影牢II -Dark illusion-
【かげろうつー だーくいりゅーじょん】
ジャンル
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トラップアクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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テクモ
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開発元
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パオン
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発売日
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2005年6月30日
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定価
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7,140円
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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名作『影牢』と比べてシナリオ・ゲーム性で大きく劣化 グラフィックとトラップの演出は良い 選択肢のあるパートはスキップ不可でフリーズバグあり ロード過多と全体的にもの足りない 発売延期しても製作時間が足りずやっつけ感がある?
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影牢シリーズリンク
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概要
館に侵入してきた敵を罠におびき寄せて倒す刻命館シリーズ(影牢シリーズ)の第4作。
3作目『蒼魔灯』にて詰め込みすぎた結果、初心者が入り込みづらい作品となった事からトラップをかける面白さというプリミティブな快楽を追求する意味合いを込めて『影牢』の名が使われている。
前述の通り『影牢』ベース。敵を倒し、手に入れた魂で罠を開発・館の部屋を開放しながら進行していく。
『蒼魔灯』から5年空き、プラットフォームもプレイステーション2、何より『影牢』の名が付けられた事で刻命館シリーズのファンの期待は頂点に達していたが…
問題点
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トラップ開発に必要な数値はシリーズを通して、敵にトラップをヒットさせれば自動的に獲得できたが、本作では
トラップをヒットさせた時に敵の周りに現れる「光る石」をプレイヤーがいちいち拾わないと獲得できないようになった
。しかもこの石は時間経過で消滅する。
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ダークイリュージョンの使い勝手にムラがあり、発動方法が初見では分かり難い。また、ダークイリュージョンのムービーはスキップできないのでテンポが悪くなりがち。
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しかも、ダークイリュージョンで倒した場合敵は遠くに移動している事が多いので、光の珠が入手する前に消滅してしまう事もしばしば。
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カビントラップの凶悪化。本作ではダウン中及び被った相手を主人公が押す事で、敵を自由に移動させる事が可能になってしまっている。従来のカビンは基本的に「被せた相手を真っ直ぐ進ませる事で誘導するもの」であり、パズル的に相手を陥れるのが売りのゲームにおいてこれは致命的である。
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一応フォローすると、『影牢』『蒼魔灯』でも「マジックバブル」「ドレイカメン」といった、敵を操作出来るようになるトラップは存在した。だがそれならそれでそのトラップを今作でも実装すれば良かっただけで、(意図してか不備かは別としても)別種のトラップに従来なかった仕様を『系統丸ごと適用する』べきではない。
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敵が全体的に弱く『蒼魔灯』よりバリューエーションが劣っている。
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しかし凍らせる攻撃をくらってしまうと長い間動けなくなりその間に倒されてしまう事が多くバランス調整に疑問点あり。
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過去作プレイヤーから「ストーリーが淡泊」という意見が上がっている。先ず、国王殺害の濡れ衣を着せられるのが『刻命館』と同じ。主人公は魔神の館に逃げ込んだ王女だが、『刻命館』のように復讐心に駆られる訳でもなく、迫る敵を受動的に殺害していくだけなので『刻命館』『影牢』の様な背徳感も感じられない。
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『蒼魔灯』のストーリーも似たような問題はあったが、敵が強かったり罠の種類が豊富だったりとゲーム性が高かった為に±0とされていた。そのゲーム性にも難がある今作は…。
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シリーズおなじみの分岐を中盤辺りで匂わせるような会話があるのだが、その時は館から離れない。
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後半にさしかかった頃にようやく分岐が来るがここで選択を間違えると一戦闘後バッドエンドになる。結局分岐は最終話直前の選択肢とラスボス戦での生死だけである。
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しかもどのエンディングも「亡命した後に自国が滅んだと風の噂で聞く(バッドエンド)」「自らの意志で魔神の僕と化す」「魔神に乗っ取られる」「主人公と直属の騎士1人を除いて全滅」と、ほぼ救いが無い。過去三作では不幸こそあれど選択肢次第で報われるエンディングもあるだけに、より一層後味が悪い。
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サイドストーリーの選択肢が思わせぶりなものがあるが、本編への影響は一切無く、戦闘するかしないか程度の違いしかない。
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2周目で内容が変わる為隠しエンドが見られる、と思わせられるがエンディングは一切変わらない。
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サバイバルモードが4分間、侵入者10人倒すのを繰り返していくだけの作業モードでクリア後の特典も無い。『蒼魔灯』の限られた状態で条件を満たしていくエキスパートの様な深い要素も無い。
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『蒼魔灯』で導入されたフリートレーニングのような練習モードが無くなり、トラップや仕掛けの使い心地はぶっつけ本番で確認するしかない。
評価点
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プラットフォームがPS2へと進化しただけあって、グラフィックは美麗。トラップや仕掛け、ダークイリュージョンを使った時の演出もなかなかのもの。
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館内に備えられた巨大なトラップによる攻撃「ダークイリュージョン」は、1ステージで1回しか発動できないが専用ムービーとともに敵に大ダメージを叩き込む。
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メインキャラには中島沙樹、半場友恵、檜山修之などの有名声優を起用。
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それに加えて大半のイベントシーン、敵の断末魔がフルボイス化したことにより臨場感も増している。
総評
今作は刻命館シリーズ5年振りの新作であるというだけにシリーズファンの期待を大いに煽ったが、開発が内製から外注に変更された事もあってか従来の良さが大きくスポイルされた。
前述のとおりPS2ベースになったことでグラフィックやトラップの演出が強化されており、トラップコンボやダークイリュージョンを決めた際の演出は迫力がある。ただ、ダークだったキャラや雰囲気は悪い意味で小綺麗になってしまい、『影牢』『蒼魔灯』のような雰囲気は失われてしまった。
ストーリー(特にエンディング)に関しては暗く、あまり救いのない本作の雰囲気が気に入るかどうか。
新規プレイヤーが本作を楽しめないといった事はないが、過去作プレイヤーには受け入れにくい変更点が多いのも事実である。
本作の悪評が祟ったのか、2014年に『影牢 ~ダークサイドプリンセス~』が登場するまでシリーズは9年の沈黙に入る事になる。
最終更新:2023年11月27日 21:19