◇おしゃべり◇ |
BBS |
(1) | ブリタニカ・コンサイス百科事典(liberalismの項)より全文翻訳 | ||||
政治的および経済的ドクトリン(理論・信条)であり、①個人の権利・自由、②政府権力の制限の必要性、を強調するもの。 | |||||
<1> | リベラリズムは、16世紀欧州の戦争(30年戦争)の恐怖に対する防御的リアクションとして発生した。 その基本理念は、トーマス・ホッブズとジョン・ロックの著作の中で公式な表現を付与された。この両者は、至上権は究極的には被統治者の同意によって正当化され、神権ではなく仮想的な社会契約によって付与されると唱えた。 経済分野では、19世紀のリベラル(自由主義者)達は、社会での経済生活に対する政府介入の撤廃を強く要求した。アダム・スミスに従って彼らは自由市場に基礎を置く経済システムは、部分的に政府にコントロールされた経済システムよりも、より効率的であり、より大きな繁栄をもたらすと論じた。 | ||||
<2> | 欧州と北米の産業革命によって発生した富の巨大な不平等その他の社会的問題への反動として、19世紀末から20世紀初めにかけてのリベラル(自由主義者)達は、市場への限定的な政府介入と、無料の公共教育や健康保険などの政府拠出による社会的サービスの創出を唱えた。 アメリカ合衆国では、F.D.ルーズベルト大統領により企画されたニュー・ディール(新規まき直し)計画により、近代ないし進歩的リベラリズム(modern liberalism)は、①政府の活動領域の広範な拡張、そして、②ビジネス活動の規制の増大、として特徴づけられた。 第二次世界大戦後、社会福祉の一層の拡張が、イギリス・スカンジナビア諸国・アメリカ合衆国で起こった。 | ||||
<3> | 1970年代の経済的不振(スタグネーション:不況とインフレの同時進行)は殊にイギリスとアメリカ合衆国において、自由市場を選好する古典的な自由主義の立場(classical liberal position)の再興を導いた。 | ||||
<4> | 現代リベラリズム(contemporary liberalism)は、①不平等の緩和、②個人の権利の拡張、を含む社会改革に依然関心を寄せ続けている。 | ||||
(2) | オックスフォード英語事典(liberalの項)より抜粋翻訳(※liberalismは派生語扱い) | ||||
(政治的文脈で)個人的自由、自由交易、漸進的な政治的・社会的改革を選好する(形容詞)。 | |||||
語源(ラテン語) | liber(=free (man):自由(人))。原初的語感は「自由人として適格な(suitable for a free man)」 | ⇒つまり「自由人=奴隷でないこと」 | |||
(3) | コウビルド英語事典(liberalismの項)より全文翻訳 | ||||
<1> | ・リベラリズム(liberalism)とは、革命ではなく、法改正によって社会的進歩を漸進的に行う、とする信条である。 | ||||
<2> | ・リベラリズム(liberalism)とは、人々は多くの政治的そして個人的な自由を持つべきである、とする信条である。 |
リベラリズムの段階・種類・区分 | 時期 | 意味内容 | |
<1> | 古典的リベラリズム(classical liberalism) | 16世紀~19世紀 | ①個人の権利・自由の確保、②政府権力の制限、③自由市場を選好 |
<2> | 修正リベラリズム(revised/new liberalism) | 19世紀末~20世紀 | 経済的不平等・社会問題を緩和するため市場への政府介入を容認→積極的介入 |
<3> | 再興リベラリズム(neo-liberalism) | 1970年代~ | スタグフレーション解決のため自由市場を再度選好 |
<4> | 現代リベラリズム(contemorary liberalism) | 現代 | ①不平等の緩和、②個人の権利の拡張、を含む社会改革を志向 |