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ばすとはんたー・みなみ(2)

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匿名ユーザー

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「おやすみなさい、みゆきさん」
「は、はい、おやすみなさい、みなみさん」
 お風呂から出た後、少しだけおしゃべりをして、私は客間へと向かい、
 用意されていたベッドに体を潜り込ませた。
 目を閉じてから少しした後、私は自分の居る部屋のドアが開く音と、
 それからこちらに向かって近づいてくる足音を聞いた。
 誰かな、と思って目を開けると、最初は暗くて分からなかったけれど、
 みゆきさんのようだったので、
「みゆきさん……?」
 と聞いたのだけれど、そのみゆきさんらしい人は何も答えずに私のベッドの中に潜りこんできた。
 私は少し不安になったけれど、やがて目の前に、
 私に覆いかぶさるようにしてみゆきさんの顔が現れたので、その不安もすぐに消えてしまった。
 みゆきさんは相変わらず何も言わずに、いつもの柔和な表情とは違う真剣な眼差しで私を見つめていた。
「みゆきさん、どうしたんです……」
 そして私はみゆきさんに質問し終わる前に、みゆきさんの唇にで口を塞がれた。
 バストと同じくらい柔らかいみゆきさんの唇……って、
「み、みゆきさんっ!?」
 私は驚いて、みゆきさんの肩を持って唇を引き離した。
 今、私は確かにみゆきさんにキスされた。でも、一体何故、どういうわけなのか、全く分からない。
 パニック状態になる私に、みゆきさんは、
「今日……ずっとみなみさんの熱い視線を感じていました。
 とくにお風呂場では、私のバストを食い入るように見つめていましたね」
 確かに今日は吸収のこともあって、みゆきさんを意識して見つめるときが多かったかもしれないけれど……
 というか、まさか、この展開は……?
「さらにあのような質問、そして最後の情熱的な抱擁……。
 私はみなみさんの、本当の気持ちに気付いてしまいました。みなみさんは……私の体に大変な興味がおありのようですね」
「!!?」
 私は必死に顔を横に振った。
 勘違いをしている。みゆきさんはものすごい勘違いをしている。
 私はお風呂でみゆきさんに抱きついてしまったときのことを思い出した。
 そういえばあの時、何か様子がおかしかったような気がしたけれど、
 まさかあの時、私がみゆきさんの変なスイッチを入れてしまった――!?
「うふふ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ。
 今日は私がたっぷりとみなみさんに、私のことを教えてさしあげますからね」
 と、みゆきさんはにこりと笑った。
 その笑顔には逆らえないような、絶対的な何かが込められていると感じた。
 もう、私はこのままみゆきさんの餌食になるしかなさそうだった。
 さっき、昔と変わらないなんて思いましたけど、あなたは随分と変わってしまったんですね。
 私は藁にもすがる思いで神様のほうを見ると、神様はうずくまって体を小さく震わせ、
 二つの触角を動かしながら、体をキラキラと輝かせていた。
 ということはつまり……
「おおおおっ!! き、来てるス! 最高の反応っス!! 
 私の触角が、今岩崎さんがみゆきさんと体を重ねれば、超ド級の吸収が出来ると告げているっス!!
 この機を逃す手はないっス、岩崎さん! やっちゃって下さいっスーーーー!!!!」
 なんということなのだろう。
 神のお告げは、私にこのままみゆきさんに食べられてしまうことを望んでいるようだった。
「ふふ、ふふふ……」
 自然と笑い声が、口から漏れた。
 こうなったら、いけるとこまでいってしまおう。
 みゆきさんの全てを吸収するつもりで、受け入れてやるっ……!
「では、最後のお勉強会を始めましょうか、みなみさん……」

 その日の夜、私はみゆきさんのバストの大きさと絶倫ぶりを、身を持って体感した。


「う……ん……」
 明くる日の日曜日の朝、カーテンの隙間を縫う太陽の光と、囁くすずめ達の声で私は目を覚ました。
 みゆきさんはまだとても幸せそうな顔で眠っている。
 ふらつく足取りで私はみゆきさんの部屋に戻り、頭をぼーっとさせたまま着替えて、荷物をまとめ、
 持ってきたノートに書置きをして、破いて机の上に置いた。
 みゆきさんには悪いけど、今日はこのまま帰らせてもらおう。
 もし今日もう一度みゆきさんと二人きりのときに目が合えば、
 私はみゆきさんにもっとすごいことをされてしまいそうな気がするから。
「昨日はおじゃま致しました……みゆきさんにもよろしくお伝え下さい……」
「いいのよみなみちゃん。またいつでもいらしてね」
 覇気の無い声でゆかりおばさんに挨拶をして、私は自分の家へと戻った。
 高良家に、壮絶な思い出を残して。

「ふう……」
 私は自室に戻り、ベッドに寝転んだ。
 昨日は本当にいろんなことがあったな、と思い返して、すぐにやめた。
 でも、なんであんなことになったのだろう……?


「そうだ、吸収……!!」


 私はベッドから飛び起きて、鏡の前に立った。 
 そうだ、そうだった。私は吸収のためにみゆきさんの家に行ったんだった。
 そして吸収は大成功。さっきの着替えのときにはぼーっとしてて忘れていたけれど、
 どのくらいになったのか、早く確かめてみないと。
 きっと、夢にまで見た大きなバストが……
「えっ……」
 シャツを脱ぎ、ブラを外すと……そこにはいつも通りの起伏の無い胸が写っていた。
 子供のころから変わることのない、見るのも飽きるほどの胸。
 でも何故? 吸収は成功したはずじゃ……?

 私は動揺し、しばらくして落胆した。夢だったのかと疑いもした。
 しかし破かれたノートや荷物を見ると、やはり夢ではなかったのだと分かった。
 では、最初から神様などいなかったのだろうか。
 私のバストの吸収を手伝ってくれる神様など、最初から存在していなかったのだろうか。
 そう考えると、すべてのつじつまが合う。
 神様は、私があまりにバストにコンプレックスを抱いているために作りだしてしまった、偽りの存在。
 だから他の誰にも見えないし、声も聞こえない。私だけが知覚できる。
 吸収の力なんていうのも全て空想。空想だから、効果も無い。
 想像の条件を満たしても、バストなんて、増えやしないんだ。
 ……そうか、そうだったんだ。全部……「嘘」だったんだ。
「ふふ、ふふふふ……」
 昨日と同じみたいに、自然に笑い声が漏れてくる。
 おかしくて、仕方がない。あれが、全部自分の作った嘘だったなんて。
「あは、あははは……あはははははは……!!」
 乾いた笑いは止まることがなかった。
 頭のネジが飛んでいったみたいに、私はしばらく笑い続けた。

「あ、あの~……岩崎さん……」
「あははは……えっ?」
 突然、頭の中に響くような聞き覚えのある声がして、私の笑いは止められた。
「神様……?」
「そうっス、夢とか空想とかじゃなく、れっきとした、実在する神っス」
 目の前の彼女は、神と名乗った。
 彼女は机の上のペンを持ち、置いてあったノートに文字を書いた。
 ノートには確かに私のではない字で「ごめんなさい」と書かれている。
 やはり、神様はちゃんと実在するようだ。
 私はひどく安心した。よかった、嘘じゃなかったんだ。
 でも、「ごめんなさい」って、一体……?
 神様は、何だかすごく申し訳なさそうな顔をしている。
「あの……バスト、見たんスよね……」
 そう、そういえば神様が本当に存在するということは、吸収の条件の話も本当だということで、
 それが成功したにも関わらず私のバストはそのままなのには、何か理由がないとおかしくなる。
「うん……そのまま、だった……」
「す、すみませんっス!!」
 神様は机の上に乗って、土下座した。
「どういうこと……?」
「実は、条件のクリアまでは大成功だったんスけど……。問題は……その後のことでして……」
「その後……?」
 というと、
「はい……みゆきさんとの……えーと、『お勉強会』のことっス……」

 瞬間、フラッシュバック。

「い、岩崎さん? 大丈夫っスか?」
「う、うん」
「えと、そのときに私の触角の反応通り、超ド級の吸収に成功したんスけど……。
 それが、私の想像を遥かに超えるほどの吸収量でして……」
「それで……?」
「吸収されたものは一旦情報になって私を経由して岩崎さんに届くんスけど、
 その……それがあの時は私のキャパシティを超えてしまったというか……なんというか……
 つまり、私が処理できないほどのデータが一気に流れ込んできてしまったというわけでして……」
「それで?」
「行き場を無くした想定外の膨大な量のデータは、
 今まで蓄積してきたものを吹き飛ばして逆流させてしまうほどの、ものすごい『爆発』を引き起こしたんス……。
 い、岩崎さん……目が……」
「そ れ で ?」
「ひっ……あの、その、つまり、全部パーになったというか、おじゃんになったというか、
 私も全然予測できない初めての事態でして、私が未熟なばっかりに、申し訳ないっス、ホントに、
 あの、またご縁があったらお仕事させていただきますんで、さような……ひいっ!」
「……逃がさない」
 私は飛んでいこうとする神様の足を持って、彼女を引き止めた。
「あなたのせいで、私とみゆきさんの関係はめちゃくちゃ」
「あ、あの……本当に、ももも、もうしわけなななな……」
「神様は、怪我とかしても全然平気……でしたよね?」
「え、そ、そうっスけど……あの、お手柔らかに頼みます……」


 せーの、


「ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた YURYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたァ!!!!」

「ヤッダーバァアァァァァアアアアア」


 私の「ぺたぺたラッシュ」を受けて、神様は壁をすり抜け、ゴミ収集車に飛んでいった……ような気がした。
 今日は早く寝よう……なんだかとても、疲れたから……。


 次の日、電車の中でみゆきさんからの熱い視線を感じながら、
 もう二度と吸収説なんて信じないと、私は心に決めたのだった。








「みなみちゃん、おはよう!」
「おはよう、ゆたか」
「あ、おはよう、岩崎さん」
「…………」
「ん、どうしたの、岩崎さん」
「……神様の、バカ」スタスタ
「い、岩崎さん!?」
「田村さん、みなみちゃんと何かあったの?」
「ううん、何にもないはずなんだけど……(ま、まさか同人誌を見られた!?
 それで、内容には満足だから私を神だと思っているけれど、バストが小さめだったから怒ってる、とか……?)
 い、岩崎さん、ちょっと待って! 今度はもっとバスト大きめに描くから~!!」













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  • ひよりんっぽい神様も
    みなみも可愛すぐるwww
    GJ!

    ぺたぺたラッシュには爆笑を禁じ得ない。 -- 名無しさん (2008-01-14 12:47:44)

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