谷川浩司の将棋指南III
【たにがわこうじのしょうぎしなんすりー】
ジャンル
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将棋
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ポニーキャニオン
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発売日
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1989年9月14日
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定価
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5,800円
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判定
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良作
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ポイント
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初心者お断り 音声付き 第46期名人戦
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I(MSX版) / 将棋指南II / 将棋指南III
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概要
谷川将棋指南第3弾。
今回は「詰将棋」と「次の一手」は出てこないが、「棋譜鑑賞」などが用意されている。
文章は平仮名と数字のみ。漢字はおろかカタカナすらない。
特徴
対局
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1局のみ通常対局。
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AIの強さはL1とL2が用意されている。
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2Pキャラのモデルは林葉直子と思われる(第一作目ではプレイヤーキャラクターで、タイトル画面にも登場していた)。
名人戦
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谷川九段のキャラと対戦。AIレベルは勿論L2の方である。
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頑張って勝ち越すと書状が表示される。構図は実際の書状と同様である。真っ向勝負でここまで来られるなら初心者の域は脱していると言えよう。
はさみ将棋
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おなじみの変則将棋。対局相手のグラフィックは子供である。
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負けるたびに駒落ちでハンデを付けてくれるので頑張れば勝てる。
スロット将棋
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本作独自の要素。指し手の前に3つのレーンが回転、絵柄は「将棋の駒」と「7」があり、絵柄の駒のみ指したり打ったり出来る。盤上や駒台に該当する駒が無い際は相手に手番が回る。
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「7」自体はどの駒にも対応してはいないが、3つ揃うと7回行動に移れる。滅多に揃う事は無いが、いつでも逆転の可能性を秘めている。
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目押しができれば狙える。将棋で連続行動なんてチートもいいところ。出れば勝ちである。
棋譜鑑賞
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88年の谷川九段-中原名人の名人戦6局が収録されている。ちなみに谷川九段が4-2で名人位に復位した。
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谷川は中原からの名人位奪取を大きな目標としており、それが達成された名勝負が収録されている点はファンアイテムとして高く評価できる。
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しかも、随所に簡易ながらも解説文が付いている。
評価点
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タイトル画面では、実写さながらの谷川九段が対局姿で登場。深みがあって格調高い。
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人工音声も実装されており、短いが随所で音声が出る。
賛否両論点
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弱点がある。
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パックマン戦法である。L2では5三龍による王手馬取りは対策されるが、別な弱点があり今度は1五角の王手からとんでもない敗勢に陥る。
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5三の地点に馬と桂を複合してからの詰みまで研究されており、24手で終わる。
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ただ、この後5三馬以外で進行するとAI特有の粘りを見せてくるため勝ちきるのは楽ではない。
問題点
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思考時間が長い
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L2の一手毎に数十秒は流石に長すぎる。
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FCで高い棋力を求めるなら当然ながら思考時間を長くするしかないという事情はある。
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投了の暴発
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スタートボタンを押すと選択肢が出る事もなく投了になってしまう。他のゲームで慣れているプレイヤーはうっかり押してしまいがちである。特に対人戦では対局を棒に振ってしまうので相手を怒らせてしまいかねない。
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カーソル
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相手の陣地の一段目と二段目で右を押し続けると相手の駒台に行ってしまう。将棋では相手の駒台に手を伸ばす必要が無いので、どうせなら自分の駒台に来た方が良かった。
総評
学習型だった『II』に対して、「はさみ将棋」「スロット将棋」といった変形将棋が遊べるという付加価値をつけてきている。
また、悲願を達成した名局を解説付で鑑賞できる、難易度は変化が無いながら「名人戦」があるなど「谷川九段ゲー」という色も濃い。
将棋ゲームの基礎を築いた作品というだけでなく、棋士個人にスポットを当てたゲームとしても評価されるゲームである。
余談
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谷川九段はセタのSFC『森田将棋シリーズ』も監修されている。
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その後、本作の同社ポニーキャニオンから他の棋士の方々とともに『将棋 風林火山』を監修される。本作の直接の続編と言っても良いだろう。
最終更新:2023年12月15日 15:06