ジェネレーションオブカオスIII ~時の封印~

【じぇねれーしょんおぶかおすすりー ときのふういん】

ジャンル RPG+シミュレーション


対応機種 プレイステーション2
発売元 アイディアファクトリー
発売日 2003年5月8日
定価(税抜) 通常版 6,800円
限定版 8,800円
廉価版 IFコレクション
2005年8月4日/2,800円(税抜)
レーティング CERO:全年齢対象
※IFコレクションから記載
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント シンプルに回帰した合戦
戦闘が激烈な相性ゲーに
無駄に難易度が高めのRPGパート
ネバーランドシリーズリンク


概要

  • アイディアファクトリーから発売された「ネバーランドシリーズ」の一作。
    • 今作は舞台をこれまでのネバーランド大陸から離れ互いの交流すらほぼないオールド大陸へと移した。
    • シリーズ作品においてはRPG要素が盛り込まれた最後の作品となっている。

ストーリー

封神大陸オールド。そこはラディアと呼ばれる王国が、長きにわたり統治をおこなっていた。

封神歴125年。
ラディア王国の魔法師団を治めていた神官デューロスは、自らを盟主としたゼノン教国を建国。
ラディア王国に対して独立戦争をしかけて来たのである。
1つの火種が、新たな火を灯しやがて火は炎へと変わり大陸全土を覆うこととなる。
抑圧されていた勢力は次々とゼノン教国に賛同し、戦局は瞬く間にゼノン教国軍の優位となった

封神歴128年。
ラディア王国軍は、劣勢な戦況を打破すべくグルファム平原に兵を集めゼノン教国軍に対して総攻撃をかけた。
しかし作戦は失敗。ラディア王国軍は、本拠地ノルディック島へと引き上げることとなる。

そして、封神歴130年。この物語は新たな局面へと動き出す。(製品紹介ページより引用)

システムの変更箇所

  • 基本的なシステムは前作『ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~』と共通。
    • ラディア王国を率いて大陸統一を目指すストーリーモード、任意の勢力を選んで大陸統一を目指すVer.3モード、好きなキャラを君主に選んで大陸統一を目指すKOCモードに加えて、RPGパートのみで構成されたタワーモードが加わった。
    • タワーモードはゲーム中の武将でパーティを編成し、スペクトラルタワーの頂上を目指すことが目的。ただし、元のゲームのように10000階という無茶苦茶なものではなく全100階に収まっている。
    • 10の倍数の階層ごとにボスや謎解きのフロアが用意され、頂上にいるタワーモードのラスボスを倒せばクリアとなる。
  • 今作ではSLGパートの戦闘システムが全面的に刷新されている。
    • 前作までのリアルタイムで小隊を操作してぶつかり合うシステムが廃止された。
    • プレイヤーは部隊の隊列と陣形を指示して、その後部隊全体が正面から激突という流れである。
    • 隊列を組みかえることで優位に立てる兵種をぶつけたりできる。陣形は「通常型」「攻撃型」「防御型」から選択。攻撃型や防御型はそれぞれ攻撃力や防御力が1.5倍、逆の数値は0.5倍される。
  • 細かい部分の変更点
    • 資金の輸送の概念がなくなり、都市や中継点ごとではなく勢力全体で一括した資金管理方法になった。
    • 都市に攻め込まれた場合は都市の城壁の強化具合で出撃できる部隊数が制限され、場合によっては全部隊が出撃できないようになった。

問題点

  • 戦闘が極端な相性ゲー
    • 兵士の種類ごとに得意不得意な地形や天候がある。このこと自体は『スペクトラルフォース』時代から存在しているのだが、今作は得意不得意の能力補正が極端である。
    • 得意な天候で攻撃力が3.0倍になり、得意な地形で防御力が1.5倍になる。
    • 得意な状況(特に天候)で戦闘をすれば相手を用意に轢き潰すことができてしまう。敵に回しても同様でこちらがほとんど何もできず殲滅されることも珍しくない。
      • 特に快晴時のナイトが攻撃力・持っているキャラの多さにより強力。快晴時にナイトのキャラ4人で攻め込めば文字通り瞬殺である。
    • 武将の装備品の属性も合戦に影響するようになり、敵の兵種との属性相性も考慮しなくてはいけなくなった。
    • これまでの作品では戦闘の味付け的意味合いでの一要素だったが、今作はひたすらこの相性に気を使うことになる。結果として勝利するための道が限られ遊びの幅も狭まった。
  • 味気なく、幅の狭まった戦闘。
    • 演出の上でとてもシンプルになってしまった。必ず真っ向勝負のぶつかり合いであるため特定の相手への一点集中攻撃など前作までの戦闘より選択肢が減った。
    • 表示があまりにもシンプルになりすぎたため、戦闘で負けてもなぜ負けたのか把握が難しくなってしまっている。
  • 1つのRPGとしてバランスが取れているとは言いがたいRPGパート
    • HP全快で復活させる援護キャラを従えたボスや強力な全体攻撃を連発するボスなどがそろっている。
  • 無駄に歩かせるタワーモード
    • 20の倍数の階層には「試練」が待ち構えているのだが、それをクリアするには一端タワーから出なくてはいけない。
    • 踏破階層までのショートカット機能がないため、「20Fに到達して試練を言い渡される」→「タワーの外に出て試練をクリア」→「また1Fから登りなおして40Fまで行く」ということを何度も行うハメになる。
  • 中途半端なキャラデザインのリファイン
    • ジェネレーションオブカオス』に登場した武将のイラストが今作のタッチに準拠したものに差し替えられた。
    • しかし、差し替えられたのは君主クラスの人物に限られており、一般の武将は手付かず。前作でもあったデザインの雰囲気の不統一が残ってしまった。
    • また、リファインされたはずなのに明らかに劣化した・没個性な顔になったキャラも少なくない。
  • ステータス面で不遇な前作キャラ
    • 武将全体のステータスが作品を重ねるに連れてインフレ傾向にあり、前作までのキャラのステータスが冷遇気味である。
    • ストーリーモードやVer.3モードでは前作キャラと今作キャラが分けられているので、この2つを遊ぶ分には問題はないが。

賛否両論点

  • 完全にネバーランド大陸から離れたこと。
    • 舞台を新しくオールド大陸に移したことで直接的なつながりがなくなったことに対して否定的な声は少なくない。
    • 裏設定でネバーランド大陸とのつながりはあり、今作登場の面子を肯定的に評価する声もあるため一概に否定できる点ではないが…

評価点

  • システム面の改善
    • 兵士の最大数までの補充や、一度編成した部隊の解散がボタン1つで可能になった。
    • 戦闘システムの変更によって戦闘がスピーディになった。また、敵部隊が器用にこちらの陣営をすり抜けて突破するという事態が起こらなくなり、確実に攻撃できるようになった。
  • 戦闘での相性の活用で新たな勝ち筋が作られた。
    • 能力的に負けていても徹底して相性のよい状況に持ち込めれば戦況を覆せるようになり、絶対的に強い武将はほぼいなくなった。
  • ストーリーモードのシナリオ
    • やや強引なところはあるが、王道な展開が中心でありユーザーからは高評価である。

総評

今作をもってジェネレーションオブカオスシリーズは大きく転換することになる。そのため1つの集大成と見たいところではあるが、戦闘面での味気なさや極端な相性ゲー化は残念なところである。タワーモードもRPGパートが今作限りとなってしまい中途半端で終わってしまった。
オールド大陸を取り巻く内容について堪能したいというのであれば今作をやる以外にないが、ネバーランドでの戦乱を楽しみたいということであれば過去の作品の『ジェネレーションオブカオス』『ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~』も十分に選択肢に入るだろう。
いずれにせよSLG、RPG両方の戦闘面での問題が惜しいゲームである。SLGはNextまでの路線継承で、RPGパートは難易度の調整次第で良作も有り得るポテンシャルは秘めていたのだが。


余談

  • 同社の過去作品『ジェネレーションオブカオス』『ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~』『Global Folktale』『学園都市 ヴァラノワール』のセーブデータがあるメモリーカードでプレイすると、オールド大陸でのVer.3モードで隠し勢力が出現する連動要素がある。
    • 『ジェネレーションオブカオス』or『ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~』→「帝魔隊」が出現。
    • 『Global Folktale』→「ゾディア中隊」が出現。
    • 『学園都市 ヴァラノワール』→「バッドローズ」が出現。
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最終更新:2021年07月21日 15:59