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エロパロスレ舞台裏シリーズ~Escape編

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匿名ユーザー

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「は~、やっと終わった…本当に疲れたね、ゆーちゃん…」
「そうだね、こなたお姉ちゃん…」

「こなたもゆたかちゃんも、本当にお疲れ様」
「いやいや、かがみ達も本当にお疲れ様だよ…芝居と言えど
 いろんな意味でムチャクチャ言ったりやったりしてたしさ」

「…泉先輩、ゆたか…本当に、お疲れ様」
「ありがとう…それとごめんね、みなみちゃん…
 お芝居でも、何度も酷い事言ったりしちゃって…」

三部作の大作となった今回の舞台を無事に終えたものの、
出演者である私達の間に生じた達成感を圧倒的に上回る
精神的なものが大部分の疲労感が楽屋全体に広がっていた。

…無理もない、と思った。
何せ、今回までの舞台の内容が内容なだけに。

「お前らー、今回の舞台の無事終演のお祝いにお菓子と飲み物
 ぎょうさん買うて来たでー…って、何か空気が沈んどるなぁ」
「あれあれー? みんなどうしたのかなー? 何か暗いぞー?」
「無理もないですよ、成美さん…今回の舞台の内容が内容っスから」
「トクに、コナタとカガミとユタカとミナミにはツラいStoryデシタから…」
「今回ばっかしは、あたしら背景ですらなくて良かったと思いましたぜ…」
「お芝居でもあんな姿の柊ちゃんを間近で見るのは、確かに辛いからね…」



…今回まで私達が演じた舞台の内容は、色々な意味で凄まじいものだった。
何せ、こなたとゆたかちゃんが「恋愛関係」になっている事から始まって…
みゆきとみなみちゃんの嫉妬や私達の「こなたのため」「ゆたかちゃんのため」と
いう事を大義名分とした、一方的な「忠告」の果てに引き裂かれた二人は
「駆け落ち」を行い…私達も連れ戻しに行ったのだが、最後には逃げられ…
その後、偶然から二人の居場所を知った私とつかさとみなみちゃんの三人と
後に合流したみゆきの手で誘拐・拉致監禁紛いの犯罪行為そのものと言っていい…
嫉妬と独占欲からなる傍目から見れば常軌を逸した行動まで取ったというのだから。

…舞台で演じている最中にも、「自分」の台詞や行動にツッコミを入れたいと
心の底から思った事は一度や二度では済まない程の頻度で生じていた。
まぁ、これは私だけでなく出演者のほとんども同じ気持ちであっただろうが…。

「あーもー、いつまでズルズル引きずっとんねん…」
「そだ、この後みんなでカラオケに行って思いっきり叫ばないかいっ?」
「お、いいっスねー…思いっきり声を出せば気分も晴れるかもしれないっスし」
「Nice Ideaなのデス! Costumeガ必要デシタラ、ワタシが用意してクルのデス!」
「おー、そりゃいいな! あたしが思いっきり盛り上げてやるってヴァ!」
「もう、みさちゃんってば」

「そだねー、確かにこのまま暗い気持ちを引きずってリアルに悪影響出ちゃったら
 それこそ悲惨極まりないし…喉が潰れるぐらい思いっきり叫んでスッキリしようかー」
「そうね、『みんなで一緒に遊ぶ』事でこの嫌な空気を吹き飛ばしましょうか」
「それはいい提案ですね…私は歌える歌が少ないですけど、出来る限りで頑張ってみます」
「いいアイデア出してくれてありがとう、ゆいお姉ちゃん」
「…ありがとうございます、成美さん」
成美さんの提案に、この楽屋に流れている嫌な空気を換えたいと
思っていた私たち出演者一同は二つ返事で賛成の言葉を返していた。

…ただ一人を除いては。



「…あれ? つかさは?」
「あ、そういえばさっき返事してなかったわね…」
先程のこなたを初めとした成美さんの提案への賛成の返事に、
つかさの声がなかった事に気付いて私は楽屋を見渡した。

「つかさー、話聞いてる?」
「あ、お姉ちゃん…どうしたの?」
「この後みんなでカラオケに行こうって話だけど…」
つかさの姿を見つけるにはそれほど時間はかからず、
私は近寄ってつかさに声をかけながら手をさしのべる。

「嫌っ…!!」
だが、つかさは何故か怯えたような表情をすると
拒絶の言葉と共に私の手を払い除けていた。

「つかさ…?」
「あ…ご、ごめんなさい…!!」
予想外の行動に呆気に取られた私を尻目に、
つかさは泣きそうな表情をしながら楽屋の外に飛び出していた。

「ちょっと、どうしたのよつかさ!?」
「待って下さい、つかささん!」
「あ、みんなゴメンちょっと待ってて!」
間髪入れずに、私とこなたとみゆきの3人も
つかさを追いかけて楽屋を飛び出す。

楽屋から裏口へと続く廊下を少し走ったところで、
転んでしまったつかさを私が起こす形で取り押さえて
つかさに先程の行動の理由を問いかける。

「一体どうしたの? 怒らないから、理由を聞かせてもらえない?」
「怖いの…」
「怖いって、何が?」
「私が…私自身が、怖いの…!!」
「自分自身が怖いって、どういう事?」

「あのお話、結局は私が思ったままに好き勝手に動いて…
 そのためにお姉ちゃんもこなちゃんもゆきちゃんも
 ゆたかちゃんもみなみちゃんも、みんなが嫌な思いを
 しちゃって終わっちゃったから…もしも、お芝居じゃなくて
 本当の生活の中で私がああなっちゃったらって考えたら…
 みんなと一緒に居る事が、とても怖くなっちゃって…!!」
涙声で話すつかさの胸の内に、私は返す言葉が見つからなかった。
「そんなことはない」と言うのは簡単なはずなのだけれど…
今の状態のつかさには気休めにすらならないのではという思いが、
その言葉を口に出す事をはばからせてしまっていた。



「…あのさ、つかさ」
「こなちゃん…?」
そんな風に躊躇っていた私を見かねたのか、こなたが口を開いた。

「今日までの舞台をさ、最悪の状態を想定した
 シミュレーションと考えればいいんじゃないかな?」
「え…?」
「例えばさ、もしも私が誰かと『付き合う』事になったなら
 みんなに内緒にしてたらいつかは舞台のように最悪の形で
 バレてしまうかもしれないからすぐに打ち明けるとか…
 つかさからすれば、思ったことを行動に移す前にあたしや
 かがみやみゆきさんといった周りの人の事を考えた上で
 本当に行動に移すか…考え直すか、といった具合にさ」
「言わば今日までの舞台を『反面教師』に…という事ですね、泉さん」
「言い回しはあんたらしいけど、見事に核心を突いてるわね」
こなたの言葉に、あたしもみゆきも感心して返事を返した。

「どうかな…つかさ?」
「…うん、頑張ってみる…でも、私一人が頑張ってももしかしたら
 失敗しちゃうかもしれないから…その時は、助けてくれるかな…?」
「うむ、まかせたまへー」
「当たり前じゃない、遠慮なんていらないわよ」
「私がどれだけ役に立てるかはわかりませんが、精一杯頑張りますから」
「ありがとう…お姉ちゃん、こなちゃん、ゆきちゃん…」
つかさはまた涙を流しながら、感謝の言葉を告げていた。

「よし、それじゃ戻りましょ? ゆたかちゃん達待たせちゃってるし」
「そうそう、早く戻って思いっきり騒ごうよー」
「あんた、前のようにマイク独占なんてするんじゃないわよ」
「おおぅ…こんな所で過去の古傷を持ち出すとはかがみん容赦ないよ」
「相変わらず仲がよろしいですね、お二人とも」
「そだねー」
…こんな風に、いつものように騒ぎながら私は改めて思った。
…例えいつか、別々の道を歩む事になったとしても。
…この絆だけは、決して壊さないように大切にし続けようと。



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  • 元作品自体が原作の雰囲気も設定も破壊した無礼な代物なんだし
    気にすることはないさ -- 名無しさん (2012-01-22 20:59:41)
  • このお話を削除して頂きたいとは、全く考えていません。
    本スレで45-450さまの真意を伺うことができたので、これ以上は申し上げることもありません。

    SS自体は、綺麗にまとまっていると思いますし、
    つかさが演じているだけのはずの、「心の闇を抱えた自分」に
    恐怖を抱くシーンにひき込まれるなど、とても興味深く拝読させて頂きましたので。 -- 23-251 (2008-07-20 00:04:30)
  • 無礼かどうかという極めて主観的で曖昧な基準で作品を選別するのは、
    事実上不可能だと思いますよ。
    あと、極論を並べて自説をゴリ押ししても説得力に欠けると思われます。
    やるならば冷静に理論立てて管理人を説得し、削除させるのが最善の方策かと。

    自分はこの作品気に入っておりますが、不快に思う方がいらっしゃるのも理解できます。
    でも、一方的に自分の意見だけが通るべきだという考えはいかがなものでしょうか。

    勝手な物言い、大変失礼いたしました。 -- 名無しさん (2008-07-19 23:33:57)
  • 無礼なSSって、一体このSSのどこが、作者を侮辱してるというのだろうか?
    エロパロスレの発言はともかく、この作品自体は、特に問題ないと思う。
    ちょっと、必死すぎやしないか?Escapeの作者さん↓www -- 名無しさん (2008-07-19 23:20:41)
  • ここはルールに抵触していなければどんな作品でもOKだって?
    本気でそう思ってるのか?

    作品の発表そのものが無礼に満ちていてもOK?
    SS形式にしたら気に入らないSSや職人を貶めるのもOK?
    元作品の職人が苦言を呈してもOK?

    これが許されたら荒らしやアンチが煽りSSを投下するようになるよ?下手すればSSを利用して住人どうし罵り合いとかもよ?
    駄作なSSを保管するのはかまわんが、無礼なSSを保管するのだけは勘弁してくれないか→管理人さん -- 名無しさん (2008-07-19 15:31:35)
  • 「最悪の蛇足」と自ら評した作品のパロをわざわざ書くとは。
    なんというか、物好きなひとだ。 -- 名無しさん (2008-07-19 08:55:59)
  • ここはルールに抵触していなければどんな作品でもOKのはず。
    自分達には内容に関して意見を言う権利はあるが
    作品の発表そのものを妨げる権利は無いからね。
    -- 名無しさん (2008-07-18 14:30:02)
  • 元作品の職人が苦言を呈してるのにな
    作者すげえ面の皮だな -- 名無しさん (2008-07-17 23:33:19)
  • これは消した方が良くね?
    こっちにまで飛び火したら迷惑だし -- 名無しさん (2008-07-17 23:07:33)
  • うああ、ほっとしたぁぁ -- 名無しさん (2008-07-16 18:24:14)

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