ストライクガンナー S.T.G

【すとらいくがんなー えすてぃーじー】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売元 テクモ
開発元 アテナ
稼働開始日 1991年4月
配信 アーケードアーカイブス
【Switch】2023年9月21日/838円(税10%込)
【PS4】2023年9月21日/837円(税10%込)
判定 ゲームバランスが不安定
クソゲー
ポイント 爽快感皆無
扱いにくいサブウェポン
実質1機のみ
S.T.Gは捨てゲーの略


概要

  • 主に麻雀ゲーやパズルゲームを製作していたアテナ製の縦スクロールシューティングゲーム。
    • 1レバー3ボタン使用、2人同時プレイも可能。

システム

  • ボタン1でショットを発射。基本2連射までだがパワーアップの段階次第ではそれ以上の連射も可能となる。
  • ボタン2でサブウェポンの発射。エネルギーゲージのメーターが空になると使えなくなる。
  • プレイヤーはステージ開始時に10種類あるサブウェポンのうち1つを選択する。これの使い分けが攻略のカギとなる。
    • なお、1度選択したサブウェポンは他のステージで使用する事は出来ない。
  • サブウェポンについて
    • シールドユニット
      • バリアを展開する。バリアは被弾するか時間経過で耐久力が減少する。エネルギー消費量は標準。
    • ホーミングミサイル
      • 敵を追尾するミサイルを2発発射。エネルギー消費量は標準。
    • アトミックミサイル
      • 一定距離を進むか障害物に当たると円状の爆発を起こす核ミサイルを発射。敵弾を消す効果もある。エネルギー消費量は多い。
    • レーザーキャノン
      • 貫通力のある2本1対のレーザーを発射。エネルギー消費量は標準。
    • コムレイドファイター
      • 自機の左右に1機ずつ小型の援護機を呼び出し、正面にショットを撃ってくれる。この護衛機にも判定があり、一定時間が経過するか敵の攻撃を受けると破壊される。エネルギー消費量はやや多い。
    • アンチエアマイン
      • 一定距離を進むか障害物に当たると爆発して敵に連続ダメージを与える機雷を発射する。爆発には敵弾を消す効果もある。エネルギー消費量は少ない。
    • ソニックウェーブ
      • 画面全体の敵に大ダメージを与え、さらに敵弾を消す振動波を発射。エネルギー消費量は最も多く、エネルギーが満タンの状態でも6発しか撃てない。
    • フォトンブラスター
      • 自機の左右移動に合わせて左右に軌道を操作出来る弾を撃つ。エネルギー消費量は少ない。
    • スプレーミサイル
      • 前方にばら撒くように飛んでいく拡散型のミサイルを発射。エネルギー消費量は非常に低い。
    • オートエイミングバルカン
      • 敵の居る方向に自動で標準を合わせてくれるバルカン砲を発射。エネルギー消費量は非常に低い。
  • 輸送機を破壊するとアイテムが出現。アイテムはショットを当てると種類が変化する。
    • パワーユニットは自機のショットを強化。最大10段階。
    • エナジーユニットは現在のエネルギーゲージを回復。
    • スピードユニットは自機の移動速度を上げる。最大2段階。
  • 2人プレイの時に限り、互いの自機の位置問わず自機同士の合体を行う事が出来、3ボタンを押すと合体する。合体中は画面が停止する。
    • 合体ボタンを押した側の自機が「リーダー」、押さなかった側が「ガンナー」となり、合体中はリーダーが自機の操作を担当する。ガンナーはレバーとボタンの組み合わせで自機を中心とした8方向に弾を撃てる。合体はもう一度3ボタンを押す事で解除される。
      • 合体中に被弾した場合、ガンナー側のミスが優先される。また、地形などの障害物に接触した場合は両方の自機がミス扱いとなる。

問題点

  • 敵の行動パターンが陰険。
    • 画面内を高速で飛び回り、弾を好き勝手ばら撒いてすぐに退場する敵」が1面から多く登場し、初期状態ではショットが弱い事もあり熟練したプレイヤーでも撃ち損じる事がままある。
    • 地上を動く雑魚戦車もとても戦車とは思えないほど速く動き、正確に自機を狙ってくる。しかもこの戦車、弾封じが出来ないので重なっていると零距離で撃たれる
    • 中型機は全体的に耐久力が高く、選択したサブウェポンや自機のショット次第では倒しきれず逃げられる事も多い。
  • 自機が弱い。パワーアップアイテムを取得しても強くなった事があまり実感できない。
    • ショットのパワーアップが連射数上昇→ショットのパワーアップ→連射数上昇…と行われるのだが、連射数上昇の次段階はショットが2連射しか出来ないので敵を撃ち漏らしやすくなる。
      • 加えて本作ではステージ毎にショットパワーアップの上限が設けられているので、1面からショットを何段階も強化する事は出来ない。これも難易度を上げている一因である。
    • 1度ミスしてしまうとショットが最低段階まで戻されてしまうので、初期状態ショット自体の弱さと相まってそのままなし崩し的に終わる事も多い。
      • 登場する敵に一撃離脱型のものが多くショットも真正面にしか飛ばないので、撃ちまくり避けまくりの爽快感を期待して本作をプレイすると痛い目を見る。
    • 2Pプレイ時の自機同士の合体もショットが8方向に撃てるようになる…というだけのものなので、特に無理して入れる必要も無いだろう。
  • 本作の売りであるサブウェポンは10種類あるが、「ソニックウェーブ」と「シールドユニット」を除いていずれも性能的に中途半端で使いにくいものが多い。
    • 「オートエイミングバルカン」「ホーミングミサイル」「スプレーミサイル」は雑魚相手には有利なものの、攻撃力に乏しいので中型機が多く登場する面、ボス相手には適さない。
    • 「アトミックミサイル」「レーザーキャノン」は見てくれは派手だが、見た目ほどの威力はない。
    • 「フォトンブラスター」「アンチエアマイン」は威力・燃料共に優秀であるが癖が強すぎて局所的にしか使えず、高速で動き回る雑魚敵には殆ど当てられない。
    • 「コムレイドファイター」は判定が大きい為、弾やミサイルが入り乱れている場所では呼び出してもすぐに破壊されて無くなる
      • 「スプレーミサイル」「アンチエアマイン」に関してはとあるステージのボス戦では強烈な処理落ちがかかり、弾避けがしやすくなるので非常に有用。勿論こういった使い方が前提としてあったのかどうかは甚だ疑問であるが…。
    • さらに「 1度選択したサブウェポンが使えるのはそのステージ限りであり、それ以降は一切使用することはできない 」というルールがある為、自分の好きなサブウェポンだけを選択して進む、というプレイスタイルは取ることができない。色々なサブウェポンを使ってもらいたい為にこのような仕様にしたものと思われるが、こうも性能が極端だと余計なお世話だと言わざるを得ない。
      • よって、強力なサブウェポンは後半面に残しておかないと貧弱な武装で進む事になり、下手をすると詰みになることは否めない。
  • 演出面もショボい。
    • 曲もいまひとつ印象に残らないものが多い。曲が1ループするまでの時間が非常に短く『FIREHAWK』とタメを張れるレベル*1
    • グラフィックも貧相。アニメーションパターンも決して多いとは言えず、空中物に関しては立体感がなくただの板切れが浮いているようにしか見えない。

評価点

  • ステージ毎にどのサブウェポンを選ぶかは(1度選択したもの以外は)自由なので、それなりに戦略性はある。
    • 毎回違った組み合わせでプレイする事も可能。その組み合わせは全部で何と604,800パターンにも及ぶ。 まずそこまでやるようなゲームでもないが
  • ステージと相性の良いサブウェポンを選択すれば、クリアはまあまあ楽な部類に入る。
    • それでも一度でもうっかりミスしてしまった場合はやり直しを余儀なくされるが…。

総評

複数あるサブウェポンを選択し、自分好みのスタイルでプレイ出来るなどアイディア自体は悪くない*2が、如何せんバランスが悪すぎた。
このような出来だった為に、挙句プレイヤーからはタイトルの頭文字をもじって「捨てゲー」と呼ばれるなどネタにされる事もしばしば。
同社が後に『デザエモン』で開花した事を考えれば、本作での制作スタッフの経験は決して無駄にはなっていないだろう…と思いたいところである。

移植

  • 1992年にスーパーファミコンに移植された。忠実な移植ではなく、サブウェポンが6種類追加、ステージ内容が一新とアレンジ移植といった内容である。
    • また、アーケード版で10種類あったサブウェポンのうち9種類はそのまま続投されているが、あまりにも使えないと判断されたのか「フォトンブラスター」のみがオミットされた。
    • うまくアレンジされたことが功を奏し、佳作シューティングとなっている。
  • 2023年9月21日にアーケードアーカイブスの1作品としてNintendo Switchとプレイステーション4にて配信開始。アーケード版に忠実な移植は初めてであり、アーケードアーカイブスでのアテナ作品第1弾でもある。「こだわり設定」にてネームエントリー時の制限時間を変更する事が可能。

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最終更新:2024年02月28日 20:16

*1 本作でもセタ/アルュメの基板が使われており、搭載されている音源チップも同社の基板で使われているカスタムPCM音源チップのX1-010。尚、この音源チップは初期からのサウンドドライバ自体のバグがかなり後まで尾を引いており、短いループの音を垂れ流すことしかできない状態だった。

*2 アルファ電子の『スカイソルジャー』等に先取りされている要素ではあるが…。