■「若者奴隷」時代 “若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来 (晋遊舎ムック)
山野 車輪 (著)、2010年3月15日 この世代間格差問題は、マスコミではあまり取り上げられていない。 他者のレビューにもあるが、ネットでも御馴染みである、関西の過激な報道番組で話題になったぐらいである。 その理由は、著作にもあるが、マスコミなどにとっては、テレビを見なくなった若者と違い、老人たちはお客様なのである。 故に、マスコミは若者は叩くが、老人を叩く事は絶対にしない。 同じように、政治家たちも自分たちの票田で資金源である、老人たちのいう事を聞かざるをえない訳で、 そのツケが、今の我々ロスジェネ世代に直撃しているというお話である。 amazonカスタマーレビューより引用。 | |
■搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)
阿部 真大 (著)、2006年10月 実際に労働に参加してみて研究するという「参与観察」が労働社会学のなかではやっている。でもそのほとんどは、つまらない。理論的裏づけが弱いし(要するに勉強していない)し、なによりも、「読ませる」ような文章を書けないからだ。この分野の先駆鎌田彗ほどとわいわないが、文章能力の低さは観察力の低さをあらわしている。 それに対して本書は「読ませる」とおもう。ライトな筆致だが決して内容が「軽い」わけじゃない。相互間競争の規制と連帯という、非正規雇用者すべてにあてはまる権利実現のオルタナティブにむけて、バイク便という特殊な業務のなかの統治の様式が実にうまく描かれている。惜しむらくは経営構造まで余裕があれば説明してほしかったということ。「職場」に問題を集約し、自発的統合の契機をやや強調しすぎているかなあということ、あとバイク便にくるひとのライフヒストリーにも言及してもらえればよかった。いずれにしろ、30分で読めるいいルポ。 amazonカスタマーレビューより引用。 | |
■シルバー民主主義 - 高齢者優遇をどう克服するか(中公新書)
八代 尚宏 (著)、2016年5月19日 | |
急激な少子高齢化により、有権者に占める高齢者の比率が増加の一途にある日本。高齢者の投票率は高く、投票者の半数が60歳以上になりつつある。この「シルバー民主主義」の結果、年金支給額は抑制できず財政赤字は膨らむばかりだ。一方、保育など次世代向けの支出は伸びず、年功賃金など働き方の改革も進まない。高齢者にもリスクが大きい「高齢者優遇」の仕組みを打開するにはどうすべきか。経済学の力で解決策を示す。 中央公論新社ウェブサイトより引用。 | |
シルバー民主主義とは、政治家のポピュリズムにより、高齢者の既得権が守られる政治の仕組みのことで、著者はこれが日本の財政赤字、世代間の不公平の拡大、高齢者の雇用の阻害を招いているとする。高度成長時代の経済の成長見通しと人口構成を前提に作られたわが国社会保障制度が、このシルバー民主主義に基づく政治によって、改革が必要な現在まで放置され、それが少子高齢化の時代のさまざまな経済問題の根源となっていることが、わかりやすく説明される。その解決策として、高齢者が利他主義に基づき、若者世代の未来を考慮し、世代間ではなく高齢者間で所得や資産格差の是正を図り、この問題の解決を図ることの重要性が提言されている。 著者の論旨は明快である。われわれ団塊の世代は著者の言うように「孫にお年玉をあげても、それを孫から奪うことは誰も考えていないはずだ」。しかし、現在のシルバー民主主義はそのような事態を招いてしまっている。高齢者となった我々は今こそ日本の将来を担う世代のために立ち上がるべきである。。 amazonカスタマーレビューより引用。 |
■戦前の少年犯罪(築地書館)
管賀 江留郎 (著)、2007年10月30日 | |
現代より遥かに凶悪で不可解な心の闇を抱える、恐るべき子どもたちの犯罪目録! なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか? 発掘された膨大な実証データによって戦前の道徳崩壊の凄まじさがいま明らかにされる! 学者もジャーナリストも政治家も、真実を知らずに妄想の教育論、でたらめな日本論を語っていた! 築地書館ウェブサイトより引用。 | |
この本は、戦前の少年による事件はどのようなものであったのかを紹介している本です。表紙には「現代よりも遥かに凶悪で不可解な心の闇を抱える、恐るべき子どもたちの犯罪目録!」と書いてありますが、べつに昔の人々を残虐だと非難しているわけではなく、最近の子どもを怪物扱いする言説に対して皮肉を浴びせかけるという感じの内容になっていますので、年配の方も安心して読めると思います。 私はこの本を読んで、「最近の子どもは脳幹が弱い」だの「昔はよかった今はダメ」だのといった御高説が、全てただのヨタ話に見えてきました。結局、昔も今も、人間は誰だって犯罪者になる可能性があるのであり、今の若い人は断じて不気味な怪物ではないと確信することができました。 この本と浜井浩一さん・芹沢一也さんの『犯罪不安社会』(光文社新書)を一緒に読むと、少年犯罪をダシにして戦後社会悪玉論を振りかざし、現在をがんばって生きている人を貶めるような言説の息の根を完全に止めることができると思います。若い人も年配の方も、ぜひ一読することをオススメします。 amazonカスタマーレビューより引用。 |