教育勅語とその精神

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教育勅語とその精神 - (2009/04/25 (土) 12:57:01) の編集履歴(バックアップ)


(ちん)(なんじ)臣民(とも)拳拳服膺(けんけんふくよう)シテ(みな)其徳(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)
  教育勅語 第六文   ※「拳拳」は「(拳を握って)一生懸命に」、「服膺」は「膺(胸に)服(身に着ける)」、「拳拳服膺」で「一生懸命に胸中に銘記して」の意味


■はじめに

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教育勅語は、わずか6文315文字ですが、維新創業の途上にあった明治天皇が、ご自身のお言葉で親しく国民に道徳のあり方を語りかけ、ご自身が率先してこの道徳を守り推し進めていく御決意をお示しになられた、ご聖徳の結晶であります。
教育勅語はその正式名称を「教育ニ関スル勅語」といい、1890(明治23)年10月30日に煥発されてより、昭和の敗戦後に教育基本法が制定されるまで半世紀以上に渡って、国民道徳涵養の淵源として公的に奉持され、明治・大正・昭和の三代を生きた方々、また戦後日本の復興を支えた方々の精神的支柱として、大きな役割を果たしてきました。

■原文、他


(1)原文
朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ済セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ
是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風を顕彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス
朕爾臣民ト倶ニ拳拳服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日
御名 御璽

(2)読み下し文(現代仮名遣い)

朕(ちん)惟フニ(おもうに)我カ皇祖皇宗(こうそこうそう)国ヲ肇ムル(はじむる)コト宏遠(こうえん)ニ徳ヲ樹ツル(たつる)コト深厚(しんこう)ナリ
我カ臣民克ク(よく)忠ニ克ク孝ニ億兆(おくちょう)心ヲ一(いつ)ニシテ世世(よよ)厥(そ)ノ美(び)ヲ済セル(なせる)ハ此レ(これ)我カ国体ノ精華(せいか)ニシテ教育ノ淵源亦(また)実ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ(あいわし)朋友相信シ(あいしんじ)恭倹(きょうけん)己レヲ(おのれを)持シ(じし)博愛衆ニ(しゅうに)及ホシ(およぼし)学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能(ちのう)ヲ啓発(けいはつ)シ徳器(とくき)ヲ成就(じょうじゅ)シ進テ(すすみて)公益ヲ広メ世務(せいむ)ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ(おもんじ)国法ニ遵ヒ(したがい)一旦緩急(かんきゅう)アレハ義勇公(こう)ニ奉シ(ほうじ)以テ天壌無窮(てんじょうむきゅうう)ノ皇運ヲ扶翼(ふよく)スヘシ(すべし)
是ノ如キ(かくのごとき)ハ獨リ(ひとり)朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾(なんじ)祖先ノ遺風を顕彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ(ともに)遵守スヘキ所之(これ)ヲ古今ニ通シテ謬ラス(あやまらず)之ヲ中外(ちゅうがい)ニ施シテ悖ラス(もとらず)
朕爾臣民ト倶ニ拳拳服膺(けんけんふくよう)シテ咸(みな)其徳ヲ(そのとくを)一(いつ)ニセンコトヲ庶幾フ(こいねがう)

明治二十三年十月三十日
御名 御璽(ぎょめい ぎょじ)

(3)英訳

(4)現代語訳 但し現代語(口語)訳では、原文の持つ深い含蓄が必ずしも伝わりません。初学者は現代語訳を読了して教育勅語の大意を掴んだ後は、是非とも原文を音読されることをお勧めします
(現代語訳)
私(明治天皇)が思うに我が皇室の御先祖様が国をお始めになったのは、遥か昔のことであり、その恩徳は深く厚いものです。
我が臣民は忠と孝を守り、万人が心を一つにしてこれまでその美をなしてきましたが、これこそ我が国の最も優れたところであり、教育の根本も実にこの点にあります。
あなたたち臣民は父母に孝行し、兄弟は仲良くし、夫婦は協力し合い、友人は信じ合い、人には恭しく、自分は慎ましくして、広く人々を愛し、学問を修め、仕事を習い、知能を伸ばし、徳行・能力を磨き、進んで公共の利益に奉仕し、世の中のために尽くし、常に憲法を重んじ、法律を守り、もし国家に危険が迫れば忠義と勇気をもって国家のために働き、天下に比類なき皇国の運命を助けるようにしなければなりません。
このようなことは、ただあなたたちが私の忠実で良い臣民であるだけではなく、あなたたちの祖先の昔から伝わる伝統を表すものでもあります。
このような道は実に我が皇室の御先祖様がおのこしになった教訓であり、子孫臣民が共に守らなければならないもので、今も昔も変わらず、国内だけではなく外国においても理に逆らうことはありません。
私はあなたたち臣民と共に心に銘記して忘れず守りますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを切に願っています。

■解説