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11月11日は何の日?

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匿名ユーザー

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『11月11日は何の日?』


「ちびっ子ぉ~!! 一緒にお弁当たべようぜぇ~♪」
 こなたの教室の扉を開けると、私の脇の間から顔を覗かせながら日下部がそう言った。
 いつの間についてきてたんだろう。
 逆側には峰岸が、なぜかカートに大量のお菓子を乗せて立っていた。
 峰岸は何か勘違いをしている。
「あ、みさきちに峰岸さん。もちろんいいよ、みんな一緒の方が楽しいし」
 そう言って笑うこなたは女神だ。失明するところだった。
 日下部は廊下を全速力で走っていき、階段を転げ落ちている。お昼一緒に食べるんじゃなかったのか?
 峰岸のカートからは、お菓子が『ずもももももも』という音をたてて湧き出ている。
 まぁいいや、相手にしてたらきりがないし。
 私は取り敢えず癒しの空間に足を踏み入れる。
「おっ? ちびっ子のお弁当美味しそうだな」
 こなたの右隣に日下部が座っている。
 いつ戻ってきた。
 その反対側には、ウェディングケーキを持った峰岸が待機している。
「そうかな? これ自分で作ったんだけど」
「……ちびっ子が作ったお弁当……あ、ミートボールがある」
「え? あ、うん」
「ちびっ子のミートボール……」
「た、食べる?」
「食べる!!」
 日下部の目がダイヤモンドのように輝いている。
 こなたは多少引きながらも、自分のお弁当箱からミートボールを1つ取り出すと
 そのまま日下部の口に持っていった。
「はい、あ~ん」
「うぉおおぉおぉぉおぉおおぉおおお!!」
 椅子に座ったまま廊下に吹っ飛ぶ日下部。
 こなた、ナチュラルにあ~んをするなんて……なんて素晴らしい子に育ってくれているのかしら。
 おじさんにはノーベル平和賞を差し上げたい。
 ふと周りを見回すと、皆口を開けていた。
 恐らくあ~んをおねだりしているのだろう。
「皆何してるの?」
「泉さんの餌付けを待っているんべふ」
 みゆきが、自分の鼻血が口にもろに入って溺死しそうになっている。
 でも口は閉じない。
「もぅ、皆みっともないから口を閉じなさいよ」
「かがみ、至近距離で口パクパクさせながら何言ってるのさ」



「ちびっ子ミートボール超うめぇな!!」
「よかったね、みさちゃん」
 こなたからミートボールを受け取った日下部は、本当に幸せそうな顔をしてそれをチビチビ(こなたのことではない)食べている。
「これ1つで米俵一俵いけるな!!」
 それはすごいな。


「こんにちは先輩方!!」
 声の聞こえた方を振り返ると、1年生の4人組がいた。

「こなたお姉ちゃん、私たちも一緒にお弁当……みなみちゃん、いきなりお姉ちゃん連れて行かないでよ」
 みなみちゃんがこなたをお姫様抱っこしてどこかに颯爽と連れて行こうとしていた。
 こなたは気にせずお弁当を突いている。
 なんだあれは、可愛すぎる。
「わ!! 何で私お姫様抱っこされて!?」
 今気づいたのか。
 なんだあれは、可愛すぎる。
「泉先輩……私はヨーロッパがいい」
「何が?」
 他の全員はそれがどういう意味なのか分かっているが、こなたは皆目見当も付かないようで、可愛らしく首を傾げている。
 なんだあれは、可愛すぎる。
 またもやこなたを抱えたまま歩き出したみなみちゃんを、ゆたかちゃんが軽く押さえ込む。
 あの子病弱なんじゃなかったっけ。
「だめだよみなみちゃん、お姉ちゃん降ろしてあげて?」
「ところでゆーちゃん……なんで私メイド服に……」
 いつの間にかメイド服を着たこなた。
 隣で何かが化学反応しているような音が聞こえたけど、私は気にしない。
 つかさのリボンが7色に輝いてる気がするけど、私は気にしない。
 金髪欧米人が、そこら中の椅子と机を拝借している。
 人が座っているのに拝借している。

「あ……そういえば今日ポッキーの日だったっけか」
 こなたからもらったミートボールをやっと食べ終わった日下部が言った。
 そういえばそうだったっけ。
 ご飯だけがなくなって(こなたのミートボール1つで平らげたらしい)、おかずは大量に残った日下部のお弁当箱を不安げに見つめていると
 日下部が自分のミートボールを1つ口に咥え、こなたのほうに顔を突き出した。
「ひびっほ~、ふぉっひーへーむひようへ~」
「ポッキーゲーム? ミートボールじゃ無理だと思うんだけど」
「……」
「わ、わかったよ」
 急にシリアスな顔になった日下部に戸惑いを隠せない可愛いこなたは、諦めたように口を近づけた。
 口を大きく開けすぎたせいか、完全にキスしている状態になっている。
 日下部は固まっている。
「んぐんぐ……みさきち? どったの?」
 微動だにしない日下部に手を触れようとするこなただが、なぜか触れることができない。
 残像だった。

 周りの皆は思い思いにポッキゲームの素材を用意している。
 つかさはプリッツ、ゆたかちゃんはじゃがりこ、パトリシアさんはフライドポテト
 田村さんはウィンナー(なにかおかしい)、みなみちゃんはチョコボール(明らかに狙っている)
 そして峰岸は……
「泉ちゃん、初めての共同作業だね」
 こなたと一緒にナイフを握りながら、さっきのウェディングケーキに入刀し始めている。
 峰岸落ち着け。
 こなたもこなたで頬染めたりしてるもんだから、つかさとゆたかちゃんとみなみちゃんと田村さんとパトリシアさん
 ……と私が発狂してしまいそうだ。

 そこでとてつもない違和感を感じた。

 み ゆ き は ?

 あのみゆきがさっきから何の反応も示さない。
 眼鏡が割れる音も、鼻血が吹き出る音も、何かが崩壊する音も、何かが蒸発する音も……
 みゆきって何なんだろう……

 ともかく、これだけの萌えこなたが発動しているにも関わらず、あのみゆきが静かだ。
 視線を向けてみた。




 みゆきは石化していた。




 ちょっと手の甲で叩いてみる。
 完璧な石像だ。そして、こういうときはスルーに限る。
 っと、私が別のことに気を取られているうちに、こなた……というか、こなたとポッキーゲームらしきものを
 やったと思われる面子が、大変なことになっていた。
 つかさはヘッドスピンで下の教室とこの教室を繋げ、みなみちゃんはなぜか白石を掃除用具入れの中に監禁して
 ゆたかちゃんは自らが神速着替えを披露している。
 田村さんは頭の上から煙を噴きながら『百合』だの『萌え』だの『ロリ』だのブツブツ言っている。
 パトリシアさんは『斯様なことが!?』と、異様に発音のいい日本語を言いながら気絶し
 峰岸はスカートから吹き出るお菓子類の勢いだけで空を飛んでいる。
 こなたはぎゅーにゅーをクピクピしていた。
 やっべ……ヨタ(10の24乗)可愛い♪

 もう一度みゆきの方を見てみる。
 苔が生えて世界遺産みたいになっていた。
 ジャングルの奥地とかにありそうだ。
 まぁそれは置いておいて、私は『こなたとのポッキーゲーム用ポッキー』を取り出した。
「ねぇこなた、私ともポッキーゲームしましょうよ」
「いいけど……」
 私はポッキーの持つ部分を咥えて待機。
 こなたが反対側を咥えてきた。
 その小さなお口を微妙に動かし、ほっぺをぷにゅぷにゅ震わせながらこっちに迫ってくる。
 ここここれはすごいわ。
 どんどんこなたが近づいてくる。
 その唇がほっぺが鼻が瞳が眉毛が顎が前髪があほ毛が


 ここで私の記憶は途切れ……


 るわけにはいかない。こんな素晴らしい体験を途中で終わらせるなんてもったいなさすぎる。
 ぜひともキスのところまでたどり着いて

「これはお持ち帰りやぁあぁああぁぁあぁああぁぁぁあああ!!」

 瞬間、どこからやってきたのだろう黒井先生が、残りのポッキーごとこなたをさらっていってしまった。
 そんな……もう少しだったのに……
 ほどなくして、目を覚ましたつかさと峰岸と1年生ズ、とどこかに行っていた日下部が、全力で黒井先生を追いかけて行った。
 今頃廊下では熱いデットヒートが繰り広げられていることだろう。
 私にはそんな気力がなかったので
 丁度よくそこにあった世界遺産を掃除しておいた。

 石像の鼻のあたりから、なにやら赤い液体が滴っているが、私は気にしない。












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  • ス -- 名無しさん (2023-08-08 14:47:22)
  • みゆきさんだけ完全に人間辞めてるwwww -- 名無しさん (2008-06-17 14:38:18)
  • かがみ不憫。
    でもこなフェチで存分にキスしてるから余裕なのか。 -- 名無しさん (2007-11-12 00:14:50)

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