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R(uckystar)-TYPE FINAL

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匿名ユーザー

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――ここに帰ってくるのも、久しぶり。

――そう君とこなた、今は何をしてるのかな?


草木も眠る丑三つ時。私は久しぶりに愛する人たちの元にやってきました。
「……もう、こなたったら。こんな時間まで起きてちゃダメよ」
こなたの部屋はまだ電気が点いているようです。……夜更かしが癖になっちゃってるのかしら……。
久しぶりの我が家を見て回っていると、居間であるものを発見しました。
「あら、これは……あのゲームの最新作かしら。でも、ファイナルって……」
ゲームセンターに置いてあったあのゲーム。それが家庭用になって出ていたのでしょうか?
まず始めに、と説明書を読んで、ちょっと切ない気持ちになりました。
「そっか。この作品でシリーズは終わりなのね……」
説明書の最初と最後に『感謝』という言葉と共に、シリーズ最終作である事が書いてありました。
「……とりあえず、ちょ、ちょっとだけ」
こんな事をしている場合では無いのですが、誘惑に負けてしまいこのゲームを始めてみる事にしました。
テレビの音を小さくして、スイッチオン。……昔とは大違いの綺麗な絵で、ちょっとびっくりしました。
パイロットデータはこなたのものを借りておきます。説明書を読みながら、まずはチュートリアルを見てみる事にしました。
「あら、壁に当たっても大丈夫なようになったのね。やっぱり、昔とは違うのね……」
他にも、いろいろと攻撃方法が追加されていて驚きました。……全部覚えられるかは心配です。
というか、操作自体が昔より複雑で覚えるのが大変でした。
それでは、新しくパイロットデータを作ってゲームを始めましょう。……どうやら、説明書によればたくさんの機体を使えるらしいですね。
とりあえず普通ので行きましょう。と、R-9Aという機体を選択して出撃。ゲームがスタートしました。

この後は……

「うわぁ……いかにも何かが出そうって雰囲気……きゃぁっ!?」
蟹さんみたいな敵の足で踏まれたり(というか足蹴にされたり)、
「えー、これってどう倒せばいいのーっ!?」
ぶら下がった大きな敵(ボスだと思います)の倒し方がわからなくて四苦八苦したり、
「やっぱり大きな戦艦は出てくるんだ……」
昔と変わってないパターンにちょっと感動したり、
「あわわわわっ!よ、避けられないよぅ!」
いきなりボスの頭が落ちてきて圧死したり、
「な、何か凄いぐにゃぐにゃしてる……」
ステージ全体がねじれていて、ちょっと気持ち悪くなったり、
「や、やだ……凄くエッチな形してる……」
グネグネと動き回る長い敵の形がちょっと口に出して言えないような形で、恥ずかしくなってしまったり、
「……え、え、え、えぇぇぇっ!?嘘、これって……」
最終ステージの背景が気になって、何回もミスをしてしまったり。

なんというか、いろいろな意味で大変でした。
「……ふぅ」
一回クリアしただけでも、新しい機体が結構出て来ました。……でも、コンプリートするのは凄く大変そうです。
「こなたのデータを見てると、凄く時間がかかりそうだものね……」
「まあね。特定の機体を120分使用とかユーザー泣かせのフラグばっかりだし」
「ええっ、そんな物まである……の……?」

え?あ、あれ?今……こなたの声が……

「……うーん、感動の再会がこんな形になるとはネ」
後ろに振り向くと、頬を掻きながら佇むこなたがいました……え、ええ?
「何か上でゲームの音がするナーって思ったら……お母さん、何やってるの?」
こなたの質問に、頭が混乱してしまった私は思わず……

「……えへっ☆」

……と、返してしまいました。……ごめんなさい、こんなダメな母親で……

         ***   ***

「いやー、びっくりしたよ。まさかお母さんが本当にR-TYPERなんて……」
一旦落ち着いた後にちょっと事情を話して、その後にコーヒーを入れてきたこなたが話を切り出しました。
「ええ、あのゲームセンターでお母さんの記録を抜いたんでしょう?びっくりしたけど、嬉しかったわ」
「おおう、見ていらっしゃいましたか」
「でも……」
ふ、と暗い表情で明後日の方向を向いて、私は呟きました。
「やっぱり、そう君の影響を受けちゃったのね……娘がこんなマニアックになるなんて……」
「……否定できないのが悔しいよ。でも、お母さんだって立派なゲーマーじゃん」
こなたの切り返しに、私も反論が出来ずに言葉に詰まってしまいました。……そ、それは……その……
「まあ、その理由についてはお父さんから聞いたし。……本人も『構ってやれなくてごめん』って反省してたよ」
「そう君の謝る事じゃないのに。あの時は本当に頑張っていたから、そう君の邪魔にならないようにしてただけだったから……」
「……なんというかもう、本当に仲が良かったんだね、お父さんとお母さんって」
そう言う娘の視線は、少し羨ましげで。……『こなたにも、いつかそんな人が現れるわ』と、微笑みながら私はこなたに返しました。
「良い所も悪い所も見せてくれる、こなた自身の全てを受け入れてくれる。こなたにとって、一番心が安らぐ場所になってくれる人が、ね」

……私とそう君のようにね。

「でも、一番の問題は……お父さんが子離れしてくれるかどうかなんだよね」
「そ、それは深刻な問題かも……」
そう君には悪いけど、こなたの言葉はちょっと否定が出来ないので言葉を濁してしまいました。
「と、ところで……こなた?」
「ん?なーに?」
さすがに濁したままでは後味が悪いので、話題を変えることにしました。
「さっき、一回クリアしたんだけど……全部の機体を出すのにどれ位時間がかかるかしら?」
「うーん、一応分岐ステージとか隠しステージもやらなきゃいけないんだよね」
「隠しステージもあるの?」
「うん。これの前の作品をやってるとニヤリと出来るよ」
こなたの言葉を聞いて、私は驚きを隠せませんでした。
「えっ、作品として繋がっているの!?」
「んーん。正確には繋がってないけどね。……まあ、やっといて損はないかな。ちょっと待ってて」
そう言って、こなたが持ってきた『R-TYPE ⊿』を予習としてプレイさせてもらい、その後もいろいろと攻略法を教えてもらったりしました。

……やっぱり、私もダメな親なのかもしれませんね。徹夜のゲームに娘を付き合わせるなんて……




















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  • これはもうコンプするまで天国へは帰れませんね -- 名無し (2014-11-11 19:19:43)
  • STGの分野のサラブレッド
    、しかも超良血! -- チャムチロ (2012-10-10 12:23:06)
  • 最終ステージでドギマギしてるかなたさんを想像して萌えた私はもうダメなのでしょうかwww
    面白かったです
    名作との出会いをありがとうございましたm(__)m -- FOAF (2012-08-16 16:03:47)
  • 所詮「蛙の子は蛙」ってわけですか?
    しかもハイブリッドで。
    でも羨ましい母娘関係ですね~
    ちょびっと和みましたですよ? -- 名無しさん (2009-02-11 21:47:55)

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