点から語られる戦況を聞くことも可能。その全てのナレーションが関羽や魏延を演じる増谷氏によるフルボイスであるという点も素晴らしい。 --呂布や董卓などの他勢力の武将には無双モードが存在せず、以降のシリーズでも見られるフリーモード専用キャラとなっているが、そのフリーモード限定シナリオに事実上彼らが主人公となるものも存在するため((呂布を虎牢関の戦い・董卓軍で使用するとBGMが終始「呂布のテーマ」になるなど、専用の演出が用意されている場合もある。))、大きな批判は見られなかった。~ むしろ呂布を使って五丈原の戦いで大暴れするといった、三國志的にありえないシチュエーションを楽しめると言う事もあり、好意的に見られていた。 -とはいえ流石に限界はあったようで、一部の武将の無双モードに存在する「集落救出戦」「山賊討伐戦」「海賊撃退戦」など選択できないステージが存在する他、無双モードで生存させた武将による登場武将の入れ替えはない。 --後述するように無双モードをやり込むうちに生存武将による置き換えで出番がなくなる武将(孫権)が出てくるため、差別化の意味でも登場武将の入れ替えに対応していないことは問題点とは言い難い。 ''グラフィックが進化'' -同機種前作より倍近いボリュームがあるにもかかわらず、グラフィックはかなり向上している。 --とは言え、発売時期もあるので同機種における後の『4』や『無双OROCHI』などと比べてしまうと苦しいのは否めない。あくまで当時としてはである。 -敵や箱からのドロップアイテムが、光と煙を放出するようになり視認しやすくなった。前作では特に敵将を撃破した際の成長アイテムが目立たなかったために全く気付かずに消えてしまう事が非常に多かった故の改良点である。 -ゲーム中は60fpsで動き、PS2の性能を見せつけている。 ''サウンド面の強化'' -前作では若干SEが篭っており、どれも鈍い打撃音に近い効果音だったが、本作では比較的鮮明に聞こえる音へと差し替わっており、爽快感の向上に一役買っている。このヒット音のセットはPS3版『5』以降で一部が差し替えられるまでの『真・三國無双4』~『無双OROCHI Z』やPS2/PSP版『真・三國無双5(Special/Empires)』まで長らく使われ続けることになる。 --「大斧」や「方天戟」のような長物や大型の刃物は鋭い斬撃音が、「鉄鞭」などの鈍器では重い打撃音が鳴る。一方で「トンファー」などの武具は軽快な打撃音が鳴るので、ただ攻撃しているだけでも爽快感を味わえる。 --本作に限り「真・無双乱舞」や「激・無双乱舞」の発動音も非常に派手で、上位の超必殺技という感じが十二分に出ている。もっともこれは後述の空耳問題に繋がるのだが… -武将の声も同様にハッキリと聞こえるようになり、後のシリーズに比べても攻撃時、ダメージ時、KO時などの声が(演技がかなり大げさになっているのも合わせて)非常に耳に残るようになっている。 ''護衛兵の自由度強化'' -前作ではシステム周りの不便さ故に変に難易度を上げたりストレスをためる要因になってしまうこともあった護衛兵のシステムも改善・強化された。 --前作で頻発した、無謀にも敵に突っ込んでいって犬死にを繰り返したり、成長したら成長したで敵武将のトドメを横からかっ攫われたりといったことも、本作では防御か攻撃といった状況に応じた指示を出すことで抑えられるようになった。 --さらに''現在出せる最大数を上限にプレイヤー側で任意に人数を調整出来るようになった''。~ つまり、成長させて8人出せるようになったからといって、8人全員を出す必要が無いのであれば人数を減らすことが出来るようになった。さらに人数0=出撃させない事もできる。 ---指示を出すのが面倒だという人は最初から護衛兵を出撃させないでおけば良いだろう。~ 特に8人に増えると後述する戦闘中の処理落ちやステルス発生頻度およびその度合いに護衛兵が及ぼす影響は大きくなるので、そういった意味でも出撃させないプレイヤーも少なくなかった。 ---特に高難易度のステージとなると役に立たずにすぐに全滅してしまう事が多く、護衛兵が死ぬ事によって得られる武勲が下がってしまうため、結局は出さない方がいいという形に落ち着く。~ 例外はパラメーターが自キャラ<護衛兵の場合で、最大まで成長すると無双武将の初期値よりも高くなるので高難易度のステージでも適度に肉まんを回収しておけば生き残る事が出来る。ほとんどの無双武将は勲功が0Ptなので意図的に剣や盾を拾わないでパラメーターを上げない様にしないと起こり得ないが、張角と董卓はアンロック時点で初期勲功が60000Ptなので、最初から護衛兵のパラメーターがMAXとなる。~ %%もっとも、初期パラメーターで高難易度のステージに挑むのはかなり無謀な行為ではあるが…%% ''各種UIの改良'' -後のシリーズ作品にも継承されていくモード選択画面のリール演出や、戦場の情報画面など、無双シリーズにおけるUIの基礎も今作でほぼ確立されている。 --各武将の名前にルビ表記が加えられるようになったのも今作から。 ---- **評価点 ''各要素の強化により前作からは比べ物にならないほど爽快感が向上し、完成度も高まった'' -上述の「追加された要素」および「強化されたポイント」はそのまま評価点であるといってもいい。 ''諏訪原寛幸氏によって前作より濃い個性付けがなされたキャラクター'' -ゲーム的に見れば単純に進化である。剣で戦っていた司馬懿が、ライバルの諸葛亮と同じく羽扇で戦うようになったり、キャラごとにモーションに個性が出たりと、~ 操作性を複雑にしないまま多様なアクションが楽しめるようになった。ほとんどのキャラが剣や槍で戦っていた前作は飽きやすい面が少なからずあった。 ''名曲揃いのBGM'' -関羽千里行などに使われる汎用BGM「ARENA」や呂布固有曲「THEME OF LU BU」、五丈原の戦い(蜀)の「SACRED GROUND Ver.2」、無名時代の一青窈氏が曲を提供したエンディングテーマである「生路-CIRCUIT-」など、名曲を挙げるときりがないほど。 --中でも「ARENA」は今もなお多くのファンがお気に入りの曲としてあげる程である((『真・三國無双7』のIFストーリーで「ARENA -DW 7th MIX-」としてアレンジを施されて使用されたのをきっかけに、『無双☆スターズ』(「ARENA -Starlet Mix-」・「ARENA -Stars Mix-」・「ARENA -Stars Mix GT-」)、『無双OROCHI3』(「ARENA -TRINITY MIX-」)でも使用されている。余談になるが、2018年3月17日に開催された「ω-Force20周年記念ライブ」においても演奏され、演奏前に曲目が発表された時に他の曲目以上に大きな反響があったことからも、未だ人気は衰えていないと言えるだろう。))。 ---また、以降の作品ではステージ専用曲は『[[6>真・三國無双6]]』を除いて勢力問わず1つになっているが、本作までは「南蛮夷平定戦」など一部を除いてそれぞれの勢力毎に全く別の楽曲が用意されている((無双シリーズ全体で言えば『戦国無双4』も勢力別に曲が変化するが、あちらは勢力でアレンジが異なる(=原曲は同じ)という仕様。))。例えば上記の五丈原の戦いは、蜀軍でのプレイでは「SACRED GROUND Ver.2」だが、魏軍でプレイすると「GRAVITY Ver.2」がかかるようになっている((プレイする勢力の置かれている状況をイメージした曲調になっているため、同じステージでも選んだ勢力によってプレイ時の印象が大きく違う、効果的な演出である。))。 ---ちなみに、一ステージ中に音楽が変化するようになったのも今作から。呂布のテーマも今作が初出((厳密に言えば前作のオープニングの一つで『真・三國無双』のテーマとして原曲となるものが存在していたが、呂布のテーマとして使用されたのは本作が初。その後、呂布のテーマは様々なアレンジを加えながら毎シリーズ必ず採用されている。))で、虎牢関の戦いでのイベントを織り交ぜた曲の変化演出は、呂布の強大さを引き立たせる事にも一役買った((このイベントにおける兵士の台詞「りょ、りょ、りょ、呂布だ~っ!!」が強烈な印象を残し、巷で使われる「りょ、呂布だー!」の元ネタとなった))。また、本作の呂布はストーカーのごとく追尾してくるため、逃げ切ったと思った初心者プレイヤーを後ろから無情にも屠る姿がより一層呂布のインパクトを強めたと思われる。 ---なお、前作『真・三國無双』の時点で使われていたBGMは基本的に流用されているが、新たにメロディーが加わったり、音質に調整が入っているため後ろに「''Ver.2''」と付記されている。 //メロディーが増えたことがわかりやすいのはOppression ver.2やYellow Storm ver.2やSacred Ground ver.2が該当。 ---- **賛否両論点 ''一部の武将のキャラ付け'' -上述した通り個性付けが強まった結果、一部の武将が硬派な三国志ファンにとっては受け入れにくい要素である事が顕著になってきたのも今作からである。~ 前作・前前作の時点で陸遜が意味不明に若いイケメンだったり許褚がコメディチックなキャラだったりといった事は少なからずあったのだが… --陸遜は夷陵の戦いの時点で39歳であり、先輩格の周瑜は赤壁の戦いの時点で33歳・死去が35歳、呂蒙は関羽討伐戦・死去が41歳。ただ陸遜については、同社の『[[三國志シリーズ]]』においても初代から一貫して若いイケメンである事からそのイメージを踏襲している可能性はある。 -今作では先述した魏延や張郃のようなキワモノとも見えなくもない新武将は勿論のこと、ただでさえ出る幕が無さそうなところに加えて幼めの外見にされた大喬・小喬姉妹を筆頭に、武将としての逸話のない女性まで舞踊的な武器を持って新規参戦(貂蝉は初代『三國無双』にもいた)など、今後の無双の方向性を決定づける''三国志崩壊祭り''であった。 -キャラクター設定および描写に関する不満意見も少なくはないが、特に女性キャラクターに関しては存在自体が以降の作品でも少なからず批判要因になっている。 --初代『三國無双』の時は、女性は三国志演義での重要人物となる貂蝉と、武芸のエピソードがあり主人公格劉備の妻である孫尚香のみで厳選されており、共に三国志演義での描写から大きく外れないキャラクター描写で厳しい批判は少なめだった。だが本作やそれ以降の女性は、女傑の祝融などを除き武芸のエピソードはなく三国志演義での重要度も低めで、キャラの描写もオリジナル要素が強めである。 --大喬・小喬姉妹については、『真・三國無双通信』にて、「小学生や女の子から三国志は知らないけど、二人は気に入っていると言う反応があって嬉しかったが、他の女性キャラとの差別化であの年齢層にしたのは、従来の三国志ファンに申し訳ない」とスタッフがインタビューに答えている。 -結局この「オリジナルなキャラ付け濃い目」的方向性は支持を得られたため、今後も継続されていくことになる。 --後の『戦国無双』シリーズや、他社の『BASARA』シリーズに比べるとこれでも「まとも」とは言われるものの、『三國志』シリーズのファンやその他の三国志ファンなどからはこれ以降、批判も少なからず出てくるようになってしまった。 ---尤もこの作品では(現在と比べてであるが)まだそこまで濃いキャラ付けはされておらず、大半の人物がまともな考えを持って合戦に臨んでいる。上記の通り一見アレな人物に見えて冷徹な面を見せる張郃、各合戦で指揮官として部下を指揮し愛する貂蝉に一途な呂布、懐の大きい王者である孟獲と言う様に、現在とは少なからず方向性に違いが見られるキャラもあるのでギャップを楽しむ事も出来なくもない。 ''声優の演技'' -前作までと違い、ボイス付きの台詞が大量に増えた事もあって「声が武将とあっていない」といった声が多く聞かれるようになった。 --まだ声優が武将の特徴をつかみ切れていない部分が散見され、''渋い顔の髭の武将が可愛い声や甲高い声''を出して似合わないといった点や、一部の武将の棒読みが酷い、空耳ボイスの宝庫といった点などの不満点があげられる。 --一方で本作はイベントやアクションボイス問わずに力のこもった演技がなされており、臨場感は高い。感情が高ぶると''妙に声が裏返る''袁紹も本作が初出となる。 --一部の攻撃を当てるとKOボイスを叫ぶ仕様になっているため、武将によっては連続で絶叫されてうるさかったり、''むねむねむねむねむね無念…''とつぶやく徐晃等、声の使い方を誤ってシュールになっている部分も見受けられる。 --次回作以降は本作と比べると武将の抑え気味になってしまったり、より声優の演技が洗練されたことによりこういった点は解消されていく。 ''チャージドライブ'' -本作から導入されたチャージドライブは自分も空中に浮いてしまう関係上、高難易度では自殺行為と思われているが実際には「当てれば敵は死ぬ」である。 --というのも本作では空中受身高度の制限が高すぎるため、&b(){チャージドライブ1段止めのみでどの武将も永久ループ可能。}~。 三國3では受け身の高度制限が緩和・4からは技自体が変更になったため本作のみのテクニックであるが、あちらでもコレくらい容易にハメ殺したいという意見もかなりあった。 ---- **問題点 ''弓兵が強すぎる'' -爽快感を得られる程度のバランスは維持しているものの、ただひとつ%%%敵の間接攻撃(弓兵と弩兵)も前作から据え置き%%%である。~ こちらの視界外の遠方からいきなり攻撃され、しかも当たると怯んでしまうためにテンポが悪くなり、ストレスに直結しがち。特に馬に乗っている時に弓の一撃で叩き落とされるのはキツい。 -落とされたり怯むだけならまだよいのだが、問題は''高難易度のステージになると矢が一本刺さるだけで敵の無双武将の一撃よりもはるかに重いダメージ''が入ること。矢が乱れ飛ぶ音と共に''いきなり戦死寸前''の状態になっている事も多い。 --なまじ&u(){弓矢に対する防御力(弓防御)は通常の防御力とは別で、伸ばす方法もアイテムや武器のランダム要素のみである}せいで、成長要素で確実に埋め合わせることすらできない。 --あくまで雑兵なので基本的に5人単位で行動し、ステージによっては大量に群れて出現するため、その存在は大いに恐れられた。 ---ただでさえ被ダメージが純粋に高く緩和手段が少ない上、撃つまでがそこそこ速い上、ごく一部のステージでは当たると気絶のチャージ弓攻撃まで使う。プレイヤーを優先的に狙ううえに矢の精度がとても高く、人数も多いので矢を避けづらい。おまけに防御力も高く一連の攻撃を耐えたりもする。そして接近攻撃で仕留め損なうとバラバラに散開してより厄介に…などのストレスフルな仕様。 ---「本作最強の敵は呂布(虎牢関にて、難易度問わず突出したステータスで登場する)でも甘寧(乱舞による即死率が高い)でもなく''弩兵長''」というネタも。 --櫓の上にいる弓兵も平然と狙撃して大ダメージを与えてくる。しかも本作は櫓に登る手段がまだないため、相手をするには有限の弓矢を使う必要がある上に5人の弓兵を弓一本で倒さなければならず、まともに撃ち合おうものならあっという間に瀕死にされる。 ---安全に倒すには弓を構えた状態での無双乱舞による乱射が有効だが、大量に矢を消費する上に一度では倒しきれない事が多い。 ---『3』以降では矢のダメージが抑えられ、櫓を壊せるようになったり、あるいは櫓の梯子を上る事で直接弓兵を攻撃できるようになると言った具合に当然のごとく弱体化され、大抵のプレイヤーからは大いに歓迎された。安直な突貫プレイを牽制する存在でもあったため、一部古参からは「弱体化されすぎ」の声もあるが…。 ''「難しい」モードと高難易度のステージについて'' -本作ではオプションで難易度設定を上昇させると敵のステータスだけでなく士気も上がり、さらに味方の士気が低くなる状態でスタートする。これらについては例外なくすべての武将・軍団に影響する。 --画面外の部隊同士の戦闘は士気を元に行われ、士気が劣っている方が確実に敗走する。それに対し自分の移動速度や殲滅効率はたかが知れているため、ちまちま敵の士気・兵力を削ってる暇がない。~ 挽回するにはすばやく敵将を倒して軍団を士気0扱いにしてしまうか、なりふり構わず総大将を倒してさっさと勝ち逃げするかの2択しかない。~ 初動に出遅れると味方が次々と敗走するため、慣れないうちは味方総大将と付きっきりでの戦いになることも少なくない。 ---中でも「夷陵の戦い」は呉・蜀両シナリオとも激戦であり、''味方の全員生存が極めて難しい''極端な難易度だったため、すぐに士気を互角に持ち込まないと味方が数分のうちに壊滅することがほとんど。~ 特に史実で一敗地に塗れる蜀軍シナリオは武将配置やイベントなど全体的に呉シナリオより容赦のない構成で、ハイパー化(能力やAIが強化されている)敵武将が増援も含め5人と非常に多い。さらに開始後に総大将の劉備に一切近づかずに行動すると、3分で劉備が敗走しゲームオーバーになるなど、時間の猶予がまったくない。 ---これが何を意味するかというと、時間制限のある撃破ミッションを必死こいてこなす過程で''前述の虎牢関の呂布に迫る強さの武将を最大5人も相手にしなければならない''という事。このハイパー武将の中には同じく前述の甘寧も含まれていて即死事故が平気で起きるほか、後半ステージであるために難易度補正で敵自体のAIも賢くなっているなどあらゆる面で厳しく、伝説のステージとまで言われるほどの難易度になった。~ 「呉の孫一門を根絶やしにするのだ!!」という劉備の物騒な台詞から始まって、逆にあっという間に蜀軍が根絶やしにされるといったネタ性の面でも強く印象に残るステージである。 ---また、マップの北西にいる呉の拠点兵長のみ、なぜか周辺の無双武将よりもはるかにタフになっており、倒すのに非常に時間がかかってしまう。その間も絶えず敵兵が補充されるので厄介な存在となる。 ---本来は火計により味方が壊滅する戦いなのに、『難しい』だと火計前から味方が壊滅するという本末転倒な事態に。しかも火計を阻止してしまうと総大将の劉備が味方本陣に後退しなくなり、『難しい』だとかえって敗走のリスクが高まってしまう始末。そしてこの難関ステージが蜀軍の武将全員の無双モードに入っている((無双モードで三国統一という不文律のうえ、呉蜀の大決戦がこの夷陵の戦い以外になかったからだと思われる。))。 --難易度「普通」ではプレイヤー・友軍・敵軍の強さのバランスはまだ良かったのだが、本作の難易度「難しい」以上では味方の弱体化が過剰であり、程良い共闘感を損なっているとする意見が多い。 ''成長要素に対する理不尽補正'' -上記の味方NPCの弱さの一因として、今作と『3Empires』までのシリーズには「自キャラ(1P)の攻撃力や防御力が成長すると、敵全軍の攻撃力や防御力が連動して少し上がってしまう」という謎仕様がある。 -こちらの攻撃力の影響を抑えるための仕様だろうが、もともと「難しい」以上では敵の防御力が十分高まっているため相対的に影響はない。~ むしろ本作は味方NPCがその煽りを食っており、アイテムや武器の付加効果で防御を''上げない方が味方NPCにとって有利''という歪なゲームバランスになってしまっている。 --そしてパラメーターの「防御」と「弓防御」が独立していることは上記したが、この内防御を上げると関係のない敵の弓攻撃力も同時に上がってしまうため、結局NPCだけの問題ではなく自分にとっても無縁ではないというオチが付く。 -つまり、自軍がやられる速度も自キャラのパラメータが影響してしまう。顕著なのが護衛兵であり、装備アイテムのパラメーター強化ができない彼らが、難易度が上がるほどすぐに全滅してしまうのはコレが原因。 --かといって今作の時点は防御手段もたかが知れているため、あえてステータスを低めに抑えて進めるといったランクシステム搭載ゲームにありがちな手も通用しない。~ ステージが長いうえにチェックポイントも任意で保存しなければならないため、死に戻りのリスクはとかく重いものになりがち。 ---この仕様は『戦国無双』で極端な形として露呈した後に『4』で廃止。さらに難易度が高いほど味方NPCのステータスが上昇するようになり、「プレイヤー武将が難易度設定で相対的に弱体化する」という形で改善された。 ''セリフパターンの少なさ'' -武将のセリフのパターンが少なく、誰に対しても同じ口調で喋る事に違和感を感じる事も --モブ武将のセリフも尊大なものが多く、君主の曹操や劉備が配下からタメ口で褒められたり、危機に陥った時に「出すぎだぞ!自重せい!」と怒られてしまう。 --イベントシーンのモブ武将のセリフは無双武将の声優が担当しており、例えば樊城の戦いの関平はイベントでは爽やかな声で謙虚に喋るが、戦闘になると''獰猛な将軍声に変貌''する他、プレイヤーの関羽が活躍すると「うむ、さすがだ!」と偉そうに喋るのでイベントシーンとのギャップがすさまじい。 ---次回作以降ではモブ武将にも専用の声優が当てられた他、目上・目下でセリフが変わったり、特定武将に対する特殊セリフが復活した事により、違和感は解消されている。 ''一部のレアアイテムの使い勝手'' -「鐙」系のアイテムはステージ開始時に馬に乗って開始できるのだが、馬の使い勝手が悪く装備に悩む。 --のちのシリーズでは鐙用の装備スロットが設けられたり、馬を呼べたり、馬がいる場所がマーカーとして表示されたりするのだが、今作の時点ではそのいずれもないために最悪馬が行方不明になる事が非常に多かった。 ---『2』までは、武功ポイントによる階級が十分に高くなければと的蘆や赤兎馬といった上位種の馬に乗れない仕様があり、鐙アイテムはそれを無視することが可能であるものの、やはりメリットは少ない。~ 無視するといっても鐙アイテムの馬のみ無視でき、戦場での馬に対しては適用されない。 --最速の「赤兎馬」といえどそれほど速くなく、足の速い無双武将とほとんど移動速度に差がないため((陸遜に至ってはユニーク武器+神速符で赤兎馬以上の移動速度となる))、尚更使用頻度が少なかった。この点も次回作以降は目に見える程の改善を受けている。 ---今作では陸遜など足の速い武将は徒歩(出来れば移動速度も強化)で移動し、許褚など足の遅い武将は現地調達で済ませるのが妥当か… ---猛将伝では武将の移動速度の上限が落とされ、大将馬より速く走ることはできなくなった。 -「剛柔法書」は鍔迫り合いに負けなくなるアイテムだが、''引き分けにはなる''ため、結局怯んでしまって無双ゲージが無くなるのであまり意味がないものとなっている。~ そればかりか勝つための必要連打数が全く緩和されていない。半分になるならまだ恩恵に与かれたのだが… ''ステルス・処理落ちの増加'' -兵士の数が前作に比べ増えたためか、処理落ちやステルスの発生頻度が増えた。 --ステルスとは互いに攻撃が当たらなくなる透明化状態のこと。本作ではステルスの対象が頻繁に切り替わるうえに敵武将も容赦なくステルスするため、敵を吹き飛ばした場合にステルス解除された敵武将から攻撃されたりする。敵味方の頭数が少ない場所では起こりづらいため、敵の頭数を減らすことや敵武将を集団から切り離すことが重要になってくる。 ---しかし慎重に立ち回ってもステルスが起こることがしばしばあるため、このことに関する批判は当時から少なくはなかった。 -特に2人同時プレイではステルス・処理落ちがひどくなる。無双乱舞で敵を掃討したと思ったらステルス化した事で生き残った敵が大量に現れると言ったケースも頻発していた。 --要するに状況打開のハズがステルスのせいで打開にならず結局新たな危機を迎えるだけになってしまう。(発動後のため再度使うには結局ゲージを溜めなければならない) --また、画面外への敵には攻撃は当たらない。当時のアクションでも諸葛亮や司馬懿のビームでは実害を被りやすく、近接武器中心のキャラクターでもステルスと合わさって意識せざるを得ない場面が多い。 -このステルスや処理落ちの問題はこれ以降もシリーズ通しての課題として残り続ける事になる。 ''ユニーク武器と属性の格差'' -ユニーク武器の『斬』属性が''どんなに強いモブ兵(親衛隊長や拠点兵長も含む)でも100%即死させる''という後のシリーズからは考えられないほどの高性能。 --総大将の親衛隊や先述の一撃で倒しきれない弓兵など、他の武将では倒すのに手こずる厄介な集団でも「斬」の一撃で全滅する。 --斬属性が付加されているユニーク武器「倚天の奸剣」を持つ曹操は、これさえ取ってしまえばあとはチャージ6連発でどうとでもなると言われるほどのバランス崩壊。 --曹操のC6が前方の比較的広範囲を複数回攻撃する上、その全てに武器属性の効果が出る。にもかかわらず''倚天の奸剣の入手難易度は他キャラのユニーク武器に比べて異様に簡単''で、最初のステージにあるため条件を知ったうえで頑張れば初期能力でも取れるほど。 ---類例に張郃も挙げられる。こちらも無双モード1ステージ目が対象のためか、初期能力でアイテム無しでも、簡単に斬属性付きユニーク武器が獲得可能。 --他にユニーク武器が「斬属性」である武将は陸遜・小喬・魏延などがいる。因みに「斬属性」は『3』以降は発動率の概念が導入されて弱体化したが、以降も割合ダメージ効果については無双シリーズ通して賛否両論の状況が続いてきた。 -『炎』属性は本作の時点では十分なスリップダメージが得られるため、C5(チャージドライブの打ち上げ)についている孫堅などはそれを延々と繰り返すだけで完封が可能な強力な属性となっている。 -一方で、増加能力は強力だが属性が無い許褚や、増加能力が非実用的な馬超、その''両方に当てはまって産廃化してしまっている劉備''等、性能が固定ということで武将の格差が広がる結果も招いてしまっている。 --そして、ユニーク武器があてにならない武将は強力な第三武器が手に入るまでひたすら『難しい』設定で高難易度ステージの周回を強いられてしまう。~ このようなユニーク武器の性能格差や第三武器厳選マラソンについては当初こそ否定的意見も少なくなかったものの、結局現在では各武将の個性付けややり込み要素の一環としてひとまずは受け入れられたようである。~ 後に『7猛将伝』のアプデでユニーク武器の自由改造が可能になった際には「真の最強武器が作れることでキャラ格差の是正に繋がる」という歓迎の声だけでなく、「キャラの個性を潰す上、やり込み要素が失われてゲームの寿命が縮む」という否定的意見に評価が二分されることになってしまった。 -残る『雷』属性は追加ダメージよりも集団戦での足止めや無双ゲージ回収が本命とされる。敵が多ければ多い程恩恵を受けられる反面、逆に一騎打ちではほぼ恩恵がない。 ''キャラ性能格差'' -一応対戦があるが基本的に対戦バランスで考慮されることはない。そのため本シリーズでは極端な強キャラについて物議を醸す例は少ないが、やはり高難易度でのプレイが困難な弱キャラはボロクソに叩かれる傾向にある。 --その中でも、本作で弱キャラとして悪名高いのが諸葛亮と祝融。まとめて言えば敵に対して出して有利になる攻撃がほぼ無いため、常に苦戦と隣り合わせ。 --また、無双シリーズは上述の補正がなかろうと基本的に高い攻撃力を数値だけでは生かし辛い仕様になっているせいで、対単体重視のキャラも弱キャラの傾向にある((本作においては張飛や孫策、太史慈等。大ぶりな上に攻撃範囲が狭いため、集団との立ち回りが難しく、さらには張飛にはチャージ6のダメージが入らないバグまで存在する))。しかもそういうキャラに限って歴史では猛将だったりするから救いようがない。 -無双乱舞でも使いやすい武将と使い辛い武将が顕著。特に将剣等の浮かせない乱舞の場合は無双武将に当て続けると確実に反撃の無双乱舞を受けてつばぜり合いに持っていかれる。乱舞時に浮かす乱舞の場合は空中ダメージの仕様により、一撃の威力は落ちるがどんな武将にも最後まで当てる事が可能といった点。 --将剣キャラの乱舞は一撃が重い上に重ね当ても出来るのでまだマシなのだが、一撃が軽い孫策や範囲の狭い太史慈の乱舞は弱い上に当て続けると反撃され、さらにはフィニッシュをガードされてしまうと反撃確定と、緊急回避以外の使い道がない。 --逆に扱いづらいが突出して強力なのが甘寧。乱舞は剣を片手にダッシュしながら突進するものだが、複数ヒットさせづらい代わりに一撃の威力が他の武将の無双乱舞の比ではないぐらい高く(一撃で他の武将で全弾当てたぐらいのダメージが入る)、しかも密着して当てれば複数回ヒットさせて高難易度だろうがあっという間に敵将を仕留められる超威力。間違いなく乱舞一筋で最強クラスのキャラになっている。 ---しかも甘寧はユニーク武器で無双増加量が大幅にプラスされる((本作での無双増加量は〇ボタン押しっぱなしによる無双ゲージのチャージにも適用されるので非常に強力。次回作以降では攻撃を与えた時のみの増加と弱体化した))ため、この凶悪乱舞を連発でき、斬キャラに匹敵するほどの敵殲滅能力を誇る。むしろ乱舞の仕様上、攻撃中は無敵なので斬キャラより安全かつ一方的に敵を倒す事が可能。 ---もちろん、この甘寧の乱舞は敵に回った時も凶悪そのものであり、むしろ''敵の無双武将は乱舞を突然出してくる''という仕様にあまりにも噛み合いすぎている。このことから高難易度の甘寧は浮かせて空中コンボで対処しないと常に即死の危険性がついて回る。 ''バグ'' -2人同時プレイは初めて故か、細かい物から致命的なものまでバグが散見される。 --本作では2P側が「自分の攻撃でふっ飛ばしたキャラに当たってダメージを受ける」というバグを抱えているため、吹き飛ばし属性の多い無双武将を使いづらくなっている。 ---特に黄蓋などの体当たり系のダッシュ攻撃をもつ武将はタックルすると敵と一緒に自分が派手に転んでダメージを受けるというコントのような現象が発生する。~ 呂布はタックル系ではないが、ダッシュ攻撃の踏み込みが長すぎるため、やはりダッシュ攻撃を当てると自分も一緒に錐揉みで飛ぶ。 --&bold(){敵の強さに関しては1Pのステータスが元になり、2Pのステータスは無視される}ため、成長度合いが極端に異なる武将で2Pプレイをするとステージの難易度が異常になってしまう。 ---総大将が一発当てただけで倒せたり、逆に''雑兵の一撃で即死する''といったゲームにならないほどの極端なバランスになってしまう事も。 ---これを逆手に取って、1Pを成長前の武将に、2Pを育てきった武将にする事で高難易度のステージを簡単にクリアできる。入手の難しいユニーク武器や質のいい武器集めに重宝された。 -カットインイベントにもバグがあり、一部のイベントで女性武将が喋るシーンで操作武将と入れ替わってしまい、''オカマ化してしまう''などの珍事が発生した。 -弓を構えた状態で、城門が開くイベントが発生すると閲覧注意レベルの表示が見えたり、マップの隙間から異次元に行けるなど、細かいバグが散見される。 ''前作ほどではないにしろ、CPU武将の回復が早く厳しい'' -体力が減ってきたら撤退するなど生易しいことはせず、たとえ戦場のど真ん中であろうといきなり溜めモーションに入ったかと思いきや''ピキーン''という効果音とともに''短時間で体力が大きく回復する''。一発攻撃すれば阻止できるが、ドロップアイテムを拾っている・起き上がりまでのうちに回復された、などということも。 --前作は起き上がるだけで回復されたのでだいぶん緩和された方ではある。敵の溜めモーションの間は無防備になるので攻撃のチャンスにも繋がる。 --特に''無双乱舞の予兆がまだ無い''ため、割り込まれて吹っ飛ばされたあとに溜め回復などはこちら側は完全になす術が無い上に、頻繁にこのコンボをやってくる。~ また、本作の無双武将は一定回数の連続攻撃を地上で受ける(ガードする)と乱舞で割り込んでくるため、嫌でも手を止めないといけない。 ---それでも今作は&u(){回復の回数自体が有限}になったのがまだ救いではある。また、仕様自体は味方CPU武将も同じである。 ''第四武器(ユニーク武器)・レアアイテムについて'' -難易度を「難しい」にした上で、それぞれ武将ごとに対応した特定のステージで特殊な条件((敵を倒す順番、時間内にイベント発生など、レアアイテムの出現多彩に渡る。))を満たせば入手できるのだが、''全くゲーム内でのヒントがない''。 -多くの武将は三国志上で活躍した戦場で史実通りの行動を起こす(張飛の場合は長坂の戦いで仁王立ちイベントを起こす)か、戦死した武将の場合はその原因となった敵を倒して生存条件を満たす(孫堅ならば呂公を撃破する)といった条件が設定されているため、 三国志に詳しい人ならばある程度条件が推測できるように考慮されている。 --しかし女性武将等、史実で戦場に出なかったキャラは困るし、そして無双モードで通らないステージが条件であるなどの例外もいた。よって自力で全てを見つけるのは尋常ではなく困難であり攻略本や当時のゲーム雑誌やネットに頼らざるをえない。 ---一応、後のシリーズ(2猛将伝も含む)と比較すれば極端に難しい/難解な条件は数が限られるものの、やはり自力取得は厳しい。 -また、輸送部隊から入手する武器やアイテムの場合、輸送部隊出現の報告と位置は情報履歴に残るものの、輸送部隊自体は一般兵に分類されるため、部隊表などから現在位置の確認が出来ず、時間が経過すると移動する上に最終的に特定の拠点から退却するため、初見殺しとなっている。このため、輸送部隊を出すまでの条件の割り出し、輸送部隊の出現位置、退却位置までも把握しなければならないため、後作と比べても入手の難易度がかなり高い。 ''カメラワーク'' -特別悪いわけではないが、カメラ操作がガードによる視点切り替えしかなく、右スティックで自由に動かすことができない。 --本作では画面に映っていない敵は攻撃が当たらない。そのため、真・無双乱舞でカメラが武将の真ん前に向くことがあり、満足にビーム攻撃が当たらない司馬懿や諸葛亮は非常につらい。 ---なお、カメラを自由に動かせるようになるのは『戦国無双2』、三國無双だと『5』まで待つことになる。 ---- **総評 前作のあらゆる要素を強化した正統続編。追加されたやりこみ要素に関するバランスの粗がかなり多いことだけが惜しまれるが、爽快感・完成度ともに飛躍的に上昇。~ 他のゲームにも少なからず影響を与えた一騎当千タクティカルアクション・無双系ゲームの普及の契機となった作品として、本作は十分にその名声を上げてくれたといえる。 ---- **余談 ''本作にまつわる空耳ネタ'' -ネット上において同人や無双シリーズのファンサイト、時にはそれ以外の場(ネット外含め)などにおいて張遼のことを「''山田''」と称することがある。~ そうなってしまった原因を作ったのは実は本作であり、張遼の「真・無双乱舞」発動時の台詞「''邪魔だぁぁぁっ!!''」が「''山田ぁぁぁっ!!''」ととても空耳しやすかったため、そのあまりのインパクトからいつの間にかネットスラングとして広まったという経緯がある。 --これはコーエーも積極的にネタにしている節があり、張遼は『3』以外、以降の作品でもどこかしらに「邪魔だ!」というボイスが仕込まれている。 ---『4』ではエヴォリューション攻撃の締めとして早くも「邪魔だぁ!」が復活した他、「''邪魔立''ていたすと容赦せぬ!」というセリフも存在する、 ---『5』では再び真・無双乱舞時に加え、乱舞の締めにまた別の新しい空耳をひっさげて復活した。 ---『6』以降は強攻撃2のボイスに当てられて、非常に頻繁に聞かされるようになる。「じやまだ」と発音しているため確信犯だろう。 --なお、本作の真・無双乱舞は発動SEがうるさかった+演技に慣れていない声優がちらほら見受けられるため空耳の宝庫と化していて、甘寧は「''茅ヶ崎行ってきたぜぇっ!''」(「血が滾ってきたぜぇっ!」)に聞こえたり等様々である((甘寧は一部ではこの空耳が原因で「茅ヶ崎」と言われていたりする。こちらは後のシリーズではかなりはっきりと正しく聞こえるようになっている。))。 ---他にも曹操が「''滅!''」→「''イェース!''」、孫尚香が「''覚悟ー!''」→「''テレポート!''」と言った空耳も…(勿論''山田''の知名度には及ばないが) ---張遼に話を戻すが、本作のユーザーでなければ意味が解らない呼び名であり、場所によってはこの呼び名を嫌悪している事もあるので、無闇に使うべきネタでないことには留意しておくべきだろう。~ 特に張遼を演じた田中大文氏はこれの影響で一時期「山田」と散々言われて多大なショックを受けたという話もある。最近はもはやメーカーともども開き直っているようだが…。 --効果音を下げてボイスだけ聞いてみると「じゃまだぁぁぁっ!!」と「じ」の部分ははっきり聞こえることが確認できる。そのため、後のシリーズと違い本作の「山田」は偶然の産物であることが分かる。 ***旧無双のNPCについて -現在でこそタダの殴られ役でしかない一般兵だがPS2版当時は違う。''連続攻撃最大4段~5段で''殴ってくる。 --もちろん個々は大した事は無い。だが5人一組の編成を組み(武将と親衛隊は最大9人一組)、それらが何組も集まって数の暴力で襲い掛かってくる。 ---難易度が高ければ高いほど攻撃も活発になる。一度攻撃を受けたらそのままボコボコにされ、ガードしたらしたで剣戟の嵐に見舞われなかなか反撃できなくなる。 ---しかもチャージ攻撃も揃っているため、気絶攻撃だの打ち上げだの攻撃方法も多彩。''後半ステージともなれば部隊長クラスの兵士が無双乱舞を使う''((兵卒の乱舞は無敵ではなく、攻撃で崩すことが可能。ちなみにモーションは夏侯淵や呂蒙といった汎用モーションの無双武将と全く同じである))。 ---こちらが攻撃している最中(無双乱舞発動時は除く)でも後ろや攻撃判定の死角から横槍を入れたり、特に諸葛亮など通常攻撃のリーチが短い武将だと判定外から差し返されることも珍しくない。 ---弓兵、弩兵も連続攻撃こそないが、同様に物量と相まって攻撃頻度が絶妙に高い。 -その中でも武将に侍るエリート兵の「親衛隊長」は高難易度だとモブ武将並みに固くなる高ステータスがあり、なめてかかると敗因になりうるほど苦戦する。代わりに撃破すると大きな肉まんを落とすので、上手く対処すればある程度余裕ができる。 --勿論難易度が上がれば。姿は鎧兵なので混戦になればお供の親衛隊や別の部隊の部隊長(伯長や卒伯など)に紛れて見失いやすい。 -そうした状況下で「一騎当千」をやるのであれば、囲まれた状況にならないよう立ち回りに気を使う、各種チャージ攻撃やジャンプ攻撃を駆使して敵の行動を少しでも封じる、横や背後に敵が陣取ってしまった場合はく包囲から抜け出す、放っておくと面倒な弓兵は真っ先に潰す、と言った事を臨機応変にやらなければならない。 --つまるところ、''この当時の無双シリーズの一般兵士はステータスやアクションに制限がかかっているだけで、それら抜きの基礎仕様はプレイヤーキャラとあまり大差がない''(これを活用したのが「4猛将伝」の立志モード)。 そして攻撃中断されないスーパーアーマーもほとんど稀だったので、何も考えずに兵士の包囲中に突っ込んで強引に暴れるということがやりづらくなっている。 -だがアグレッシブなのは味方一般兵も一緒。 --何かと集団リンチにあいやすい今作だが、敵味方が入り混じると敵兵のターゲットが移り変わりやすくなっている。要するに''自分が狙われにくくなる''。 ---手強い敵武将はまず味方の集団に誘い込んだうえで、回りの兵から掃討して(なるべく士気を削ってかつ管轄の拠点も潰す)、孤立させる状況(出来ればお供の親衛隊も倒す)を作り上げておけば敵武将と言えど自軍の一般兵に封殺されやすくなる。(代わりに''ステルスや手柄の横取りが厄介''な上に味方の士気が低いと逆に蹴散らされてしまいかねないが) ---これは基本的にハイパー化していないNPC武将は敵味方問わず''部隊長クラス以上のNPCの攻撃で必ず怯む''ため。 ---特に味方の弓兵・弩兵は敵のターゲットを奪いにくいかわりに敵武将の阻害としてはなかなかのもので、ダメージ以外ほぼそのまま敵武将に跳ね返ってくる形になる。護衛兵にも弓兵・弩兵が選べるが、それを好むプレイヤーも多い。 -基本的に自分についてくる所属部隊は撃破数達成や敵将撃破の影響を受けやすく士気が上がりやすい。場合によっては直属の一般兵(言うなれば部下)が敵武将を撃破する事もあるし、今作では''敵が起き上がり時に回復・強化しなくなった''ので味方兵士のふっ飛ばしも足を引っ張りにくくなった。 --先述の櫓の上の厄介な弓兵達も自分で倒すのは非常に骨が折れるが、士気が上がった味方が画面外で交戦するとあっという間に殲滅してくれる。(敵の士気が上がりすぎていなければの話だが) --また、前作同様に敵を倒していけばその軍団の士気が徐々に下がる。戦場全域に分布している総大将直属の兵を倒し続ければ表記以上に有利になる場合もある。~ %%それまでに味方が残っていない事も多いが%%ひたすら敵兵のせん滅に専心して士気を奪っていく事も有効な攻略手段である。 ---本先までは1000人斬りを達成すると真の三國無双と称賛されて全部隊の士気が最大になっていたが、1000人斬りの士気増加量は『3』以降では通常と同程度に抑えられ、実質賞賛台詞のみとなった。 --そのため、単なるアクションゲームとしての爽快感だけではなく、RTS的に変化していくマップを意識させることで「己の活躍が戦局を変える快感」といったキャッチフレーズが体感できるバランスとなっている。~ この戦略性は当時の制作側も多分に意識していたようで、取扱説明書にも「''武将が成長するまでは、単独行動は避けよう。突っ込み過ぎて孤立してしまうと大量の敵に包囲されて袋叩きにあうのがオチだ''」と記載されている。そして、そのようなゲーム性を現行の無双シリーズよりも好んでいるプレイヤーもまた居る。 -また、一般兵同士で鍔迫り合いを行うこともしばしばあり、この点においても無双武将との仕様差が少ない((一般兵同士であれば兵卒vs親衛隊であっても鍔迫り合いを行う。例外として護衛兵だけは何故か一般兵とは鍔迫り合いを行わず敵武将と鍔迫り合いを行い、必ず押される。))。 -ちなみに一般兵の通常攻撃回数が単発でない無双シリーズは三國が『4』(PS2シリーズ)まで、戦国が『初代』のみとなっている。~ それ以降の無双シリーズでは一般兵は実装レベルからさらに差別化されることになるが、これがゲームバランスの大幅変化につながっていったとも見れる。 ''自重(じちょう)とは'' -[名](スル)~ 1-自らを重んじること。自分の品性を保ち、卑下しないこと。自尊。「自尊―苟 (いやしく) も卑劣な事はできない」〈福沢・福翁自伝〉~ 2-言動を慎んで、軽はずみなことをしないこと。「好漢自重せられたし」「隠忍自重」~ 3-自分の健康に注意し、大切にすること。自愛。「なにとぞご自重ください」 -今作(に限った話ではないが)では味方から一定距離以上離れた状態で体力ゲージが半分以下(黄色表示)になると、自軍の総大将から「''出過ぎだぞ。自重せよ''」とのお叱りを受ける事がある。 --要するに「一人で無茶はするな」「身勝手な単独行動は慎め」という事である。 --こちらも取扱説明書に「戦(いくさ)は一人でするものではない」と記載されており、通常の難易度かつ大抵のステージなら味方と一緒に戦えば安全にクリアできるようになっている。~ しかし「''自重''せよ」と注意を受けたプレイヤーは数知れずで、今作がこの言葉を知らしめたとか… --なお自キャラが総大将であった場合は別の台詞になり、部下や護衛兵から注意を促される。~ %%姜維「危険です。自重なされよ。」%%~ %%護衛兵「友軍と合流致しましょう。」%% ''その他余談'' -今作では大喬・小喬姉妹のキャラ付けが固まっておらず、二人とも似たようなお転婆娘のようなキャラ付けをなされていた。~ 次回作『3』以降では「御淑やかな大喬とお転婆な小喬」と差別化が進んでいくが、今作時点では大喬は「''大喬でーす!''」等軽口を叩くようなキャラだったため、今改めて見返すと物凄いギャップを感じるように。 -前作から甘寧及び張遼の声優が変更され、以降のシリーズでも固定されたため、無双武将の声優が出揃った作品であると言える。以後は司馬懿役の滝下氏の死去による交替を除いては本作のキャストがそのまま演じ続けている。 -今作で導入された、戦死イベントによって本来退場する武将が生存し以降のステージでも登場するシステムによって割りを食う形でやや不遇な扱いを受けてしまったのが孫権である。 --本来、孫権は呉の君主として多くのステージで呉の総大将として登場するのだが、孫堅または孫策で無双モードをクリアすると、以後孫権の枠はその2人と置き換わる形となり、''孫権自身は無双モードでは一切登場できなくなってしまう''((フリーモードでは通常通り登場する。))。 ---武将の置き換えによってステージでの出番が増減するのは他の武将にもいえることなのだが、孫権の場合登場するステージ全てで総大将を務めており、かつ置き換えられた際に再配置されるステージが一つもないためにこういった状況が起きてしまった((孫堅と孫策の比較でも登場順では孫堅の方が優先されるため、最終的な出番の増減という意味では似たようなことが孫策にも言えるが、こちらは孫堅が登場する設定となってからも登場するステージが残されているほか、配役の変更によって自身が登場するイベントの一部演出が変化するなど少なくとも顔見せはしており、孫権と比較すると不遇と呼ばれるほどの扱いには至っていないと考えられる。))。 ---PS2時代の無双作品では孫堅を君主として扱っていた向きがあり、特に次回作では完全に君主の座を奪われてしまった。孫権自身の待遇の改善にはしばらく時間を要することになる。 -今作でゲストとして登場した中国神話に登場する人物の伏犠・女媧は、『[[真・三國無双3]]』以降はエディット専用モーションになる形で削除されたが、後に『[[無双OROCHI 魔王再臨]]』にて長い沈黙を破り再登場を果たした((もっともこちらでは外見を含めたキャラクター設定等がほとんど全て刷新されているため、実質的に同シリーズオリジナルキャラとして移籍しているといえる。))。 -事典に武将のデータが記載されていながら、実際にはゲーム内に登場しない「&ruby(はんのう){樊能}」という武将がいる。 --「呉郡攻略戦」で登場する劉繇の配下であり、本来は同ステージで共に登場するものだったと考えられるが、登場しなかった理由は不明。 --以降の無双シリーズ作品にはモブ武将として普通に登場している。 -旧無双をプレイした人なら一度は遭遇した事があるであろう、苦戦している味方の救援に駆けつけてみると、肝心の味方は元気に戦闘を続けていた、という現象。これには画面外でのNPC同士の戦闘における仕様が関わっている --PS2における無双シリーズにおいて、画面外のNPC同士は最初から武将にダメージを与え合うわけではなく、まず武将の取り巻きの兵士から削りあいが行われていく。言い換えると、兵士が武将のダメージの肩代わりをしてくれているのである。そのためこの段階ではまだ武将へのダメージが入ることがない。 --そして苦戦報告を上げている武将は、すでに兵士がある程度倒れ、武将に少しでもダメージが入ってきている可能性が高い状態ということになる。武将の体力が全く減っていないように見える場面でも、よく観察すると取り巻きの兵士・護衛兵の数が明らかに少なくなっていたりと、実際にはやはり追い詰められているのである。 ---武将ごとの兵力ゲージはあてになるわけではないが、決して嘘はつかない要素である。これらの仕様は『6』以降は形骸化されてしまったが、本シリーズの戦略性の高さに貢献している要素の一つと言えた。 ---- *真・三國無双2 猛将伝 【しん・さんごくむそうつー もうしょうでん】 |対応機種|プレイステーション2|CENTER:&amazon(B0009Y48ZA)&amazon(B00006BX9C)|CENTER:&amazon(B000087NBG)&amazon(B00006L90K)| |メディア|DVD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2002年8月29日|~|~| |定価|通常版:3,980円&br()プレミアムパック:9,800円|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |セーブデータ|262KB以上の空きが必要|~|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象((廉価版で付与されたレーティングを記載。))|~|~| |コンテンツアイコン|セクシャル・暴力|~|~| |廉価版|コーエーメガパック((プレミアムパックの価格改訂版。))&br()2003年2月6日/7,200円&br()コーエー定番シリーズ&br()2005年8月11日/1,480円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(猛将伝) 無印の好評を受けて、発売された追加ディスク。~ 新たなアイテム、第五武器、他勢力のシナリオなどの新要素をひっさげて帰ってきた。~ **特徴(猛将伝) ''他勢力の無双モードの追加'' -無印に存在しなかった他勢力(張角・董卓・呂布・袁紹・貂蝉・孟獲・祝融)の無双モードが追加された。 --貂蝉による「連環の計」によって天下を巡りやがて対立していく呂布と董卓や、曹操との戦いに主眼を置いた袁紹、一度反乱に失敗するも苦境に立たされた民を救うという信念を取り戻し苦境に立ち向かう張角、史実では敗れた諸葛亮を逆に負かしていく「逆七縱七禽」をテーマとした孟獲、各勢力の武将夫婦たち((『2』発売時点ではゲーム内で関係性が描写される場面がほとんどなかった劉備・孫尚香夫婦が初めて共演を果たしたシナリオでもある。))に夫の孟獲と共に挑んでいく祝融など、それぞれのシナリオが個性的。 --いずれも南蛮勢力を除いて三国の成立までに滅ぼされた勢力である等の立場からして、オリジナル色が強いシナリオになっている。 --シナリオはすべて無印と独立している。猛将伝の「虎牢関の戦い(董卓軍)」や「官渡の戦い(袁紹軍)」など、マップは使い回されているが展開はほぼ別物になっている。 ''チャレンジモードの差し替え'' -種目は無印と異なり、目標地点へのタイムアタック「速駆」・足場外へのふっ飛ばし人数を競う「流星」、敵兵にコンボを決めてスコアを稼ぐ「連撃」と、3種の通しプレイ「統一」の四種類が遊べる。 --特にそれぞれのチャレンジモードで一定の記録を出すとレアアイテムが手に入るため、挑戦する必要性が増した。 ''難易度「最強」「初心者」の追加'' -難易度「難しい」をはるかに上回る「最強」難易度の追加。異様に敵兵が強くなり、少しの油断でNPCもパラメーターをMAXにまで育てた武将もあっけなく戦死するなどの激辛難易度。 -一方でさらに難易度を緩和した「初心者」も追加され、アクションが苦手な人にもフォローが出来ている。代償として難易度「初心者」では各種レアアイテムは入手できなくなっている。 ''第五武器と新アイテムとコスチュームの追加'' -難易度「最強」にした状態で新たに特定のステージで条件を満たす事によって第五段階の武器が手に入るようになった。 --第五段階専用の属性として「風」属性が追加された。敵を上空に吹っ飛ばす効果を持ち、コンボの起点になるものとして位置づけられている。 --第五武器には属性の代わりに特定のレアアイテムの効果を持つものも存在する((呂布の第五武器は赤兎鎧をつけなくても赤兎馬に騎乗してスタートできる、など))。 --また、第三武器のデザインを流用していた第四武器とは異なり、第五武器は全て完全新規のデザインの新武器。これをキッカケとして、以後の作品における隠し武器には専用のデザインが用意されるようになっていった。 -レアアイテムを含む新たな装備アイテムも追加。気絶しなくなる「戦神兜」や、起き上がり時に攻撃力が2倍になるが防御力が激減する「狂撃術書」等。 --「レアアイテム」と「第五武器」の入手条件は様々であり、追加ステージや従来のステージに隠されている。 --また、コンボポイントを上げてクリアする事でアイテムのレベルが限界突破をするようになり、収集の楽しみが増した。 ---上手くいけば確定で限界突破アイテムが出現するため、高レベルアイテムの収集は無印より格段に楽になった。 -キャラクターごとに色違いのコスチュームが用意された。~ また、それとは別に同コーエーが発売した『[[三國志戦記]]』での衣装が呂布と孫尚香の2人に隠しコスチュームとして収録された。~ 呂布の方は条件を満たすとスペシャルステージと題して敵としても戦記衣装で登場し、ステージのBGMも三國志戦記のものへと変化する。 ''護衛兵システムの変更'' -護衛兵を4部隊((デフォルトでは魏/呉/蜀護衛隊と近衛隊の4部隊が設定されている。))作成出来るようになり、さらに護衛兵それぞれに名前が設定出来る((無印までは護衛兵は全て「護衛兵」表記となっていた。ちなみに郭淮、月英(本作では「黄月英」)、蔡文姫など後の作品で無双武将となった武将の名前がデフォルト名に当てられている例もある。))ようになり、風貌も南蛮兵や女性兵士などから選択出来るようになった。 -護衛兵の方針に「鉄壁」と「援護」が追加され、階級アップ時に増える能力を自分で決められるようになった。 --特に「防御」を重点的に上げて方針を「鉄壁」にする事で、難易度「最強」の後半のステージでも生き残る事が出来るため、囮に使うといった使い道が出来た。 -選択出来る武将にいくらかの制限がかかるが、フリーモードの1人プレイ限定で無双武将(プレイアブルキャラクター)を護衛兵に出来る「''無双護衛兵''」が追加された。こちらでプレイした場合は通常の護衛兵は登場せず、選択した任意のキャラを護衛武将として共に戦うことが出来、本来はプレイヤーが2人いないと繰り出せない特殊な無双乱舞である「''激・無双乱舞''」が繰り出せるようになる(いつでも出せるわけではなく敵兵を50人撃破する度に使用が可能になる)。 --しかし、無双護衛兵も高難易度かつ後半のステージになると力不足であっさりと戦死してしまう事が多いため、高難易度だと人数の多い通常の護衛兵の方が使いやすい。 ---護衛兵のシステム自体は『3』まで続いたが『4』では護衛武将に取って代わられ、いつしか無くなってしまうがあまり惜しむ声もない。 ---なお、無双護衛兵は''1人プレイでの2Pプレイの疑似再現として激・無双乱舞を繰り出す''要素の先駆けとなり、これが『4』の護衛武将の原型となった。 ''MIXJOY'' -『猛将伝』単品でもプレイは可能だが、無印の無双モードやフリーモードを猛将伝の仕様でプレイするにはゲーム中に無印のディスクを認識させる必要がある。 --専用のモードから一度無印のディスクに入れ替えて認識に成功した後にもう一度本作のディスクに入れ替える事で完了。電源を切るまですべての要素を楽しめるようになる。 --三国武将の第五武器やアイテム等は無印のステージに隠されているものも多いので、すべての隠しアイテムを手に入れるにはMIXJOYが必須となっている。以後のシリーズの猛将伝の多くにもこれは継承されている。 **評価点(猛将伝) ''バグの修正'' -無印で問題となっていた、2Pプレイ時にチャージ攻撃で自分がダメージをうけるバグが修正されており、ようやくまともにプレイできるようになった。 -呂布で第二武器を使用した際の通常5連目の隙が増大した(無印では不自然なほど隙が少なく強力だった)。 -女性のイベントに男性武将が入ってしまいオカマ化するなどの細かいバグも修正されている。 ''第五武器の追加による選択肢の増加'' -第四武器が冷遇されていた武将も新たな属性や能力を試すことができるようになり、選択肢が増した。 --夏侯淵のように『斬』持ち武器が追加されて一気に強キャラになった例もある。 ---また、全ての武将が第四か第五武器の最低でもどちらかになんらかの属性を持つようになった。 ''他勢力シナリオの作り込み'' -三国勢力の無双シナリオは共通のステージと若干の固有イベントであまり差別化されていなかったが~ 本作の他勢力のシナリオはそれぞれのステージと武将専用のイベントで大いに差別化されており、三国勢力に比べて非常に個性が強い。 --三國志戦記のスペシャルステージや、貂蝉が呂布の下を''力づく''で去る「貂蝉千里行」。妻(パートナー)を倒すと夫武将がブチ切れる「合肥新城包囲戦(祝融軍)」等中々濃いシナリオがそろっている、~ 後のシリーズの猛将伝で見られるちょっとぶっとんだ追加シナリオのはしりかもしれない。 ''全てのプレイアブルキャラクターが最初から選択可能'' -無印では特定の条件を満たさないと使用できないキャラクターが、猛将伝では隠しコマンド等無しで最初から使用できる。 --以降、戦国無双も含め、猛将伝では全てのキャラクターが強制アンロックされる仕様が定着することになった。 **問題点(猛将伝) ''さらに難解になり、それに見合わないユニーク武器'' -無印でも問題になった点ではあるが、さらに条件が難解になり((ステージが増えた事や史実とは関係のないステージが条件である武将が増えたため))、ノーヒントでの入手はほぼ不可能。特に張遼の第五武器が難解だった((俗に「山田決死隊」として全戦場で考え得る限りの条件を試すある種のローラー作戦が展開されたことで知られる。似たようなものでは、後の『真・三國無双4』のレアアイテム「絶影鐙」に対しての「絶影決死隊」がある。なお、「張遼決死隊」ではなく山田となっている理由は余談を参照頂きたい。))隠し要素であり、この問題は長年の間、実に『真・三國無双4 猛将伝』まで付きまとうことになった。 -しかも''難易度「最強」が前提条件''。そんな鬼のような条件を満たした末に取った武器が''不相応な低性能''という武将が多々存在しているのがたちが悪い。甘寧((第四武器では「無双増加量」が大幅にプラスされ、全無双武将の中でも最強の威力を誇る乱舞を連発出来ていたが、第五武器では性能がほぼ同じで「無双増加量」が「肉まん回復」に差し替えられており、弱体化している))や曹操((武器の性能そのものは悪くないものの、C6で有用な『斬』消滅がそれ以上に影響している。))などは明らかに第四武器よりも弱い第五武器とされている。 --つまるところ、第五武器は第四武器よりも入手が格段に難しいにもかかわらず、上位互換ではなく別タイプのユニーク武器というニュアンスになっているため、無駄にガッカリ感が助長されている。~ 特に蜀の武将の第五武器は不遇なものが多く、とりわけ&color(red){どちらのユニーク武器も悲惨な性能である劉備など}は筆舌に尽くし難い… --また、追加された『風』属性は敵が吹き飛ぶだけでほとんど意味がない%%文字通りの%%空気属性と化している。コンボを稼ぎやすいという利点もほとんど生かされない。 ''難易度「最強」の最凶バランス'' -敵兵が異様に強化され、士気のバランスも厳しくなった結果、よほど能力アイテムを稼いでいなければ『斬』ありきといっても過言ではないバランスになってしまった。 --難易度に因る敵の強化もさることながら、そのためにプレイヤーキャラを鍛えた時の敵の補正も助長されて味方は相対的に弱体化しすぎている。こうなるとますます士気を奪う余地がなくなるので、敵軍団長や敵総大将の速攻撃破を要求されやすい尖ったバランスになっている。 --もはやソロプレイでは厳しいバランスに片足をつっこんでおり、『斬』所有武将を2Pで操作して条件を満たすといった搦め手から攻めたり、そもそも第五武器をあきらめてしまうプレイヤーが続出した。 -第一無印の「難しい」でも後半ステージとなれば''十分凶悪な難易度''((ちなみにPS2版シリーズでは彼我のステータス差によってのけぞり耐性やガード崩しが発生することがある仕様。そのため、難易度「難しい」以上の後半ステージで初期ステータスの武将を使うと、(装備にもよるが)敵武将がスーパーアーマー&ガード不可と化す))となる。そこから更に凶悪になったのだから余計性質が悪い。 -難易度を高くすると、味方の士気が低くあっという間に敗走するが、これには例外がない。特に呂布はシナリオ上では敵を見下し、勇ましいセリフで啖呵を切るシーンが多いのだが、高難易度ほどあっという間に敗走してしまうので様にならなくなっている。 ''一部のシナリオの難易度'' -猛将伝の「合肥の戦い(袁紹軍)」は袁紹でプレイするとただの少し難しい程度のステージだが、それ以外の武将で高難易度でプレイした場合、装備にもよるが総大将の袁紹が開始から2分も保たない(難易度最強、防御MAX、攻撃最低という極端なステータスだと''30秒以内でゲームオーバー'')という恐怖のステージになってしまう。 --その他のシナリオでは基本的にプレイヤーは総大将の所属武将として扱われるので活躍次第で総大将の士気が上がって強化されるため、総大将が敗走する事はあまりないのだが~ このシナリオの場合は何故か&ruby(えんしょう){''袁尚''}の所属武将にされるため、プレイヤーが活躍しようが&ruby(えんしょう){袁紹}が敗走しやすい。おまけに袁尚が敗走すると(甘寧を撃破すれば敗走することはなくなる)以降士気があがることはまず無いためますます大変になる。 --張郃でプレイした場合は配下将も居る軍団長なので多少楽ではあるのだが…。 --また、ほぼ同じ内容で董卓軍や南蛮軍の合肥の戦いもあるのだが、こちらは総大将に所属されるため、プレイヤーの活躍次第で難なくクリアできる。%%まさか袁紹と袁尚を間違えたのでは…%% -合肥新城包囲戦(南蛮軍)等、総大将が突出してすぐに死ぬシナリオも多く、それらは原則徹底護衛か敵の総大将の速攻撃破の2択しか許容されない。 -無印の時点で問題視された弓兵の凶悪さは調整されておらず、むしろ一部のシナリオでは''火矢や氷矢を放ってくるようになり、パワーアップしている''。当然、最強難易度では一般兵の一撃も馬鹿にならない威力になるので殊更厳しい。 ''猛将伝のシナリオ'' -無双モードが追加された他勢力の武将以外の声優は新録ボイスがかなり少ないため、シナリオに違和感を覚える部分がある。 --孟獲の場合は諸葛亮との戦いがメインになるが、諸葛亮は''一切しゃべらない''。呂布の無双モードでも張遼が味方にいるムービーがあるが一切しゃべらない。袁紹の無双モードでは曹操が相手となるがry((一応、既存ボイスで喋る場合もあるが、違和感を感じるセリフになっている)) --孟獲と張郃といった他勢力の武将と担当声優が同じ武将に関しては追加セリフが存在する。「合肥の戦い(袁紹軍)」で%%ムサ苦しい%%呂蒙に挑発されて「美しくない!」と激昂する張郃の姿は笑いを誘った。 --本作の猛将伝に関しては以降に比べれば値段が若干抑えられており、%%大人の事情で%%値段を抑えて普及させるために声優を限定したと見るべきか。 ''蛇足気味な追加アイテム'' -追加されたアイテムは種類は豊富ながらも実用性に乏しかったり、使い所がほぼ皆無な死にアイテムも多い。 --特に追加パラメーター項目「チャージ力」「肉まん回復」「開始時矢数」は効果の小ささやゲームの性質上、どれも死にパラメーター。項目ランダム付与の第一~第三武器の高性能武器掘りは無印の方がやりやすい。 --「無双鎧」も弓兵から矢を受けた時に怯まなくなるのはよいのだが、ダメージはそのままなので気が付いたら瀕死になっている。脅威のダメージを抑えられたら名前に恥じないアイテムになるのだが… //--アイテムが増えた都合上、有用なアイテムである「真空書」と「活丹」が極端に手に入りづらくなった。質のいいこれらのアイテムを手に入れるには無印で粘った方がよいほど。 //猛将伝のほうがアイテムの数字の上限値が高いから無印で粘る意味はないぞ ''新たに発生したバグ'' -同じく追加されたアイテムである「狂撃術書((プレイヤーがダウン状態から起き上がった時、10秒間の間、防御力が低下するかわりに攻撃力が2倍になる効果を得られるようになる))」の効果が発動している間にゲーム中断→再開を行うと、''狂撃術書の効果による能力の変化が永続的に続くようになる''という、新たなバグが発生している。 ''レアアイテムや第4武器入手に無印ディスクが必須'' -あくまで追加ディスクであるためこれに突っ込むのは野暮かもしれないが、無印版のみで入手できるアイテムは有用なものも多く、何かしらの救済が欲しかったところ。 --特に猛将伝で無双モードが追加された武将達の第4武器入手手段が無印ステージしかないというのはあんまりである。 ---『3猛将伝』『4猛将伝』では猛将伝単体でも入手可能になった。%%戦国無双は忘れよう%% --全ての要素を遊びたければ起動の度に無印を認証しなければならないのも手間となっている。この問題は後のシリーズでも長らく問題視されていたが、『[[6>真・三國無双6 猛将伝]]』以降はディスクの入れ替えが不要な「With猛将伝」の発売や、認証に成功すれば一定期間は再認証が不要になるなどの改善が施されている。 **総評(猛将伝) これまでは「パワーアップキット」と言う名前で知られていたコーエーおなじみの廉価拡張版であり、後のシリーズでは批判の声が挙がるようにもなる存在だが、~ 今作に限れば…登場直後「新風ゲー」的な扱いをされていたからか、はたまたそもそもコーエー的にも今作にはここまでの売り上げを見込んでおらず、基本的に「善意の所業」「やりこみプレイヤー向け」として発売されたからか、厳しい批判がなされることは余りなかった。~ 元々のタイトル(無印『2』)の完成度が高く、純粋にファンの望む要素を追加した形での発売となったのがユーザーに受け入れられた理由であろう。 **余談(猛将伝) -呂布のテーマが早くもアレンジされている。シリーズ毎にアレンジが変わる事は多いのだが、無印と猛将伝で異なるのは本作のみとなっている。 -イベントシーンが一部無印と変更されており、どういうわけか目を閉じるシーンでことごとく開きっぱなしになっているため、宛城の戦いでは''目を開けたまま寝ている操作武将がどアップで映し出される''といったシュールな光景が見られるようになってしまった。

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