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漫画戦線異状なし

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 よく晴れた休日。パティことパトリシア=マーティンは、クラスメイトで親友、そしてオタ仲間の田村ひよりの家に向かっていた。
 ひよりは今、原稿真っ最中らしいが、電話で話した様子だと、今回はだいぶ手こずっているらしい。いや、今回も、か。
 そんなわけで、パティはひよりの陣中見舞い。差し入れのリポD片手に田村家へやってきた。
 早速門柱のインターフォンを押すが、しばらく待っても返事が無い。
「……留守ですカ?」
 しかし原稿中のひよりが部屋を空けているとは考えにくい。あらかじめ連絡もしてある。
 二、三回インターフォンを鳴らしても返事が無いのを確認してから、パティは玄関のドアに手をかけた。
 鍵はかかっていなかった。
「すみませーン」
 ドアを開けて声を上げる。やはり返事は無い。
「ご家族の人はいないみたいですネ。でもヒヨリは……」
 部屋にいるはずだ。ヘッドホンでも付けていて音が聞こえないのか、それとも――
「ひょっとして部屋で倒れてるとカ……」
 原稿に根を詰めすぎて、睡眠不足&過労のコンボで失神。十分にあり得る。
 リアルに不吉な情景が想像できたものだから、背筋が冷たくなった。パティは「お邪魔しまース!」と声をかけてから、靴を脱いで上がらせてもらった。
 やはりひより以外の家族は留守らしく、家の中は静まりかえっている。
 階段を上ると、ひよりの部屋から人の気配がした。ホッとして、パティは部屋の戸をノックした。
 しかし、ここでも返事は無い。
「ヒヨリ、入りますヨ?」
 声をかけてから戸を開け、部屋に入った。
 ひよりは、居た。どてらを羽織った背中を丸めて、机に向かっている。
「ヒヨリ!」
「はうっ!?」
 パティが大きな声で呼びかけると、ひよりはようやく気付いて振り返った。
「あ……パティ」
 背後に立っていたパティの姿を認めて、ひよりはばつが悪そうに苦笑いした。
「ごめん。気付かなくて」
 どうやら作業に神経を集中していたせいで、パティの来訪に気付かなかったらしい。
「あんまり根詰めると体壊しますヨ」
 そう言ってパティはリポDを差し出す。
「かたじけない」
 ひよりは恭しく受け取ったリポDの蓋を開け、一気にあおる。
「~~ぷはぁっ…………はぁ」
 飲み干したリポDの瓶をゴミ箱に捨て、ひよりは脱力してため息をついた。
「調子はどうですカ?」
「最悪」
 簡潔なひよりの答えに、パティは首をすくめる。机を見ると、原稿用紙は真っ白のままだった。
「ネームから練り直してるんだけど、どうにもこうにも……」
「良いネタが浮かばなイ?」
「うん……」
 ひよりはもう一度大きなため息をついて、頭をかいた。
「無理せずに少し休憩した方がいいですヨ」
「んー……じゃあ、ちょっと休もうかな」
 ひよりは椅子から立ち上がると、そのままフラフラとした足取りでベッドに向かい、掛け布団の上に倒れ込んだ。
「はぁ~……疲れた」
 疲れてはいるが、今寝たらおそらく数時間は爆睡してしまう。そこまで時間を浪費するわけにはいかない。パティがリポDを飲ませてくれたのはありがたかった。じきにカフェインが効いてくるだろう。


「ヒヨリ、シャワーでも浴びてきたらどうですカ? さっぱりすれば良いアイデアが湧いてくるかもでス」
「シャワーか……そういえば昨日お風呂入ってなかったっけ」
「ちゃんと毎日入らないとダメですヨ」
「うん……じゃあ軽くお風呂入ってくるよ。パティはゆっくりしてて」
「分かりましタ」
 そういうわけで、ひよりは疲れた体をお風呂場まで引っ張っていった。
 服を脱いでから、まずは浴槽にお湯を張る。シャワーだけで済ましてもよかったが、少しでも疲労を癒すため湯船に浸かりたかった。
 ひよりは浴槽の縁に体をもたれさせ、流れるお湯に手を浸した。
「は~……」
 程よく温いお湯に触れていると、自然と頬が緩んでくる。
「……………………おっといかん」
 危うく寝てしまいそうになった。全裸で居眠りなどして風邪をひくわけにはいかない。
「頭洗おっと……」
 長い髪をシャワーでたっぷり濡らして、シャンプーでワッシャワッシャと洗う。洗いながら、頭では漫画のネタを考えている。
 しかし、ネタを出そうと意識していると、かえってネタは出にくい。何気ない瞬間に、ふと浮かび上がってきたりする方が多いのだ。
「うーん……」
「お風呂に入る時ぐらい肩の力を抜いた方がいいですヨ」
「それは分かってるんだけどね。〆切まであんま余裕がな――って……何でパティがいるの!?」
 いつの間にかお風呂場にいたパティ。服もしっかり脱いで入浴準備万端だ。
(うわ、すごっ……)
 初めて見たパティの裸体に、ひよりは一瞬目を見張った。豊満で形の良いバストに、引き締まったウエスト。ボディラインの控えめなひよりと比べれば、その差は歴然だ。羨ましくないと言えば嘘になる。
「せっかくだからヒヨリの背中を流そうと思いましテ」
「べ、別にいいよ、そんなのしなくても」
「遠慮しなくていいですヨ」
「遠慮とかじゃなくて、うちのお風呂そんなに広くないし、二人だと窮屈っていうか、その、色々ぶつかるっていうか――」
「だがそれがいい」
「何で!?」
「細かいことは気にしな~イ」
「気にするってば!」
 ひよりの言葉に聞く耳持たず、パティはタオルと石鹸を手にして、やる気満々だ。
「それじゃあ、お背中流しますネ~♪」
 楽しそうに石鹸を泡立てるパティ。
「お手柔らかに……」
 観念したひよりは、濯いだ髪をまとめて留めた。
 たっぷり泡立てたタオルで、パティはひよりの背中を丁寧にこする。
「痛くないですカ?」
「うん。ちょうど良いよ」
 人に背中を流してもらうなど滅多にないので比較は出来ないが、パティのやり方は下手ではなかった。
(これがギャルゲやラブコメ漫画だったら、私は男で、この後、何かハプニングが起こるのがセオリーだよね……風呂、外国人、巨乳……うーむ、もう一捻り何か……)
 パティに背中を洗ってもらいながら、ひよりはまた漫画のネタを考え出している。
(巨乳といえば……)
 タオルで擦られている背中に、とても柔らかく、それでいて弾力のある物体が当たっている。
「あの……パティ、さっきから胸が当たってるんだけど」
「あててんのよ」
(また微妙なとこから持ってきたな……って、そうじゃなくて)
「あ、当てないでよ」
「ヒヨリは大きいの嫌いですカ?」
「いや、見る分には大いに結構だし羨ましいとも思うけどさ、その、そういうことされるとさすがに恥ずかしいっていうか……」
 過激な漫画を描いてはいても、ひより自身はただの一人の女子高生でしかない。興味や好奇心もあるが、やはり羞恥が先に立つ。
「別に照れること無いですヨ~♪」
「うおわっ!?」
 当てるを通り越して押しつけてきた。豊かなボリュームと弾力がダイレクトに伝わってくる。


「何を……!?」
「こうやって胸で背中を洗うと、気持ちいいんですよネ?」
「そ……そういうのは男の人がやられて嬉しいんであって……わ、私は」
「嫌ですカ?」
 パティの乳房がひよりの背中に、押しつぶすように擦りつけられる。
「うわっ……」
 ひよりの口から熱い息が零れる。体温が自分でも分かるほど上がり、動悸が激しくなってくる。
「私は好きですヨ。ヒヨリのCuteなオッパイ」
「ちょっ、やめっ……っぁ」
 パティの両手が前に回り込み、ひよりの小振りな乳房を掴んだ。
 十分に発達したパティと比べて、ひよりの体型は年相応の少女らしい未成熟さを多分に残している。乳暈は小さく、その中心の突起も小花の蕾のようだ。
 石鹸の泡をまぶして洗うように、パティの手がひよりの胸を優しくもみしだく。
「ンフフ……ドキドキしてますネ」
「そ、そりゃするよ……こんな……ひぁっ!?」
 パティの指先がひよりの乳首を摘んで、軽く力を込めた。
「ヒヨリ、乳首たってますヨ」
「そんな、こと……言わないで、よ……」
 パティの吐息がひよりの肩をくすぐる。続いて唇が触れた。
「ぁ……」
 熱い舌が首筋を這い、ひよりの体が震えた。
「良い匂いですネ」
「パ、パティ……」
「ヒヨリは私のこと嫌いですカ?」
 パティが腕に込めていた力を抜いた。ひよりはほんの少しだけ距離を空け、パティと向き合う。
「そんなことないけど――」
「そうですカ。それを聞いて安心しましタ」
「いや、だからといってこの状況を受け入れ――」
 何か言おうとしたひよりの唇を、パティのそれが塞いでいた。
 柔らかく暖かい感触。不思議と不快ではなかった。
 唇を離し、顔を間近に寄せたままパティが囁く。
「こうして実体験をしておくのモ、漫画を描くのに役立つはずでス」
「じ、実体験て……んぐ」
 もう一度、パティが唇を重ねる。今度は舌を入れてきた。
「っ……ん……」
 パティの熱い舌が侵入して、ひよりの縮こまった舌に触れる。
 酔わされたように、ひよりの体から力が抜ける。緊張と不安に震えていた胸が、いつしか熱くなった吐息に合わせて上下していた。
 たっぷり時間をかけて、パティの柔らかい舌先がひよりの口中を舐め回す。つられたように、ひよりの舌も辿々しく動いた。
 ぎこちないひよりの舌を、パティの舌が慣れた様子でリードする。
 お湯を出しっぱなしだった浴槽が満タンになった。湯船から零れたお湯が二人の下半身を濡らす。唇を貪られながら、ひよりは震える手を伸ばして蛇口を閉めた。
 存分に舌同士を絡ませてから、パティは唇を離した。二人の唾液が銀色の糸を引く。
 近すぎるパティの目が、蠱惑的な光を宿して微笑んだ。ひよりの目は熱にうかされたように潤んでいる。初めて経験する刺激に、頭が追いついていない。
「ほら、私もこんなにドキドキしてまス」
 パティがひよりの手を取り、自分の胸にまで導く。心臓の鼓動は分からなかったが、火照った肌の熱さは十分に伝わってきた。


 パティの手がひよりの下腹部へ伸びた。
 ひよりは慌てて膝を閉じようとするが、パティは抵抗しようとする体ごと抱きすくめた。
 パティの手がひよりの陰りに触れる。閉じているそこへ、指先が這う。
「やっ、ちょっ、そこは……!」
「大丈夫ですヨ。ちゃんと爪のお手入れはしてますかラ」
「そういう問題じゃ――ひぁっ」
 パティの指先が巧みに蠢き、ひよりの敏感な部分を刺激する。
「だっ、だめ……っ」
「ンー? ひょっとして自分で触ったことないですカ?」
「そ……それは……っあ……ん」
 パティが指を動かすたび、ひよりの喘ぎが大きくなる。
「そんなことないですよネ。ヒヨリ、気持ちよさそうでス」
「く……んぅ」
 ひよりは何か言おうとするが、口から漏れるのは押し殺した喘ぎだけだ。
 パティの指が不意に今までと違う動きをして、ひよりの割れ目の中へ入り込んだ。
「あっ……!」
「塗れてますネ……もっと力を抜かないと、気持ちよくなれないですヨ?」
 ひよりの耳元に唇を付けるようにして囁き、パティの指が動く。
「っ、んぅ……ぁ、あ、やっ」
 ひよりは歯を食いしばって声を押し殺す。自分の体だというのに、どこをどういう風に触られているのか分からない。ただ激しすぎる快感に思考を支配されていた。
「我慢しないで、声を出していいんですヨ。おうちの人は誰もいないんですかラ……」
 パティの指の動きに合わせて、湿った音が風呂場に響いている。蜜に浸った指先がクリトリスを捉え、小さな円を描くように弄んだ。
「くっ……!」
 たちまち、今まで以上の衝撃がひよりの体を貫く。耐えようとした。が、無駄な抵抗だった。
「あっ、あっ、あああっ……!」
 全身を震わせながら、ひよりはあられもない声を上げていた。
「フフ……クリトリスを触られただけでイっちゃいましたカ」
「はぁ……はぁ……」
 上気したひよりの唇に、パティが三度目のキスをする。柔らかい舌の感触が、倦怠感に満ちた体に心地よい。
「せっかくお風呂を入れたんですかラ、続きはお湯の中でしましょうカ。ヒヨリ……?」
 まだまだ遊び足りない子供のような表情で、パティがそんなことを言う。その笑顔をぼんやり眺めながら、ひよりの意識が白くなっていった。


「……」
 視界に写るのは見知らぬ天井、ではなく、見知りまくっている天井。それもそのはず、自室の天井だ。
 ひよりは重たげに自分の上半身をベッドから起こした。
「あ、目が覚めましたカ」
「パティ? ……っ!?」
 座布団に座って漫画を読んでいたパティを見た途端、ひよりの顔は火がついたように赤くなった。
「あ、あ、あの、その……!」
「ヒヨリ? どうかしましたカ?」
「いやその、お、お風呂、で……」
「お風呂?」
 パティはわけがわからないといった様子で首を傾げる。
「ヒヨリ、どうしたんですカ? お風呂の夢でも見てたですカ?」
「ゆ、夢……?」
 ひよりの目が点になる。
「ヒヨリ、ちょっと休憩すると言ってベッドに入っテ、そのまま爆睡してたでス。起こしても全然起きなかったですヨ」
「……」
 ひよりは自分の服装を見下ろす。机に向かっていた時と同じ、部屋着+どてらという定番スタイル。
 時計を見ると、パティが来た頃から三時間ほど経っていた。
「……はぁあぁぁぁぁ~~」
 さっき自分がパティとチョメチョメしていたのは全て夢、と。その事実を確認し、安堵したひよりは今までの人生で最大級のため息をついた。
「それじゃあ私はそろそろ帰りますネ」
「あ、うん。ごめんね。全然お構いもできず」
「そうでもないですヨ。ヒヨリの可愛いとこを見せてもらいましタ♪」
「へ……!?」
「寝顔ですヨ」
「あ……ああ、うん。そっちね……」
 ひよりはベッドから起き上がる。やはり疲れが溜まっているのか、妙に体が怠かった。

 玄関までパティを見送ってから、ひよりは二度目の大きなため息をついた。
「何て夢だよ、全く……」
 漫画の方で根を詰めすぎたせいだろうか。同人作家に幻聴・幻覚は付き物とはいえ、さすがにこういうのは勘弁してもらいたかった。
 あまりに内容が強烈だったせいか、まだ夢の映像が頭から離れない。お茶でも飲んで気を落ち着けよう。そう思って、ひよりは台所に向かう。
「……あれ?」
 廊下を歩きながらふと気付く。髪の毛が少しだけ湿っていた。寝汗、だろうか。
「…………夢、だったんだよね」
 確認するように呟いた。それから髪の毛を一つまみ、鼻先に持ってくる。
 微かにシャンプーの匂いがした。……ような気がした。
(………………深く考えないでおこう)


おわり












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コメント:
  • 禿同 -- 名無しさん (2008-02-23 17:52:04)
  • このカプに目覚めてしまいそうな俺って一体・・・w -- 名無しさん (2007-11-15 19:22:54)

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