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カケラ 19

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19.

単線の出来の悪い線路に沿った県道を、『気配』の感じる方へと進む。
この界隈、ほとんどの地名に「岩瀬」が付く辺り、かつては一つの村だったのだろう。
それがおそらく、近代史の試験に出てきた『昭和の大合併』で富山市に編入された───。
まさか日本史の授業の内容を、こんな所で思い出すとはねぇ。
やがて県道が富山港線から離れ、100メートルほど歩いた先に三叉路が見えた。
この際どちらが県道とかどうでもいい。私は『気配』の感じる左側の道へと足を進めた。

「今頃かがみん、どうしているんだろうねぇ」
もしこの世界にかがみも飛ばされていたとして、もしかがみも同じ富山に居たとすれば、
今の私のチカラでかがみの気配を感じる事が出来るだろう。
しかし、それは敵わなかった。

ふと、先月の、桜籐祭での記憶がよみがえる。
『かがみは私の嫁だ!!』
いつもの面子でお喋りしている時、私は何度かこの台詞を使った。
相手には冗談に聞こえるように言っていた。
そう、この台詞、半分本気だったんだよネ。私が。

私は同性にはリアルで興味が無い。
むしろ嫌悪感を抱いていたくらいだ。
同性同士の恋なぞ、例え鍵製のエロゲでもお断りだった。
かつては、『そうだった』。
でも、今は違う。

『全くしょうがないわね』
初めは散々嫌がっていたかがみを見るのが面白くてからかっていたんだけど、
何時しかかがみは、私が『私の嫁だ』と言うたびにこの台詞で返すようになっていた。
こちらとしてはツンデレかがみのツン全開を見るのが楽しみだったのに……。
ちとやり過ぎたかにゃぁ。

かがみは、優しい。
普段は強がっているけれど、本当は寂しがりで、心もガラスの様に脆く、壊れやすい。
かがみは、暖かい。
時折、冷酷非道(に見える)な態度をとるけれど、それは私が本当に怒らせた時だった。
そして、かがみは…………、


「!!」
後で『鍵』とは違う『気配』を感じた。
「誰?!」
気を全身に放ち、警戒したままそっと後を振り向く。
暗がりの中、そこに立っていたのはボロボロの布を身に纏った明らかに不振な男の人だった。
「ぐっしっしっし、いやぁ、こんな所で逢えるとはねぇ」
その笑い方、癇に障るから止めてくれない?
見るからにホームレスの恰好をしている……が、ホームレスにありがちな独特の悪臭は無い。
街灯に照らされ、雪に反射され、ぼんやりと見える薄汚いボロ布も、わざとそうしている様に思えた。
背は高く、おそらく私のお父さんくらいあるだろう。
つまり、彼はホームレスではなく、ホームレス『風』の変人である。
一体、何のために?
「こんな寒い中ご苦労だね。捜し物かい?」
雪で凍り付いた無精髭が、ニヤける口に連動する。
……この声、何処かで聞いた事がある様な?
「ええ、まぁ」
私が無愛想にそう答えると、彼は向こうを指さして、こう言った。
「しっしっし、探すんならあのお寺の方を探してみな。
 きっと見付かりますぜ。ぐっしっしっし。」
彼が指さす先には『上行寺』というお寺があった。
「ああ、どうも」
私はわざと顔を下に向けたまま、『わざと』無愛想に礼を述べ、その場を離れた。
「ぐっしっし、安心しな。オレはお前さんに手を出そうという気は無いさ。しっしっし」
それ、私を余計警戒させる事になるから。

夜のお寺ほど不気味なモノは無い。
が、不気味に感じるのは幾多もある怪談話のせいであり、
幽霊に鉢合わせして酷い目に遭う事はそう滅多にない。
それは神社にも同じ事が言えるけど、鷲宮神社でそう言った話は『そこに住んでる本人』ですら聞いた事が無いし、
私もそこで幽霊に遇った事は一度も無い。
でも、やっぱり幽霊には遇いたくない。だって何されるか分かったもんじゃないからね。
私にだって恐いもの位あるんだいっ!!
さて、私が意識を『気配』に集中すると、自然に足が本堂の裏手へと赴いた。
その裏手は、墓地。
ちょっと嫌だけど、幽霊が出ない事を祈りつつ、裏手の墓地に進入する。
無名の小さな墓石がズラリと並んだ辺りで、何かが光っているのを感じた。
そこに最も強く『気配』を感じる。間違いない。『鍵』だ。
私は墓石と墓石の間に手を延ばし、『それ』に手を延ばそうとするが………、
「ふにゃ?!」
バランスを崩してその場で転んでしまう。
雪の中に沈んだ顔が、ジンジンと痛む。
そういや『北越号での事件』で、私は幾らか怪我をしていた事を今更思いだした。
「?!」
またもや背後で人の気配が。しまった、住職さんには挨拶してなかったんだ。
どう考えても私は不審者です。本当にありがじゅしたー。
「ぐっしっしっし、捜し物は『これ』かい?」
俯せで倒れた私を起こすと、彼は目の前にぼんやり黄色く光る『石』をちらつかせた。
これが、かなたさんの言ってた『星のカケラ』というモノだろう。
私は起きあがって雪を払い、彼から『石』を受け取る。
私の胸の内に秘めている『チカラ』と『石』が持つチカラが一致する。
「ど、どうも」
彼にそう礼を述べて見上げて、私は驚愕した。
「あ、貴方は?!」
「あっはは、やっと気が付いてくれたかい?」


彼は、青森駅で会った青年だった。
無精髭はニセモノで、ボロ布もやはりわざとそう作ったらしい。
そして、雰囲気と声から予想していた通り、彼は私の父・泉そうじろうの若き姿だった。
ボロ布で出来た服と頭巾を取った彼は、あの時と同じ詰め襟姿であった。
ところで、学校はどうしたの?
「いやぁね、こんな可愛い子がオレの地元でうろうろしているからさ、
 何があったんだろうと思って尾行していたのさ」
どう見てもストーカーです。ありがじゅしたー。
それに貴方の地元は富山じゃなくて、能登町の矢波でしょ?
ていうか、青森で会った時と明らかに喋り方が違うし。
やっぱり私の父は学生時代からこんなんだったのか。
こんな父親と数年後結婚した母親──かなたさん──は、もしかしたら相当な変わり者かも知れない。
「へぇ、キミも泉って名前なんだ。へぇ」
恥ずかしいから苗字でも呼ぶのはやめてくれる?
「でも、『こなた』って名前は変わってるね」
えーっと、名付け親は貴方なんですけどねぇ。
「でも、だからと言ってホームレスの恰好なんてしなくていいでしょ?」
「いやぁ、オレがこんな所に居たらきっと驚くと思ってねぇ。だからこんな恰好をしていたんだよ。
 いやぁ、寒かった寒かった」
「だから、そっちの方が驚いたって」
『普通』にしていれば誰にでも自慢出来る父親なのだが、蓋を開ければこんなんだ。
ああ、ちょっとショック。でもお父さんらしくていいや。

「そう、それで、だ」
「なに?」
「これを渡そうと思って」
「へ?」
今までのは前置きだったんデスカ?
「まあ、受け取っておくれ」
そう彼が渡したのは、またしても茶封筒。中身は乗車券と急行券が1枚ずつ。
行き先は、水の都・大阪。
「突然だがキミに渡すように頼まれてね。オレの用はそれだけ」
そう彼が言い終えると、富山港線の電車は富山駅のホームに滑り込み、
ガクンという衝動と共に所定位置にぴたりと停止した。
「じゃあ、気をつけて」
「ちょっと待って!!」
地下道の階段を降りようとする未来の父親を呼び止める。
「この切符、『誰が』渡せって言ったの?」
これも現代へ帰る『鍵』となるに違いない。だから、彼に訊いた。
しかし……、
「すまん、これだけは言えない。キミの好きな言い方だと『禁則事項です』ってトコかな?」
そのネタ、何で知っているの? いやいや、ツッコミ所はそこではない。
「本当にすまない。そういう約束でね」
ボロ頭巾を被った青年は優しく頬笑んだ。その笑顔の裏には、少しだけの寂寥感。
「それじゃ、オレはそろそろ行くよ。じゃあな、『泉こなた』さん」
彼は、そう言って私に手を振り、そのまま地下道の階段を降りて消えていってしまった。


視界が白一色に変わった。
雪ではない、もっと暖かく、ふんわりとした、『何か』。
こういう時、どう表現したら良いのだろう。
お父さんと違って私には言葉のバリエーションというモノが皆無に等しい。文系なのに。
そんな事を思っていると、ふと、視界の向こうに、少女の姿が見えた。
天も地も前後左右も真っ白な空間の中にぽつんと立つ、少女。
少女……と言っても私より背は高い。真っ白なワンピースに藤紫色の長いツインテール。
思ったよりも白く、程よい体格の少女。後ろ姿だけど、すぐに誰だか分かった。
私の大好きなひと。一番大切なひと。
その少女が私に気付いたのか、くるっとこちらを向いて、微笑みかけてきた。
『……………』
何も言わず、笑顔で手を振るかがみ。
今、一番会いたいひと。
『かがみー!!』
私は彼女に向かって走り出す。駆け足は陸上部のみさきちにも負けないぞ。
たったったったったっ
『早く早くー!!』
かがみが私を呼んだ。
優しい笑顔で。
『待ってー!!』
『置いてっちゃうわよー!!』
かがみが走り出した。
早く追いつかなきゃ。
『早く早くー!!』
『だから待ってよー!!』
いくら走っても追いつかない。
一生懸命走っているけど、追いつかない。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、
息が切れる。
『早くおいで~!!』
おかしい。
どんなに走っても彼女には追いつかない。
右も左も分からない真っ白な空間。
『かがみ~!!』
『ほら、早く~!!』
私はひたすら走り続けた。
走って走って、兎に角走りまくった。
そして、ついに。
『はぁ、はぁ、はぁ…………、はぁ……………』
『早くおいで~!!』
かがみの声がどんどん遠ざかる。
『待っ………て、か…が………み』
急に視界が真っ暗になり、激しい目眩が起きる。
痛い、苦しい、誰か、助けて。
かがみ!! みさきち!! ゆーちゃん!! お父さん!! お母さん!!


ふと、真っ黒な暗闇の中、白いワンピースを着た少女が現れた。
かがみと同じ、藤紫色の髪。こちらはショートヘアだ。
カチューシャ風に結んだリボンがトレードマーク。どこかふんわりとした雰囲気の少女。
『非道いよ、こなちゃん』
何で私の名前を知っているの?
『非道いよ、こなちゃん』
何故? 私は『知らない』のに。
『だ、「誰」?』
『本当に「覚えていない」の? 本当に「忘れちゃった」の?』
『…………………』
分からない。
『非道いよ、こなちゃん。私のこと………私のこと…………うっ………うっ……………』
少女はその場でうずくまる。嗚咽が真っ黒な空間に響き渡る。
少女の柔らかそうな頬を流れる、一筋の、涙。
彼女は、『泣いていた』。
『うっ……うっ…………好きなのに……………好きなのに……………』
『好きって……私の事?』
『好きなのに………えぐっ………うっ…………こなちゃんの…………こなちゃんの…………』
『ごめん』
『ばかぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!』
彼女は大声でひたすら泣き続けた。
『ばかぁ、ばかぁ、こなちゃんの、ばかぁああああああ!!!!!!』
ひたすら、ひたすら、彼女は泣き続けた。
泣き続けて、泣き続けて…………。

ガン!!!!!

「痛っ~~~~、!?」
気付いたら、私は寝台列車のベッドの中に居た。
あれ? 私、どうしていたんだろう?
ひょっとして、夢を見ていた?


全く記憶がなかった。
私が富山駅に戻り、未来の父親となる泉そうじろうと別れてから、夜行列車に乗るまでの記憶が。
実を言うと、半年前ばかりか、私は時たま意識が吹っ飛ぶようになった。最初は夏休み明けの最初の授業。
たまに居眠りをする所を(特に)黒井先生からゲンコツで叩き起こされるのだが、
この時ばかりは違っていた。
みゆきさんと────(誰だったっけ?)、『もう1人の友達』に心配され、保健室に連れて行かれたんだ。
あの時保健室で世話になったのは、去年体育の授業で突き指をした時以来だった。
10月の最期の試験で吹っ飛ばなかったのは、不幸中の幸いか。
その後も、電車の中で吹っ飛んだり、歩いている途中で意識を失う事が多く、
秋の終わりにはお父さんに連れられて幸手総合病院で検査を受けることとなった。
しかし、特に異常などは無く、夜は早く寝るようにと言われただけだった。

この時代に飛ばされてからは、あの事件以外では初めて意識が飛んだ。
いや、意識が無ければ列車には乗れない筈。飛んだのは『記憶』の方だ。
記憶………そう言えば、気掛かりな事が1つだけ、ある。
さっきの夢にも出てきたけれど、私には『どうしても思い出せない』人が一人だけ居る。
お父さんやゆーちゃんは勿論、かがみやみゆきさん、みさきちや峰岸さん、
ゆーちゃんやみなみちゃん、ひよりん、ゆい姉さんにななこ先生、近所のおばさん、
みんな思い出せる。
けれど、1人だけ、思い出せない。
誰だったっけか?
ただ、ものすごく大切な、少なくとも私の数少ない『友達』の1人だった、と思う。
もしかしたら、私を飛ばした人が、意図的に記憶を『消した』とか?!
まさか。そんなこと出来る筈が無い。
「そんな事、出来る筈が無いよね」
いや、
待てよ?
私は、この時代では『星のチカラ』とやらが使うことが出来る。
常磐色の炎。今第二期が放映中のアニメを思い出す。
ラノベヲタクのかがみも原作で知っていたから、話が通じて嬉しかったんだよね。
まぁ、そのかがみは「アンタと違ってちょっとだけ読んだ事があるだけだ」とは言ってたけど、
その心の内は相当喜んでいた事は手に取るように分かった。素直に喜べばいいのに。
かがみが16巻全部揃えて、更に外伝とコミックス版とガイドブックまで持ってるの、知ってるんだかね。
それはさておき、私が持つ『チカラ』は私が自分で手にしたモノでも無ければ、
アッチの世界の人と契約した訳でも無い。幸手に人間喰らいの化け物はまず出ないと思うし。
さては、第三者が私にチカラを与えたとか。
その対価として私から『ある人』の記憶を全て取り去った、と。
じゃあ、何の為に??
ああ、やっぱり考えるのは後回しにしよう。
急に意識や記憶が飛んだり、妄想とリアルがごっちゃになる辺り、
私はそろそろ『終わり』が近付いているのかも知れない。


いや、まさかね。
『本当にタイムリミットが迫っている』なんて、この時は全然思わなかったよ。
生身のカラダはゲームの様にリセットが効かない。だから、終わりが訪れればそこでジ・エンドとなる。


大阪行きの寝台急行「きたぐに」号は、「ゆうづる」号と同じ3段ベッドだった。
が、「ゆうづる」と違ってベッドの向きが90度違うし、ベッドの幅も狭い。
それでも、私が寝ている下段はまだマシな方で、上はもっと狭かった。(上2つは空っぽだった)
いくら華奢で小さい私でもね、この幅は狭いって。これが昭和クォリティなんだろうね。
ベッドが3段あるので、当然一区画辺りの高さはそれほど無い。
寝られればそれで良い。本当に機能一辺倒な時代だ。悪くはないけどね。
通路側には壁に収納する折り畳み椅子が用意されており、数人の旅行客が浴衣姿のまま真っ暗な日本海を眺めていた。
行きの奴は「電車」だったのでモータの音が五月蠅かったのだけど、
こちらは機関車が引っ張るタイプなのだろう、車内はそれなりに静かだった。
可哀相なのは隣の車両。ガラガラガラと発電用と思われるエンジンの音が車内に響き渡り、寝心地は悪そうだ。
ちなみに現代のきたぐには「ゆうづる」と同じ電車で、車体の色だけが違う。
矢波へ幾たびに何度か見た事があるけれど、私が大阪にでも引っ越さない限り、乗る事は無いだろう。

使い勝手の悪い水道で顔を洗い、それから自分のベッドへと戻る。

そうだ、『星のカケラ』を探す時にかがみの事を思いだしていたんだった。
あの挙動不審な未来のお父さんに声を掛けられたせいで思考を中止していたんだった。
まぁ、お陰様で『カケラ』は見付かったんだけどさ。

ツンデレと言うとすぐ怒るかがみ。
恥ずかしがり屋で寂しがり屋。そのくせ素直じゃない。
プライドが高いというよりは、ただの意地っ張り。
気が強い様でいて、実はガラスの様に脆い。
そして、私に、甘い。
あまり悪戯をするとすぐ怒る。
どうでもいい話でもちゃんと聴いてくれる。
ボケたら必ずツッコんでくれる。
好きなアニメの原作がラノベだと、その話題に乗ってくれる。
一緒にテレビゲームで対戦もする。
とにかく世話好きで、私にも色々と世話を焼いてくれる。
確か双子の妹がいて、面倒見も良い──────

───────双子の妹?!
「も、もしかして、あの夢に出てきた子?!」
むくっと起きあがる。そして、

ガン!!

「あたたたたたた……」
またもや頭をぶつけた。


早朝6時半────。
急行「きたぐに」号は、静かに、静かに、大阪駅のプラットホームに滑り込んだ。



間.

崩壊事故から2日目、夕刻。
何ともミステリアスな少女が、春日部市の中心部を歩いていた。
見た目は、12歳くらい。少なくとも彼女が小学生
──それも、春日部から十数キロ北にある桜園市立桜園小学校──
であることは、その服装が当校の制服であることから明らかであった。
桜園小学校は公立にしては珍しく、制服があった。

そんな彼女が春日部市民病院に姿を現した。
入口付近で稜桜高校の制服を着ているが、とても高校生には見えない少女とすれ違ったが、
彼女は少女を一睨みし、嘲笑うかの様な不気味な笑みを送り、そのまま奥へと進んだ。
向かった先は、集中治療室。
その中では、昨日の事故で意識が戻らぬまま眠っている泉こなた・柊かがみ・柊つかさの3人が居た。
アイボリーに塗られた分厚い鉄板の扉の前で、彼女は呟いた。
「あなた達も、そろそろ『用済み』になるわね」
そして、クスリと鉄壁の向こうの3人に向けて、嘲笑の笑みを送る。

病院を後にした少女は、春日部駅前で別の稜桜高校の女子生徒とすれ違った。
先月都内のミッションスクールから転校した、永森やまとだった。
東京都民である彼女が転校した経緯はさておき、
少女以上にミステリアスなオーラを放つやまとは、すれ違った少女に開口一番、こう忠告した。
「あまり、調子に乗らない方が良い。貴方の願いは、決して叶わない」

少女は彼女の忠告を無視し、代わりにこう言った。
「『妹』の為なら私は手段を選ばない。例え何千人の犠牲が出ようとも、ね」
桜園小学校の制服を着たこの少女、肩まで伸ばした髪は縹(はなだ)色であった。




















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  • これ、複線回収できるのかな…
    続き期待
    -- 名無しさん (2008-03-24 02:15:04)

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