信長の野望 天下創世

【のぶながのやぼう てんかそうせい】

ジャンル SLG

対応機種 Windows 98~Vista
プレイステーション2
発売・開発元 コーエー
発売日 【Win】2003年9月12日
【PS2】2004年4月1日
【WinPK】2004年3月26日
【PS2PK】2005年1月20日
判定(無印Ver.1.0) なし
判定(無印Ver.1.1以降) 良作
改善
ポイント 伝・記・録の終了、信長の野望の新たなる境地
シリーズ屈指の箱庭内政
フルポリゴン化によるビジュアル面の大幅強化
軍神強過ぎ
光秀自重しろ
信長の野望シリーズ


概要

信長の野望シリーズ第11作目。副題は第三作目以降続いていた「〇〇伝」「〇〇記」「〇〇録」のいずれにも属さず、「天下創世」となった。
奇数作でシステムを刷新するというそれまでのシリーズの伝統と同じく、新たにシステムが刷新され、再び大名プレイになり、『嵐世記』『蒼天録』で見られた諸勢力の概念もなくなった。
副題の「天下創世」が示す通り、城下の箱庭内政をウリにしており、プレイヤーの手で城下を自由に創世する事が出来る。

特徴

ビジュアル面の大幅強化

  • 政略画面、戦争画面、外交画面がフル3Dとなり、回転、拡大縮小が思いのままになり、見栄えが大幅に良くなった。
  • 合戦では命令時に声優によるボイスが追加されており、臨場感が高まった。
  • マイナー武将も含め、全ての武将の顔CGが刷新された。
    • 元々『三國志シリーズ』よりもはるかに武将数が多いシリーズなので顔CGの流用が多く、第4作目の『武将風雲録』や第6作目の『天翔記』からほぼ顔が変わっていない武将も少なくない為、大きな変化と言える。
    • 武将の顔CGは複数のサイズがあり、特に政略時や合戦時の台詞にはバストアップで表示される(PC版のみ)。
  • シナリオ開始時や「桶狭間の戦い」「本能寺の変」といった一部の歴史イベントではムービーが採用されるようになった。

箱庭内政

  • シリーズで言えば『将星録』や『烈風伝』も箱庭内政を採用しているのだが、それらの作品で見られた「全国一枚マップ」は採用されておらず
    居城の周辺がメインとなる事により、より細かく表現されるようになった。まず「農村」「商人町」「武家町」等の「町並み」を設置し、それに金銭を「投資」する事で「施設」を作り、町並みを発展させるのが基本となる。
    • 従来の箱庭内政シリーズとは異なり、施設が出来る事で「商業」「農業」といったパラメーターが上昇する。その他、城郭や兵の俸禄に関わる「日本文化」城の天守や砦の規模に影響を及ぼす「南蛮文化」もある。
    • 「町並み(区画)」を設置し、発展させる事で収入を得る事から『シムシティ』のようだと言われる事も多いが、インフラを整えるのではなく、金銭を投資するだけで発展するので敷居は低い。
    • 城によっては「鍛冶村」「忍びの里」といった「固有の町並」も存在し、支配する事で町並みを作る事が出来るようになるが、支配する大名と同盟を結ぶ事でも町並みの技術を共有する事が出来るので、同盟の重要度は高い
      • 例えば雑賀城を支配する鈴木家と同盟する事で「鍛冶村」の技術を共有し、鍛冶場を設置する事で定期的に鉄砲の収入を得るといった事が出来る。ただし同盟期間が過ぎると投資も開発も出来なくなるので開発は計画的に。
    • 施設によっては治安を高めたり、部隊を強くする、命令回数を増やすといった特殊効果を持つものもあるので活用できる。
    • 城毎に町並みの「適性」が存在する。一部の施設には高い適性が必要だが、町並み自体は不適であってもコストが高くなるが作成は可能。また貿易町の町並みは港がある城しか作れない。
    • パワーアップキットでは町並に施設を直接「建設」する事も可能。金銭や武将の数がいるが、好きな位置に好きな施設を作れる為、見栄えを気にしてもいいし、機能を重視して強力な施設ばかり建てるのも自由
      • 「投資」では出来上がる施設はランダムである。しかし政治力が高い武将が投資すれば一度に複数の施設が建つのでコストや期間の面で優れている。「建設」は金銭や武将に余裕がある場合に確実に強力な施設を建てたい時に使用する。
    • この様に従来の箱庭内政に比べて、とにかく自由度が高い。パワーアップキットを導入すれば居城の「城郭」や「天守」までも自分の手で作れる。

旧作要素の復活

  • 武将風雲録』以来となる、「教養」のパラメーターが復活、大名との交渉や朝廷の成功率に関わる。
    • 教養が高くなると交渉回数も増える。教養が高ければ一度の命令で貢物や同盟の締結を済ませる事も出来る。
      • これにより武勇一辺倒だが教養もある「前田利益(前田慶次)」や、ほぼ雑魚パラメーターの「今川氏真」といった武将にも新たな見せ場が生まれる事になった。
    • 領地毎に「税率」を決めることが出来るのも久々な要素となる(PC版のみ)。

合戦

  • 従来の作品と同じく「野戦」と「攻城戦」が行われ、攻城戦に勝つ事で城を奪うことが出来る。
    • 合戦は攻守共に戦場周辺の複数の城から部隊を編成する形になったので単に攻める城の情報だけを集めればいいというものではなくなった。
    • システムとしてはリアルタイム制で『嵐世記』の戦争システムを発展させた物となる。
      • 嵐世記と違い、合戦もフル3Dとなったのであらゆる角度に変更でき、拡縮も自由なので視認性や臨場感が高まった。
      • 兵の休息所として、野戦では「砦」攻城戦では「櫓」が存在し、入る事で負傷兵を回復させ、士気も回復する。
      • 砦(櫓)を落とすと部隊が強攻状態になり一時的に強くなる他、「士気」の最大値が高まり、戦法を発動する事が出来るようになる為、一気に攻勢に転じる事が可能になる。
      • 野戦、攻城戦共に「本陣(本丸)」を落とすか総大将の壊滅(退却)で決着となる。30日が経過してしまった場合は守備側の勝利となる。
    • 「野戦」に勝利すると「見張り台」が壊される。これにより見張り台が修理されるまでの間は敵の接近に気付けなくなり、次に攻めた際は野戦を飛ばしていきなり攻城戦から始める事が出来る。
      • 特に攻城戦は野戦でかかった時間が持ち越されるので制限時間が厳しい事や、強固な拠点となると攻略しきれない事も多々あるので見張り台を壊す意味は大きい。
    • 「攻城戦」では政略画面の城下がそのまま戦場になる。攻撃側は施設を壊す事で金銭や家宝を得たり、畑を破壊する事で兵糧を奪える。
      • 当然ながら施設を壊されると戦闘後もそのままになるので守備側は城を守る以外にも必要に応じて打って出たり、逆に町を囮にして時間を稼ぐといった戦術も取れる。また、畑を潰して臨時徴兵をするといった手もある。

大名規模と決戦

  • 名声や城の数で大名の規模が変化するようになり、朝廷に交渉が出来るようになる、上位兵種が使用可能になる、出陣出来る城の範囲が増える、町並みの制限が緩和される(無印のみ)といった利点が得られるようになる。
  • 特に「覇者」以上になると、同じく「覇者」以上の大名に「決戦」を申し込むことが出来るようになる。
    • 決戦は関ヶ原の戦いのような巨大勢力同士の一大決戦となり、「大名を含めた城主」が身分に関係なく2,000の兵を率いて戦う規模の大きな野戦となる。
      勝利すると相手の城の大半を奪い、強制的に従属させるので一気に領地と家臣を増やす事が出来る。

歴史Ifイベント

  • 従来の歴史イベントを発展させたものとなり、有効にすると一部の歴史イベントに選択肢が挟まるようになり、選択次第で歴史のIfを実現出来るようになった。
    • 「松平信康を切腹させない徳川家康」や「上杉憲政を迎え入れない上杉謙信」「本能寺に向かわない織田信長」といった歴史のIfが楽しめる
    • また史実とは全く異なる仮想イベントも大量に追加される。特に大名規模が上がる度に諸大名が連合を組んだり、イスパニアから支援を受けて大量の鉄砲を入手した従属大名が独立するといったイベントが発生するので歯ごたえのある難易度になる。
      • 織田信長、武田信玄、上杉謙信は主人公と言える程、Ifを含む歴史イベントに恵まれており、特に効果が無いものも多いが、歴史小説を読み解くようなテキストでそれぞれの大名の歴史を追体験できる。
      • 歴史Ifイベントを有効にする事でエンディングにも変化が及ぶなど影響はかなり大きい

評価点

  • 作るのが楽しい
    • フル3D化により、ビジュアルが格段に上がった上で、好きに城下を作ることが出来るのが楽しい、
    • 街を作れば人々が行き交い、忍びの里を作れば忍者が現れ、南蛮街を置くと象が現れるといった町に住む人々も3Dで表現されており、話しかける事も出来る。
    • 城毎の町並みの適性、川や山の形によって敷地が限られる等の差別化がされているので、高い自由度を維持しつつ無個性にならない様に工夫がなされている。
      • 前述の通り、PKを導入すれば金銭さえあればあらゆる施設を好きな場所に建てられるようになるのでより自由度が高まる。
      • 徹底的に騎馬や鉄砲を生産する拠点を作ったり、修験寺や学問所を作りまくって、無能武将達を能力値ALL80の名将に鍛え上げるといった遊びも可能。
      • こだわるのが面倒ならば町並みを作って投資コマンドを実行するだけでそれなりに発展するので初心者にもやさしい。
    • 攻められるとせっかく作った領地が戦火にさらされるので、従来のシリーズよりも野戦で食い止めたくなる意欲が高まる。
  • 壊すのも楽しい
    • 特に序盤は金欠で悩まされるので敵の城を攻めて城下を荒らしまくって金銭や家宝を巻き上げるのも立派な戦法。特に家宝は高値で売れるので運良く手に入れば貴重な資金源となる。
      • 強固な城ならば町並みを破壊しつくしてパラメーターを下げる等、城ではなくひたすら破壊する為の攻城戦という新たな選択肢も生まれた。
    • また、攻城戦で国崩し砲を使って櫓や城門を無視していきなり本丸を落とすといった独特の攻略も楽しい。
  • 合戦の雰囲気が良い
    • PC版においてもコンシューマー版と同様にフル3Dになり*1、兵や城等のグラフィックがよりリアルとなり戦場の臨場感が高まった。
    • 部隊が壊滅した際に「火縄銃で撃ち抜かれて討ち死に」「最期を悟って自害する」等で武将が死ぬ事が多々起こるが、その際もバストアップの画像に銃弾や刃で切り裂かれる演出が入るので見栄えがいい。
      • 古くは『武将風雲録』でも敵を討ち取った際に顔CGが切り裂かれる等の演出があったのでこれを踏襲し発展させたものとなっている。
      • ボイスが追加された事により臨場感が高まっただけではなく、命令を与えた時、部隊壊滅時、砦の占拠等といった咄嗟の戦況の判断がしやすくなった。
      • 季節や城の規模、戦況に応じてBGMが多彩に変化する。作曲者はこれまでと同様に山下康介氏なので名曲揃い。攻城戦で勝利寸前になった時の「激震の活路」はシチュエーションもあいまってテンションが高まる。
    • また、攻城戦で一人の武将が多くの手柄を立てると感状が送られて技能が強化されたり、PC版のみだが好きな異名を付けることが可能*2といった独特のシステムも光る。
    • 以後のシリーズでは全国一枚マップになったり、城の数が激増した事から合戦システムそのものが簡略化される事が多くなり、特に攻城戦に至ってはカットないし自由度が低いシステムになる事が多いので、本格的な3Dで野戦も攻城戦をフルに楽しめるのは本作の特徴と言える。

賛否両論点

  • 軍神が強過ぎる
    • 武将の技能の一つである「軍神」が非常に強力。戦争で所属する部隊が円形の黒いオーラを発し、触れた敵部隊の士気がみるみる下がっていくというもの。
    • 上杉謙信、真田幸村、立花道雪の三人のみが所有するレア技能なのが救いではあるが、いずれの武将もチート級に能力が高く非常に手ごわい。
    • おかげで本作では上杉謙信が武田信玄を圧倒し*3、立花道雪によって島津家が撃退され続けるのも珍しくない。特に立花道雪擁する大友家は道雪の強さに加えて南蛮文化に傾倒する傾向が強く、相手にすると領地を破壊してもすぐに直される等で非常に厄介。
      • 一応、鼓舞を使用して強引に倒す、鉄砲隊で集中砲火を加えて倒す、混乱等の状態異常にするといった対処は可能。
  • リアルとは言い難い挙動
    • 大名規模が「群雄」になると大名の本拠地を決める「布武」が可能となるが、これを行うと全国のどこを攻める際でも本拠地から出陣が可能となるという仕様なので違和感がある。
      • 本作の時間単位は月ではなく、1年を8つにわけた時節となっており、1ターンが一ヶ月以上である事は明確なので多少は違和感が軽減されている。
    • 合戦では矢弾が撃ち込まれて次々と兵が減っていくのだが、グラフィック上で兵が倒れていなければ砦(櫓)に入った瞬間に完全回復する
      • 本作では1小隊を100人として表現しており、戦闘でダメージを受け続ける事によりやがて小隊が倒れて回復できなくなるが、倒れさえしなければ矢弾を受けまくっても一人も死んでいなかったりする
        頻繁に回復しつつ戦えば1人も兵士を失わずに勝つ事も不可能ではない。シリーズを通して最も頑丈な兵達である。
      • 負傷兵という概念や戦闘中に回復する事があるのは他のシリーズでも見られるのだが、櫓に入った瞬間に何百もの兵達が現代医術もびっくりな速度で何度でも回復するのはリアリティに欠ける。
      • とはいえ、これを駆使すればヒットアンドアウェイにより被害を抑えられたり、寡兵で大軍を打ち破る事も可能なので戦術の幅が広がっているのも事実。
      • cs機だとゲーム速度を最大にして戦闘中の時間停止を使いながら砦に篭ったり攻撃を指示することを繰り返すことでリロキャンができる裏技がある。この裏技を攻城戦にて大筒で実行すると守備側にとって地獄絵図と化す。石垣、柵、堀を全て破壊するのも夢じゃない。
  • 忠誠度の仕様
    • 仕官大名を嫌悪している、同じ城に嫌悪武将がいる、自分より身分の低い城主の下につけられた、既に内応を取り付けられている等の条件を満たすとターン毎に武将の忠誠が下がっていく。
    • どういった理由で忠誠が下がっているのかは説明されないので序盤の金銭が枯渇する時期にこの症状に会うと少々厄介。
      • 織田信長でプレイする場合、羽柴秀吉を嫌悪する柴田勝家の忠誠が延々下がり続けるといった現象によく遭遇する。
    • 特に引っかかりやすいのが「身分の低い城主の下につけられた」場合で、命令を与え続けている内に出世して城主より偉くなってしまうと知らない間に忠誠が0になる事も少なくない。
    • また、滅ぼした大名からは必ず嫌悪されるので登用しにくい上に登用した後も毎ターン忠誠が下がるので気を使わなければならない。
      • 自家を滅ぼした大名を恨むのは当然なのでリアルな設定といえる。また、金銭や文化コマンドで容易に忠誠を上げれるので前作や前々作と比べると忠誠の管理は楽な方である。
  • 兵を輸送できない(PC版のみ)
    • 攻め取った直後の城は兵がほとんど残っておらず、輸送も出来ない為、非常に攻められやすくなる。
    • 防衛時は周辺の城からも部隊を出せるので、周辺の城に兵力が残っていれば防衛は可能。急速に勢力を拡大する事を防ぐためのバランス調整ともとれる。
      • また、兵が城に紐づけられるという設定は後の『創造』や『大志』でも見られるリアルな設定である。これらの作品でも周辺の城から兵を出す事で防衛出来るようになっている。
    • CS版では兵の輸送が可能となったのでこの問題は解決されている
  • PK版の上位兵種や一部施設が強力過ぎる
    • 上位兵種は雨でも鉄砲が撃てる「雨鉄砲」や比類なき移動力を誇る「良馬」、攻城戦の破壊で無類の強さを誇る「長槍」などいずれも強力
    • 逆に上位兵種が用意されなかった「弓」は無料で編成できるものの選ぶ価値が無いほど弱い兵科となってしまいバランスが悪い。
    • PKで追加された施設では領内に作るだけで「騎馬鉄砲」が編成可能となる「練兵所」が強力。物資や兵を揃えた上で全部隊が「騎馬鉄砲」になるとほぼ無敵になる。
      • 「騎馬鉄砲」自体が無印では限られた武将のみ、あるいは一つしか持てない家宝によって編成が可能となる最強兵科である事を考えれば随分と敷居が低くなった。
      • いずれも初期設定で使用を禁止する事が出来るので気に入らなければ制限することが出来る。
  • 決戦
    • ゲーム後半の消化試合を一気に終わらせることが出来るシステムなのだが、どう頑張っても24,000人までしか動員出来ない為、大勢力同士の一大決戦にしてはいささか規模がショボいという声が聞かれる。
      • 勝っても完全に相手を滅ぼす事が出来ないので完璧主義なプレイヤーには煙たがられる事がある。改めて手切りをして滅ぼすなどをしなければならない。
      • また、敗北し自軍が従属した後に他の勢力が残っていなかった場合は従属エンディングになってしまうというある種屈辱的な展開が待ち受けている。
  • 一部の歴史イベントの仕様
    • 「本能寺の変」のイベントの条件がかつてないほど緩く、織田信長と明智光秀がいる事や特定の城の支配、勢力の規模、覇者以上の大名規模といった条件が揃うと年代問わずに即発生する。
      • これが織田信長でプレイしていれば自然と達成してしまう程の緩さなので、プレイ後半になって明智光秀を登用すると次のターンでいきなり本能寺の変が発生して信長が死亡する事故が多発した。
      • 歴史Ifイベントありでプレイすると本能寺の変を起こして信長ではなくプレイヤーの大名を殺すという荒技を成し遂げてくれる。うっかり信長と光秀を家臣に揃えてしまうと大変。
      • とはいえ、これも選択肢次第で回避は可能。イベントさえ発生させなければ殺される事もない。イベント自体も二回に渡って発生するものなので予兆が発生した後に光秀と大名を別の城に移動させるなどの対処で回避出来る。

問題点

  • 武将と城の激減
    • 第6作目の『天翔記』から『将星録』に移行した時と同様に再び武将と城が整理されて大幅に減少した。武将数は前作の約1,500人から約1,000人と3分の2とかなり少なくなった。
      • シナリオも「1534年 信長の誕生」シナリオが無くなり、最も年代の早いシナリオでは「1551年 家督相続」となり、最後のシナリオも無印ならば隠しシナリオの「1582年 本能寺の変」まで、PKならば「1599年 関ヶ原合戦」までとなる。
      • 余談となるが、「本能寺の変」シナリオはシリーズでも珍しく本能寺の変後の状態からスタートする*4ので最初から羽柴秀吉や明智光秀等が独立した状態から始まる。本能寺の変イベントを見たければ別のシナリオで条件を満たすしかない。
      • もっとも、全ての武将のCGを刷新するといった変更もあり『将星録』の時よりは武将数も多い。また、武田信虎といった大名として登場していないシリーズでは存在そのものを抹消される武将もカットされずに登場しているので時代範囲を狭めて調整したと思われる。
  • 無印発売当初は問題点だらけだった
    • 特にフル3D化した事によりPCでの要求スペックが跳ね上がってしまい、2020年現在ほどPCの性能が高くなかった時代も相まってまともにプレイできないユーザーが続出した。
      • 内政でスクロールが遅い、合戦に1時間以上かかる等まともに遊べないので、コンシューマー版が発売された後はそちらを薦められるといった事も多かった。
    • 敵の勢力の拡大が早すぎる、忍者の破壊活動が多すぎて施設を壊されまくるなどの問題点が公式掲示板でよく見られた。
    • 顔CGが刷新されたが、一部の武将は作成が間に合わなかったのか、複数の武将で同じ顔が使用されるモ武将と化してしまっていた。
      • 過去作でも見られたモンタージュ顔ではなく、寸分違わず同じ顔なので当然非難の的になった。特に森可成や高坂昌信といった知名度のある武将がモ武将と化していたのに非難の声が上がった。
      • あまりにも問題視されたのか、発売半年後にパッチとして全ての武将が固有の顔を持つように修正された*5
      • 余談となるが、以後のシリーズでもマイナー武将は本作のCGが流用され続けており、変化が乏しいという問題点になりつつある。
    • 戦闘中のCPUのAIが悪く、囮に全力で釣られたり、攻城戦で少しでも町施設を攻撃しようものなら全部隊が打って出てくるので簡単に各個撃破可能と問題点が多い。
      • CPUのAIについてはバージョンによって違いが多く、攻略サイトなどでも混乱が見られる。PKを導入した状態でもバージョンによってはAIの動きが異なり、最新の状態*6では突出した部隊を狙う、状況に応じて施設を攻撃しても打って出てこない、別動隊で本陣を狙う等のAIに改善がみられるバージョンもある。
    • これらの問題点の多さからか発売当初はクソゲー寄りな評価を受ける事が多かった。良作という判定もPKやAIが改善された最新のバージョンによるものとなる。
  • CPUチートが酷い
    • 『武将風雲録』等でも見られる、ある意味シリーズの伝統であるCPUの物資チートがかなりひどい
      • あっという間に兵や金銭、兵糧といった物資が増える、鍛冶場が無いのに鉄砲が勝手に増える、1つしか作れない大施設を二つ作るといったズルがみられる。
      • おかげでまったりと内政をしていると手に負えないほどの物資を抱えたCPUを相手にするしかなくなる。
      • 合戦時もCPUの部隊はやたら逃げ足が速い、最短で退却したりすり抜けるといったストレスが溜まる動きをする。

総評

フル3D化によりそれまでの作品から一歩進化した信長の野望。
素材やシステムの流用が多くなりつつあったそれまでの作品の流れを断ち切ったものの、無印発売当初は問題点が多かった事や、
次回作の『革新』が本作の路線を引き継がずに「全国一枚マップ」や「フルリアルタイム制」を前面に押し出し、結果として成功して以後のシリーズにも強く影響を及ぼした事から、
対照的に影が薄くなってしまったものの、シリーズ屈指の箱庭内政と言われるほど作り込まれた内政や、その箱庭を直接破壊出来る攻城戦など本作独自の仕様は好評で、
内政を好むユーザーからは特に人気が高く、本作の路線を発展させた新作をプレイしたいと望む声も少なくない。

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最終更新:2023年10月22日 15:15

*1 前々作の『嵐世記』や前作の『蒼天録』では合戦はコンシューマーはフル3D、PCは2Dとなっていた

*2 デフォルトでは上泉信綱の「剣聖」、馬場信房の「鬼美濃」等、以後は名乗りの際に異名を名乗るようになる

*3 武田信玄も全部隊に混乱をしかけるという独自のチート能力を持っているので十分に脅威ではある

*4 本作を除けば『武将風雲録』くらい

*5 余談となるが種子島時堯はこの時の変更をもってしても前作とほぼ同じ構図の顔になってしまった為に武将風雲録から最新作の大志PKに至るまで、ほぼ同じ顔という珍事になっている

*6 Steam版や30周年記念パック等