『……お母さん、どうしたの? その格好』
『うーん、お掃除をしようかなーって思って』
いや、そうは言うけどさ。
カーキ色の探検ルックでお掃除って、どこの国のお掃除衣装ですか。
『うーん、お掃除をしようかなーって思って』
いや、そうは言うけどさ。
カーキ色の探検ルックでお掃除って、どこの国のお掃除衣装ですか。
----- てけてけかなたさん その7・こわしやかなたさん -----
『そう君のパソコン、また何かいっぱい入ってたみたいだから』
『それで、もしかして私のパソコンから侵入して消そうってこと?』
『そういうこと。ちなみに、ここに来て最初にしたのもそれだったのよ』
だから、お父さんはあの時絶叫したのか……ご飯を作り忘れるぐらいショックみたいだったし。
『でもまあ、お父さんはまだお母さんがここにいるってこと知らないんだし、それくらい
は許してあげてもいーんじゃ……』
『うーん、確かにそうかもしれないけど……ちょっと、悔しいかなって思って』
おー、これが妻の夫への愛情と嫉妬ってやつですか。なんてふざけて言ってるけど、
そりゃお母さんからしたら寂しいよね、ほかの女の子のこと見てるだなんて。
『それと、こなたをこんなにした、ちょっとしたおしおき』
『……それは勘弁してあげてー。とゆーかそれ私の責任でもあるし』
お父さんごめんなさい、完全にとばっちりっぽいです。だけど私には止められません。
『んで、どうやってお父さんのパソコンに? 確かにネットワークにはつながってるけど、パスワードかかってるはずだし……』
『ああ、それなら大丈夫』
そう言いながらお母さんは次々とフォルダを開いていって『マイ ネットワーク』に
たどりついて、お父さんのパソコンのアイコンへ。そしたら案の定パスワードが要求されたけど……
『こうこう、こうで……えいっ』
うわ、すんなりとアクセスできましたよ?!
『そう君ってば、私の誕生日をパスワードにしてるんだもの。すぐわかっちゃった』
お父さんってば、どんだけお母さん思いなのさ。自分のパスにも使うだなんて……今はその愛情が裏目ですよー。
『それじゃ、行ってきまーす』
『へ?』
お母さんを手を振ると、エクスプローラーの中へ……って、えっ? なにすんの?
――かわぐちーひろしがー♪ どうくつにはーいるー♪ か~めらまんとー♪ しょーめーさんのー♪ あとにーはいるー♪』
って、なんかメディアプレイヤーが勝手に立ち上がったよ?! とゆーか嘉門達夫の声?!
『お、お母さん、そのネタはさすがの私でもわからないって!』
『そう? そう君とよく一緒に見ていたのだけど……』
お父さん、もしかして『かなたとの想い出だから』とか言って買ったDVD-BOXデスカ? とゆーかソウデスネ?
『じゃあ、この格好をしたんだから、この曲でも』
――ちゃーちゃっちゃららっちゃー♪ ちゃーらーちゃーちゃららっちゃー♪
『っておかーさん、これ『アトランチスの謎!!』』
『そう君とよく一緒にプレイしてたゲームなの。よく手助けしてもらって、初めてクリアしたのよ』
あー、だからその格好だったんデスカ……ということは、もしかしたら、
『それじゃあ……そう君の、ばかーっ!』
お母さんは「えろげー」と書かれたフォルダに向かって、やっぱり盛大に"手榴弾"を投げつけ始めた。
スピーカーからは盛大な爆音と、画面からは次々と壊れていくフォルダの姿。
せめてもの救いは、お仕事関係みたいなフォルダは全部避けているぐらいか。
……打ち合わせから帰ってきたらタマシイが飛んでそうだから、今からなーむーと拝んでおこうか。
『そう君のっ! すけべーっ!!』 完
『それで、もしかして私のパソコンから侵入して消そうってこと?』
『そういうこと。ちなみに、ここに来て最初にしたのもそれだったのよ』
だから、お父さんはあの時絶叫したのか……ご飯を作り忘れるぐらいショックみたいだったし。
『でもまあ、お父さんはまだお母さんがここにいるってこと知らないんだし、それくらい
は許してあげてもいーんじゃ……』
『うーん、確かにそうかもしれないけど……ちょっと、悔しいかなって思って』
おー、これが妻の夫への愛情と嫉妬ってやつですか。なんてふざけて言ってるけど、
そりゃお母さんからしたら寂しいよね、ほかの女の子のこと見てるだなんて。
『それと、こなたをこんなにした、ちょっとしたおしおき』
『……それは勘弁してあげてー。とゆーかそれ私の責任でもあるし』
お父さんごめんなさい、完全にとばっちりっぽいです。だけど私には止められません。
『んで、どうやってお父さんのパソコンに? 確かにネットワークにはつながってるけど、パスワードかかってるはずだし……』
『ああ、それなら大丈夫』
そう言いながらお母さんは次々とフォルダを開いていって『マイ ネットワーク』に
たどりついて、お父さんのパソコンのアイコンへ。そしたら案の定パスワードが要求されたけど……
『こうこう、こうで……えいっ』
うわ、すんなりとアクセスできましたよ?!
『そう君ってば、私の誕生日をパスワードにしてるんだもの。すぐわかっちゃった』
お父さんってば、どんだけお母さん思いなのさ。自分のパスにも使うだなんて……今はその愛情が裏目ですよー。
『それじゃ、行ってきまーす』
『へ?』
お母さんを手を振ると、エクスプローラーの中へ……って、えっ? なにすんの?
――かわぐちーひろしがー♪ どうくつにはーいるー♪ か~めらまんとー♪ しょーめーさんのー♪ あとにーはいるー♪』
って、なんかメディアプレイヤーが勝手に立ち上がったよ?! とゆーか嘉門達夫の声?!
『お、お母さん、そのネタはさすがの私でもわからないって!』
『そう? そう君とよく一緒に見ていたのだけど……』
お父さん、もしかして『かなたとの想い出だから』とか言って買ったDVD-BOXデスカ? とゆーかソウデスネ?
『じゃあ、この格好をしたんだから、この曲でも』
――ちゃーちゃっちゃららっちゃー♪ ちゃーらーちゃーちゃららっちゃー♪
『っておかーさん、これ『アトランチスの謎!!』』
『そう君とよく一緒にプレイしてたゲームなの。よく手助けしてもらって、初めてクリアしたのよ』
あー、だからその格好だったんデスカ……ということは、もしかしたら、
『それじゃあ……そう君の、ばかーっ!』
お母さんは「えろげー」と書かれたフォルダに向かって、やっぱり盛大に"手榴弾"を投げつけ始めた。
スピーカーからは盛大な爆音と、画面からは次々と壊れていくフォルダの姿。
せめてもの救いは、お仕事関係みたいなフォルダは全部避けているぐらいか。
……打ち合わせから帰ってきたらタマシイが飛んでそうだから、今からなーむーと拝んでおこうか。
『そう君のっ! すけべーっ!!』 完