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ラブマイライフ~After Episode1

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翌日の放課後、こなちゃんに貸したい本があるからと言われ、こなちゃんの部屋へと来ていた。

 こなちゃんはゴソゴソと押入れからダンボール箱を2,3個出してきて
「これとこれと、これも一応そうかな。あとは舞HiMEと……あっ忘れてた神無月もか」
 ブツブツとよくわからない単語を並べながら、普通の漫画よりも少し大きめで薄い本を積み上げていく。

「2004年は百合アニメがかなり豊富だったんだよね。やっぱマリみての影響かなー。そういえばあれ原作
ラノベじゃん?だから原作には手を出してなかったんだけど、ためしに1巻だけ読んでみたら案外読みや
すくて原作スレ見に行ったら、レイニブルーで一区切りって書いてて、とりあえずそこまで買ったらさー、
すごい気になるところで終わってて、もう一回スレよく読んだら、レイニー止めとかいうやつで、まんま
と騙されちゃって、その時夜中3時だったんだけど気になってしょうがなくて、駅前の24時間やってる本
屋までわざわざ買いに行ったんだよねー。そういうこと、つかさはない?」

「え?えーっと……あるかな」
 なんのことかよくわからないけど……
「だよねー!ラノベも案外いいものだねー。前は絵がいっぱいないと萌えれないって思ってたんだけど、
最近はラノベもいいかなーって。あっそういえばハルヒも原作ラノベだっけ、今度買ってみようかな」

 その間にも、本のタワーは高さを増していく。

「こんなもんかなー」
 こなちゃんは汗を拭き取るしぐさをして、その積みあがった本を紙袋に詰めてくれた。
「あっマリみてのDVDももってく?」
 とDVD片手に薦められたが、
「こ、今度でいいや、ありがとう」
 丁寧にお断りさせてもらった。
「返すのはいつでもいいからね、ゆーーーっくり楽しんで」
 そういって私に紙袋を手渡したこなちゃんは、キーホルダーが絡まってしまったカップルを見たときと
同じ表情をしていた。


 やっと部屋まで紙袋を運び終え、一番上の1冊を取り出してみる。開くとすぐに女の子の裸が目に入った。
思わず一度閉じてしまう。一度深呼吸をして、もう一度そのページを開く。

 こなちゃんこんなの読んでるんだ……。

 その本の内容は、一人の女の子が棒の様なものを使って、もう一人の女の子のあそこへ突き刺していた。

 こんなの使うんだ……。

 私はいつの間にかその本の中へ引き込まれていた。

 トントン――

 その所為で、普通に扉をノックされただけの音に体は面白いくらいに飛び跳ね、咄嗟にその本を戻した。
「つかさー帰ってきたの?」
「お姉ちゃんか……うん、さっき帰ってきたところ」


「何借りてき…………」
 紙袋の中を見てお姉ちゃんは静止した。

「なっ何借りてきてんのよっ!」
「こなちゃんが参考になるよって」
「参考って……それで借りて来たらまるで―――」
 確かに私もそれは思ったんだけど。
「でも、ほら……良くわからないことも多いし……ね?」
「ねって……」
「お姉ちゃんも読む?」
「読まねぇ!」
「お姉ちゃんが好きなフルメタもあるってこなちゃん言ってたよ」
「うそっ!?」
 お姉ちゃんはしばらく考えた後、
「…………じゃ……それだけ……」
 なにかに負けたみたい。


 私はどれがどれだかわからなかったけれど、お姉ちゃんは本の山の中からお目当てのものを見つけられた
ようで、
「おー、本当にフルメタ――……って全部姉妹物かよっ!」
「姉妹物?」
「アニメのフルメタに双子の姉妹がでてくるのよ」
「双子って、私達みたいだね」
「その二人も好き同士なの?」
「まぁ……それに近い感じではあったけど…………」
「お姉ちゃん……?」
「なんか、自分達を客観的に見たらこんな感じなのかなーってね」
「じゃあ、せっかくだし、一緒に見ようよ」
「え!?てか、なんでそうなる」
「嫌?」
「別に嫌ってわけじゃないけど……」

 私はお姉ちゃんの隣にくっついて子供が絵本を読んでとねだる様に「はやくはやく」とお姉ちゃんを促す。

 お姉ちゃんが渋々開いたその本も他の本と同様に2ページも進めば女の子達は裸になっていて、さっき説明
してくれたとおり髪型は違うけれど、顔はそっくりで間違いなく双子だった。
 ページが進むと、その少女達はキスをしてお互いの性器を舐めあっていた。
 それを見ていると昨日の事が頭に浮かんで来て無意識のうちにお姉ちゃんへと視線を移すと、待っていた
かのような眼差しがそこにあり、私達は何も言葉は交わさずに、くちづけを交わした。

「こなたの思惑に乗せられてる気がするのは私だけか……」
「エヘヘ、私はそれでもいいかなって」
「つかさの思惑でもあったわけね。……それじゃあ、乗ってあげないわけにいかないか」
そして少し長い夜が始まった。


 翌朝、いつもの待ち合わせ場所に到着すると、めずらしくこなちゃんは先に来ていた。
「こなちゃん、おはよー」
「おはよう。夏―じゃなかった柊姉妹」
「お前絶対わざとだろ!」

「ねね、つかさ」
 こなちゃんは小さな声で私を呼び寄せ
「かがみ読んだでしょ?」
「うん、こなちゃんが言った通り、フルメタあるっ――」
「つかさぁぁー!聞かれたからって何でもしゃべるなぁ!」
「ぁぅ……めんご」
「もう!私先行くからね!」
 お姉ちゃんは走っていってしまった。
「つかさも大変だねーツンデレの彼女もつと」
「彼女?」
 人差し指を顎に当て、暫し考える。
「あぁ……そっか、そういうことになるね」
「ツンデレは扱い方さえわかれば、ツンもデレも楽しめてまさに一粒で二度おいしい。つかさ、いい買い物
したね!グッジョブ!」
 こなちゃんはぐっと親指を立てて言った。
「しかし、かがみルートもつかさルートも一気に消滅してしまうとは……でもハーレムフラグと考えれば……」
 こなちゃんは唸るように呟いた。
「こなちゃん?」
「え?あぁ、つい妄想を声に出してたみたい、気にしないで。それより、かがみって二人きりのときはやっぱ
りデレのタイプ?」
「デレ……?」
「甘えるっていうのかなー、二人っきりのときは、ずっと側にいてくれないと嫌~とか言ったり」
「うーん」
 昨日の事が頭に浮かんだ。
「あ……」
「やっぱそうなんだ~」
 こなちゃんは、むふふっと笑った。
「お姉ちゃんには言わないでね、口聞いてもらえなくなる……」
「わかってるわかってる」

 そういってたはずなのに…………
 結局その日一日、お姉ちゃんは口を聞いてくれなかった。



 数日後のこなた家。
 こなたはつかさから返って来た同人誌を元の場所へ戻す作業をしていた。
 不自然に開くページをところどころに見つけ、
「こういうのが趣味なのか~人は見かけによらないなぁ」
 一人呟いていた。




















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コメント:
  • 少し長い夜ってのを頼む -- 名無しさん (2010-08-06 14:32:52)
  • ラブラブしてる雰囲気がたまんない -- 名無しさん (2010-05-25 17:33:27)
  • 最後のこなたに「あ~ハハハ(笑)」と声に出して笑ってしまいました。 -- 名無しさん (2008-04-23 22:08:12)

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