今日は急に空が真っ黒になり土砂降りになった。
そのドス黒い黒雲から雷が響きをとどろかす。
その雷の轟音のたびに、つかさは怯えた。
「きゃ――っ!」
「大丈夫ですよつかささん、この音の感じならきっと雷は遠いですから」
「うぅ……そうだけど…」
今つかさはみゆきの家に避難中である。
どうやら急に雨になったので雨が止むまで、ということらしい。
「つかささん、雷が怖いんですか?」
「う、うん…だって今にも頭の上に落ちてきそうなんだもん…」
「つかささんはそんなに背が高くないから大丈夫ですよ」
「むぅ……」
つかさが頬をぷくっと膨らました。
そんなやり取りの間にも、雨は酷くなっていった。
さて、雨が降り始めてから2時間ほど経ったが、まだまだ雨も雷も止みそうに無い。
「ゆきちゃん、いつになったら止むのかな?」
「さぁ……分かりませんね…」
二人で外の黒雲の豪雨をしばらく眺めていた。
が、しかし。事件は起こった。
急に雷の音が辺り中にかなりの音量でとどろいた。
すると、みゆきの家は停電してしまったのである。
外は雨だから、ほとんどの部屋は夜のように暗かった。
もちろんみゆきとつかさがいる部屋も真っ暗。
「きゃあ――――っ!」
「こ、これは…家に雷が落ちましたかね…?ちょっとブレーカー見てきますよ」
そう言ってみゆきが席を外そうとすると、つかさに服をむんずと掴れた。
「え?つ、つかささん?」
「いっちゃ…やだぁ……」
つかさの声は恐怖からか震えていた。
「いっちゃ…やだよぅ……雷…怖いよ…」
「え?え、えーと…じゃ、じゃあ一緒に行きましょう?」
みゆきは近くにあった懐中電灯を手に取ったが、電池が切れていた。
しょうがないので真っ暗のままブレーカーに行かなくてはならなくなった。
この家の住居人のみゆきといえど、真っ暗のまま手探りで行くのは、少々難だ。
それでもなんとかみゆき達は一階まで降りた。
つかさはみゆきの肩につかまり、細かく震えていた。
しかしつかさの掴む力が強くて、肩が少しひりひりする。
「つかささん…そんなに強く掴まないでください……少し痛いです…」
「えっ!?あ、ごめん…」
つかさはみゆきの肩をそっと離した。
しかし。離した場所が悪かった。
「わっ!?」
「ゆきちゃん?わわっ!!」
どうやら階段の一歩手前だったらしく、急に離されたみゆきは階段から落ちてしまった。
つかさもそれにつられたらしい。
二人の体は階段の踊り場で止まった。
「うん…痛いですぅ……あれ?つかささん?」
「ゆきちゃん…大丈夫?…あ、ゆきちゃん?」
つかさはみゆきの上にちょうど乗っかっていた。
しかも顔がすぐ近くにある故に、妙にお互いがどんな顔をしているかよく分かる。
お互いの呼吸が顔に当たってくすぐったい。
何かお互いの顔を見ていると不思議な感情が浮かんでくる。
「つかさ、さん……………」
「ゆきちゃん…………」
二人は暗闇のなか唇を触れ合わせた。
お互いのキスはとても柔らかくて優しくて。なんだか幸せな気分になれた。
そして触れ合うだけじゃ物足りなくなってきて一線を越えようと思った瞬間――――
「あら、みゆきにつかさちゃん、何してるの?」
「!!!!??」
二人は慌てて唇を離した。
どうやらみゆきの母、ゆかりが帰ってきたようだ。
みゆきはあわてて今の事態の修正をした。
「お、お母さん!これはえっと――――」
「?」
ゆかりは意味も分からず頭を傾げている始末。
つかさはただ呆然とするばかり。
雨は二人をからかうかのように消え失せていたのであった。
そのドス黒い黒雲から雷が響きをとどろかす。
その雷の轟音のたびに、つかさは怯えた。
「きゃ――っ!」
「大丈夫ですよつかささん、この音の感じならきっと雷は遠いですから」
「うぅ……そうだけど…」
今つかさはみゆきの家に避難中である。
どうやら急に雨になったので雨が止むまで、ということらしい。
「つかささん、雷が怖いんですか?」
「う、うん…だって今にも頭の上に落ちてきそうなんだもん…」
「つかささんはそんなに背が高くないから大丈夫ですよ」
「むぅ……」
つかさが頬をぷくっと膨らました。
そんなやり取りの間にも、雨は酷くなっていった。
さて、雨が降り始めてから2時間ほど経ったが、まだまだ雨も雷も止みそうに無い。
「ゆきちゃん、いつになったら止むのかな?」
「さぁ……分かりませんね…」
二人で外の黒雲の豪雨をしばらく眺めていた。
が、しかし。事件は起こった。
急に雷の音が辺り中にかなりの音量でとどろいた。
すると、みゆきの家は停電してしまったのである。
外は雨だから、ほとんどの部屋は夜のように暗かった。
もちろんみゆきとつかさがいる部屋も真っ暗。
「きゃあ――――っ!」
「こ、これは…家に雷が落ちましたかね…?ちょっとブレーカー見てきますよ」
そう言ってみゆきが席を外そうとすると、つかさに服をむんずと掴れた。
「え?つ、つかささん?」
「いっちゃ…やだぁ……」
つかさの声は恐怖からか震えていた。
「いっちゃ…やだよぅ……雷…怖いよ…」
「え?え、えーと…じゃ、じゃあ一緒に行きましょう?」
みゆきは近くにあった懐中電灯を手に取ったが、電池が切れていた。
しょうがないので真っ暗のままブレーカーに行かなくてはならなくなった。
この家の住居人のみゆきといえど、真っ暗のまま手探りで行くのは、少々難だ。
それでもなんとかみゆき達は一階まで降りた。
つかさはみゆきの肩につかまり、細かく震えていた。
しかしつかさの掴む力が強くて、肩が少しひりひりする。
「つかささん…そんなに強く掴まないでください……少し痛いです…」
「えっ!?あ、ごめん…」
つかさはみゆきの肩をそっと離した。
しかし。離した場所が悪かった。
「わっ!?」
「ゆきちゃん?わわっ!!」
どうやら階段の一歩手前だったらしく、急に離されたみゆきは階段から落ちてしまった。
つかさもそれにつられたらしい。
二人の体は階段の踊り場で止まった。
「うん…痛いですぅ……あれ?つかささん?」
「ゆきちゃん…大丈夫?…あ、ゆきちゃん?」
つかさはみゆきの上にちょうど乗っかっていた。
しかも顔がすぐ近くにある故に、妙にお互いがどんな顔をしているかよく分かる。
お互いの呼吸が顔に当たってくすぐったい。
何かお互いの顔を見ていると不思議な感情が浮かんでくる。
「つかさ、さん……………」
「ゆきちゃん…………」
二人は暗闇のなか唇を触れ合わせた。
お互いのキスはとても柔らかくて優しくて。なんだか幸せな気分になれた。
そして触れ合うだけじゃ物足りなくなってきて一線を越えようと思った瞬間――――
「あら、みゆきにつかさちゃん、何してるの?」
「!!!!??」
二人は慌てて唇を離した。
どうやらみゆきの母、ゆかりが帰ってきたようだ。
みゆきはあわてて今の事態の修正をした。
「お、お母さん!これはえっと――――」
「?」
ゆかりは意味も分からず頭を傾げている始末。
つかさはただ呆然とするばかり。
雨は二人をからかうかのように消え失せていたのであった。