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ツンデレ? ヤンデレ?

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匿名ユーザー

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「おはらっきー! らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです♪」
「同じくアシスタントの白石みのるです」
 番組開始の挨拶とともに笑顔を振りまくあきらと軽く会釈する白石。
「では早速お便りです」
 白石はそのハガキの内容を読み上げる。
「『あきら様はSですか? ドSですか?』ちなみに僕はドSだと思います」
 白石が付け加えた余計な一言に反応し、あきらが凶悪な顔つきで灰皿を投げつけた。見事に
白石の頭部に命中し、床に転がってカラカラと余韻の残る音を立てる。
「あきらイジメなんかきらいっ。ファンのみんなとも仲良くできるといいな」
 一瞬にしてぶりっ子モードに転じる。潤んだ瞳の上目遣いは、見た目だけなら可愛い。
「で、では次のお便りは……」
 灰皿のダメージから立ち直りきれず、少しふらつきながらも番組を進行する。
「『あきら様はツンデレだと思いますが、ヤンデレの素質もあると思います。』ヤンデレという
言葉を知らない人のために説明しておきますと、精神的に病んでいるキャラがデレ状態にある
とか病的なほど誰かにデレであるとかいうことを指します。この状態のキャラは得てして過激
な行動に及ぶことが多いようですが、あきら様は――」
「さっきから聞いてれば人のことを散々言ってくれるじゃないの」
 ヤンデレの説明の間、刻々とあきらの表情が不機嫌になっていることに気付いていなかった
のが白石の運の尽き。気付いていたとしても番組の進行の上で止められるものではなかったが。
 とにかく、その表情と声はとっくに黒くなっている。もちろん色彩としてではなく比喩表現
としての黒である。
「いえ、これはヤンデレという言葉を説明してあきら様はどうですかと訊こうと」
 対して白石は青くなっていた。こちらは比喩ではなく。
「第一誰がデレよ誰が! あたしがいつあんたにデレたって?」
「は、ハガキに書いてあったんです!」
 視聴者は自分に火の粉が降りかからないのである程度踏み込んだ質問もできるし、そういう
ハガキを採用するのはディレクターや構成作家なので白石に責任はないのだが、あきらの怒り
の矛先になるのは決まって白石である。あきらのツンギレがこの番組の基本的な要素であり、
視聴者にとってこの番組の最も面白いとされる部分であった。
 毎週同じパターンのやり取りを繰り返し、しかしファンを飽きさせない二人もそれなりの
人気を博している。
 男女のコンビで一つの番組のレギュラーを勤めるとよくあることだが、ファンが彼らなり
に想像を巡らせる事柄がある。
 つまり、この二人はどんな関係なのかと。
 特にらっきー☆ちゃんねるの場合は、白石があきらにマジギレしたうえに暴走し、セット
を破壊するという暴挙に出たことがある。先輩に(威圧的に)仲を取り持って貰ったとはいえ
いつの間にか元の鞘に収まりその後も普通に番組を続けているという事態が、彼らの妄想に
拍車をかけている。
 ある者は、二人の関係は番組そのままだという。
 ある者は、二人の仲は険悪だが仕事のために共演を続けているという。
 ある者は、二人は恋人関係であり、番組での掛け合いはポーズだという。
 ある者は、所詮は芸能人、番組は番組でプライベートでは何ともないという。
 ある者は、白石の反逆そのものが番組を盛り上げるための演出であったという。
 二人を直接見るスタッフでさえ何もわからず、最後の説を否定する以外には一般のファンと
二人を見る目に違いはなかった。
 真実を知るのは、当の二人だけである。
「あんた、わかってんでしょーね」
 その日の収録後も、白石はあきらの楽屋に呼び出された。

「座んなさい」
 白石が楽屋に入るなり命令され、それに大人しく従って正座した。いくらあきらが小柄とは
いえ、床に正座する白石の前に仁王立ちすればあきらが見下ろす形になる。
「あたしがツンデレ? ふざけるのも大概にしなさい」
「いえ、あれは」
 あきらの威圧的な物言いと視線に、白石の身が竦んだ。正しく蛇に睨まれた蛙である。二人
の間には絶対に覆せない上下関係があった。
「へえ、あんたはあたしに口答えできるほど偉くなったのね」
「そ、そのようなことは」
 番組内では白石にもある程度の弁解をさせていたが、ここではそれすら許していない。
「あたしに逆らうな。いつもいつも言ってるわよね」
「はい……」
 今回のことは番組の進行上仕方なかった、という反論を白石はしなかった。反論しても火に
油を注ぐだけだからである。
「毎回毎回、あたしが教育してやってるのにまだわかんないのかしら」
「うっ……」
 あきらが爪先で白石の股間を突くと、そこは既に固くなっていた。
「ここは、ちゃんとわかってんのに」
 それは毎週行われる『教育』の成果だった。あきらが白石を楽屋に呼び出した時点で、こう
なることは二人ともわかっているのだ。
 あきらが固くなっている部分を爪先でなぞると白石は小さく身悶える。
「あたしがたてろって言わなくてもたってんのよ。あんたもこのくらい気を利かせなさい」
「これは勝手になって――」
 あきらが一睨みしただけで、白石の口は止まってしまった。
「言わないとわかんないのかしら? 脱ぎなさいよ」
「は、はいっ!」
 あきらの言い分は、毎回同じことをやってるんだから流れを読め。下僕は命令する前に実行
するのが当然。
 白石の言い分は、言われずに分かるわけがない。
 もちろん、白石がそれを口にすることはない。
「なにチンタラやってんのよ」
 いくら回数を重ねたとはいえ女性の目の前で服を脱ぐのは気恥ずかしさがあり、手の動きも
躊躇いがあるのだが、そのせいでベルトを緩めるのに手間取ってしまった。あきらに急かされ
てピッチを上げる。
 果たして、彼の反り立ったものが露になった。
「あたしに脱がせてもらおうなんて百年早いのよ」
「そんな期待をしていたわけではないのですが」
 あきらがまた睨むと、そのまま白石を突き飛ばした。白石はとっさに足を後退させること
ができず、尻餅をついてしまう。
「やることはわかってんでしょ。学習しなさい」
 あきらはドスを利かせた声で言い、白石の前に膝をついて座り、頭を下げる。その動作の
まま、あきらは白石のモノを口に含んだ。
「んむっ、ちゅっ……んんっ、ん」
「あ、あきら様……」
 フェラチオは男性だけが一方的に快感を得る行為であること、必ず男性が女性を見下ろす
体位になることから、一般的には女性から男性への奉仕や従属を表す行為とされる。
 その一方で、男性器を他人の口内に晒すのは非常に危険な行為であり、これによって相手
の男性を支配下に置いていると捉えることもできる。
 解釈は自由として、そのどちらのつもりでやっているのかは本人しか知らない。
「あっ、あきら様」
 あきらの舌が白石の肉棒をねぶり、唇が柔らかく締め付ける。その度に唾液が淫らな音を
立てて二人を興奮させる。
「んちゅぅ……んふぅ……」
 白石は全く抵抗していない。白石にとってあきらを振りほどくことは、物理的には容易で
ある。しかし、性格が悪いとはいえ掛け値なしの美少女が自分のものを咥えて快感を与えて
くれているという誘惑に抗うには、彼は若過ぎた。
「ううっ……んっ……な、なんでそんなに上手いんですか」
 暖かく柔らかい刺激に、白石は思わず喘ぎ声をあげてしまった。あきらの舌が白石の一番
好きな部分を的確に攻めてくる。上目遣いで白石の反応を窺いつつ、駆け引きなどなくただ
ストレートにそこを攻め続ける。
 仮にこれが愛情表現であるとするならば、言葉に置き換えてただ『好き』とだけ言うような、
そんな真っ直ぐさだった。
 それはあくまで例え話であって、当のあきらは何も言わず一心不乱に舌で舐り続ける。もし
今すぐ口を利けるならそれは愛の告白なのではないかと思えるほどに。
 十四歳の女の子の技巧に屈して、白石に射精感がこみ上げてきた。
「あきら様、なんでこんなこと……」
 思わず口をついて出た疑問に、あきらは顔を上げて白石を見やる。自分の質問がもたらした
結果に、白石は複雑な表情をした。
「なんでって決まってるじゃない」
 あきらは白石の前に再び仁王立ちになる。
「あんたみたいな三下はあたしに逆らえないの。それを教えてやるためよ」

 あきらは自分のスカートをめくり上げて白石に見せる。その下には何も穿いていなかった。
「あたしの番組で白石なんかに楯突かれたとあっちゃ、あたしの沽券に関わるのよ」
 あきらは自分の指で秘唇を広げて見せた。その部分は既に液体に濡れて艶を帯びている。
「言いなさい。僕はあきら様のものです。二度と歯向かいませんって」
 微笑に善悪があるとすれば、それは間違いなく悪だった。それも、美しさを備えた悪だった。
「…………」
 白石は答えられずに口をぱくぱくさせている。
「何度もあたしとヤっておきながら、まだあたしのものになってないつもりだったの? あたしの
初めてを奪っておきながら後はしらんぷりとでも言うのかしらねー」
「それは――」
 白石は二の句を継げなかった。
 番組本番中に大暴れして以来、二人は絶縁状態だった。その態度は仕事にも表れ、人気は
低下していった。番組関係者が打ち切りを考えるようになった頃、あきらは白石を襲った。
その美貌で誘惑し、衣服を剥ぎ取り、手や口やあらゆる部分で愛撫し、自らを貫かせた。
 あきらが何度も繰り返すように、白石は逆らえなかった。あきらが流した涙と破瓜の血を
彼は忘れられなかった。
 無理矢理奪ったのはあきらの方だ。だが、いくら理屈ではそうであっても、男としてそれ
を主張することなど出来るはずも無い。誘惑に抗えなかったのは事実なのだから。
 結局、この出来事が二人の関係を決定付けた。毎回、収録後にはスタッフに見つからない
ようにどちらかの楽屋に出入りするようになり、一時期落ち込んでいた人気は回復の兆しを
見せ、安定した人気を誇る番組となった。
「アンタはホントはあたしとヤりたいって思ってんのよ。これがその証拠」
 あきらの視線の先には、白石の男の象徴。早くしたいと、懸命に自己主張している。
「ですからこれは自然と」
「そうよ。あんたはあたしに従うのが自然なのよ」
 あきらの主張は一貫してそれだった。白石の意思など関係ない。
 あきらはそれだけ言って白石の男根に腰を落とし、そのまま挿入させた。座位の形で二人
は繋がり、十センチもない間隔で見詰め合った。
「んっ……あたしが、ツンデレなわけっ……ないじゃない」
「あきら様、なんで、そんな……」
 始めはきつく当たっていた白石に、もしあきらが惚れているのだとすれば、あきらはツン
デレであるということになる。あくまで理論上はそうなるというだけの話だ。
「ツンデレとか、んぅっ……ヤンデレとか……ふざけるんじゃないわよっ……あんたはあたし
のものなのよ。ただそれだけなのよ!」
 あきらは頑として譲らない。病的なまでにそれを繰り返し、その結果として男を犯すという
行為にまで及んでいる。もしこれが白石への好意に基づくものであるとするならば、あきらは
ヤンデレであるということになる。あくまで理論上はそうなるというだけの話だ。
 あきらは何一つ肯定しない。ただ、白石の上で腰を振るだけだ。
「あんたなんかっ……あたしにすぐイかされちゃうだけの男なんだから!」
 前後に腰を振って、その度に喘ぎ声をあげる。
「ほら……あっ、あぅっ……き、気持ちいいんでしょ?」
「は、はいっ」
 白石は初めて素直に肯定した。あきらの膣内はそれほどまでに良かった。
 それだけでなく、あきらも自分の中の感じる部分を白石に刺激されていた。座位という体位
を活かして、体重をのせて深く挿入させていた。
「あぁっ、ふぁっ、あ、あたしで、感じてるんでしょ?」
「あ、あきら様も」
 これだけ近づけば、互いが深い吐息をついていること、その原因が快感であることもすぐ
に分かってしまう。
「みのる……あっ、あぁん、あたしを抱きしめなさい」
 白石が抱きしめる前に、あきらが自ら白石に身体を寄せ、その背中に手を回した。すぐに
白石も従い、二人は抱き合う形になった。
「も、もっと強く、だきしめなさい」
 白石との身長差から、あきらは相手の胸に顔を埋めている。なので白石からは見えないが、
その目はとろんとしていて、口はだらしなく半開きになっていた。呼吸が乱れていることだけ
は、白石にも感じとることができた。
「あっ、うぅ……絶対に、離さないでっ」
「わっ、わかりました……」
 それを告げると同時に、あきらも白石を強く抱きしめる。
「わかったら、あたしの、んっ……中にっ……出しなさい……あんたは、あたしの……もの、
なんだからねっ……」
 あんたはあたしのもの。その言葉を繰り返す度に、腰を擦り付けるように前後させ、自分の
中に白石を招き入れる。そうすれば、白石はあきらのものになると言わんばかりに。
「あたしだって、ああぁっ……他のやつには、こんなこと」
 自分の身体の深い部分を貫かせる。それは確かに、互いの所有権を主張する行為であった。
「あたしの中でイきなさいっ……あたしの中に出しなさい……っ」
 この体勢では、あきらが退かない限り逃れることはできない。しかし、白石には逃れよう
という気は既になかった。
「あきら様、もう、いっちゃいそうです!」
「出しなさいっ、あんたのものは……ぁあっ……全部、んっ、あたしのっ」
 あきらは更に腰を激しく動かす。その度に、あきら自身も高まっていった。
 白石はあきらの中に、あきらは自分の中に白石が入っていることに酔いしれていた。互いの
こと以外何も考えられなくなるほどに心が昂ぶり、それは頂点に達しようとしていた。
「あきら様、あきら様っ」
「あぁっ、あたしの、ものっ……ぜったい、はなさない……んっ、ぁっ、ああああぁぁぁ!」
 あきらの中が白石のものを急激に締め付け、白石はあきらの中の深くに射精した。
「はぁっ……はぁっ……」
「あきら様……」
 同時に絶頂に達した二人は、荒い呼吸のまましばらく抱き合っていた。

 白石が後始末を終えて気だるい雰囲気の中、あきらは鞄の中のタバコを探し始めた。一本
取り出して咥え、ライターはどこだったかと再び鞄の中を探る。
「あきら様、何してるんですか」
「何ってタバコに決まってんでしょ。ヤった後にタバコって定番じゃない」
 何の悪気もなく、さも当然のようにあきらは言ってのける。
「ダメですよ、匂いは残りますから。タバコ一本でもスキャンダルですよ」
 そうなると、白石と番組が出来なくなるわけで……。
「仕方ないわね」
 タバコを鞄の奥深くに仕舞った。白石はキョトンとした顔であきらを見つめる。
「あんたに従ったわけじゃないわよ。ただ私がそうしたかっただけ」
 今度は事も無げに白石を押し倒し、そのまま抱きついて強制的に添い寝した。
「あ、あきら様!?」
「あたしのイメージはヤった後はタバコを吸うか相手に抱きつくかなのよ。タバコがダメなら
こうするしかないじゃないの」
「そんな無茶苦茶な……」
 意味不明の理屈に、結局白石は流される。
「あきら様」
「あ?」
「どうしてこんなことしようって思いついたんですか?」
「あー、事務所の先輩から『男なんてヤらせてやればみんな言うことをきく』って言われてね」
「……そこまででいいです」
 思わぬスキャンダルのネタを掴みそうになって、話をやめてもらう。
 寄り添いながら交わした言葉は、睦言と呼べるような内容ではなかった。
 今回も、好きだとか愛してるとか、僕はあなたのものですだとか、決定的な一言はどちらも
発しなかった。ただ片方が強制し、もう片方がそれに流されただけだ。
 そしてそれは、その次の週も繰り返される。

「おはらっきー! らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです♪」
「アシスタントの白石みのるです」
 白石がいつものように会釈する前に。
「白石ぃ? あんたは『下っ端』で十分でしょ」
「え゙……一応、白石という名前がありますので」
「そんなのどーでもいいの。あたしが下っ端って言ったら下っ端。わかった?」
「しかし番組の進行上それでは」
「あたしはこの業界で十年以上もやってんのよ。そのあたしに逆らうとでも?」
「そんな、滅相もございません!」
 白石は冷や汗をたらし身体を硬直させ、そのまま動かなくなった。
「今日もみんなのアイドル小神あきらが笑顔をお届け! らっきー☆ちゃんねる始まるよ!」
 今日もあきらは淀みなく番組を進行する。
 ツンデレだかヤンデレだか、あるいはそのどちらでもない本音を隠し、ある意味ファンの
妄想通りの、ある意味全く的外れな関係を保ちながら。

-終わり-




















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コメント:
  • これいいw -- 名無しさん (2009-10-23 20:01:21)
  • あきらっていい性格してるなぁって思う -- 名無しさん (2009-02-16 00:45:18)
  • おっきおっきアッー! -- 名無しさん (2008-04-16 01:44:00)

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