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ひかるとふゆき

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匿名ユーザー

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RRRRR…
職場から家に戻り、疲れた体をベッドに投げ出していると
家の電話がなった。
「はい、桜庭ですけど」
「あ、ひかる?お母さんだけど」
他愛もない世間話をしていると突然声のトーンが変わる。
「それでね…そろそろいい人、とか出来ないの?」
来た。今月も、もう三回目のこの話題に
正直飽き飽きしてて投げやりに答える。
「女でいいなら来週にでも連れて行くけど」
半分冗談で言ったのに、返って来たのは意外な言葉だった。
「いいわよ」
「………は?」
「もちろん、孫が見れないのは寂しいけどー。
ひかるってばめんどくさがり屋さんだから
そのうち野垂れ死んじゃうんじゃないかっていうのだけが
お母さん心配なの。
だから、ひかるを養ってくれるなら女の子でもアリかなーって」
野垂れ死ぬって…いくら私の身長が低いからって
この人は私を何歳だと思っているんだろうか。
と、いうかこんなにおおらかな人だったか…?
「じゃあ、来週待ってるから」
「…え…あ…?」
言い返す前に、ガチャン!と電話が切られて
受話器を持ったまま、久しぶりに途方にくれた。


「―――と、言うことで、来週私と一緒に実家に来てくれ」
「何が『と、いうことで』ですかっ!」
次の日の放課後、いつものように保健室へと足を運びふゆきに昨日の電話の内容を伝える。
いつも学校では軽くあしらってくるけれど、
さすがに今日のは応えたみたいで、真っ赤になってそっぽを向いてる。
可愛いやつめ。
「嫌かー?」
「嫌とか、そういう問題じゃありません!!」
まぁ、随分前からふゆきと『そういう』関係になってるとは言え、まさかこんな形で
親にカミングアウトするとは私も思わなかったけれど。
「で、来てくれるか?」
さっきよりも少し真剣な声で言うとふゆきがたじろぐ。
「…嫌っていう訳じゃないですけど…心の準備が……」
「よし、決まりだな」
「もう…しょうがないんだから…」
ほら、最後にはやっぱり頷いてくれる。
「今日は飲みに行くかー」
そのままふゆきの家に泊まるかな、なんて
考えながら学校を後にした――。













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  • 桜庭センセ男前やな~ -- 名無しさん (2011-05-01 17:11:42)
  • GJ!つづきをお願いします!! -- 将来ニートになるかも (2007-10-21 22:21:54)

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