OPUS 星歌の響き -Full Bloom Edition-

【おぷす ほしうたのひびき ふるぶるーむえでぃしょん】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
Xbox One
iOS
発売・開発元 SIGONO
発売日 【Steam】2021年9月1日
【Switch】2022年5月11日
【One】2022年8月25日
【iOS】2022年11月17日
定価(10%税込) 【Steam】
通常版:2,800円
Deluxe Edition:8,500円
【Switch】2,680円
【One】2,900円
【iOS】1,500円
プレイ人数 1人
レーティング IARC:12+(12才以上対象)
備考 ダウンロード専売
Xbox Game Pass対応
判定 良作
ポイント 宇宙で繰り広げられる壮大なボーイ・ミーツ・ガール
前作までの単調さを脱却
運ゲー要素がややネック
OPUSシリーズ
地球計画 / 魂の架け橋 / 星歌の響き



忘れられない冒険を、始めよう



概要

台湾のインディーゲームスタジオ「SIGONO」が送るOPUSシリーズの第3作。
ゲームシステムやストーリーは過去作と直接関係はないが、世界観の一部と「距離」というテーマは変わらず共通している。
公式ローンチトレーラーはこちら

通常版となる『Full Bloom Edition』の他、Steam版限定でサントラやビジュアルガイド等がセットになった『Deluxe Edition』も存在。
前作までと異なりAndroid版は存在せず、フライハイワークスがパブリッシャーから外れて開発元のSIGONOが販売を手掛けている。

あらすじ

「龍脈を追い続ければ、いつか彼女に辿り着ける。私はそう信じていた。」

これは、広大な宇宙を誰もが探索できるようになった頃の物語。

この宇宙のどこかに存在する龍脈には、膨大なエネルギーが眠っていると伝えられている。

龍脈を探す青年・リバクは、龍脈を探す歌声を持つ“巫女”のエイダと出会い、宇宙へと旅立つ。

小惑星帯を縦横無尽に駆け抜ける、龍脈を探す宇宙の旅。

徐々に明らかになる、それぞれが龍脈を探す理由。

そして、二人が交わしたある約束とは──


龍脈が結び付けた二人が、別れが決まった旅に出る。

(各種メディアでの紹介情報を統合・編集して引用)

主な登場人物

  • リバク
    • 主人公。ある理由から龍脈を探す流浪の冒険家。
      本作のシナリオは年老いたリバクの回想という形で進んでいく。
  • エイダ
    • リバクと同じく、とある理由から龍脈を探している本作のヒロイン。
      龍脈を探知する歌声を出せる”巫女”。
  • カイト
    • リバクと行動を共にする男性。
      彼の言動から察するに、リバクはやんごとなき身分のようだが……?
  • ラミア
    • エイダの妹分にして、龍脈探査船・ 紅楼 (コウロウ)の船技師。
      瀛海 (エイカイ)の人間をひどく嫌っている。

用語

  • 山塊 (サンカイ)
    • 物語の舞台となる太陽系
  • 瀛海
    • リバクが元いた太陽系
  • 太乙 (タイイツ)
    • 瀛海で信仰されている神
  • 万道 (マンドウ)
    • 龍脈のエネルギーを利用して繁栄していた古代文明
  • 燭龍 (ショクリュウ)
    • 万道における全知全能の神
  • 乙皇 (オトコウ)
    • 燭龍の力の一部を受け継いだ神
  • 地母
    • 乙皇から歌を授かり、龍脈のエネルギーを掌握したとされる神

システム

  • 龍脈探査船・紅楼の燃料を消費して宇宙に点在する惑星や拠点に移動し、探査と補給を繰り返しながら道中発見した龍脈を探索し、物語を進めて行くのが基本の流れとなる。
    • 紅楼には移動に使う「燃料」、敵の攻撃や障害物の衝撃に耐える「装甲」、アイテム収集を行うための「探査キット」のステータスがあり、これらのリソースが尽きないようにしながら龍脈探しを進めて行く事になる。
      探査キット以外は探査によって換金素材と共に入手できることがある。
      また、補給施設のある地点では回収したアイテムの換金と、上述した燃料などの購入が可能。
      • 収集できるアイテムの一部は紅楼の強化に使用する。リソース上限値の底上げの他、温室の強化による草花系換金アイテムの買取金額UP、移動範囲の拡大なども可能。
      • 尚、仮に移動先で燃料が尽きたり探索時のイベントで失敗しても「救助されて最寄りの補給地点に戻される」「年老いたリバクがツッコミを入れて再度やり直しになる」だけであるため、ゲームオーバーになることはない。
  • 宇宙空間の移動時や拠点訪問時にはイベントが発生することがあり、「適切な選択肢を選ぶ」「ダイスロールでイベントに対応したキャラの運気を決め、相手の値を上回る」事で成功判定となり、紅楼の装甲損傷を回避したり報酬を入手したりできる。
  • 新しいポイントへの移動や探査を進めていくと物語が進展し、新たな龍脈の情報が手に入る。
    その情報に該当する範囲内の移動ポイントに紅楼を移動させればエイダの能力によって龍脈を見つけ出すことが出来る。
    • 龍脈の探査時や一部イベントでは3Dの横スクロール操作になり、近付いて◎で示された地点を調べることが出来る他、龍脈の門では対応した龍鳴を鳴らすと始まる音合わせをクリアすると門が開くようになっている。
  • サブイベントを含め、各地で入手したアイテムや碑文等は「旅の記憶」として記録されていく。
    本作のコレクション要素となっており、これのコンプリートを目指すのも一興。

評価点

  • ストーリー
    • 年老いたリバクの回想に始まる構造から次第に明かされていく2人の過去と、徐々に心を通わせていくシナリオの出来は秀逸の一言。
      隣にいないエイダを想い続けたリバクの姿と、2人の交わした約束の先に迎えた切なくも心温まるラストシーンに号泣したというユーザーは決して少なくない。
      • 更に、とある旅の記憶のシリーズをコンプリートするとタイトル画面にある変化が起きるのだが、その演出も非常に涙を誘うものとなっている。
  • 過去作からのゲーム性の進化
    • 「地球計画」「魂の架け橋」ではゲーム性の単調さが問題視されていたが、本作では船のリソース管理に探索、情報収集にミニイベント・ランダムイベントと、開発陣が過去作の問題点を改善しようとしている姿勢がうかがえる作りになっている。
  • 丁寧に行われたローカライズ
    • 日本語テキストの質が非常に高く、キャラクターたちの語り口もとても自然。違和感を感じることも無く、非常に良く馴染んでいる。
      • 特にラミアは 「秒で爆発した!」「エグい超ウケる!」「激ウザ男じゃない!」 等、その恩恵を最大限に受けたキャラクターと言え、海外のインディータイトルにありがちな「変な言い回しのせいで雰囲気が台無しになる」という事態は一切起こらない。
      • それに加え、声優陣は登場人物の項目に記載した4人に限定しても寺島惇太氏や長谷川育美氏、かぬか光明氏に鈴代紗弓氏と近年名を上げつつある人選でキャスティングされており、ストーリーを臨場感たっぷりに盛り上げてくれる。
  • 演出面にも力が入っている他、BGMや風水の要素が入った宗教なども相まって、SFでありながら本作特有の雰囲気作りは完璧。

問題点

  • 作中用語や作中に登場する碑文が難解で、ゲーム内に説明すら無いものが多い
    • 「用語」の項目に記載したワードは勿論、「賜服乙皇」や「燭龍顕現・万道経常」などの会話の初めにつくものや、暗号文、碑文に刻まれた文章などが該当する。
      ゲーム内での説明や解説の類は一切無い為、難しい漢字が羅列されていてなんだかよくわからないという状態になってしまいやすい。
      • 会話初めにつくものは「宗教特有の挨拶文句」として捉えれば意味は通るようになる。
        後者2つについては理解できなくてもシナリオ体験に影響が無いのが救いか。
  • 船の改造に探査で収集したアイテムを使用するが、補給拠点でのアイテム売却時に「このアイテムは船の改造に使用する」といった旨の表示は一切出ない。
    • 収集アイテムは殆どが売り払ってしまっても問題ない物ばかりであるため、この点は尚更目立ってしまっている。
  • 船の燃料が無くなってもゲームオーバーにならないという旨の説明が無い
    • この仕様によって帰りの燃料まで計算に入れる必要が無いのだが、それをゲーム中で知るには実際に燃料切れになる以外に方法が無い。
      緊張感を楽しみたいユーザーにとっては知らない方が幸せだろうが……
  • セーブデータが1つしか作れない上にオートセーブ形式
    • このため、選択肢やダイスロールイベントで失敗したくない場合はそのイベントが終わる前にゲームを終了して再起動する必要がある。
      特に、何の気無しに起こったイベントが旅の記憶の入手成否に関わっていた場合は尚更。
      • 一応クリア後にチャプター選択機能が解放される上、シナリオ攻略には影響しないため、コンプリートを目指す目指さないに関わらずそこまで気に病む必要がないのが救い。
  • ボイスに一部抜けがある
    • ボイス付きのシーンなのに、台詞の途中の文章が飛ばされる事例がちょくちょく発生する。
      一応見逃しても影響は少ないが、イベントムービーに集中したいユーザーからは不評。

総評

OPUSシリーズの持ち味である雰囲気やシナリオの質はそのままに、課題だったゲームの単調さを改善することに成功した作品。
運要素や難解な要素をある程度割り切れるのであれば、別れの決まった旅の結末の先にあるものを是非見届けてほしい。

余談

  • 2023年1月8日にSIGONO公式のYouTubeチャンネルにて、OPUSシリーズ第4作となる『OPUS 写真吾山』のティーザー予告映像が公開された。
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最終更新:2023年10月07日 23:08