太鼓の達人 ブルーVer.

【たいこのたつじん ぶるーばーじょん】

ジャンル 和太鼓リズムゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 バンダイナムコエンターテインメント
稼動開始日 2018年3月15日
プレイ人数 1~2人
判定 良作
シリーズファンから不評
ポイント 満を持して実装された「演奏バトルモード」は達成感の薄い作業ゲー
更新の遅い段位道場本編
多すぎる高難易度のナムコオリジナル新曲
いつも通り遊ぶ分には問題なし
太鼓の達人シリーズリンク


概要

新筐体シリーズ10作目の作品。アップデートで演奏バトルモードが追加された。


特徴

  • 最終的な収録曲数は約700曲。
    • 主な新曲としてはDA PUMPの「U.S.A.」、乃木坂46の「シンクロニシティ」、米津玄師の「Lemon」など当時の旬の楽曲の他、ボーカロイド曲からは「アスノヨゾラ哨戒班」「太陽系デスコ」、東方Projectアレンジからは「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」等が挙げられる。
    • また、第五回天下一音ゲ祭の開催に伴い、SOUND VOLTEXシリーズから「GERBERA」、CHUNITHMシリーズから「Xevel」、GROOVE COASTERシリーズから「ouroboros -twin stroke of the end-」がそれぞれ相互移植された。
      • なお、太鼓の達人からは「Taiko Drum Monster」が輸出されている。
  • 演奏バトルモード
    • 2018年6月27日のアップデートで追加。
      DS版シリーズなどのRPGモードと同じシステムで、雑魚戦では演奏によって敵にダメージを与えて絆レベルを上昇して行き、ボス戦では相手のHPを0にして敵を倒して勝利していく。
    • このモード特有の要素として各難易度の中間譜面が用意されており、レベル1~13で分けられている。
      • 鬼が難しすぎてクリア出来ないが難しいでは簡単過ぎたり、練習等に役立つかもしれない。
  • 鬼の表譜面と裏譜面の同時演奏が可能になった。
    • 片方が難易度を選んだ状態でも表裏の入力が可能になり、難易度差が大きい曲でセッションし易くなった。

問題点

  • 演奏バトルモードについて
    • やる意義が薄すぎる。これに尽きる。このモードでプレイした楽曲の記録は一切保存されない。そのため、今まではクリア・フルコンボ等出来なかった楽曲をこのモードで達成したとしても、その記録を残す手段はリザルト画面を写真に撮る等に限られてしまう。
      • 逆に、記録が保存されない特性を活かして苦手な楽曲の練習に使うプレイヤーも存在した。
      • この反省からか、次回作『グリーンVer.』には通常のプレイと同様に記録が保存される「AIバトル演奏」が実装された。そちらは遊ばれる事が多かった上にゲーム性も評価されており、その後も引き続き実装されている。
    • ご褒美(隠し曲)の有り難みが人によっては薄い。これは演奏バトルモードでのみ解禁できる完全新曲は皆無であり、それらは全て過去に家庭用で収録されたことのある楽曲のみであった。
      • ちびドラゴンと不思議なオーブ」のラスボス戦で使われた「マオウのショウタイム」やPS4の「セッションでドドンがドン!」にて初登場の「ハンロック」、3DSの「ドコドン!ミステリーアドベンチャー」のDLCで初収録の「Surf Zapping(シンクロニカより)」がこのモードでのみ解禁できた楽曲。いずれも高難易度の譜面として需要があったり、楽曲そのものの人気が高かったため、ご褒美目当てでこのモードをプレイする人も多かった。
      • しかし、家庭用作品が初出ということは、そのソフトを遊べる環境が整っていればそれだけで事足りてしまう。そのため、人によってはわざわざプレイする価値もないという事態になってしまう。
      • 演奏バトルモードのストーリーが終結することが決まった際に最後にこのモード限定のごほうびが登場した。それは3年以上経った現在でも解禁する方法は無いのだが、よりによって(?)マイどんに使うきぐるみである。ある種の勲章のように扱えるかもしれないが、この着せ替えにどれだけの価値を見出せるだろうか。
    • 緊張感の無い戦闘。家庭用作品のストーリーと違い一方的にこちらが攻撃するだけで、特に放置しても何の影響もない。
      • ボス戦でも妨害こそはする物のやはり一方的である。また再戦も出来ず倒したら二度と戦えない。
    • 手抜きな中間譜面。法則に従って譜面が変化しており、譜面によっては元の譜面と殆ど変化が無かったり、大幅に簡略化されて下の難易度の元の譜面より手応えが無い、逆にやり辛くなったと感じる譜面もある*1
      • また裏譜面には中間譜面が用意されていないので表譜面と比べて極端に難易度が高い譜面の練習が出来ない。
  • 新曲について
    • ナムコオリジナルを中心に高難易度の新曲が多い。ナムコオリジナルの完全新規で収録されたおに譜面だけでカウントしても全ての新譜面32譜面に対し25譜面が☆10となっている。
      • 一概に☆10といってもその中での難易度はまちまちだが、最難関クラスとも言える譜面も収録された。例として体力や複合を捌ききる能力だけでなく秒速28打での連打を求められる「ダンガンノーツ(裏譜面)」や、段位道場の「達人」3曲目に選ばれたBPM300で複雑なリズムも多い「第六天魔王」など。
      • なお、比較的易しい部類のナムコオリジナル新曲でのおに☆10は体力勝負の「よーいドン!」、ノルマクリアとフルコンボだけなら☆9以下と言われることすらある「須佐之男」などが挙げられる。
      • 一方でJ-POPなど版権曲の新曲でぶっ飛んだ難易度の譜面が特に存在しないのは救いとも言える。もっとも、次作「グリーンver.」で「あなたとトゥラッタッタ(裏譜面)」「ゲゲゲの鬼太郎(裏譜面)」という版権曲トップクラスの高難易度譜面が収録されてしまったが。
  • 段位道場について
    • 本作で最も問題視されたと言っても過言ではないだろう。難易度で問題視されたレッドVer.などとは違い、そもそもの実装が遅すぎるのである。
      • 参考までに前作「イエローVer.」が稼働開始したのは2017年3月15日であり、イエロー段位道場の本編が実装されたのは同年5月31日。「玄人」~「達人」が実装されたのは同年9月6日。
        「玄人」以降の段位のみ実装が遅くなっただけでも不満の声は多く上がっていたのだが…
      • 問題の本作が稼働開始したのは2018年3月15日、段位道場本編が実装されたのは同年8月8日、「玄人」以降が実装されたのは11月20日。イエローVer.が稼働開始してから全ての段位が出揃うまでにおよそ6ヶ月かかったが、ブルーVer.では8ヶ月かかったのである。玄人以降の段位に挑戦出来た期間はおよそ4ヶ月ほど。
      • 実装が遅れたからといってブルーVer.の稼働終了が延ばされることはなく、受験を控えていたりして思うように遊べなかったプレイヤーなどからは悲しみの声が多く上がった。
    • さらに、「達人」課題曲三曲目「第六天魔王」の解禁タイミングも批判を呼んだ。
      • 当初は「達人」三曲目に到達することでのみプレイ可能な楽曲であったが、わずか10日で通常の演奏モードでプレイ可能にしてしまった。
      • 問題は段位道場に挑戦可能な期間に一般解禁してしまったことであり、通常の演奏モードで「第六天魔王」をいくらでも気軽に練習可能になった分、「第六天魔王」の解禁前と解禁後では「達人」の難易度や価値に差がついてしまうと一部のドンだーから疑問の声が上がった。
      • 楽曲と譜面がかなりの高評価だったために、このような解禁をしてしまったことが悔やまれる。

賛否両論点

  • 演奏バトルモードのストーリーについて
    • 内容はRPGとしてありきたりで薄味なものとなっている。太鼓の達人シリーズにRPGとしての面白さを求めるのが間違いかもしれないが…。

評価点

  • ポップス系の新曲は前作「イエローVer.」に引き続き流行りの曲をホットなうちに収録している。
  • 演奏バトルモードのヒロイン「アミティ」が可愛いと評判。その後は出番が着せ替えを除くと今作のみだったが、2023年に「青春の達人」という特殊モードでエロゲギャルゲー風の容姿・体型にリメイクされて再登場した。
  • 登場がやけに遅かった段位道場本編だが、全体的に課題曲と合格条件のバランスは良く取れておりその点については好評である。ただし、3曲目「トイマチック☆パレード」にて歴代十段最速となる220-280のBPMで16分を捌かされる十段と、1・2曲目(「SstTAarR*」と「God Ray」)が易化したこともあり3曲目の「Toon Town’s Toy’s Tune」に難易度が偏り過ぎている玄人だけ比較的不評。
    • 十段については後のバージョン以降でも3曲目が極端に難しいレベルの曲が採用され、九段との難易度差が広まっている事で不評。

総評

新モード「演奏バトルモード」はおおよそ失敗に終わったと言っても過言ではないだろう。その上に段位道場の実装があまりにも遅いことで更に足を引っ張ってしまった。
しかし、いつも通り演奏ゲームで遊ぶ分にはほとんど支障はない作品となっている。


余談

  • 今作からYouTubeのバンダイナムコアミューズメント公式チャンネルにて、新曲として収録されるナムコオリジナル楽曲の試聴用音源が不定期に配信されるようになった。
    • この試聴用音源から「物凄い高難易度の曲が来るのではないか」などと推測の声が上がるなど、SNS等では盛り上がりを見せることがある。
  • 2018年10月1日に放送されたテレ朝系列「激レアさんを連れてきた。」にて太鼓チームのエトウこと江藤裕平氏が出演し、同番組内で作られた「激レアさんスペシャルメドレー」の譜面作成を行った。
    • ちなみに、同番組内で「U.S.A.」の譜面作成をしているところを取材されている。
    • 「激レアさんスペシャルメドレー」は番組放送の翌日にブルーVer.に収録されたのだが、この楽曲はブルーVer.の稼働終了と共にサヨナラとなった。実際に収録されていた期間は163日間であり、今のところアーケード版に通常収録された楽曲で最も短い収録日数となっている。
  • 新筐体シリーズ3作目「ソライロVer.」から毎作発表されていた段位表彰が、今作を持って打ち切られる事になった。
    • 段位表彰は、そのバージョンで九段以上に合格したプレイヤーの名前を掲載し、表彰するという動画なのだが…
    • その打ち切られた原因というのが、悪意を持ったプレイヤーが8人分の段位取得者を用意し、そのプレイヤーネームを並べる事で特定人物の個人情報を公開したからという前代未聞の理由によるもの。発覚後、太鼓チームはその段位表彰の動画を削除したのだが、これがきっかけで次作「グリーンVer.」以降の段位表彰動画が出なくなってしまい、公式ブログでもこのことを咎める内容の声明が発表される事態にまで発展した。
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  • 太鼓の達人

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最終更新:2023年10月28日 10:21

*1 一例としてレベル12では元の鬼譜面の16分5連打以上の複合が一律3連打に減って単色化