格詞(pea)

格詞は、名詞の動詞との関係を表す。語句も節も取れる。英語でいう前置詞に当たるが、格詞が全て前置詞と同じというわけではない。主格(ul)と対格(on)の格詞は基本的に省略されるが、倒置や強調があると省略されない。以下によく使う格詞をあげる。[ ova ]は「例」を意味する。

  • よく使う格詞

ul:主格
動作主格を表す。通常は省略されるが、倒置や強調の際には復活する。
[ ova ]on lu ul an san-e (彼のことが私は好きだ)

on:対格
対象を表す。通常は省略されるが、倒置や強調の際には復活する。
[ ova ]同上

al:与格、終点格
物や行為を受け取る者を表す。
[ ova ]an fit-a lei al la(彼に本をあげた)
移動の着点を表す。
[ ova ]an lof-a al felka(学校まで歩いた)
時間の終点を表わす。
[ ova ]an ixt-a lei al dev(私は夜まで本を読んだ)

il:奪格、起点格
物を得る起点を表す。
[ ova ]taf-a lei il la(彼から本を貰った)
情報の源泉を示す。
[ ova ]se-a tu il lei(これは本で知った)
移動の起点を示す。
[ ova ]ke-a il felka(学校から行った)
時間の起点を表わす。
[ ova ]an lab-a il dav(私は朝から働いた)

ol:場合格:~の場合に
ol以下が真のとき、ol以前が真になることを示す。つまり、主節が真になる条件を表す。「もし」に当たる格詞だが、接続詞でない点に注意。
[ ova ]an ke-o ol la ke-i(彼が行くなら私も行こう)
hot(唯一)を付けることによって「~のときに限り~する」という意味を表す。
[ ova ]an ke-o ol hot la ke-i(彼が行くときだけ私も行こう=彼が行かないなら私も行かない)

ka:場所格
場所を表す。
[ ova ]la miks-as ka ra(彼は家の中で歌っていた)

im:時格
時点を表す。英語のwhenやatなどに当たるが、whenと訳すときでも接続詞にならない点に注意。
[ ova ]la in-a teik im an ked-i(私が帰ったとき、彼はテレビを見ていた)

kon:具格/ken:不具格
行為に伴う道具を表す/道具を使わなかったことを表す。
[ ova ]kil-a kon[ ken ] diol(のこぎりで切った/のこぎりを使わないで切った)

ok:随伴格/ek:不随伴格
行為を行う主体的な仲間を表す/仲間がいないことを表す。
[ ova ]ke-a ok(ek) la(彼と一緒に行った/彼と一緒でなく行った)

格詞の順序

明確な順序はないが、たとえば下の例文ならこの並びが一番自然である。尚、格詞が取るのが語でなく節になって長くなるほど、その格詞は後回しにされる傾向にある。下の場合、im格がim fasだったら他の格より前にきていた可能性が十分考えられる。

an(主格) in-a(動詞)jan(対格) ha(上格) waka kon(具格)flan ok(随伴格)hacn im(時点格)xelt it nok
(私は月が出た時、丘の上で、友達と一緒に、望遠鏡で空を見た)

最終更新:2007年11月11日 21:35