ファミリートレーナーシリーズ9 風雲たけし城 二

【ふぁみりーとれーなーしりーずないん ふううんたけしじょう つう】

ジャンル 体感型アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
(ファミリートレーナーB面使用)
発売元 バンダイ
開発元 ヒューマン
発売日 1988年12月20日
定価 4,900円
プレイ人数 1人(交代制で1~4人)
判定 なし
ポイント 番組再現度アップしBGMが良化
ゲームボリュームは薄くなった
殿が異常なほど弱体化
関門のチョイスが少々マイナー気味
ファミリートレーナーシリーズ
TBS関連作品リンク
ビートたけし関連作品
挑戦状 / 突撃!風雲たけし城 / 戦国風雲児 / 風雲たけし城 二


概要

『マットコントローラー』を使って足で走ったり跳んだりしてキャラを動かす「体でするゲーム」の『ファミリートレーナー』(通称『ファミトレ』)のシリーズ第9弾。
当時を含む1986年5月~1989年3月(以後はスペシャルで数回)まで放送されていたTBSで人気を博していた視聴者参加型アトラクション番組『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』をゲーム化したもの。
1年前に発売された同シリーズ『ファミリートレーナーシリーズ8 突撃!風雲たけし城』の第2弾にあたり同時に『ファミトレシリーズ』そのものでも1年ぶりの新作である。
このように、2つのナンバリングを持つファミコンでは唯一のタイトルでもある。

おおまかなシステムは上記作品から受け継がれているため、本項目ではその差異について中心に扱うものとする。


内容

  • 前作同様8つの関門を突破して、たけし城の城主たけしを破ることが目的。
    • 番組で使われていた関門は前作から完全に一新されている。
    • 関門は下記の通りで、前作から引き継がれたものは1つもない。看板的なものは前作でほぼほぼ使ってしまったこともあってか本作ではマイナーなものまで取り入れられている。
      • 腹が減っては戦はできぬ
        すもうでポン
        アニマルドカン
        ローラーゲーム
        ザ・ロンゲストヤー
        引っぱり地獄
        ビーチボーイズ&ギャルズNEW
        人喰い穴
  • 前作にあった「団体戦」は廃止され、ゲームモードはスコア方式の「個人戦」と各種関門を練習できる「練習メニュー」の2通りのみとなった。
    • 8つの関門を突破して「たけし城」でのカート戦でたけし戦車を落とせば勝利となる。
    • 個人戦は前作では交代制ながら6人まで参戦できたが本作では4人までになった。
    • 「練習メニュー」「個人戦」とも前作通りで「個人戦」は時間のある限り失敗しても何度でも挑戦でき、クリアするとスコアとなりそのスコアがラストのカート戦でのライフに還元される。
      • 関門競技は「時間制」「3回挑戦」に分かれており、前者なら残り時間に応じてスコアが高くなり、後者なら成功した数によってスコアが高くなる。
  • 本作では「がんばり」というステータスがあり、扇子でその度合いが3段階(閉じ・半開き・全開き)で表現されている。
    • これがパワーメーターや、残り体力などそれぞれの関門ごとに異なる役割を持っている。
+ 関門及びカート戦の詳細

腹が減っては戦はできぬ

  • まず直線を走って勢いをつけ、ゴール間近に吊るされたパンに飛びついて喰らいつき、着地できれば突破。
    • 「がんばり」の扇子は走るほど開き、開ききった状態でないと成功しない。またマットに着地しないとパンに喰らいついてもそのまま背中から地面に落ちてしまい無効となる。
    • パンは4つ用意されており、上記の「喰らいつきながら落ちて失格」を繰り返したり他の攻撃軍に取られてなくなっていくが一定時間経過で再び新しいパンが4つ補充される。
  • 番組では「国境の」と付かない第一関門では最も多く使われた関門競技。もちろんパンをモノにできれば通過で転んだからと言って失格になることはない。

すもうでポン

  • 最初にルーレットをAボタンで止めて相手を決める。因みにルーレットがボールなのは番組通りで、番組では抽選箱の中からボールを引いていた。
    • 横綱(青)は「忍竜」がモデル、大関(緑)は「亜仁丸レスリー」がモデル、小結(黄)は「島田洋七」がモデル、十両(白)は「コニシキ君(小錦人形)*1」がモデル。
      • マットの中央部分のみを使い「6」「7」で走るほど「がんばり」の扇子が開き全開状態でのみ技をかけられる。「5」と「7」で左技、「6」と「8」で右技の発動。
    • 相手はグイグイ押してくるため、それにより扇子が閉じてしまうので、技は開いているうちに速攻でかける必要がある。押し切られると負け。
    • 全部で3戦行い勝った数に応じて得点が得られる。

アニマルドカン(アニマルBANG)

  • 番組では「BANG」と書いて「ドカン」と読む。まるで平均台のような狭い道を体をヨコ向きにして渡り切るゲーム。名前の通り「亜仁丸レスリー」が巨大なボールをぶつけて邪魔してくる。
    • ファミトレ大運動会』の「カニカニレース」のように大股でゆっくり進むことになる。左に向かって進むため「5」「7」で左へ前進、「6」「8」で右へ後退する。ボールはヒモで吊るされていて、亜仁丸は真正面に向かって突き出すか、左右に大きく円を描くように投げてくる。ボールは全部で3つ用意されている。
    • この関門では「がんばり」はプレイヤー耐久力になっており、最初から全開きで、亜仁丸のボールに当たると半開き→閉じとなり、閉じの状態で喰らうと失敗となる。つまり三度喰らうと失格となる。
    • 番組でチャレンジャーは足もとが見えにくく、同時にバランスを取りにくくさせるため「君も宇野君*2」で使われた太った野球ユニフォームのはりぼてを着させられていた。

ローラーゲーム

  • 上下高低差のある7つの巨大なローラーをジャンプして渡る競技。
    • ジャンプしてローラーに乗るため、その着地した位置によって、ローラーが前に回ったり後ろに回ったりする。
    • 操作は「6」「7」が前進、「10」「11」が後退。ローラーが回っている方向と逆らって走ることでローラー上に踏みとどまることができる(前に回っているなら後退で走る)。
    • ローラーが静止状態になると「がんばり」の扇子が全開するので、その状態でのみ次のローラーへジャンプができる。つまり、ジャンプして着地して回ったローラーを動きを殺しながら7つのローラーを渡り切る番組そのまま。
    • ローラーの上下関係こそ若干の差異があるものの番組そのまま。ただ番組では走るだけでなくローラーの間で体を張って踏みとどまったりしたこともあったが、これは取り入れられていない。

ザ・ロンゲストヤード

  • アンメフトを模したゲームで50ヤード走り切った先にあるエンドゾーンに到達(タッチダウン)できれば突破。
    • 走れるルートは3列になっていて中列で前進、後列で後退となる。
    • 道中にたけし軍の番兵が5人いて、彼らにぶつかると飛ばされ、「がんばり」(スタミナ)が1段階落ち、これが0になると失格。
    • たけし軍は5人いてゴール前に2人その手前のエリアを3等分して、それぞれに1人ずつ配置される。
      • このたけし軍5人(下記)はどこを誰にするか開始前に選ぶことができる。
        敵①亜仁丸レスリーモデル…動きが素早い
        敵②ストロング金剛モデル…フェイントをかけてくる
        敵③上田馬之助モデル…猛烈に横跳びを繰り出してくる
        敵④丹古母鬼馬二モデル…抜け目がない
        敵⑤大富士モデル…スキだらけ

引っぱり地獄

  • 所謂「綱引き」でこのゲームは3人がかりで参戦することも可能。
    • 「すもうでポン」同様に、まずルーレットをAボタンで止めて相手を選択。番号の小さい相手ほど強い。
    • 引っ張ってリボンを黄色いゾーンの外まで出せれば勝ちとなり、引っ張られて3人いる前列の攻撃軍の足が、前方の扉に着いてしまうと負けとなる。
    • 決着がつくと画面がスクロールし相手が誰だったのかわかるのだがゲームでは最初の番号を引いた時点でもうわかっている。
      • ゾウ(1)>亜仁丸レスリーモデル(2)>ストロング金剛モデル(3)>丹古母鬼馬二モデル(4)>すがぬま伸モデル(5)
      • 実際の番組も同等のルールだがゲームのように攻撃軍は3人がかりではなく1人でやらなければならなかった。また対戦相手はブルドーザーや牛、亜仁丸+金剛+丹古母+上田の4人、弱い方では畠田理恵や亀などかなり極端で実質的な運ゲーに近かった。

ビーチボーイズ&ギャルズNEW

  • 上記のようなタイトルだが、中身は前作に登場した「ビーチボーイズ&ギャルズ」のリニューアル版、番組でいうところの「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」である。
    • サーフボードにジャンプして飛び乗り、ジャンプでボードに乗った直後(ボード上でジャンプした場合含む)はボードがグラグラしているのでそのまま立っていると落ちてしまう。そのため、一旦伏せて揺れを止めなければならない。
      • 道中にあるウーパールーパーはジャンプしてかわすのだが、これは大まかにジャンプするだけで触れてもかわしたことになる。もちろん、その後には上記のグラグラ状態になる。
    • 番組では中継点の島からサーフボードに乗れずにいると島田洋七扮する「島娘」に突き落とされてしまったのだが、これは取り入れられていない。
    • ゲームでは中継点の島が3つになっている。「島娘」がいて、ぶつかると転倒させられるが、サーフボードに乗れなくてもやがて次のサーフボードが来るので、それに飛び乗れば何ら問題なくその繰り返しでゴールも可能。

人喰い穴

  • この関門では「がんばり」はない。
    • 5つある穴のどれかを選んで飛び込み、3つがセーフ、2つがアウト。
    • またスタート地点付近に「よろい注」がウロついていて、それに捕まってもアウトになる。よろい注はかわしても後ろからしつこく追ってくる。
    • 5穴のうち2穴がハズレなので、それ以外の3つに飛び込めばセーフで穴の横に大きなVサインが出てきて得点になる。ハズレ穴に入ってしまうとそのチャレンジャーが穴から吐き出されてしまう。
    • このゲームも「すもうでポン」同様3回行う。
      • 対戦プレイをする場合、ハズレ穴を他のプレイヤーが設定できる。
      • 番組でもこの関門に「よろい注」が配置され挑戦者にちょっかいを出してきたが捕まえてくるようなことはなく失格の要因には全くなっていなかった。

カート戦

  • 前作同様、最終決戦となるカート戦だが本作ではモグラのようなオリジナルの敵キャラはなく、たけし軍のカートのみ。
    • これを開始する前に、たけしからそれまでの得点が告げられる。これに応じてライフが決まるのは前作同様。0点でも1目盛り分のライフが与えらえる。
    • 操作も前作同様だが、パワーアップアイテムはこのカート戦で軍団のカートを落とすことで出現することがある(下記2通り)。
      • スピード(「SPEED」の文字が付いたカートの簡略絵)…カートのスピードが速くなる。
        十字旗…ライフが回復。
    • 前作同様、左から軍団のカートが向かってきて、その方向に進んで、最左まで行き着くと城主たけしのカートが出現し、これを落とせば勝利となる。
    • 番組ではこの年の4月に放送された第88回から、カート戦をそれまでの水鉄砲戦から光線銃戦にリニューアルしていた。そのためか、前作では「ポポッ」というコミカルな音だったが本作でのカート戦での攻撃は「ビビビビッ!」と番組に準じた鋭い音になった。

評価点

  • 前作を思えばゲーム向けにされた改変も少なく番組再現度は全体的に高いものになった。
    • とりわけ「ザ・ロンゲストヤード」「アニマルBANG」は見た目だけでなくバランス面でも非常に高レベルな再現度で実装できている。
      • 「ローラーゲーム」はヨコになってローラーの間で踏ん張ったりする挙動が残念ながら再現されていないが前作の「龍神池」並の再現度は実現できている。
    • 大きく改変されているのは「人喰い穴」によろい注がいて捕まるとアウト「ビーチボーイズ&ギャルズNEW(まわってビーチボーイズ&ギャルズ)」で浮島で降りたサーフボードに再び乗れなくてもノーリスクという点ぐらい。
      • ただ「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」は上記を除けば自体のバランスの再現度は秀逸で、番組ではスタートや道中の浮島からサーフボードに着地したりウーパールーパーを避けるためジャンプしてボードが揺れた状態で落ちたケースが多かったのも確かで特徴的なものがしっかり踏襲されている。
      • ウーパールーパーはかなりざっくりなタイミングでジャンプしてもかわせる点はゲームとしてはどうかと思われる部分だが、これは番組通りのバランスで番組ではジャンプさえしていればセーフ*3で、きれいに飛び越した例は少なく、セットのウーパールーパーは足を引っ掛けられたり、あるいは全体重がのしかかって壊しまくられていた。
    • 他に見た目だけの部分として「引っぱり地獄」が3人がかりになっている点ぐらい*4
    • いろいろ細かい部分まで徹底されており、より番組再現にこだわっている趣向が感じ取れる。
  • 敵キャラは多数の番組キャストをしっかりモデルとして起用して作られている。
    • 前作は城主たけしと谷隊長と家老の東国原英夫守三太夫Jr.以外は悪魔役の丹古母鬼馬二と「自由への壁」のよろい注ぐらいだったが、本作ではかなりのキャスティングのモデルが登場している。
    • 見た目も2~2.5頭身の低頭身になってるが、顔などはそれなりに特徴が捉えられており、たけし城ファンなら誰がモデルなのかも大体察しが付く。
      • 前作から続投の画面下で実況しているたけしと家老の顔もより特徴が捉えられ、よりがんばったグラフィックになっている。
  • BGMは前作では小さめなボリュームで環境音楽のようなおとなしい曲調やスローテンポなものばかりだったのだが、本作では番組のメインテーマや二次使用の楽曲こそ使われていないものの、その点もテンションの上がりやすいものにモデルチェンジされている。
    • 特にカート戦のBGMは、決戦風な雰囲気がしっかり出せており、オリジナルの曲ほどではないものの決戦らしい雰囲気はしっかり出せている。
    • タイトルも物静かな前作とは打って変わって、忍者チックな曲調で戦国の世界観のたけし城によく似合っている。
  • 「がんばり」ステータスの導入で有効なポイントが明確化。

賛否両論点

  • スコアが途中でわからない。
    • 前作の個人戦ではそれぞれの関門競技が終わるごとにスコアが見られたが本作ではカート戦に臨む前に、それまでの合計スコアが発表される。
    • 道中でのスコアがわからないのは不便だが、それによりそれまでの失敗を引きずらず目の前の関門1つ1つに集中できると言えなくもない。
  • 0点でも最低限のライフを持ってカート戦に参戦できる。
    • 初心者にとっても馴染みやすい反面、関門突破の価値を大幅に下げている。

問題点

  • 前作で名物関門は使ってしまっていたため同じものを使うには抵抗があったか本作の関門はマイナーなものも見られ、前述の通り再現度こそ高いものの人気の関門や番組での登場頻度という点で見ると劣るのが否めない。
    • 実際「人喰い穴(109回)」「ローラーゲーム(50回)」「まわってビーチボーイズ&ギャルズ(37回)」「すもうでポン(30回)」とこのあたりは多かったものの「腹がへっては戦はできぬ(18回)」「ザ・ロンゲストヤード(15回)」はそこまで常連ではなく「アニマルBANG(5回)」「引っ張り地獄(3回)」に至っては一度も見たことがない人がいてもおかしくないレベル。
      • 「人喰い穴」は登場回数だけではダントツだがそもそも運ゲーでこういったゲーム向きではない。番組では元々ゲーム性より開始前に渡嘉敷勝男と大念寺誠のコスプレによるショートコントがある。
      • そのネタ的な面白さや、彼らが潜んでいる穴に攻撃軍がひっかかった時の台詞回しが面白かった点が視聴者のツボだっただけに、運だけのゲームの部分のみを取り込んでもその面白さは引き出せるはずもない。
      • 「ローラーゲーム」は初期からの中盤の看板、「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」と初登場から数えれば2回に1回のペースだったので充分新しい看板と言えるレベル「腹がへっては戦はできぬ」は元々バラつきやすい第1関門でそこそこ登場した方ではある。
      • だが、他は「すもうでポン」「ザ・ロンゲストヤード」でさえ登場時期を加味しても4回に1枚ペースとそこそこ多かったながら、看板と言うには少々物足りず「アニマルBANG」「引っ張り地獄」はさすがにマイナーすぎるイメージが否めない。
    • 前作で起用されたものは「ビーチボーイズ&ギャルズ(3回)」を除いて番組の中でも最初から最後までネームバリューがあったものばかりで「悪魔の館(88回)」「龍神池(85回)」「ジブラルタル海峡(72回)」「国境の関所(37回)」「自由への壁(33回)*5」「戦場にかける橋(23回)*6」その差は一目瞭然。
      • 前作ではバージョンの古い「ビーチボーイズ&ギャルズ」だったのを「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」に合わせて起用したように、再現面で多少難のあった「悪魔の館」や、実質最後の要だった「ジブラルタル海峡」あたりは新仕様に合わせて再起用しても良かったかもしれない。
  • 相変わらずカート戦は、攻撃も足でしなければならない。しかも本作では練習できる機会もない。
    • とはいえ、連射がほとんどきかない上に敵が後述の体たらくなので、それほど気にならないかもしれない。
  • 殿の思考ロジックがあまりマヌケでラクラク勝てて拍子抜け。
    • 思考ロジックがとにかくお粗末で特に画面の四隅に行ってしまうと、しばらく動けずスキだらけでこちらとしてはそんな殿に撃ち放題。
    • 前作の個人戦同様に各関門クリアで稼いだポイントがライフになるのだが、これでは関門を1つ2つクリアすれば、そんな殿なら楽に勝ててしまえるほど。
      • 実際殿戦車は速いが、ビームはロクに当ててこないし、上記のようなハマリ気味な展開のおかげでこちらはスピードアップのアイテムを取らなくても勝つのは難しくない。また射撃の精度の悪さは軍団も同じでほとんど当ててこないのでコツさえつかめば関門オールパスの0点でも勝てるほど。
    • 前作を思えばカート戦で連射はきかなくなったが、むしろそれが出来たら尚のこと楽勝だったことだろう。
    • タイトル後、ゲームに入る前に殿が「前回より難しくなった」と言っていたが、そういう殿自身がまさか前作より簡単になったとはだれが想像ついたであろうか?
  • ゲームボリュームではかなり薄くなった。
    • 前作では関門こそ7つながら3つの城があり、入門レベルから上級レベルまで網羅されていたがそれもなくなり、ただ8関門とカート戦だけになった。8関門も練習メニューと個人戦で差がない。
      • 同時に各城を突破してのアイテム取得もなくなった。上記の通り殿戦車が弱いので8つの関門の内3つもクリアすれば、殿戦車と余裕をもって戦えるぐらいのライフレベルは確保できる。
    • 前作の団体戦はムリゲーだったので、それをオミットしたのは無難ではあるが「練習メニュー」と「個人戦」のみで「団体戦」に代わるモードもない。

総評

番組再現へのこだわりは前作以上に感じられ前作ほど番組とゲームの差異を感じるものは少なくなった。
操作もほとんど走って跳んで伏せてだけだった前作を思えば多少複雑なものが要求されるが煩雑すぎて手に負えないほどではない。
その一方で番組自身での人気関門が少ない点が少々残念に感じられるところではある。
また、ゲームそのもののボリュームでは3段階あった難易度がなくなり前作を思えばだいぶ薄いものになったのは否めない。
最終決戦でも殿をはじめ敵戦車の思考の出来が悪く、関門突破をかなりサボっても殿を落とせてしまうバランスなどは練り込みの足らなさが感じられる。
全体的には「前作との差別化」「番組再現への拘り」が強く出すぎるあまりゲーム根本の部分を少々おろそかにしたような出来になってしまった。


余談

  • 最終関門として不動の地位*7だった「人喰い穴」は、本作発売後3回で姿を消すこととなる(最後は1989年1月20日の第119回)。
    • 長らく最終関門として看板的存在だっただけにゲーム制作陣としても、ここにきていきなり廃止されるとは想定外だったことだろう。
    • 以後は最終関門が「ジブラルタル海峡」「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」あたりになりそれを突破したら、たけし城でのカート戦となった。
  • 本作や前作のような個人戦スコア制はレギュラー放送終了後の1989年10月6日に行われたスペシャルで逆輸入のような形で番組に採用された。
    • 今までのように攻撃軍100人強程度で脱落方式ではなく、北海道、関東などそれぞれの地区代表が5人ずつチームになり、各関門を突破する人数に応じてスコアとなり最終的にその最上位のチームと谷隊長がたけしとのカート戦を行うという、たけし城の挑戦権獲得のため、攻撃軍同士がスコアアタックをするようなスタイルだった。
  • 「アニマルBANG」は結果的に5回というマイナー関門となったが登場は74~77回まで4連続で次は82回と1988年1月~3月に集中している。
    • そのため、その後もっと多く登場するものと期待して実装したのかも知れない。或いは狭い場所を渡るということで「ジブラルタル海峡」の代替的に考えた可能性もあるだろう*8
  • 前作や本作の元となった人気番組『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』は本作発売から3ヶ月後の1989年3月をもって放送終了となった*9。実は視聴率が高かったにもかかわらず製作側の問題で終了せざるを得なかった番組の1つである*10
    • 前述の通り1988年の4月から、ラストのカート戦がそれまでの水鉄砲戦から光線銃戦に変更されたことにより、たけし戦車のチート級なタフさというアドバンテージがなくなったため*11、このラスト1年=39回の間に6回も落城(攻撃軍が勝利)したことから「賞金100万円の出しすぎで持たなくなった*12」という噂もあったが、それを抜きにしても制作陣の疲弊やセットにかかる労力や費用は相当なものだった。
      • 実際いくら勝率が上がったとはいえ、それでも水鉄砲戦の2勝79敗1分が6勝34敗*13になった程度なので敢闘賞(10万円)の1.5人分程度でしかない。
      • この番組の舞台となったTBS緑山スタジオは現在は年1~2回行われる『SASUKE』の舞台になっている。
    • こうして絶大な人気を誇りながらも短命に終わった『たけし城』だが、意外な作品に今作の精神は受け継がれている。
      • 2020年に配信開始した海外発の人気ゲーム『Fall Guys』は、実はこの番組にインスパイアされて作られたのだという。『たけし城』は海外でも放送され、意外にも日本同様に人気番組となった。
  • 放送終了から33年、最後のスペシャルから数えても31年半後の2022年3月、令和版としてリニューアル復活が決定した。
    • アマゾンプライム・ビデオにて1年後の2023年4月から配信され、城主たけしと谷隊長を除く全キャストが総入れ替えされた。

その後の展開

  • 翌1989年1月26日に「第10弾記念ソフト」と銘打たれた『ファミリートレーナーシリーズ10 来来キョンシーズ ベビーキョンシーのあみだ大冒険』が発売された。
    • 同時にファミトレそのものでもシリーズ最終作にもなったがゲームとしての内容の乏しさが明白なクソゲーで残念な締めくくりとなった。
    • 日本ではこれが最終作となったがアメリカでのNES版ファミトレ『Power Pad』を含むとこの後『ショートオーダー/エッグスプロード!』が1989年12月に発売されている。
    • シリーズの歴史は一旦終焉となったものの後の2008年5月にWiiソフト『ファミリートレーナー』が発売しその後も2011年までに全4作品が発売。
      • 2020年にはSwitch作品が発売されるなど何度か途切れかけたが、今も続いていると言えるかもしれない。
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最終更新:2023年12月09日 16:43

*1 番組でも登場した同関門のチャンスキャラ。でかい小錦八十吉の顔のはりぼてを被った人形で手が出ていないので女性でも簡単に勝てた。

*2 腹の部分は横幅があり、足の先の方しか出ていない動きにくいはりぼてを着て野球式のノックを受けるゲーム。「宇野君」とは1981年のヘディングで有名になった当時中日ドラゴンズの現役選手「宇野勝」から取られている。

*3 ジャンプする気がなく正面から突っ込んで壊した場合は失格で上記の「島娘(島田洋七)」に浮島で突き落とされていた。

*4 恐らくこれは『ファミトレ大運動会』の要素を取り入れたものと思われる。

*5 看板と呼ぶには少なそうだが、これは1988年4月29日放送の第89回から「遥かなる自由への壁」として第1関門用競技としてリニューアルされたことにより廃止されたので、それまでに限れば3回に1回程度のペースで行われていたため充分看板クラス。

*6 親子大会用にアレンジされた「かわいい子には旅をさせろ」として4回行われているので、それを含むと27回。

*7 3回だけ「スターウォーズ」という同名の映画を模したゲームが行われたことがある。

*8 偶然だが1988年10月の第106回(スペシャル)で「ジブラルタル海峡」とくっつけた「ジブラルタルBANG」という関門が単発で登場し、まんざら無関係でもなくなった。

*9 以後は3月最終週~4月の3回にわたる総集編、1989年10月、1990年3月・10月にスペシャルがあった。

*10 有名な同様の例としては『ウルトラマン』(1966年7月~1967年4月)がある。元々は6月までの予定だったが制作費の高騰やスタッフの疲弊のためやむなく4月に早められた。

*11 他に谷隊長も攻撃軍側で参戦するようになった。水鉄砲戦当時参戦しなかったのは「的の破れを検分する審判」の役目を担っていたため。

*12 ただし生き残った全員にそれぞれ100万円ではなく殊勲者にのみ与えられる。水鉄砲戦の初勝利時(1987年1月29日)のように特定できない場合や谷隊長が殊勲者だった場合は全員で山分け。

*13 1989年10月のスペシャル1回を含む。1990年に行われた2回のスペシャルではカート戦は行われなかった。