けいおん!澪×律スレ @ ウィキ内検索 / 「彼女の起こし方」で検索した結果

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  • 彼女の起こし方
    「澪ー。起きろー」 「‥」 「おーきーろー」 「‥」 「まったく‥」 私は溜め息をついた。 今日は大学は休み。だけど、午後からHTTの練習がある。 洗濯物溜まってるし。午前中に済ませちゃおう、とか昨夜話してたんだが。 その提案者の澪が、起きない。 「澪ー」 「‥」 いくら揺すっても、起きない。 反応があったと思っても、ムニャムニャと寝返りを打つだけだった。 昨夜いじめ過ぎたかな‥とか思いつつ。 私は、強行手段に出た。 「みーおー」 「‥」 「おきろー」 「‥」 熟睡してる事を確認し。布団に入る。 澪の黒髪を退けて、耳を出した。 はむっ 耳を、甘噛みした。 「‥」 起きない。 ココまでは予想通り。 ぺろっ 舌を外耳に沿って滑らせた。 「んんっ‥」 反応アリ。ココで、澪の身体と頭をしっかりホール...
  • 澪×律 別荘地 26
    ...合鍵 三月も下旬。 彼女の起こし方 「澪ー。起きろー」 ポッキーゲーム! 律「はぁー疲れた…今日も練習頑張ったな!」ダラダラ にがて 「ただいまー!」 お気に入り 月がよく見える夜。 化粧ノリ 「律ー。動いちゃ、ダメ」 SS221 律「ただいまー」 プリン 大学に入学し、澪とアパートで二人暮らしを始め。 夕空モノローグ 私と律は、薄くなる夕暮れを眺めつつ。うたた寝をしていた。 SS222 気温も上がってきた。六月の夜。 素直じゃないから 最近、澪の様子がおかしい。 スコール 「律ー」 卑怯者 近付く、高校生活最後の文化祭。 トップページ
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    ... 彼女の起こし方 ポッキーゲーム! にがて 化粧ノリ SS221 プリン 夕空モノローグ SS222 素直じゃないから 卑怯者 澪×律 別荘地 26 まとめ1 澪×律 別荘地 26 まとめ2 澪×律 別荘地 26 まとめ3 ...
  • 澪×律 別荘地 26 まとめ2
    ... 13 59   『彼女の起こし方』 「澪ー。起きろー」   621 :軽音部員♪  2011/06/01(水) 22 15 50   がばぁっ!!!彼女の起こし方   633 :軽音部員♪  2011/06/02(木) 00 35 46   ポッキーゲーム! 律「はぁー疲れた…今日も練習頑張ったな!」ダラダラ   634 :軽音部員♪  2011/06/02(木) 00 39 49   紬「あの〜…」ポッキーゲーム!   636 :軽音部員♪  2011/06/02(木) 00 44 48   澪「………」サクサクサクサクサクサク!ポッキーゲーム!   640 :軽音部員♪  2011/06/02(木) 01 24 58   『にがて』 「ただいまー!」   641 :軽音部員♪  2011/06/02(木) 01 26 34   「ん」にがて   ...
  • 彼女の好きな所
    私は、真っ赤な顔をして。恋人に抱かれていた。 私が恋人になんとなく「私のどこが好きなのか」聞いてみたら。 余す事無く答えてくれて。 聞いたクセに、私は真っ赤になった。 真っ赤になった私を、恋人は抱き寄せた。 嬉し恥ずかしとは、この事か、と私は蒸気した頭で納得した。 「みおー」 恋人が話し掛けてきた。 「‥なに?」 「澪は、私のドコが好きなんだ?」 「‥んー…」 私は、考え込んだ。 「…」 「…」 中々即答出来なかった。 「…ほら、すぐ答えらんないだろー?」 恋人は、私の黒髪を撫でた。 「‥うん」 「ま、好きでいてくれれば、ソレでいいよ」 「うん‥」 私は少し申し訳なくなり 「りつ‥」 「ん?」 恋人の腕を解き、正対した。じっと、恋人を見つめた。 「‥なんだよ」 ちゅっ よ、と恋人が言った所で。私はキスをあげた。 「…っ...
  • 彼女のスキなトコ
    私と澪が付き合って、約半年。 いつものように、私の部屋でダラダラしていた。 CD聴きながら。互いに雑誌読んだり。楽器いじったり。 たまに、急に抱き着いてみたり。 付き合う前から幼馴染みとして、親友として。親しみを込めて抱き着いたりーみたいなスキンシップは取っていた。 付き合ってからは、愛情表現以外の何者でもなかった。 で、私は今日も澪に背後から抱き着いた。 「みーおっ!!」 「ぅわっ!!」 澪は前のめりになり、落としかけた雑誌を慌てて掴んだ。 「なんだよっ!」 「なんだよ、って…」 私は澪が読んでた雑誌を手に取り、床に置き 「スキンシップ、だよ」 腕ごと、澪の身体をぎゅーっと、抱き締めた。 「‥まったく」 澪は私の腕を撫でた。 「澪ちゅわんのコト、大好きですからー♪」 私は黒髪に頬擦りした。 「私も…、大好きだよ」 澪は照れつつ、応...
  • SS2
    澪視点 私が目を覚ますと、抱きしめていたはずの律が毛布に変わっていた 一瞬自分の五感すべてを疑い、状況を把握できずにいた 律は自分を置いて帰ってしまったのか 眠っている自分に気を使い、起こさないように帰ったのかもしれないが、今そんな気づかいは私には必要無い ただただ、律の温もりが恋しいばかり わずかに律の温もりが残る毛布に顔を埋める。毛布の優しい肌触りと、脳裏に、身体に焼き付いた律の感触が、 私の中にある弱さを刺激した 気付けば、私は泣いていた。下にいる家族に気付かれぬよう、声を押し殺しながら 寂しい…ただただ寂しい……律に触れたい。 そのとき、私の耳に、今何よりも求めている音色が突き刺さった 「みーお」 声を出せないまま、振り向く。私だけしか知らない、悪戯好きの彼女 「ふふふ……予想以上の反応だなあ」 私は言葉もなく、ただ彼女の方に駆け寄り抱きついた...
  • SS134
    投稿日:2010/11/14(日) 23 14 29 饅頭怖いという落語をご存知だろうか。 かいつまんで言うと、『饅頭が怖い』と言いふらすことで自分に嫌がらせをしようとする人達から大好きな饅頭をせしめる話だ。 そんな話もあったな、とたまたま読んでいた本を眺めながら私は考えていました。 すると突然ひらめいたのです。 えー、その前にまず私自身の話を少々。 私は現在高校生という身分であり、そんな私には一人の幼なじみがいます。 名を田井中律。 カチューシャがトレードマークの笑顔はじける元気いっぱい、そしてたまらなくキュートな女の子です。 彼女の魅力は語り尽くすことができません。 僅かばかりの例を挙げるとするなら、まず自分のことより他人が喜ぶことを優先するようなとってもいい子であるということ。 おちゃらけて自分のことを美少女なんて言ってても、ま...
  • ずっといっしょに…
    久々に澪がウチにお泊まりした翌朝。 いつもより早く私は目が覚めた。 「うぅ~…今何時だぁ?」 カーテンの外はまだ薄暗くて。 時計を見るとまだ5時を過ぎたばかり。 「う~ん…まだこんな時間かぁ…」 軽く伸びをして、寝ぼけた頭を少し働かせる。 今日は休みでやることは特に無くて。 オマケに家族は旅行に行ってて誰もいなくて。 つまりは予定も何も決まってない真っ白な一日。 「折角だからもう一寝入りしようかな…」 そんな事を思いながら。 隣で寝てる澪に目をやる。 …うん? 無防備な顔して、さぞかし気持ち良さそうに寝てるのかと思ってたけど。 その顔はどこか不安気で。 何だか小さな子供みたいな表情だ。 あらら…澪ってば、そんな顔しちゃって。 一体、どんな夢を見てるんだろ? そんな事を考えてると、パジャマの裾...
  • SS58
    投稿日:2010/01/25(月) 22 14 47 私の気持ちは 間違っている きっとそうだ いつも助けている気持ちでいたけど、本当は助けられていた 彼女を救うことで、私も救われていた。結局自分のことしか考えていないんだ 私しか助けてやれない、それは大きな勘違いだった 唯やムギでも、彼女を救ってやることはできる  自分が彼女の特別なんだってずっと思い込んでいた きっと違う、それは正解じゃない 私はただ、彼女と一緒にいたかっただけ そんな想いが爆発して、周りを見ることができなくなった 極端なまでに視野が狭くなって、彼女以外のものが目に入らなくなった 気がつけば、みんながいる部室で 彼女の唇を無理矢理奪っていた 終わりかな、これで・・・全部終わりだ もう彼女は私を見てはくれないだろう・・・・・・私を見たく無くなるだろう 終わりだね。 ど...
  • 短編16
    「いてて…澪大丈夫か?」 今し方階段を上ってる時に足を滑らしてしまい、その時後ろにいた澪を巻き添えにして落ちてしまった。 そんなに高くないところからだったのが幸いだ。 「いたた…大丈夫」 澪が大丈夫みたいで安心した。 冷静になってみて思ったが、この態勢はやばくないか。 私が澪を押し倒してるみたいじゃないか!! 澪の顔が近い。澪、綺麗になったな。 後数センチ近付いたら…って何考えてんだ私は。 何で今この状態で親友に欲情してるんだ。 「お、おい、律!」 「ほぇ?あ、わりー。今のく…」 現在の自分達の態勢に澪も気付いたのか頬を真っ赤にし、目を潤ませながらこちらを見ている。 その顔は今までに見てきた何よりも綺麗だと思った。 私の中で湧き上がった感情が体中を駆け巡り、理性を焼き切った。 「律?!んっ…」 気がつくと澪の唇に自分のそれを重ねていた。 何してんだ?どうし...
  • 短編36
    彼女は私のことを『澪ちゃん』と呼んでいた。 私は彼女のことを『りっちゃん』と呼んでいた。 いつからだっけ、彼女は私のことを『澪』と呼びだした。 彼女曰く「澪とはもう気の置けない親友なんだからいいだろ」って。 そして「澪も私のことは律でいいよ」とも。 でも、私は慣れ親しんだ『りっちゃん』という呼び方を変えることはなかった。 いや、変えられなかったって言ったほうが正しいかな。 私はその【ほんの少しの勇気】を出すことができなかった。 そんなこんなで、彼女は私を『澪』、私は彼女を『りっちゃん』。お互いをそう呼び合う関係がしばらく続いた。 彼女はたまに「私のことは律でいいって」と言ってくれてたけど私は相変わらずだった。 そんなある日の夜、彼女から『明日約束十時、いつもの場所で待ち合わせね』とのメール。 ある日とは8月20日、彼女の誕生日前日だ。 あまりにも突...
  • 短編177
    投稿日:2010/11/25(木) 07 21 44 「みーおー」 自分でも引くくらい甘い声をあげて、彼女に抱きつく、すると やめろーと口では拒みながらも彼女は私の腰に手を添え、 きゅうっと抱きしめ返してくれる。 彼女はとても押しに弱い 私が無茶なお願いをしても、彼女は愚痴を挟みながら受け入れてきてくれた。 私は彼女のそんな部分に今まで甘えてきたんだな でも、それは一方でとても心配な部分である もしどこぞの男や女に詰め寄られ、告白されたとして 相手の押しが強ければ強いほど、澪は抵抗の手段を失う そんなこと、考えただけで背筋が凍る。 しかし決してありえないことじゃない 彼女は女性として、そして人間としてとても魅力的。 少しでも彼女と接すれば、たいていの人間は恋心とまではいかずとも 並々ならぬ好意を抱いてしまうことは自明だ その好...
  • 澪×律 別荘地 20 まとめ2
    澪×律 別荘地 20 まとめ1|澪×律 別荘地 20|澪×律 別荘地 20 まとめ3 352 :軽音部員♪  2010/12/09(木) 23 24 21   文化祭前日 唯「今夜は寝かさないぜ子猫ちゃんっ!」 梓「寝かしてください」 澪「わ、私だって寝かさない、ぜー」 唯「お、澪ちゃん珍しく乗り気ですなあ」 律「ライブ前の緊張で変なテンションになってんだよ 唯本当に襲われちゃうかもよ」ニヤニヤ 澪「ち、違う!」ボカッ 律「痛っ!冗談なのに……」 澪「わ、私は唯を襲ったりしない 襲うのは律だけだっ!!!!」 律「////」 おわれ   355 :軽音部員♪  2010/12/09(木) 23 35 31   面接官「特技は律ナズンとありますが?」 澪「はい。律ナズンです。」 面接官「律ナズンとは何のことですか?」 澪「必殺技です。」 面接官「え、必殺技?」 澪「はい。必殺技です。律...
  • 短編10
    合宿の夜、みんなが寝静まった頃私は目を覚ました。 (トイレ行きたくなっちゃった。でも、一人じゃ怖いな)ソワソワ (みんな寝ちゃってるし、起こすのも悪いよな・・・一人で頑張ろう) 暫く悩んだ後、のそのそと布団から這い出て、ドアを開けた。 ガチャ 「んっ、ふぁぁ、澪?」 「ひゃっ!りっ律か。起こしちゃったか?」 「ん〜ん、大丈夫。それよりどこ行くんだ?」 「トイレだよ」 「待って、私も行く」 起こしちゃったのは悪いけど、正直律が一緒に来てくれてよかった。 「みおしゃん一人じゃ怖かったんじゃない?」 「そっそんな事ないよ」 「そっか。まっ、今は私もいるし大丈夫だって」 「怖くないってば」 こいつには何でも見透かされてしまう。 そそくさと用を足し、部屋へ戻ろうとする。 「あぁ、なんか目冴えちゃったね」 「だな」 「ちょっと喋ってようよ」 「そうだな」...
  • 短編82
    投稿日:2010/02/26(金) 21 45 14 昼間に寝すぎちゃったから 心配事があるから  …好きな人が傍に居るから なかなか寝付けない夜、左手が少し疼いている。 今の思いを、言葉にしたくて 横で眠る少女を起こさないように静かにカーテンを開けると、 明るい月が私の視界を広げる 雲がまばらな夜空は、少し眩しくさえ思えた。 「・・・・よし」 カバンからノートとシャーペンを音をたてないように取り出し、私の気持ちを綴りだした できるだけ何も考えないよう、脳が下した指示に左手をただただ従わせる 大好きなあの人を想う少女の詩 この詩の中の少女が想う相手が誰かは、私にはわからない ただ、この歌詞を書いている私にとっての・・・大好きなあの人。 その人はすぐ隣に居て、呑気に寝息を 「ん・・・みぉ・・・?」 おっと、起こしちゃった。月の光に魅せられて自分の世界...
  • 短編88
    投稿日:2010/04/20(火) 02 42 02 嘔吐描写があるので苦手な人はスルーしてください。 「うっ、ごほっ…うえぇ…」 胃袋を裏返すような嘔吐き。 もう吐き出すものは何もないというのに止まらない嘔吐感。 黄色い胃液まで吐き出した後、ジャーゴポゴポと渦を巻く水を眺めた。 戻してるときってなんで涙も一緒に出てくるんだろう、そんなどうでもいいことを 考えながら流れる水の音をぼうっと聞いていた。 トイレから出ると自販機でミネラルウォーターを購入して屋上へ向かった。 春の屋上は風が強くて肌寒い。 冷たい風を浴びながらフェンスを背もたれにして腰掛ける。 ペットボトルの中身を半分ほど一気に飲み干すと、胃に冷たい液体が流れるのを感じ、 やっとスッキリした気分になれた。 「はぁ…」 さっきよりマシになったとはいえ、気分は晴れない。 いつも真面目に練習に...
  • 3-898
    「(もし私が授業終わってすぐ澪んとこ行かなかったら、澪から来てくれるかな?)」 「(・・よし、この授業が終わったら試してみよう)」 キーンコーンカーンコーン 「ふぅ。今の授業結構面白かったな」 「そうね・・・あら?」 「どうした、ムギ」 「りっちゃん、まだ寝てるわ」 「珍しい事もあるもんだな、よし、起こしてく 「たーいなかー!」 「おーきろー!」 「(・・澪じゃなくてクラスのやつが・・・あー!もう!)うるっせー!」 「田井中が怒ったー!」 「逃げろー!」 「(なんだ、律のやつ私が起こしに行かなくても、平気だし・・楽しそうだし・・なんか、もやもやする)」 「はぁ・・まったく・・(あ、澪)」 「(律がこっち向いた、なんか・・顔合わせてらんない)」 「(え、視線逸らされた・・なんで?・・あーもう、澪来てくんないし視線外されるし・・なんなんだよ)」...
  • 澪×律 別荘地 28
    トップページ 題 1行目 28 「マスター‥」 SS228 ぞわりとした寒気で目が覚めた。 28年目の昼下がり 「んー…」 彼女のスキなトコ 私と澪が付き合って、約半年。 ふたりのセカイ やけに、涼しい夏の夜。 彼女の好きな所 私は、真っ赤な顔をして。恋人に抱かれていた。 たなばた 時計の両針が頂点で重なって。 天の川とカラメルソース 7月の夜。 SS230 「私、明日から旅行でいないから」 ミルキー・ミルキー・ウェイ 低気圧が、天の川を隠して 気にしすぎ 七夕から、数日過ぎたある日の放課後。 短編215 私はキリギリッちゃん。 大好きをありがとう ブレザー越しの カチューシャと笑顔 お月さまのように半円を描いたカチューシャは SS229 「‥んー」 夏の胸騒ぎ 夏が近付く…ってか、この暑さはもう真夏だな。 イントゥ・ザ・ナイト どうしよう。 お泊りダイエット 最近、澪の様子が...
  • 告白【第2話】
    「すっかり遅くなっちゃった」 夕暮れも色濃い、午後五時。 帰りのチャイムの響く廊下を足早に渡る。 日直の手伝いが思いのほか手間取ってしまった。 今日遅れる事は誰にも伝えてない。 私が行かなくちゃ軽音部はお茶も無ければお菓子も無い。 …なんて。 それは少しオーバーだけれど。 …だけど。うん、そう。 軽音部のみんなは私の紅茶ぐらいは待っているかもしれない。 「本当、何部か分からないわね」 ムギの顔に自然と笑みがこぼれた。 こういうのは今までなかったから。 頼られる、とはまた違うかもしれないけれど、自分を必要としてくれる軽音部が今の私には本当に居心地が良くて好きな場所だ。 手に持っている袋からはクッキーの甘い匂い。 作業疲れの今の私にはたまらなく香る。 早くみんなとお茶をしよう。 部室。 着くと...
  • 短編207
    「もし澪が助かるなら、私が犠牲になってもいいかな」 澪の部屋で地震のニュースを眺めながら二人で勉強していた時だった。 「なんだよ、突然」 「そう思っただけ」 日に日に増える犠牲者と、その家族の声を聞いて素直にそう思った。 と、ピッとテレビが暗くなった。振り返ると、澪が怖い顔をしてこちらを睨んでいた。 「どうして、二人とも助かることを考えないんだよ」 あ・・・。 澪、怒ってる。すごく怒ってる。耐えられなくてノートに視線を戻す。少したって、澪のノートから鉛筆を走らせる音がして私も頭がぐしゃぐしゃなまま問題に取り掛かる。 ポツッ。 視線だけ上げると、頭を下げた澪が、右腕でノートが濡れたところを隠してた。でも、次から次からこぼれ落ちて、計算式がにじんでいく。 「いやだよう・・・・・。りづがいなぐなっだら、やだよぅ・・・!」 「...
  • SS154
    クリスマスイヴ。 それは恋人たちの夜。 夕方、既に街は幸せそうなカップルで溢れていた。 私も年頃の女の子ではあるはずなんだけど、そんな世界とはまるで縁のない所にいる。 そう、まるで縁のない所。 恋人はおろか、好きな人すらもいない。 好きな人すらもいない。 …いないんだ。 「はぁ…」 「ん?どうした律」 思わず漏れたため息に、隣を歩く幼なじみが声をかける。 今日は二人で買い物に来ていた、その帰りである。 時間が経つにつれ増えていくカップルたちを前に会話は自然と無くなっていた。 私の様子を伺う彼女の方に視線を移す。 私とは違ってとても美人な幼なじみ。 私たちは女子高に通っているが、もし共学だったなら男が放っておくはずがなかっただろう。 いや、今ですら恋人がいないのが不思議なくらいだ。 「なんでもない。澪は…」 「ん?」 ...
  • 相席
    「あぢぃ~‥」 「そんな暑い暑い言うなよ‥余計暑くなる‥」 私と澪は、私の自室の床に寝転がっていた。 部活にムギが持ってきた新曲のアレンジ、考えよっかってコトで。 日曜日、私は澪を我が家に招き入れた。 …が、何せ夏だ。 暑くて仕方無い。 加えて節電、節電でクーラーなんて以ての外。 扇風機も風を送ってはくれるが、温風を掻き回してるだけ。 音符が丁寧に書き込まれた楽譜を見ながら、AメロからBメロの転調はあーだこーだ、と編曲してる内に。 ‥私と澪は、ダウンした。 「‥あぢぃ~‥」 「そんな暑い暑い言うなよ‥余計暑くなる‥」 私と澪は、私の自室の床に寝転がっていた。 「リビング、行かないか?ちょっとはマシだと思うんだけど…」 「あ~‥無理だわ。父さんが高校野球見てエキサイトしてっから、落ち着かないし、余計暑苦しいし」 澪の提案に、私はNOを言わざ...
  • 短編184
    「澪、私が悪かったよ。」 後ろからいつもは出さないような真剣な声をかけ 律は私に抱きついてくる そう、今私は怒ってるんだけど、その理由のくだらなさったらない ただ、律が他の子と仲良くしてたからってだけのこと。 いい年してこんなことで怒っちゃいけないと思うんだけど、 スパッと割り切れるほど私は大人じゃないんだろうな。 私を抱きしめる腕の中で振り向き、彼女の目をジッと見る どんなに理不尽な理由で怒っても、くだらないことでだだこねてワガママ言っても 彼女はいつだって優しく接してくれた。 それに引き換え、私は・・・ 「私、嫌な女だよね」 そういって抱きしめ返すと、律はニカッと笑い 「ホントにそうなら、私がこんなに好きになるはずないんだけど!」 そう返してくれた ありがとう・・・幾分楽になったよ。 もしかしたら、嫌な女...
  • SS132
    投稿日:2010/11/13(土) 22 11 25 いつも通り澪の家にいて隣に彼女がいると私はふと思う。 あ、キスしたい。 「みお」 隣にいる彼女に声をかける。 「なにー?」 何の気ない返事を返してくる彼女。パラパラと雑誌を読む手を止めない。 そんな彼女の肩に手を置き、ぐっと顔を近づけた。 「…りつ?」 流石に彼女も私が何をしたいのか気付き、顔を強張らせた。 相変わらず、綺麗な顔してるな。 女子高に通っているにも関わらず、澪以上の美人を見たことが無い。テレビの女優とか比べもんにもならん。 恋人効果かもしれないけど。しかも今赤面した顔を見ているのだ。もう、たまらない。 そんな彼女に、今からキスをしようとして 「あっ……い、や…!…」 拒否。小さくて口だけだけど、嫌って。 「…うん」 小さい声でそう呟いて、彼女から離れる。 「…りつ」 「ちょ...
  • 梅雨前線
    「みーおー?」 「…」 澪は、起きなかった。 もう、朝八時。 普段なら身支度も済ませて、アパートを出る時間。 まぁ、今日は二時限目からってコトもあり、割とのんびり。 しかし。この季節。洗濯物は乾かないし、もうちゃっちゃと終わらそう、と思って。 澪を起こそうとした。 「おーきーろっ」 「…んん‥」 澪は意地でも起きなかった。 ボチボチ起こさなきゃ、厄介。 「…」 私は少々手荒ながら。澪の胸元にたわわに実った果実を揉んだ。 「…んぁっ‥!!」 ココで、すかさず起こす。 「みーお!!」 「ぁ…」 澪は、やっと目を覚ました。 「…りつ?」 「…他に誰がいるんだよ」 私は澪の身体を起こした。 ベッドで寝ぼけ眼の澪は、暫く周りを見渡した。 「………」 「いい加減、起きてくれ」という私の無言メッセージを受け取った。 「…りーつー」 澪は寝ぼけ眼で。起き...
  • たなばた
    時計の両針が頂点で重なって。 天の川、なんてロマンチックな単語が行き交う夜。 私は、恋人を味わっていた。 「りつー?」 私に、上に乗られた恋人は甘い声で答えた。 「‥なに?」 私は、左手で恋人の右手を誘った。 「‥ココ」 右手で促し恋人を、抱き起こした。 頬を赤くした恋人に向かって 「‥ぎゅって、して?」 もとめた。 ぎゅってしてくれた恋人は、そのまま右手のナカユビを入れて。 たくさんたくさん、かきまわして。 たくさん…私は、気持ち良くなって。 「‥りつ」 「‥ん?」 「‥もっと‥」 ‥ほしいな、と私が言うと。 恋人はヒトサシユビも、入れてきた。 私は身体を震わせながら、時折恋人を抱き締めて。 恋人は私のそんな様子を見て、微笑んだ。 かきまわされながら 私は、恋人の右手に左...
  • 短編95
    投稿日:2010/05/15(土) 05 42 26 「んぁー眠い」 「じゃあ寝なよ」 「だって課題終わんないんだもん」 律は今、課題とにらめっこしながらテーブルに突っ伏している。 さて寝ようか、というときになって「あ!課題」なんて言い出したからだ。 まったく、結局慌ててする羽目になるんだから早いうちに終わらせとけばいいのに。 「あとどのくらいあるんだ?」 「あと数学プリント一枚」 「じゃあすぐ終わるじゃないか」 時刻はそろそろ午前1時を回るというころ。 律は最後の猛攻といった感じでプリントに集中しだした。 私はというと退屈を持て余してしまい、なんとなく律の姿を眺めていた。 律ってよく見ると線が細い…。 ドラムはパワフルなのに身体はめちゃくちゃ華奢なんだな。 失礼ながら、普段はあまり感じない女らしさを感じてなんだか律がすごく愛しく見えた。 ベッドに横...
  • SS71
    投稿日:2010/03/16(火) 03 43 06 今日の予定、澪の家でDVDをみる。 勿論まだ澪には確認とってない。 とりあえず今日は暇だって言ってたし、大丈夫だろ。 さてっと……DVDもったし、澪んち突撃! 「みーお!DVDみよーぜ!」 「嫌だ!……どうせまた、怖いやつなんだろ?」 流石に慣れているだけあって、唐突に現れたことには何も言ってこない。 ま、ホラー物には何時まで経っても慣れてくれないけどな。 「んにゃ、なんと今回は恋愛ものだ」 「え。……り、律?」 毎回毎回ホラー物っていうのも、流石にな。 そう考えた優しい優しいりっちゃんは、なんと。 澪の大っ好きな、超絶甘甘で目眩を起こしそうな恋愛ものを選んであげたわけだ。 「なに」 「熱でも、あるのか?」 澪は本気で心配そうな眼差しで、そう言った。 ほほう、...
  • 短編160
    投稿日:2010/11/14(日) 03 38 40 律が足を挫いた。それがどうしたとか言うなよ 律が足を挫いたんだ。だから、今私は律をおんぶして歩いてる 歩けなくなるほどの重症とは思えないし 仮にそうなら病院にでもいくべきなんだが、とりあえず 学校にいる間はそうした方がいいとムギはしきりに薦めてきた。 言いたいことは色々あるものの、律が困っているんだから仕方ない。 大して重くもないので、その日は律をおぶって縦横無尽に学校を歩き回った。 そして幸か不幸か、その日は教室移動の授業が多く 廊下などでこの様は多くの生徒の目に付いたことだろう。 結構恥ずかしかったけど、律はえらく気に入ってるようで 昼食後には満腹感を引っさげながら私の背中でスヤスヤ昼寝をしていた。 馬鹿野郎と殴って起こしたかったけど、幼稚園児のような無邪気な寝顔を目にすれば 拳を...
  • SS79
    投稿日:2010/05/01(土) 23 12 39 女の私が見ても、本当にきれいだと思う。真っ直ぐ伸びた黒髪。それを時折かき上げるしぐさ。クールな横顔。特に作詞してる時の横顔はヤバイ。寝転がって雑誌を読むフリをしながらずーっと眺めちゃう。ファンクラブができるのもしかたないのかもな。それをからかいのネタにもしたけど、少しうらやましくもあったし、嫉妬したりもした。あと、少しだけ誇らしかった。 でも、今は違う。 怖いのだ。どうしようもなく怖いのだ。 これ以上澪のこと、他の人に知られたくない。見られたくない。近づいて欲しくない。私以外は。 小学校の頃から引っ込み思案で弱虫で、頼まれたら断れない彼女を私が側にいて守らなきゃって思ってた。澪が泣いたら飛んでいって、はげまして、手をつないで。そんな私を澪も信じてくれて、いつも側をくっついてきてくれた。 けど、あの日。高校...
  • 朝チュン
    投稿日:2010/09/20(月) 19 14 13 今が、きっと一番幸せなとき。 カーテンの隙間から朝日が差し込み、私の目を突付く 時計の針は朝の6時半を指している。ああ、もう朝になってしまった 薄着で寝ていたことと、少し冷えた空気に身震いをするが、 ベッドの一人分空いた空白を手でゆっくり撫でると、かすかにぬくもりが残っている 耳をすませば、台所のほうからはトントントン・・・とリズム良く包丁を叩く音が響き、 優しい味噌汁の香りが漂ってくる 軽く戸をあけて隙間から覗き込むと、寝巻きにエプロン姿で 少し癖のついた栗色の髪を揺らしながら、せっせと料理にいそしむ彼女の姿があった 冷蔵庫から漬物を取り出すとき、彼女も私に気づき、声をかけてくる 「なーに覗いてんだよー。」 「え?いや・・・初々しいなって。」 なんだよそれとクスクス笑い、彼女は...
  • 短編57
    窓の外からは、ちゅんちゅんと鳴く小鳥の声と、バイクの音が聞こえた 横からは、規則正しい寝息が聞こえる ああ、もう朝か。 体を起こし枕元の時計を見ると、ちょうど目覚ましのベルが鳴り出したので、慌ててそれを止める せっかく律がこんなに気持ちよさそうに寝ているのに、起こすなんてとんでもない それに今日は土曜日・・・・別に早く起きる必要ないもんね。 そう思いながら、横で前髪を乱しながら寝ている律の顔を見つめる そうしていると何か不思議な感情に駆られ、気付けば律の頬に口付けていた あれ?何やってるんだ私・・・そうは思うけど、寝起きの脳に自制心がまともに根付くはずもなく 今度は前髪を優しく手ですくい上げ、少し汗で湿ったおでこにキスを一つ 先ほどとは反対側の頬、首筋にも一つずつキスを落とした まずい・・・このままじゃ起きちゃう。と思っていると、重く開かれたまぶたから覗く律の目と私の...
  • 短編44
    寒い。 布団の中にいるというのに、寒い。 律はどうだろうと隣を見れば、目を閉じて規則正しい呼吸。 ぐっすり寝てる、羨ましい。 「どうせだからゆたんぽがわりにしても、いいかな」 「・・・だめ」 あ、起きてた。 「ごめん、起こしたか?」 「んーん。起きてた」 聞かれていたっていうのは、ちょっと恥ずかしいぞ。 っていうか、ダメなのか。真横にいるのに。 「なんでダメなんだよ」 「知らない」 ゆたんぽという表現が悪かったのか、それとも抱きしめちゃいけないってことだろうか。 前者ならまだしも後者だとちょっと、いやかなり傷つくんだけど。 「・・だって、寝れなくなるもん」 どうやら、後者だったらしい。でも、これは嬉しい理由。 「大丈夫、律は背中とんとんってすると寝るから」 「こどもか、私は」 だいたいあってる...
  • 短編136
    投稿日:2010/09/06(月) 04 12 53 寒いくらいに冷房が効いた部屋。 電気は付けずに、横になったまま手探りでリモコンを手に取ると、ON/OFFのボタンを押した。 ゴオオオと全力で稼働していたエアコンの音が消え、急にしんとした室内。 なんだか無音が大音量で聞こえてるような感覚が、妙に落ち着かなくて 隣で眠る澪の吐息がやけに大きく聞こえた。 結局またすぐにエアコンのスイッチを入れ、風量を調節するとリモコンをベッド脇の棚の上へ戻した。 薄明かりの中、澪の無防備に曝け出された肩口に目をやる。 なんとなく触れてみるとひんやり冷たかった。 私の肌も同様に冷えているんだろう。 一時間前までは冷房が効いた中でも汗だくになりながら肌をくっついていたというのに、今は肌寒さを感じるほどに冷えている。 ついさっきまでの熱に浮かされた行為を思い出して澪の身体に抱きついた...
  • イノセント15
     次の日、バスから降りると誰かに話しかけられた。 「おはよう、秋山さん」 「あ……」  話しかけてきたのは、××さんだった。  ここ最近いつも私と律の会話に入ってきて、理学部の子の言伝を伝えてくる××さんである。  昨日律をカラオケに誘っていたのもこの人だった。いや、昨日のはあのメンバー全員か?  私はこの人に何度も会っているけど、実際に二人だけで話したことはなかった。  名前もお互い知っているのに、呼び合うような仲でもない。  実際私にとって、律以外の誰かを名前で呼び合うような間柄の人は誰もいないのだ。  バス停からは約徒歩五分ほどで大学に到着する。  律はいつも大学のロビーで私を待っていてくれるので、すでに先に行っているだろう。  私は××さんと一緒に、大学までの道のりを歩くことになってしまった。  なぜこの人がバス停で私を待ってくれていたのかわからない。  ...
  • 短編189
    勉強教えてくれって泣きついてきておいて結局これか 受験勉強でどうしてもわからないとこがあるからと律が泣きついてきたので 渋々教えてやることにした。 現在23時30分。その張本人は私のベッドで熟睡中。これっておかしいよな? 「こら起きろバカ律」 律の肩をゆすって起こそうと試みる。 「んみゅ…みおー?」 「みおーじゃない。起きてもう少し勉強しろ」 「んーみおすきー」 「なっ何言ってるんだ!寝ぼけてるのか?」 聞くまでもないな。ようやく上体を起こしたもののまだ半開きの目をこする 律の姿を見たら誰もが寝ぼけてると思うだろう。誰にも見せる気はないけど。 「えへへーみおーぎゅー」 「ちょ!こら!律!」 律が私に思いっきり抱きついてくる。いつになく甘えん坊だな。 「もーしょうがないな」 抱き返して背中をさすってやるととっても気持ちよさそうにする律。 「みおだいすき」 ...
  • 短編123
    投稿日:2010/07/30(金) 23 26 09 昨日まで澪は2泊3日の家族旅行 3日も澪に会えなかったから澪分が足りない。 だから今日はべったべたに甘えてやる。 「みーお!」 「ふふ、なーに?」 イスに座った澪の膝の上に対面して座る。 こうすると必然的にあたしが澪を見下ろす形になる。 「寂しかったぞ、みお」 3日間顔を見ないだけでもう随分久し振りな気がする。 あたしは会ってなかった間の気持ちを埋めるように澪に触れる。 「好き」 髪の毛に口付ける。 「大好き」 仄かに赤くなった頬に唇を押し付ける。 「愛してる」 耳元で囁いて首筋に吸いつく。 「りつ、くすぐったい」 「みおみおみーお」 顔を上げ澪の瞳を見詰めながらひたすらに名前を呼ぶ。 澪があたしのオデコに口付け、カチューシャを外した。 「私も寂しかった」 ギューッと抱き寄せられ、首筋に...
  • SS232
    8月21日。今日は私の誕生日。 みんなが澪の部屋でパーティーを開いてくれてお開きになった後、私は澪の部屋でみんながくれたプレゼントを眺めていた。 「りつー」 私の後ろで寝転がってるはずの澪の声がする。 「りつってさー」 「んー?」 「私に会えてよかった?」 なんだ?ノロケか?それともめんどくさい病か? ちらりと振り返ると顔をうつぶせにしてる。どうやら後者らしい。 「どゆこと?」 「私は律に会えて本当に、心からよかったと思ってる。神様が私にくれた、最高のプレゼントだって思う」 「律に会えなかったら、人見知りで内向きで、本ばっかり読んでて、外にもほとんど出ない暗い子になったと思う」 「そうか?」 「律のおかげで180度人生を変えられたんだ。ありがとう」 なんともむずがゆい。どう反応したらいいのか分からなくて黙ってると、 「でも」 と続いた。 「律は、私に出会え...
  • 短編90
    投稿日:2010/05/04(火) 01 45 20 (あ、つい) 午前10時すぎ。かぶっていた布団を律のほうへ追いやりながら目を覚ました。 まとわりつく髪のせいで首筋にうっすらと汗が滲んでいる。 (今日は最高気温26度とか言ってたな) ごろんと寝返りをうつと、さっき端に寄せた布団に抱きついた。 汗ばんだ背中や首にスーっ空気が触れて気持ちが良い。 起きる様子のない律だが、押し付けられた布団が暑いのだろう、モゾモゾと身を捩っている。 (こういきなり気温が上がるとなんかダルいなぁ。しかも隣で寝てるこいつは子ども体温だし) 「ちょっと…みお暑いって」 布団もとい律に抱きついたままそんなことをボーっ考えていると、律が目を覚ました。 律はすっぽりかぶっていた布団から顔を出すと、今度はそれを足下へ追いやる。 「なんか今日めちゃくちゃあつくないかぁ?」 「おはよう、今日...
  • SS194
    「ポケットビタミンで~す。」 「こんにちは~。」 「どうぞお試しくださ~い。」 道の脇で試供品と笑顔を配っているバイトの女性たち。 それに見向きもせずに、何かにおびえるように歩いている女子高生がいた。 (またあの時間がやってくる…。) カチッカチッカチッ (…あの時間が…。) カチッ… ―クラクションの音が聞こえる。 律は道路の真ん中に立っていた。 向こうから一台のトラックがクラクションを鳴らしながら目の前で止まった。 「どこ見て歩いてるんだよ!!」 「…えっ…?」 「何やってんだ、さっさとどけ!!」 「あっ…すいません。」 運転手に怒鳴られた律は急いで歩道に戻った。 遠くでは試供品を配っている人たちが見えた。 時計の針は3時8分を指していた。 ■ 「記憶がなくなる?」 「はい…。」 「詳しく話してください。」 医者は神妙な...
  • 幸せポイント
     さすがに付き合いも十数年になれば、澪がそれを本気で言っていることは分かった。  彼女のお尻にホクロが三つあることまで知っている私だ、内心は手に取るように分かる。 「“幸せ過ぎて怖い”、……ね」  私は何となしにそう呟いた。  部屋の電気は消されており、視界は真っ黒に塗りつぶされている。体感では、今は深夜の二時くらいか。閉じられたカーテンからは、月明かりも差し込んで来ない。  なのに、私の腕の中で眠る澪だけは、不思議とよく見えた。粉雪みたいに艶やかな白い肌は、まるでそれ自体が光り輝いているみたいだ。 「ん……りつ……」  澪がかすかに寝息を漏らし、無意識のうちにか、体をさらに私の胸へとすり寄せてくる。  一糸まとわぬ澪の肌は、冷えてしまったのか少し冷たい。  風邪を引いてはいけないと思い、私はタオルケットを澪の胸元まで引き寄せる。それから、私も澪の背中に手を回して、...
  • 天気予報
    今日の天気予報は、雨。 せっかくの休みなのになー、とか。恋人はぼやいた。 この雨が結構な雨量で。 私と恋人は、今日は二人で引きこもる事に決めた。 二人で一緒に雑誌読んだり。 気が向いて作曲したり、作詞したり。 お昼になって、一緒に御飯作ったり。 後片付けして、一緒にソファで昼寝したり。 …ちょっと昼寝のつもりが、夕方まで寝ちゃって。 止まない雨音で、私は目を覚ました。 「…りつー?」 「…んー?」 私は恋人を揺り起こした。 「もう、ゆうがた‥」 「そっか‥」 恋人は、寝ぼけ眼で、応えた。 「んー‥」 私は。恋人の、赤いキャミソールの胸元に沈んだ。 恋人は、私の頭を撫でた。 ‥‥きもちいい‥。 余りの気持ち良さにちょっと目がとろん、とした。 私は、思わずすぐそこにあった恋人の胸元...
  • 素敵な旦那様。
    晩御飯食べて。ダラダラして。一緒にお風呂入って。ダラダラして。 夜も更けてきた頃。 「よーし、寝るぞー」 律が、声を掛けてきた。 寝るには、丁度いい時間だった。 「んん…」 私は、生返事でソファから体を起こした。 パチン 律はリビングの電気を消して。 薄暗い寝室に向かった。もう、寝る気満々だった。 律の後ろを歩く私は…そうでもなかった。 たまに、あるんだよな‥。 ソレはソレは素敵な私の旦那様に、おねだりしたくなる時が。 旦那様は、モソモソとベッドに入った。 私も、続いた。 「…澪?」 「‥何?」 「何って‥こっちの台詞なんだけど…」 私は、布団に入るフリをして、律の上に覆い被さった。 「…ねむい?」 私は、旦那様を見下ろして聞いた。 「…すーすー…」 旦那様は、無視してあからさまに寝に入った。 今の私に相手した...
  • 短編78
    投稿日:2010/01/28(木) 01 15 28 「律が好きなんだ」 「私も好きだぞー」 「そうゆう好きじゃなくて、その、恋愛対象として・・・」 澪が本気で言ってるのはわかってた。 幼なじみなんだ。顔を見ればすぐにわかる。 「え?なに、言ってんの?」 「だから、好きだって。付き合ってほしいって言ってんの」 「も、もう、冗談はやめろよー」 「冗談でこんな事言うわけないだろ」 「はいはい、澪が私を好きなのはよーくわかっ」 「・・・」 バシンッ 殴られた。あたりまえだよな。本気の相手にあんな事言って。 澪、泣いてたな。 ほんとはすごく嬉しかった。私もずっと澪の事好きだったから。 ただ、突然過ぎたんだ。心の準備ができてなかった。 澪は勇気を出したんだよな。あの恥ずかしがり屋の澪が告白してくれたんだもん。 「私はどれだけヘタレなんだ」 自嘲気味に笑った...
  • 短編135
    投稿日:2010/09/03(金) 18 34 06 チュン チュンチュン 「朝か…」 私にしては珍しく早く目が覚めた 隣で気持ち良さそうに寝息を立てている澪を起こさないようにそーっと起きて腕のストレッチ さすがに一晩中腕枕はかなりキツイ… 澪が喜ぶからついついしちゃうんだけど 「ん…りつ…?」 「あ、起こしちゃった?」 「んー、律枕無くなったから…」 可愛いなぁ、もう 「もっと寝てなよ」 「律も寝ようよ」 甘えんぼな澪は珍しい そうとなれば、リクエストに応える他私には選択肢が無い 「…さすがに裸だと寒いな」 「あー、パジャマあるけど着る?」 「律がくっついてくれたらいらない」 照れとか嬉しさでどうしようもなくなって 萌え萌えキューン!と叫びたい衝動を抑え澪の胸に飛び込んだ 「みおー!」 「ふふ、なんだよりつー」 「大好き」 「うん、大...
  • SS200
    酷い夢を見た。 私が綺麗で豪華なドレスを着ていて…そう、まるでお姫様みたいな姿で。 どこかの国の王子様と一緒にいる夢。 …素敵な夢じゃないかって? 馬鹿言ってんじゃないよ。 姫なんて似合わないし、私のキャラじゃない。 それにお姫様とか王子様って…はは 「ジュリエットやって調子に乗ったか私…」 こんなの人には言えないや。 むくりと体を起こして、欠伸をする。 と、その時袖に力を入られているのに気付く。 隣で寝ている澪が私の服の袖をそれはもうしっかりと握って眠っている。 昨日ホラー映画見せたから『一人で寝るの怖い』って言ってこの様だ。 あはは、なんて険しい顔して寝てんだ。 どんな怖い夢見てんだか。 袖を掴む澪の手を握ってやると、何とも安らかな顔になった。 その顔はとても綺麗で艶やかで…。 お姫様みたい、と思った。 少なくとも私よりは、さっきの夢のドレスが...
  • 夏の日
    木漏れ日が心地良い、夏の日。 私は、木のふもと。青々と茂る芝生。 彼女の膝枕で、寝ていた。 「りつー?」 「‥んぁ?」 「寝ちゃ、ダメだぞ?」 「‥うん‥」 私は、膝の上で、寝そうになった。 「まったく…」 澪は、溜め息をついた。 HTTとしてメジャーデビュー☆、して。音楽活動の、たまの休み。 暫く来てなかったしーってコトで。我が母校に遊びに来ていた。 夏休みで部活以外は静かな校舎を、二人で歩いた。 階段を登る度、上の方から演奏が聞こえてきた。 ………音楽室だ。 HTTの原点、軽音部。 ………ちゃんと、続いてるんだ。 安心した私と澪は、音楽室にだけ寄らずに。 庭の木陰で、涼を取っていた。 「律ー」 「なに?」 「あの時の私達より、上手いんじゃないか?」 「そーかも‥な」 ...
  • SS122
    投稿日:2010/11/01(月) 23 18 09 今日は大変だった。 大学の友達との付き合いで飲み会に行ってきた。 そしたら男がいてびびった。 あいつら合コンってことを黙っていやがったな。 もう誘われても行かん。 唯も一緒に行ったからもしもの時は大丈夫…なはず。 それから久しぶりにさわちゃんに会った。 ちょっと老けたんじゃないって言ってたら絞め技を喰らった。 まぁ、実際はずっと美人になってた。でも、うちの嫁ほどじゃないがな! それから世間話なんかしてたら帰るのが遅くなっちゃった。 愛しの彼女は起きているのかな。 流石に寝てるかな… そしてマンションに到着。 …あ、電気点いてる。 「おかえり、律」 「…ただいまーみおー!うぇへへへへ、あーさみぃさみぃ」 「ほら、コート脱げ」 これって新婚気分ってやつか。 会社帰りの父はこんな...
  • SS124
    投稿日:2010/11/02(火) 15 22 13 ん・・・あれ、ここ どこだろう・・・ 見覚えのない天井 馴染みのない感覚 少し目を泳がせると、 白衣を着た女性が和と律に何か話をしているのが目に入る・・・ そして律が少し視線をこちらに寄せると私と目が合い それと同時にこちらに飛びつくような勢いで走ってきた 「みお!大丈夫か?!」 「うん・・・おはよ」 大げさに私の手をぎゅーっと握りながら語りかけてくる その律の肩を和が軽く叩き 保健室では静かにしなさいといさめる そういえば・・・体育でバレーボールしてる途中に急に意識がぐらっとして・・・ それから記憶が途切れてるから、多分倒れたんだろうな。 律がこれだけ心配そうにしているのも、そう思えば納得できる 保険の先生によれば少し熱があるとのこと 朝からちょっと風邪気味で、今日は無理...
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