『怪物と戦う者は自らも怪物とならないように気を付けねばならない。
  汝が深淵を覗き込むとき、深淵もまた汝を覗き込んでいるのだ』



        ◆




ピンと張りつめた空気を破るものはいなかった。
誰もが拳を握る理由を持ち合わせながら、それを振るうきっかけを掴めずにいた。
微かな呼吸音が静寂を震わせ、五人の鼓動がそこにあることを知らしめる。
敵となるものを鋭く睨みながらも、横目で互いの様子を伺い、いつか来る『その時』をただひたすら待つ。
誰かの顎より滴り落ちた汗の雫が落ち、水滴音が家々に反響する。緊張を現すような深呼吸が、路地裏にこだまする。
それでも誰も動くものはいなかった。誰も動けずにいた。

 ―――カッ……

固い革靴の音を響かせ、一歩踏み出したのは男、リンゴォ・ロードアゲイン。
虚ろで、しかし妖しげに輝く目で大男を睨みつけ、彼は一歩一歩近づいて行く。
手に持つナイフが月の光を反射し、銀色に輝いた。
男はさらに一歩踏みだす。もう一歩。更にもう一歩。

それを合図としたかのように、真正面に位置していたパンナコッタ・フーゴが動き出した。
リンゴォの動きに合わせ、距離を徐々に詰めていく。慎重に、滑るように。闇に溶け込むかのように。
一歩、そしてもう一歩。更にもう一歩。青年は確実に近づいて行く。

間に立つエシディシと呼ばれる男は左右の接近を前に、顔色を変える。
弾かれたように首を振ると、焦りと狼狽が大粒の汗となり顎の先から滴り落ちた。
右側からはリンゴォ・ロードアゲイン。左側からはパンナコッタ・フーゴ。つまり挟み打ちの形となっている。
どうしようもない危機的状況を前に、男は必死で頭を絞るも何も考えられず、何も動くことができず。
ただ彼にできたのは、忙しくなく両者を見比べるのみ。

「―――……それ以上、俺のそばに近寄るな」

そんな時、唐突にリンゴォは歩みを止め、口を開いた。
意図の読めない、誰に向けたかもわからない宣言に、再び空気が張りつめる。
リンゴォは黙ってナイフを腕の高さまで持ち上げると、視線の先の人物にその切っ先を向けた。
民族衣装の大男、エシディシではなく。こじゃれたスーツの青年、パンナコッタ・フーゴに。
リンゴォは、これは警告だ……、そう付け加え、青年に変わらずナイフを向け続ける。そして続けるように、こう言った。

「奪われたのは俺のスタンド、そして誇り。
 ならばこれは俺とヤツの問題だ。これは俺とヤツの戦いだ。
 神聖なる誇りを取り戻す戦いに、意志を持たない対応者は必要なし」

一息つくと、彼は言葉を重ねる。

「仲間のスタンドを取り戻す、それは別にかまわない。どうでもいい、俺には関係のない話だ。
 だがそれが俺の戦いを邪魔することを意味するというのならば、俺の世界を汚すというのならば……話は別だ。
 戦いを邪魔し、俺の誇りを汚すというのならば、俺はその行為を許しはしない。
 覚悟を持たない部外者に、俺は敵意を向けることを躊躇わない」

広がり始めたのは緊張感に加え、不穏な空気。
コールタールのようなどろりとした、纏わりつくような感情が、辺りを漂い始めていた。
不信、敵意、戸惑い、反発心。夜明け前の冷えた空気が体温を奪うのと引き換えに、憂いの感情を忍び込ませていく。
パンナコッタ・フーゴは眉を寄せ、ゆっくりと口を開く。視界の端で焦れるような表情を見せるナランチャ・ギルガを視線で押しとどめ、彼は問いかけた。

「つまり……手を出すな、一対一で話をつけたい、コイツは俺の獲物だ。そういうことですか?」
「そうだ」
「貴方は本当に一人でこの男に勝てると思っているんですか?
 スタンドもなく、片腕も使えず、見た限り身体のどこかに怪我も負っているように僕には思える。
 それでも貴方は真正面から戦いたい、助けを乞う必要はない、そう言っているんですか?」
「……昨今では理解されなくなったことだ。
 世の中には『社会的な価値』がある。そして『男の価値』がある。
 不条理や不合理だと人は呼ぶ。だがそんな『男の価値』が『真の勝利への道』には必要だ。
 社会がはかる勝ち負けの定義、そして生と死。それを超えたところに存在しているのが『男の世界』。
 俺には歩みを止めるすべを知らない。俺にとっては他の道など存在する価値を求められない。
 道に立ちふさがるものを除外する。そこに何の理由がある?
 道を取りあげたものから道を取り戻す。そこに何故躊躇う必要がある?」

生温かい空気が充満し、うっすらと東の空が明るみ始めた。時計の針は留まることを知らず、当たり前のように全てが進んでいく。
話を進めていくうちにリンゴォの脳裏に男たちの顔が浮かび上がった。
ジャイロ・ツェペリの怒りに満ちた瞳が。東方仗助の激昂に歪んだ表情が。二人の男がまるでリンゴォ・ロードアゲインを乗っ取ったのかのように、突き動かしていく。
考えるよりも先に言葉が口をついて、飛び出した。男の言葉だけが、閑静な住宅街に響いていた。

「俺は『納得』したいだけだ。はたして俺は生き残るのに相応しいのか、俺の道は間違っていないのか。
俺は死ぬべきなのか、生きるべきなのか。
 白黒つけることでしか俺は『納得』ができない。灰色じゃ駄目だ。
 白か黒か。生か死か。
 ……俺は戦わなければならない、誰よりも己自身と。そして『男の世界』と」

リンゴォは決して声を荒立てたわけではない。声を張り上げたわけでもなく、大声で叫んだわけでもない。
しかし訪れた静寂はそれまでのものよりずっと重く、ずっと長かった。

四人の男たちはリンゴォの言葉に衝撃を受けていた。一人の男の生きざまに、雷にでも打たれたかのように、ただその場に立ちつくすほかなかった。
ジョナサンは無意識のうちに力一杯握りしめていた拳を緩めていた。
フーゴは奥歯をぐっと噛みしめ、視線を逸らしたい衝動を必死でこらえていた。

ジョナサンは思い出す。怒りに震え、ディオに向かって叫んだときの自分のことを思い出す。
父を殺された時からずっと、彼は恨みを晴らすために戦ってきた。父と師を殺され、誇りに満ちた騎士を踏み台にされ、ジョナサンはそれだからこそ、彼らの意志を受け継ぎ、戦いぬくことを決意したのだ。
奪われたものをディオから取り戻すべく、もうジョナサンはディオを殺すことに躊躇いはなかった。
数の違いや、方法の違いが問題なのではない。受け継ぐでもなく、切り開く。
リンゴォ・ロードアゲインが自ら手に入れた誇りはそれだけに尊く、どれだけ輝かしいものだろうか。
ジョナサンは身震いしたくなるような高貴な精神をリンゴォの中に見た。
誇りを取り戻すため、納得をするため、戦う。気高く、光輝く魂が確かにそこにはあった。

フーゴは思い出す。頼るべきものを見失い、ボートに乗るために一歩踏み出せなかった自分のことを思い出す。
自分が信じていたものが唐突に消えてしまった時、自分は立ち止ることしかできなかった。
リンゴォは違う。彼はもがき、苦しみながらも、闇夜の中に踏み出す勇気を持っていた。たった一人でも、戦い続けることに迷いはなかった。
誇り高いという言葉がこれ以上似合う男が他にいただろうか。そして、その辛さを自分以上に理解できる男が、この場にいるだろうか。
フーゴは胸が締め付けられるような哀愁をリンゴォの姿に見た。
固い意志で立ち続ける彼は、それしか信じられぬ故に座り込むことを知らなかった。立ち止まるなと言われたからこそ、彼は再び道を歩き出すしかなかった。
その悲しみに、フーゴは泣き叫びたくなるような衝動に襲われた。

再び沈黙が流れる中、口を開くものはいなかった。じんわりと熱せられた大地より薄く陽炎が立ち上り、湿った空気の臭いが男たちの鼻をくすぐる。
もう太陽が昇る時も近いのだろう。月明かりは薄れ、夜の世界は終わり告げる。傍らに立つ街灯の灯りが、やんわりと夜明け前の明るさに滲んでいった。
その時だった。誰もが足を止め、動くのをためらうような中、大男の肩が震えだした。
その表情は暗闇に隠れはっきりとしない。身体が震えているのは歓喜になのか、悲しみになのか。
彼を囲むように立つ四人の男たちは何事か、と訝しげにその様子を伺う。彼らは黙って大男を見守った。

ゆっくりと空気が震えた。その波は鼓膜を震わせ、音となり、男たちの脳を揺らす。
大男は笑っていた。やがて大きくなり始めたその声は、はっきりと笑い声となって辺りの建物に反響する。
そして身体を捩るように、彼は大口を開けて笑った。恐怖を煽るような笑いではなかった。だが、人の神経に触る、不愉快な笑いであった。

フーゴは反射的にスタンドを呼び出すと、自らを守るように戦いの構えをとる。
リンゴォはナイフを向けると、いつでも戦える臨戦態勢をとった。
苛立ち気な様子のナランチャをなだめるように、ジョナサンはその肩に優しく手を置いた。
四人の鋭い視線が一人の男に注がれる。狂乱の持ち主はあたりを知ってか知らずか、それでも笑いを止めようとしなかった。

どれほど笑いは続いただろうか。乾いた笑いは最後に一段と大きくなり、そして消えた。
息を乱し、肩で息をしながら、大男は笑顔を張り付けると捻りだすように言葉を口にする。
その声は低くドスの利いた声であった。

「お説教はおしまいか? 戯言吐くのにも満足しただろうな。あまりのくだらなさに欠伸が出るぐらいだ。
 言いたいことがあるなら今のうちに言っちまいな。じゃねーと後で言いたくなった時、その口、使い物になってねーかもしれねェからな。
 くだらねェ……誇りだ? スタンドを取り戻すだと?
 ハッ、いいだろう、やってみやがれってんだ。かかってこいよ、髭野郎、筋肉だるまにもやし小僧と阿呆チビッ
 四人同時にかかってきても俺は一向に構わないぜ? スタンド使いだろうと、なんだろうと大歓迎だッ
 文句があるならかかってこいよッ 戦おうってなら……やってやろうじゃねーかッ」

当初追いつめられ、うろたえていた様子はもう、微塵も感じられなくなっていた。
ギラギラと光る目は獣のように鋭く、戦いの興奮に合わせたかのようにその体が大きく膨らんだように見えた。
空気が圧縮され、重量を持って五人の上にのしかかる。

大男が背にした民家に拳を叩きつけた。窓が割れ、コンクリが砕け、大気が震えた。
それを合図にしたかのように、飛び出す二つの影。
血気盛んなナランチャがジョナサンの制止を振り切り、飛び出した。ナイフを構えたリンゴォが、一目散に駆けていく。

迎え撃つは超越者、『柱の男』、『エシディシ』。咆哮をあげた大男が戦場に身を躍らせる。
戦いが始まろうとしていた。






その戦いは一瞬だった。
あまりに素早く、あまりに圧倒的で、唐突であった。フーゴは一歩も動くことができなかった。

まずはリンゴォだ。真っ先に襲いかかった男が鋭く突きを放つも、柱の男は身体を僅かに傾ける最小限の動作でこれを回避。
お返しとばかりに、スタンド『ムーディー・ブルース』でリンゴォの首目掛けて手刀を振り下ろした。
同時に本体である柱の男は、つい今しがた砕いたコンクリートの破片を手にすばやくリンゴォの後ろに回り込む。
ムーディー・ブルースの攻撃を避け、体勢が崩れていたリンゴォはその俊敏で大胆な動きについていけない。
苦し紛れに振り向きざま一閃、しかしこの一撃も空振りに終わり、大男はリンゴォの後頭部に鉄塊を叩きこんだ。あっと叫ぶ暇もなくリンゴォの身体が沈んでいく。

まずは一人。なすすべもなかった。
柱の男の身体能力はスタンド同等。いや、下手をしたらそれをはるかに凌駕するほどだ。
ナイフ一本の男を相手するなどわけないことだったのだ。
リンゴォは何が起きたかよくわかっていないような、呆けた表情のままその場に崩れ落ちる。
どうやら気を失ったようであった。


次はナランチャだ。同時、飛び出していた少年は戦いの隙を突き、大男の後ろをとっていた。
飛行機型のスタンドを呼び出すと、大きく跳躍し狙いをしっかりと定める。ターゲットはスタンドではなく、大男本人。
奪われたとはいえ、かつての仲間のものであったスタンドを攻撃することは、ナランチャにはできなかった。
跡かたもなく吹き飛ばしてやる、怒りに燃えたナランチャはそう思った。
銃口を向け、まさに今、銃弾を発射せんとする。だがまさにその時、男が鋭く言葉を言い放った。
足元に横たわるリンゴォ・ロードアゲインを見つめながら、振り向くことなく柱の男が言った。

「いいのか、ナランチャ……? 『エアロスミス』をぶっ放せばハチの巣になるのは俺だけじゃないぜ?」

ほんの少し、時間にすれば秒針が動く隙もないほどの、僅かな時間だったであろう。ナランチャは躊躇った。
男が背を向けているというその姿を怪しんでしまったのもいけなかったかもしれない。スタンド名を何故知っているのか、そう考えてしまったのもいけなかった。
迷いは隙を生む。隙は時間を呼ぶ。

「ナランチャ君ッ!」

ジョナサンが叫ぶ。しかし、動き出すのがあまりに遅すぎた。
ハッと気づいた時にはナランチャの視界いっぱいに広がる灰色の石。柱の男の馬鹿力で放り投げたコンクリの塊はもはや凶器と呼ぶにふさわしい。
時速百数十キロで襲いかかってきた投石を宙で避ける術はない。
コンクリはナランチャの額に直撃、血飛沫を上げながら少年の視界は暗転する。ナランチャの意識は闇へと沈んでいった。
これで二人目。秒針が半周もしないうちに、この場に立つ人間の数が半分まで減らされていた。



それでも戦いは終わらない。意識を失ったリンゴォの腕時計の秒針が、音を立てて進んでいく。

ナランチャの身体が宙に舞い、地面に落ちるその直前、ジョナサンが身体を滑り込ませる。
叩きつけられぬよう、少年を優しく抱きとめるジョナサン・ジョースター。それも計算の内だと言わんばかりに、柱の男は既にッ 既にッ!
次なる攻撃に備え、動いていたッ!

少年の影に隠れる様、軌道に合わせ、颯爽と駆けていく。
数十メートルを瞬時に詰める脅威の身体能力。
吸血鬼という超越者を更に上回るスピードはジョナサンにとっても予想外。それでも咄嗟に蹴りを放つのは流石歴戦の波紋使いだ。

だが柱の男、これを一歩で避け、さらに懐に潜り込む。もう一歩、更にもう一歩ッ!
両腕で少年を抱え、不慣れな体勢では歴戦の戦士も普段通りとはいかない。数回の交戦を経るも、瞬く間に追い詰められていく。
加えて相手は一人でありながら、スタンドを操り攻撃を仕掛けてくる。
それは人を五人同時に相手するのと同じ、いや、下手をすればそれ以上の人数の攻撃を同時に裁けというのと同義であった。
ジョナサンの呼吸が乱れる。強引に放たれた蹴りにはいつもの鋭さがまったくなかった。
柱の男の右頬が、ジュ……と波紋で焦げるような傷跡を残す。それだけであった。致命傷どころか、怯ませることもできなかった。

次の瞬間、柱の男の右腕の筋肉が大きく盛り上がる。
グシャッと手に持ったコンクリの塊が一瞬で砕け散り、無数の破片へと形を変える。
そしてそれが超至近距離、顔を合わせたような距離からおもいきり、ジョナサン向けて叩きつけられたッ

刹那、ジョナサンは全身を同時に殴りつけられたような衝撃を感じた。
マシンガン、あるいは散弾銃を身体中、埋め尽くすように撃ち込まれたような衝撃だった。
爪の先ほどの大きさの小石が、まるで生きた羽虫のように、青年の身体を喰らいつくしていくかのようだった。
ジョンサンの皮膚という皮膚全てが切り裂かれ、砂混じりの血飛沫がシャワーのように降りそそいだ。

ジョナサンは倒れなかった。ナランチャをこれ以上傷つけまいと彼は全ての弾丸を体全身で受け止め、それでも倒れなかった。
真っ赤な服を着ているかのように全身を血で染めながら、顔をあげたジョナサン。輝く瞳で柱の男を見つめる。
その視線に、暴れまわっていた大男が一瞬だけ怯んだように、フーゴには見えた。

だがそれでもッ それでもだッ 暴力はやまず、拳は止まらず。
ジョナサンが口を開こうとする。何か言葉を口にしようとするも、それは柱の男の疾走音に紛れ、よく聞こえない。
まるで掻き消すかのように走っていく。聞くのを嫌がるように、見つめられるのが辛いかのように。
血を一度に失いすぎた青年は軽い貧血状態に陥り、その動きに対応することができなかった。
リンゴォと同じように、『ムーディー・ブルース』が優しくその首筋に手刀を振るうと、呆気ないほど簡単に、青年は気を失った。



そして三人目。ついに残すは後一人のみ。呆然とその場に立ちつくす、パンナコッタ・フーゴのみ。
あっという間だった。フーゴが割って入るほどの隙は一切なく、気付けば戦いは終わっていた。
地面に横たわる三つの体。薄明かりの中、月を背にそびえる柱の男。傍らに立っているのはフーゴにとって見慣れた仲間のスタンドだ。
どこか現実感のないその光景に、フーゴは眩暈を感じ、まるで足元が溶け落ちていくかのような感覚に襲われた。

大男が一歩踏み出した。ビクリと身体を震わせ、反射的にパープル・ヘイズを間に立たせるように動かす。
後ずさりしたくなる気持ちを必死で堪え、フーゴは目をしっかり開くと現実を見つめる。
恐怖はある。死にたくもない。だがそれ以上に、後ずさりたくない。その気持ちがフーゴの中で上回った。
これ以上逃げるのはまっぴらだ、そう思った。

強張る表情とは裏腹に、脳は柔軟にフル回転していく。
そもそもフーゴが戦いに参加しなかったのは、隙がなかったのもあるが、なにより彼のスタンドの性質故だ。
柱の男のような超至近距離を主戦とする敵を相手する場合、下手にフーゴが介入すれば助けになるどころか、仲間討ちになる可能性のほうが高い。
不用意な一撃、不必要な接近でパープル・ヘイズの毒を充満させることを、フーゴは何よりも恐れていたのだ。

なんとか逃げだす足を止めた。堪えることはできている。えらいぞ、そうフーゴは口の中で自らを勇気づける。
今度は足を動かしてみる。大地を踏みしめ、逆に男に向かって歩み出す。
半歩は踏み出すことができた。その勇気を持っている。ならばもう半歩だ……もう一歩だッ

前は持っていなかった勇気だ。誰かに頼らなければいけない自分だった。
だがもう頼る相手はいない。太陽のように輝いていた『彼』は、もういない。
ならばこそ……フーゴはなんとか自分に言い聞かせ、進んでいく。自らの意志で一歩、更にもう一歩ッ
そんなフーゴの足が次の瞬間止まった。目の前の男が口を開いたのだ。

「やめとけ、フーゴ。この明るさで『パープル・ヘイズ』を使おうってもんなら、俺もお前もあっという間にお陀仏だ。
 それだけならまだマシだろう……。けどな、下手に即死できずにのたうち回ってみろ。
 気絶してるこいつらにも菌が感染、あとは地獄絵図だ。もしかしたら俺たちの戦闘音を聞きつけて他の参加者も来るかもしれない。
 そんなことになったら……死の連鎖は、どこまでも続いて行くぜ?」

何故この男は自分のスタンドのことを知っているのだろうか。沈黙が流れた中、混乱した頭で最初に思いついたのはそのことだった。
フーゴは警戒心から進めていた足を止め、むしろ一歩離れるように距離をとった。
まじまじと、改めて目の前の男の様子を伺ってみた。さっきまであんなに大きく見えた男が、今は何故か小さく、しぼんで見えた。
それどころか化け物のような荒々しさ、獣のような猛々しさから一転。
仕事に追われ、くたびれ果てたサラリーマン。そんな疲れ切った表情を浮かべているように、フーゴには思えた。

一体この変わりようはなんだ。何故こいつは僕に襲いかかってこない。
一度考えだすとそこから先は止まらなかった。フーゴの中であぶくのように、次から次へと疑問と疑惑が浮かび上がってきた。
そしてまるで誰かが電球のスイッチを捻ったかのように。まるで誰かがスイッチのボタンを押したかのように。
唐突にフーゴの中で一つの可能性が思い浮かんだ。
こま割り映画のように、たった今起きた出来事全てが、頭の中でもう一度流れていく。
無意識のうちにたまっていた違和感が次々に、ハマるべきところにハマり、あたかもパズルのように仮説が頭の中で完成していく。

なぜナランチャの名前を知っていたのか。それどころかナランチャのスタンド、『エアロスミス』まで、その存在を知っていたのはなぜだ。
それは彼自身の場合にもあてはまる。パンナコッタ・フーゴ、そして『パープル・ヘイズ』。この場合は名前にとどまらない。
スタンドの能力まで把握されていた。菌の弱点、光とその関連性までも、この男は知っている。
それを知っているのは、アイツらしかいない。同じ護衛チームにいた、アイツらしか、知らないはずだ。
それはつまり…………―――

フーゴはゆっくりと口を開いた。
唇がかさつき、舌がやけに乾いていて、口の中に貼りついたかのように、うまく動かなくなっていた。まるで喋り方を忘れてしまったかのようだった。
半信半疑のまま、言葉の通じぬ動物にでも話しかけるように、フーゴは言った。
その低く、くぐもっている声は、まるで自分じゃない、他の誰が喋っているかのようだった。

「アバッキオ、なのか」

大男は何も言わなかった。しかし顔にかかる影が一段と濃くなり、疲労の色が確かなものになったような気がした。
沈黙は即ち肯定の合図。フーゴはそれを信じられぬ思いで見つめ、しかし心のどこかで冷静に納得している自分がいた。
安堵と絶望、相反する二つの感情が強力な毒素のように全身を駆け巡った。

「一体、なにが」
「これは、俺のひとりごとだ。聞き流してくれても構わねェ」

問いを遮るように発せられた深い低音の声。
それはかつて護衛チームとしてフーゴと行動を共にしたレオーネ・アバッキオのものとは似ても似つかぬ声だった。
だというのに、その声の裏側には確かに彼の存在が見え隠れする。
ぶっきらぼうなもの言いといい、一つ一つの言葉の刺々しさといい、誰を相手にしようと食ってかかるような口のきき方といい。

フーゴは何も言わなかった。何も言えなかった。彼はただ黙って、『レオーネ・アバッキオ』の話を聞くほかなかった。



根性ある少年を助けるため、怪物と戦った。えらく自分らしくないとはわかっていた。でも自然と身体が動いていた。助けない、そんな選択肢は浮かばなかった。
どこかの誰かさんの甘さが移ったのかもしれない。物怖じず、ふてぶてしいガキがどっかのアホのガキと重なって見えたのかもしれない。
とにかく無茶して、下手をこいた。怪物はとんでもないヤツで、自分は殺された。レオーネ・アバッキオは死んだ。

―――そのはずだった。



その後のことも数分がかりで話し、『レオーネ・アバッキオ』のとんでもない話が終わった。
語り聞かされた話はまるでおとぎ話のようで、とても信じられぬものではなかった。
普段のフーゴならば、馬鹿馬鹿しい、そういって一蹴するような与太話で合っただろう。
しかし今回ばかりは話が違った。フーゴは何度も瞬きを繰り返し、脳の働きをチューニングするように繰り返し頭を振って、意識をはっきりさせる。
それでも、彼が感じる事象に変化はなかった。五感から感じるもの全てが、はっきりと目の前の存在が何かを示していた。

それは人ではない、超越者。全身で人を喰らう、謎の生命体。
それは彼の同僚、レオーネ・アバッキオ。天邪鬼でガラが悪くて、喧嘩ッ早い、目つき最悪の元不良警官。
矛盾しながらも辻褄の合う説明だった。フーゴの感情と理性を無視すれば、それは筋の通る話であった。

堪らず放心状態で、それでも何か言わねばと、フーゴは口を開く。
だが当たり前のように言葉は出てこず、かわりに唸り声が漏れ出た。それを聞いて男が唇を捻りあげるような嘲りの笑みを浮かべた。
その皮肉たっぷりで人を小馬鹿にする笑い方は、かつて何度か青年をブチぎらせかけた同僚の笑い方にそっくりであった。
その事に気づき、初めてフーゴは事実を事実として受け入れた。ああ、目の前のコイツは……紛れもなく、アバッキオなのだろう、と。

沈黙が流れる。立ちつくす二人は腕を伸ばせばすぐにでも届くほど近く、間に深い深い谷底が横たわっているかのように遠い。
男が口を開いた。自分の身に何が起きたかを説明していた時より、更に感情の籠らない話し方で、彼はフーゴに向かって言った。

「チームの皆には言わなくていい」

視線を合わせるも、その瞳からは感情が読み取れなかった。
底の知れない怪物のような目が青年を見返していただけだった。
再び男が話し始める。ふと、視線を外すとどこか遠いところを眺めるような、そんな目つきになった。
フーゴはそんな風に話す『アバッキオ』を見たことがなかった。

「リンゴォ、ロードアゲイン、だったかな。さっきの髭野郎の名前。
 面白いやつだよな。久しぶりに、柄にもなく昔のことを思い出しちまった。
 俺がまだ現実ってやつを知らず、警察官であることに誇りを持っていて、餓鬼みたいに目をキラキラ輝かせて時のことをよォ……」
「…………」
「『納得』……納得ねェ。たいしたもんだぜ、まったく。吐き気がするほど青臭ェ、眩暈もするほど見てらんねェ。
 だけど一番眩暈と吐き気がするのは、そんな言葉に動かされた自分がいるってことだ」
「これから……どうするつもりなんだい、アバッキオ」

肩をすくめると男はしばらく黙りこむ。その横顔をじっと見つめるも、奥底にある感情は読み取れなかった。
いや、フーゴは視線を逸すと、目を瞑った。感情を読み取りたくなかったし、読みとってはならないと思ったから。
一人の男が赤裸々に感情を吐露している。かつて長い間、相棒役を務めながら一度も触れなかった不可侵の領域。
鋼鉄のように固い守りを放っていた男の無防備さを、青年は直視することができなかった。
そんな男の脆さを見てはいけないような気がしたから。

「なぁ、フーゴ……二人でよく殺したよな。沢山、沢山殺したよな。
 スキャンダルのもみ消し、横領をしようとしたやつの処刑、抗争の裏工作……まったく、汚ねェ仕事だったよなァ。
 ポルポに頼まれもしたし、ブチャラティに内緒でした時もあったはずだ。
 一体俺とお前で、何人殺したんだろうな」
「…………」
「結局のところ、俺に出来るのはそんな仕事だけだ。俺に相応しいのはそんぐらいだってことだ。
 ゴミ捨て場の掃除、後処理と片付け。それが俺にはお似合いだってことだ。
 神様とやらがいるんだったらな……まぁ、なんというか、よく見てやがる。天命ってやつだぜ、まったく」
「アバッキオ、君は……」

――また誰かの代わりに、殺すんですか。『巨大で絶対的な何か』、神(ディオ)とやらに従って、動くつもりですか。

その言葉をフーゴは飲み込んだ。
それこそがリンゴォ・ロードアゲインが最も卑下し、唾棄すべきものだと思っているのではないだろうか。
フーゴはそう思ったが、それを言う勇気はなかった。それに正解なんてないのだと思ったのだ。
レオーネ・アバッキオにとっての『納得』がそれなら、それでいいはずだ。それが彼の歩む道なら、フーゴにそれを止める権利はないのだ。

――だがそれは、あまりに寂しすぎないだろうか。

フーゴの胸の奥底が、チクリと痛んだ。

「俺は行くぜ、フーゴ。次あった時はもう他人同士だ。
 もちろん襲いはしねェ。だけど呑気なお話はここでお終いだ。
 俺とおまえはもう赤の他人。知り合いでもなんでもねェし、同じチームで何でもない。いいな……」
「……」
「『レオーネ・アバッキオ』は死んだんだ……。だがな、『俺』は死なねェぜ、フーゴ?
 必ず生き残ってやる。殺して、殺して、殺しつくして……そして最後、最後の最後の尻拭いも自分で済ませるつもりだ。
 なんでも、そいつ……ジョナサン・ジョースターによるとこの身体は吸血鬼のものらしい。なら簡単だよな。太陽の日を浴びちまえば、銃を使う手間もなく、楽に自殺できる。
 それに最悪、この首輪とやらにお世話になればいい。あの眼鏡ジジイの世話になるのは癪だが、まぁこの際贅沢は言わねェさ」
「吸血鬼、ですか」
「なんでもありだよな」

暗い声で、男は笑った。フーゴはとてもじゃないがそんな気分でもなく、ただ彼を見つめていた。
だが彼がそろそろ旅立とうと準備を始めた時、フーゴは自分の支給品を思い出した。
そしてこれ以上ない、餞別になるな、そう思い彼にこれを譲ることにした。
アバッキオ、背中を向けた怪物にそう声をかける。ジロリと脅すように睨みつけるその様子は迫力たっぷり。だがフーゴは怯まなかった。
それどころか、ここ一番の笑顔でもう一度彼の名を呼び、そして地図を彼の顔先に突きつけた。

「僕からの餞別だと思ってください」
「……礼はいわねェぞ」

デイパックに地図をしまう彼と握手をしようと腕を伸ばす。アバッキオはそれを無視した。だが皮肉気な、いつも通りの笑顔を浮かべた。
素直じゃないな、そう思い苦笑いを返す。アバッキオはそれを見て更に口の端を釣り上げた。
一瞬だけ視線が交わる。それは文字通り一瞬だった。
次の瞬間、男は近くの民家に向かって跳躍。ひとっ飛びで屋根の上に着陸すると振り返ることなく去って行った。
向かう先はきっと地下へと続くコロッセオだろう。手渡した地図の内容を想い浮かべながら、フーゴはぼんやりと、そう思った。

アバッキオはほんとうに『納得』しているのだろうか。
チームのため、誰かのために、殺人者を殺す殺人者になる。
毒を持って毒を制する。怪物を仕留めるには自ら怪物になるしかない、そういうつもりなのだろうか。
誰にも理解されることなく、誰が褒めるわけでも感謝するわけでもない。称えてくれる人もいなければ、共に戦ってくれる人もいない。
孤独で辛い道をレオーネ・アバッキオは選んだのだ。考えてみれば、いつだって彼はそんな選択肢を選んできた。
遠ざかっていく背中が見えなくなるまで眺めていた。その背中はとても大きく、しかしとても寂しげに見え、フーゴは身を切られるような切なさに、唇をかんだ。

助けることはできない。だけど祈ることはできるだろう。
せめて彼がこの先も『納得』できる道を歩み続けれるよう、可能な限りのサポートはしよう。
地面に転がるナランチャを見つめ、フーゴは固く決心した。

その時、後ろで何者かが動く気配を感じ、反射的にフーゴは振り返った。
立ちあがっていたのはリンゴォ・ロードアゲイン。いつのまに意識を取り戻したのだろうか。
見たところ、怪我はそれほど重症ではなさそうで、後遺症もないようだ。
だがその様子は異常だった。カッと見開かれた目は血走り、今にも目玉は飛び出さんばかり。その瞳は狂気に染まっていた。
彼は、ものすごい勢いでフーゴの肩を掴むと掠れた声で問いかける。あまりに強く掴むので、フーゴの肩の感覚がなくなるほどだった。

「今の話は……ほんとうなのかッ」
「い、今の話って……」
「お前と、お前がレオーネ・アバッキオ、そう呼んでいたヤツの会話のことだッ」

チームの皆には言わなくていい、アバッキオの言葉が思い起こされた。
だがこの男はチームの一員ではない。ならば彼には知る権利がある。
それに会話を聞かれた以上、隠す必要もないし誤解を解くきっかけにもなる。
フーゴは頷き、言葉を返した。

「全て事実です。貴方がどこから話を聞いていたのかはわかりませんが、彼は『レオーネ・アバッキオ』です。
 見た目は全くの別人ですが、正真正銘『レオーネ・アバッキオ』なんです」
「…………馬鹿な」

説明を続けようとフーゴは口を開く。だが男は既に聞いていなかった。
痛くなるほど掴まれていた肩は離され、男は脱力したようにその場に崩れ落ちる。
もはやフーゴなんぞ目に入っていないのか、呆けた表情を浮かべしばらくの間、ずっとそうしていた。
その間、彼は何を見つめるでもなく、何を伝えるでもなく、ただひたすらに、意味の成さない言葉を、ぶつぶつ呟き続けていた。
空っぽの瞳で地面のある一点を凝視し続け、早口で何語かもわからぬ言葉を捲し立てる。異常な光景だった。
気味が悪いな、フーゴは男の行動に戸惑いつつも、そんな感情が自らの中で湧き上がるのを認めざるを得なかった。

長い間、男はずっとそうしていたが、やがて立ち上がると、夢遊病者のようにあらぬ方向へと向かい歩き出す。
その異常さを目の当たりにしたフーゴは一度だけ彼に声をかけた。
正直気味も悪いし、一体何が何だかわからなかったが、それでも男を放っておくことはできない。そうフーゴは思ったから。

だが無駄だった。彼は一度も振り向くことなく、まるでフーゴなんぞそこにいないかのように歩みを止めようとはしなかった。
一度だけ肩に手を置くと、ものすごい勢いで振り払われ、鬼のような形相で睨みつけられた。
男の表情を見てフーゴはゾッとした。それは男の表情が鬼気迫るものであったからではない。
数十分しか経っていないはずなのに、男は十歳も二十歳も一気に年をとったかのように、やつれ果てていたのだ。
その変貌っぷりに、フーゴは伸ばしていた手をひっこめた。

もう一度、まるで脅すようにフーゴを睨みつけるリンゴォ・ロードアゲイン。
恐怖は湧きあがらなかった。フーゴは無意識のうちに拳を握りしめ、彼をそのまま見送った。

彼はそうされることを最も嫌悪するだろうとはわかっていても、フーゴは男に同情してしまった。
きっと『超越者』とリンゴォ・ロードアゲインの間には並々ならぬ因縁があったのではないだろうか。
それが今や『超越者』は『レオーネ・アバッキオ』になってしまったのだ。
滾る感情は宙ぶらりん。そうですか、わかりました、なんて簡単には真実を受け入れられないのだろう。
あんなに声高々に『納得』を叫んでいたのだ。彼の気持ちを推し量れば、フーゴにはかける言葉が見当たらなかった。

東に向かって歩き始めた彼。太陽がうっすら昇り始め、逆光の中、光の道を歩き出した男、リンゴォ・ロードアゲイン。
フーゴは彼が見えなくなるまでじっと彼を見つめ続けていた。

そして、ふと時間に気づくと、ゆっくりとその場を離れ、放送にそなえるための準備を始めた。
ジョナサン・ジョースターをスタンドで抱え、ナランチャは自分自身の腕で抱きかかえる。
最後にもう一度だけ東の空を見る。顔をのぞかせていた太陽は今日も変わらず、美しい。

目が霞むほどの明るさを飽きることなくフーゴは見つめ続けていた。
そして、ゆっくりと近くの民家へと向かい、彼は足を向けた。

考えることは山ほどある。やるべき事は沢山ある。
長い一日になりそうだ。フーゴはポツリとそうこぼし、ふとトリッシュ・ウナ護衛作戦の日を思い出した。
それほど時間は経っていないというのに、なぜだか彼の胸は懐かしさで満たされていた。










【E-7 杜王町住宅街(南西部)/ 1日目 早朝(放送直前)】

【レオーネ・アバッキオ】
[スタンド]:『ムーディー・ブルース』
[時間軸]:JC59巻、サルディニア島でボスの過去を再生している途中
[状態]:健康
[装備]:エシディシの肉体
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2、地下地図
[思考・状況]
基本行動方針:護衛チームのために、汚い仕事は自分が引き受ける。
1.南下しコロッセオに向かう。そこから地下に潜る予定。
2.殺し合いにのった連中を全滅させる。護衛チームの連中の手を可能な限り、汚させたくない。
3.全てを成し遂げた後、自殺する。
【備考】
※肉体的特性(太陽・波紋に弱い)も残っています。 吸収などはコツを掴むまで『加減』はできません。



【ジョナサン・ジョースター】
[能力]:『波紋法』
[時間軸]:怪人ドゥービー撃破後、ダイアーVSディオの直前
[状態]:全身ダメージ(中/出血中)、貧血気味、気絶中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:力を持たない人々を守りつつ、主催者を打倒。
0.気絶中
1.目の前の吸血鬼?を倒す。これ以上は一人の犠牲も出させはしない。
2.(居るのであれば)仲間の捜索、屍生人、吸血鬼の打倒。
3.ジョルノは……僕に似ている……?

【ナランチャ・ギルガ】
[スタンド]:『エアロスミス』
[時間軸]:アバッキオ死亡直後
[状態]:気絶中、額に大きなたんこぶ&出血中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:主催者をブッ飛ばす!
0.気絶中
1.アバッキオの仇め、許さねえ! ブッ殺してやるッ!
2.ジョナサンについていく。仲間がいれば探す。
3.もう弱音は吐かない。

【パンナコッタ・フーゴ】
[スタンド]:『パープル・ヘイズ・ディストーション』
[時間軸]:『恥知らずのパープルヘイズ』終了時点
[状態]:精神消耗(小)
[装備]:DIOの投げナイフ1本
[道具]:基本支給品一式、DIOの投げナイフ×5、『オール・アロング・ウォッチタワー』 のハートのAとハートの2
[思考・状況]
基本行動方針:"ジョジョ"の夢と未来を受け継ぐ。
0.民家で二人の手当、その後放送を待つ。
1.利用はお互い様、ムーロロと協力して情報を集める。
2.ナランチャ、アバッキオが生きていることについて考える。
3.ナランチャや他の護衛チームにはアバッキオの事を秘密にする。なんて言うべきだろうか……?



【リンゴォ・ロードアゲイン】
[時間軸]:JC8巻、ジャイロが小屋に乗り込んできて、お互い『後に引けなくなった』直後
[スタンド]: 『マンダム』(現在使用不可能)
[状態]:右腕筋肉切断(止血済み)、身体ダメージ(小)、放心状態、絶望
[装備]:DIOの投げナイフ1本
[道具]:基本支給品、不明支給品1(確認済)、DIOの投げナイフ半ダース(折れたもの2本)
[思考・状況]
基本行動方針:???
0.嘘だッ……嘘だろ…………ッ!?
1.決着をつけるため、エシディシ(アバッキオ)と果し合いをする?
2.周りの人間はどうでもいいが、果し合いの邪魔だけはさせない。



【備考】
E-7北西のコンテナが退かされました。
下敷きになっていた露伴の遺体、アバッキオの遺体、エシディシの所持品(基本支給品×3(エシディシ・ペッシ・ホルマジオ)、不明支給品3~6(未確認) )はその場に放置されたままです。


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前話 登場キャラクター 次話
085:迷える子羊は神父への懺悔を望む ジョナサン・ジョースター 115:死亡遊戯(Game of Death)1
085:迷える子羊は神父への懺悔を望む レオーネ・アバッキオ 125:THE LIVING DEAD
085:迷える子羊は神父への懺悔を望む ナランチャ・ギルガ 115:死亡遊戯(Game of Death)1
085:迷える子羊は神父への懺悔を望む パンナコッタ・フーゴ 115:死亡遊戯(Game of Death)1
085:迷える子羊は神父への懺悔を望む リンゴォ・ロードアゲイン 119:ああ、ロストマン、気付いたろう

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最終更新:2012年12月17日 05:31