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此文字D-3rd☆star(前編

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匿名ユーザー

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此文字D-3rd☆star ~Circuit☆Stage~ (前編)





(クルマネタ注意)
  • 基本クルマネタなので興味ない方は激しくスルー推奨です。
  • 専門用語はグーグル先生がきっと教えてくれます。
  • シートベルトを締めて、制限速度を守りましょう。



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栃木県、月光サーキット。

全長1キロ強にすぎないミニサーキットだが、

関東からたやすくアクセスできる、テクニカルコースとして人気が高い。




イベント名・・・【痛い車で全開走行会】




全国規模で募集された痛車限定のサーキット走行会。

関東圏在住、時々このコースを訪れるこなたも参加していた。

ただし、いつもの3人組も見学に引き連れて。嫁も含めて。

あと、実はこな×かがに加えて、みゆ×つかのWデートだったりもする。



『まったく、なんであたしたちまでこんなとこに・・・』

『まぁまぁ、嫁に趣味を理解してもらうには、
 実際見てもらうのが一番さ!』

『こなちゃん、エフワンするんだよねー、すごいねー。』

『えっと、つかささん、F-1というのは(割愛


一般ピープルの見識はこの程度であり、

つかさが無知でもこれは仕方がないのである。


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ところで、参加者の層から初心者の参加も

多く予想されるのこの走行会、



主催者は同乗走行などのサービスを

行うために、デモドライバーとして

プロのレーサーを呼ぶことにした。


  • ラリードライバー 白石実 (しらいし みのる)

マシン;【東方発情チルノPOTENZAランサー⑨】

東方仕様のランエボⅨを駆り、
全日本ラリーを戦う、いろんな意味での猛者である。

いちおう、稔とは別人28号。いちおう。


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参加者があわただしく
走行準備に追われるピットに、

『はーい、デモドライバー白石選手の
 助手席同乗を希望される方は直接申し出てくださいねー』


同乗募集のお声がかかる。


『みゆきさん、つかさ、
 せっかくだから乗せてもらいなよ!

 プロドライバーの助手席なんて
 なかなかチャンスないよ!』


『あの・・・・わたしは、乗り物とか
 苦手だからやめとくよぉ・・・。』


『で、では・・わたしが行きます』




みゆきさんは、このとき単に、

”つかさが辞退した代わりとして”

という単純な思いから申し出ていた。


『おにーさーん、一名こちらお願いしマース!』

レーシングドライバーにおにーさん呼ばわり。

失礼なこなたを気にする様子もなく、白石は快く快諾してくれた。


『あ、よろしくお願いします。』


レンタルヘルメットの上から眼鏡をかけ直しながら

ギッタギタの痛車カラーなランエボに乗り込むみゆき。

慣れとはげに恐ろしいものです。



『じゃ、行こうか!あ、大丈夫変な気はおこさないよ!
 俺ホモだから!』

『は、はぁ・・・そうですか・・・』

ここにひよりんがいたら恐らく色々と

へんたいなことになっていただろう。


いっぽう、こなたEK4も灯火類へのビニールテープ、

荷物下ろし、計測センサー取り付け、・・

出走準備は万端整った。


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E-EK4 データ
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B16A改(185ps)
戸○ハイカム
戸○ハイコンプピストン
ポート研磨
スポーツECU
TOPF○ELツチノコチャンバー
カムコントローラー
●限エキマニ
無●スポーツマフラー
銅2層ラジエター
オイルクーラー
クラッ○ス車高調
強化ブッシュ類+一部ピロボールジョイント
1wayLSD
強化クラッチ
強化ブレーキパッド
SPO○N・4ポッドキャリパー
こっそり剛性パーツ10ヶくらい
ロールバー6点式
スポット溶接増し
カーボンボンネット・FRPリアハッチ
タイヤ;アドバリネオバAD08
フロント205-55R15/
リア195-55R15
Gインヂケータ(ドライバーの頭頂に搭載)
運転席フルバケ・後席用安全パッド付き
助手席セミバケット・タイプR流用
外装フル八ノレヒ仕様
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『・・・っで』

『なんであたしがアンタの隣に乗ることになってんの!!』


『いやいや、コレも役得役得』

『ぜんっぜん意味わかんねぇッ!!』

”フリー走行Bグループの方、ただいまより走行開始です。”


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ヴァアアアアアアアアアアアン、ゴッカァアアアアアアアン!!

『ちょ・・・こな・・たっ・・・・』

いつぞやのように失神、失禁という無様は

晒すまいと決死にふんばるかがみ。


ギャルルギュギュギュギュギュ


『ふんふんふんふふぐらびてぃ~♪』

気兼ねなくかがみを、もとへ、

シビックを振り回し、上機嫌のこなた。

『ふんふんふふふぐらびてぃ~ぐらびてぃ~ふんふふふ♪』

ソギャァアアアアアアアアアアアアアアアオ


『イミフな鼻歌やめれスピード出して出してでれれでれでれつんでれ!!!』


かがみ、もぉ半狂乱。


ズキャァアアアアアアアアアアアアア


『お、おぼえてなさ、い!
 夜になったらアンタをヒイヒイ言わせてや、る、
 ヒィっ!ヒィいいいいいいいいいいいい!!』


ギョワワワワワ

ドギュルギュルギュルギュグギュギュギュギュ!!


ファンサービス用の半スピンモードドリフト。

気合と度胸一発同然の進入速度で突っ込み、

ほぼノーブレーキから一気に荷重移動で向きを変え、

直ドリの抵抗で減速する荒業である。

こなたが名づけた技名「鏡殺し」。


『ヒイィ!ヒィイぃいいいいいいい!・・・・ぃ・・・』


90度真横に流れる目の前のコンクリートウォールに、

その名のごとくかがみはぐったりしている。


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屍と化したかがみを降ろして走行2枠目・・・。



『お、覚えてらっしゃい・・・

夜になったらあんたが失神する番だからね・・・

犯してやる・・・、犯して犯して、犯しぬいて陵辱して

悲鳴あげさせてあげる、

どんな声で鳴くのかなぁ、

ふふ、ふふふ・・・うふふふ・・・』


『あのぅ・・ソレナンテ=エ=ロゲ(1559~1664)?』ぼぼぼぼぼぼぼ・・


ヤンデレ化したかがみから逃げるようにそそくさとコースイン。



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『ふふんふん~ふ ぐらびてぃ~ぐらびてぃ~ふふ~ふふ~ん』


ごきげんで走行するこなたの前方に、

ピットロードから一台のランエボが

コースに合流してくる。


さきほど、みゆきさんを同乗走行させた

白石実、【東方発情チルノPOTENZAランサー⑨】。


ランエボの助手席側には人影はなく、

同乗走行はひとくぎり付いたらしい。



はからずも、こなたは成り行き上

白石を追いかけて走ることになった。

思わぬボスキャラの突然の登場に、

こなたの闘争本能が励起される。



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ここ月光サーキットは、中央のピットを取り囲むような

コース配置になっており、

つかさとみゆき、かがみは絶好の観覧席にいた。



『わぁ、こなちゃんはや~い♪』

『そぉ、こなたってば早いのよアイツ・・。

ゆうべもすぐに・・・・・・。』

『え・・・えぇ?』


『・・・・・・てわたしは何の話を!!!』

『え・・・えぇ?』



しまった、という顔をしてももう遅い。

妹としてはボケてスルーするのが精一杯の思いやり。



『・・・どんだけぇ・・・・・・』



みゆきはなぜか終始無言だ。

『・・・。』

『えっと、ゆきちゃん?』

『・・・・・。』

『ゆきちゃーん?ゆきちゃーん?』

だが、その目はなぜか、

ドッグファイトを繰り広げる2台から一瞬も離れない。


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(すこし、あそんであげるかな?)

白石は、ミラーの中でのシビックの挙動に冷静に評価をくだす。

(なかなか、いい姿勢でクルマを曲げるじゃないか・・)


『だぁーあ、やっぱ4駆ターボはやいよぉーッ!!』


(クセは2,3見受けられるけど、
 若干の練習ですぐ修正できるレベルだなぁ)

4WDターボの恩恵でもって立ち上がり~直線では

ランエボⅨのほうに圧倒的に分がある。


しかし、シビックの軽さもあろうが、

コーナリングスピードには大差がないことに気づく。


観察のために若干ペースを調整して走っている白石だが、

決して”お話にならない”レベルとは思えなかった。


パイロンのような一般参加車両を次々に

かわしつつ、2台は月光サーキットを爆走する。

『えぇい、やっぱ4WDはずっこいよ!
 ・・・集中、集中・・・・』

(おやぁ・・・?あいつは・・)


いくつか先ほど気が付いた、こなたの運転における細かいアラ。

それがぴたりと影をひそめ、

若干であるもののこなたのペースを着実に上げていた。


(ほほぅ、わずか2周しないでクセを修正したか・・

 いい吸収力だ・・)


白石をペースメーカーにして、

ほぼ無意識に運転を最適化していくこなた。


『ふぅん・・・。』


(こりゃあ・・・面白いモン拾ったかもしれないぞ)


『うぐぅ・・・明らかに手を抜かれてんぢゃん』


白石が全日本ドライバー+4WDマシンの能力をフルに開放していたら、

こなたはすぐに引き離されているはず、それが分かる程度には

サーキット経験を積んでいた。


突如、ランエボがハザードを焚いてペースダウン、コース脇に寄せる。


『ま・・・まさか前を走れとおっしゃる?』


成り行き的に前に出てしまい、今度は追われる立場に回った

こなたの全身から汗がどっと吹き出る。


案の定ランエボはスポーツ走行のペースに戻り、

こなたをひたひたと追い掛け始める。



だが、白石は一定の間合いを保ったまま、それ以上接近しようとしない。


『も、もしかして、ワタシ観察されてます・・・?』


すぅ、と小さく深呼吸。

グローブをはめた手を広げては握りを繰り返し、手首をほぐす。


『じゃ・・・余計みっともない走りできないぢゃん。』


こなたの目に、熱く、しかしあくまでも冷静な闘志が宿る。


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ピット内・・・


『わぁ、こなちゃんレーサーの人と一緒に走ってるよ~』

『マジでぇ?アイツ?』


『あ゛ー白石君始めたねぇ』

『へ?あの・・・ランサーっていうクルマのヒトが・・・ですか』


かがみ達の隣で独り言を呟いたのは、どうやら白石の関係者か何かだったらしい。


『ああ、彼ね・・・見込みの有りそうなドライバーを見つけると、

ああやって前を走ったり走らせたりしながら観察するんだよ。

ま・・・そんなのは年に一人、二人出るか出ないかって言ってるけどね。』


(こなた、アンタって・・・)


『・・・やっぱ今のコーナー・・・次のがきついから・・・
ハンドル切ってでも逆に寄っていかないとだめだね・・・』


『・・・次のは、ちと突っ込み気味に入って・・・
スライドさせてアンダー消したほうが・・・』


(ほ、ほほう・・・こりゃまた)


白石はランエボのコクピットで感嘆していた。


僅かずつであるが、走りを修正し、

改善していく過程がまざまざと見えていた。


白石の模範走行を、直後の位置でじっくりと

見せていたことも無関係ではあるまい。


(いや、面白い、こいつは面白いぞ。)


2台を見守るみゆきの目には、

なぜかうっすらと、青白い陽炎のような光が

EK4を包み込んでいるように見えた。



いや、何かきっと錯覚なのだろう、みゆきは

思い直して目をこする。


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ランエボを従えたこのときでの走行で、

こなたのEK4は白石を除外すれば、

全アマチュア参加者中のベストタイムを記録していた。

シルビアやスカイラインのようなターボ車、

はてはランエボⅩや35GT-Rまでいたにも関わらずである。


ついでに月光サーキットのFF・NA・ラジアルクラスの

3位にその名を叩き込んでいた。


だが、ちょうどその辺りをピークとして、

こなたには徐々に限界が迫っていた。


限界走行の連続でタイヤの熱ダレが始まり、

グリップ低下の兆候を示すフロントタイヤ。


度重なる横Gとそしてプロドライバーの重圧から、

心身とも疲労が蓄積するこなた自身。


徐々にそこかしこでアンダーステアや

大オーバーステアを連発しはじめていた。


もう、思うようなラインは取れない。


無我夢中で忘れていた油温計も、

いつのまにか120度を超えていた。


これ以上はエンジンにもタイヤにも

ただダメージを与えるだけだ。


(あー・・・もうむりぽ・・・)


今度はこなたがハザードを焚き、ペースダウン。

ゆっくりとしたクールダウン走行を始めたEK4を軽く手を挙げて抜き去り、

あっという間にランエボはこなたの視界から消えた。




【此文字D-3rd☆star ~Circuit☆Stage~
 後編へ続く】




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  • GJ!
    ソレナンテ=エ=ロゲ氏、享年105歳っすか!( ゚д゚)すげぇ長寿。 -- 名無しさん (2009-05-01 13:32:21)

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