物々冒険記×お怪物図鑑

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【棺】ひつぎ

だが、馬場より9歳年上の彼は、70歳でこの世を去った。
去るにあたり、人の評価は柩を覆って定まる、
これで誰かが自分のことを語って記録に残してくれる、
という期待があったかどうかわからない。
『物々冒険記×お怪物図鑑』P.33

「死んだ後で初めてその人の正しい評価がなされる」ということを言いたいのであれば、
「柩を覆って定まる」は誤り。
正しくは「棺を蓋いて事定まる」。
「カンをおおいてことさだまる」と読む。出典は晋書劉毅伝。
間違いの原因は「ヒツギをおおって」と読んだせいだろう。
「棺」と「柩」はどちらも「ヒツギ」と読むからね。

それから、同じことを意味する四字熟語に「蓋棺事定」というものがあることを
知っていれば間違いを防げたかも知れない。
『ビジネスマンの強化書』によれば今までの人生で10万冊もの本を
読破したとされる唐沢なら「蓋棺録」の意味は当然知っているだろうし。

検証ブログ:2008-07-21

【ブラッシー】

先日亡くなったプロレスラー、フレッド・ブラッシー。
彼はもともと、鉄人ルー・テーズと同じ師匠の元でプロレスの技を学び、
テクニックよし、荒技よし、ルックスよしの、オールラウンドなレスラーとしてデビューした。
『物々冒険記×お怪物図鑑』P139

ルー・テーズの師匠はジョージ・トラゴスというレスラー。
この人はレスリングを舐めている選手の腕を折って再起不能にしてしまうようなコワい人、
いわゆるシュートレスラーだったのだが、トラゴスはブラッシーの師匠ではない。
ブラッシー自身が『フレッド・ブラッシー自伝』(エンターブレイン)P.23で
このように書いていることからもわかる。
当時はジョー・ステッカー、フック・ノーズ・ネルソン、ジョー・サンダーソン、
そして私のアイドルであるジョージ・トラゴスというレスラーなどもいた。
セントルイス在住の靴職人であるハンガリー人の息子で、のちに20世紀を代表する
関節技の使い手となり、6度の世界王座に君臨した“四角いマットのベーブ・ルース”こと、
ルー・テーズを指導したのは何を隠そう、そのトラゴスであった。
あと、「荒技よし」というのはよくわからない。「テクニックよし」とどう違うのか。

検証ブログ:2008-07-20


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最終更新:2017年05月10日 19:39