けいおん!澪×律スレ @ ウィキ内検索 / 「雨の中かき消された細い声が」で検索した結果

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  • 雨の中かき消された細い声が
    投稿日:2010/06/24(木) 21 57 43 「いや~まさか降るとは思わなかったな。」 「うかつだったな、この時期に」 澪と帰っている途中、急に雨が降り出し 私たちは商店街の潰れたお店の前で雨宿りをしていた。 雨だれが少しはねて、私と澪の足元を濡らす 「どうするよ澪。」 「うーん、止むの待ちたいけどな。最悪このまま濡れて帰ろう」 それも一つの手だろう。まったく、梅雨っていうのは気が滅入る。 しかし結構盛大に濡れたもんだから少し寒くなってきた。思わず私はくしゃみを一つ 「おい律、大丈夫か?」 澪は私のくしゃみにすぐさま反応し、カバンから取り出したタオルで髪を拭いてくれた。 優しい手つきで気持ちいいんだけど、少しくすぐったい。あとちょっと恥ずかしい 「よ、よせやい澪ぉ。自分でやるよお」 「いつも思ってたけどお前は髪の拭き方が雑なんだよな。ついでに拭き方...
  • 澪×律 別荘地 11
    ...ラダラしにきたぞ」 雨の中かき消された細い声が 「いや~まさか降るとは思わなかったな。」 短編111 「なぁ!律、律っ!聞いてるのか?!」 短編112 学校帰り、律はフラッと私の家に立ち寄ると部屋に入るなりカバンの中からあるものを取り出した。 SS94 いつも一緒に居た。 短編113 あつい、あつい、あつい。 短編114 インターホンがなった。続いて玄関の開く音と共に聴きなれた少し低い声。 SS95 二人きりの時でも、基本的にお互い勝手に過ごしている。 短編115 中学を卒業して、高校に入ったらあいつとは離れ離れになる。 もっと もう、一ヶ月は前になるのかな。 短編116 今日は7月2日ムギの誕生日パーティーの片付けを終わらせた私たちは縁側に座って星を見ていた 短編117 律と二人。花火を見てる。 短編118 「あーあ、なんで赤くないんだろ」 短編119 ふぁーあ。あくびをひとつ。…...
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    ... 雨の中かき消された細い声が 短編111 短編112 短編113 短編114 短編115 短編116 短編117 短編118 短編119 短編120 短編121 短編122 Good smell 短編123 ...
  • 澪×律 別荘地 11 まとめ1
    ...   173 :雨の中かき消された細い声が  2010/06/24(木) 21 57 43 なんとなくSS。梅雨もの 「いや〜まさか降るとは思わなかったな。」雨の中かき消された細い声が   182 :軽音部員♪  2010/06/24(木) 23 15 39 「なぁ!律、律っ!聞いてるのか?!」短編111   195 :軽音部員♪  2010/06/25(金) 05 33 06 唯「田井中、愛のシュートをぉ……打った!!」 梓「おおっ、キーパー秋山受け止めたぁっ!!」 ムギ「曽我部、佐々木をかわしての見事なシュートでした。」 これは一体どんなルールなんだろ   196 :軽音部員♪  2010/06/25(金) 05 53 56 本スレのこれに萌えたw   197 :軽音部員♪  2010/06/25(金) 05 56 42 深夜に二人きりでサッカー観戦か・・・ ...
  • SS31
    降りしきる雨が校庭に染み込む音と匂いを感じながら、 澪は観音開きの片側だけが閉じられた、生徒通用口のガラス扉に寄りかかる。 冷たいガラスには、赤字で大きく『締切』と書かれた貼り紙。 そのガラスに、触れている背中や肘をじわじわ冷やされる。 下校時間をとうに過ぎ、他の生徒の姿は見当たらない。テスト対策に図書室で勉強をしていたら、 気づいた時には外は大雨。すっかり帰るタイミングを失ってしまった。 おまけに、朝の天気予報は確認した筈なのに、肝心の傘を忘れて来ていた。 やっぱり自分は、律の言うとおりどこか天然なのかもしれない、などと自嘲しながら雨が上がるのを待つ。 この天気の中、カッターシャツにベスト姿ではさすがに寒い、澪は自分の体を抱き締めるように、腕を組んだ。 そして曇天の空を見上げる。 この季節ならまだ明るい筈の時間だが、低く黒い雲に覆われ太陽の輝きは見えない。 薄暗闇の...
  • 短編157
    投稿日:2010/11/05(金) 20 05 38 「……澪、なんか、揺れてないか?」  ベッドに寝転んでいた律がむくりと起き上がって言う。 「ほんとだ、地震かな……っと」  そう呟いたその瞬間、ぐらっと突き上げるような揺れが私たちを襲った。  ガタガタと音を立てて揺れる本棚やCDたち。  ……結構、大きいな。  私は持っていた雑誌をテーブルに置くと、揺れの収まらない床を歩いて、律の元へ向かう。 「よっと」  ベッドの端に腰を下ろすのと同時に、律の小さな体が飛び込んでくる。  首に手を回してしがみついてくる律の体を包み込むようにして抱きしめてやると、 「大丈夫、すぐ収まるよ」 「み……みおー……」  律の細い体が小動物のようにガタガタと震えている。  ……実を言うと、律は昔から地震が大嫌いなのだ。  雷とか台風とかは全然平気なくせに...
  • 短編144
    投稿日:2010/09/28(火) 04 10 53 「私達男女だったら付き合ってたかな~?」 「…はぁ?」 小雨に捕まった二人はお揃いの傘を刺して帰り道を行く いつものペース、いつもの距離 傘が邪魔してお互いの顔は見えないけど大体どんな表情でいるか二人とも想像がついた 「なんだかんだ10年も一緒だし、男女だったら恋が芽生えてもおかしくないと思わね?」 「…分かんないよそんなの」 「あ、それとも澪しゃんて男女の友情とか信じちゃうタイプ?!」 「からかってるなら殴るぞ?」 そうは言ったものの濡れるのは嫌なので傘の端を律の傘にぶつけた 「うはっつべたっ!」 「変なこと言う律が悪い」 お叱りを受けてコロコロ笑う律に全く反省の色が無いので澪は呆れて肩を落とす 10年? 男女? バカバカしい 交差点に突き当たる 信...
  • SS5
    雨の強い日だった。 雨は私の中にある不安を掻き立てる。 降り止む事のない雨の音を聞いていたらこの不安から抜け出せない気がする。 こんな時はいつもあいつの声を聞いていた。 あいつに会いに行っていた。 でも、今はもうできない。 お前は今何をしてるんだ? どこにいるんだ? 笑ってるのか? いつも隣にいたあいつはある日私の前から姿を消した。 そうか、あの日もこんな風に雨の強い日だったな。 確か、卒業式の次の日だった。 「卒業式はあんなに晴れてたのに今日はすごい雨だな。雨・・・か、何か歌詞書けそうだ」 机に向かって作詞ノートを開こうとした時、携帯が鳴った。 「公衆電話?・・・もしもし?」 「澪、今話せる?」 「律か?公衆電話ってどうしたんだ?」 「うん、ちょっと・・・」 律の様子がおかしい。 いつもの明るい声じゃない。 「今どこからかけてるんだ?」 「...
  • 雨の日
    日曜日。なのに雨。 宿題も昨日の内に終わったし、買ったまま見れてないDVDでも見ようかな…なんて思っていると。 ~♪ 律から電話着信が来た。 ピッ 「もしもし?」 『かーめよー♪』 「…」 『…』 「…何?」 『…ソコは「かーめさんよー♪」だろ!?』 「…用事無いなら、切るよ?」 『澪が「もしもし」って言ったから合わせたのにぃ~』 「じゃ、私DVD見るから」 『まってまってまって!!』 「…なんだよ」 『どーせこの雨だしやる事無いだろ?ウチ来てよ!!』 「確かにやる事無いけど…」 『雨の日…部屋で一人ぼっち…私、生きていけないっ!』 「聡とか居るじゃん」 『…』 「ん?」 『………澪と一緒にいたい』 「まったく…」 『来てくれるの!?』 「まぁ、ね。律の言う通り、やる事も無いしな。見ようと思ってたDVDも、持ってくよ」 『ありがとー♪さす...
  • SS215
     とある休日の昼下がり、私の家に駆け込んできたのは半泣きの澪だった。 「りづうううう……」 「…………」  玄関を開けた先。  困り果てたような顔で涙を浮かべる澪の胸に抱かれていたのは、ひとりの赤ん坊だった。  薄黄色のベビー服を身にまとったその子は、澪の声をかき消さんばかりに声をあげて泣いている。  私は澪に抱かれた赤ちゃんの小さな手をつんつんとつつきながら澪の顔を見ると、 「……………………澪の子?」 「ばか!」  両手が塞がっていたので思いっきり頭突きされた。  リビングに澪をあげて、事情聴取を開始した。  聴くところによると、この子は親が預かってきた親戚の赤ん坊で、 急な用事が出来たおばさんの代わりに世話を任されてしまったとのことだった。  ……てことはこの子には、澪と同じ血が流れているわけか。  ふむ、言われてみれば澪に似た美人さんな気もする。 ...
  • 30
    8月の、30日。 平日だけど、たまたま終日オフになった。 私と律は、何処へ行く予定も立てず。 只々、部屋でダラダラしていた。 予定、と言っても大学生活は中々忙しいし。 一年目、ともなれば上手くいかないコトもあって、ヘコンだり。 慣れないキャンパスライフに追われ、講義の後HTTの練習に集中して打ち込んでると オフの日にどっか行こう。なんて気にはならなかった。 ‥とは言っても、せっかくの夏だ。 もう、キャンパスの隅のひまわりが日照りにくたびれてるくらい過ぎてしまったけど。 「律ー」 「ん?」 「‥海、いこっか」 「あ、あぁ」 律を、海に誘った。 天気予報では、台風の進路予報とか流れてて。 数日後には荒模様になるらしい。 運良く太陽が味方して、今日は青空だった。 ずっとダラダラしてて、やっと外に出たんだ。 海に行く前に、アイ...
  • 告白【第1話】
    「み、澪センパイっ!」 廊下で呼ばれたその声でふり返る。 「…ん?」 見知らぬ女の子が、リボンのついた可愛い袋を握り締めている。 意を決した様に一歩前に踏み出した。 「あ、あのこここれっ!」 「……あ、ああ」 これは……。 最近増えている。 何回か目になると流石にこういう事に疎い私でもわかる様になった。 硬く目をつぶり突き出された紙袋。 耳まで真っ赤に染まってる。 ああ、……袋を持ってる手が震えてる。 こっちまで緊張する。 こういうの見ると。 「お口に合うかわからないんですけど……!!り、律先輩に渡してもらっても…良いですかっ!!」 「…あ、ありが………………え?」 ……え? 今。 何て言った?この子。 「ゴメンなさい!あの、律先輩、最近全然捕まらなくて……3日前、律先輩に作って...
  • SS59
    投稿日:2010/01/28(木) 00 15 16 ガチャ。ノックもせずにドアを開ける。現在午前9時40分。 今日は土曜日。 普段なら休みだからとダラダラ寝てるところだが、今日は暖かい日差しの中 気持ち良く目を覚ますことができた。 そんでいつになく清々しい気分だったので朝から散歩がてら近所を歩いていたのだ。 そういや、休みでも澪はちゃんと起きてんだろうな~。 なんて考えると、ふいにそれを確かめたくなって澪の家へと直行した。 結果、私の予想は外れた。 いや半分ハズレ、半分正解? 澪はパジャマを脱ぎかけた状態でベッドに仰向けになっていた。 こいつ!なんちゅーカッコで寝とるんだ!! 露になった胸元は規則正しく上下している。 多分、一度起きて着替えてる途中に睡魔に負けて眠ってしまったのだろう。 しかし…、この状況はかなりアブない。 澪のお母さんに...
  • 澪×律 避難所11 まとめ
    ...   173 :雨の中かき消された細い声が  2010/06/24(木) 21 57 43   なんとなくSS。梅雨もの 「いや〜まさか降るとは思わなかったな。」 「うかつだったな、この時期に」 澪と帰っている途中、急に雨が降り出し 私たちは商店街の潰れたお店の前で雨宿りをしていた。 雨だれが少しはねて、私と澪の足元を濡らす 「どうするよ澪。」 「うーん、止むの待ちたいけどな。最悪このまま濡れて帰ろう」 それも一つの手だろう。まったく、梅雨っていうのは気が滅入る。 しかし結構盛大に濡れたもんだから少し寒くなってきた。思わず私はくしゃみを一つ 「おい律、大丈夫か?」 澪は私のくしゃみにすぐさま反応し、カバンから取り出したタオルで髪を拭いてくれた。 優しい手つきで気持ちいいんだけど、少しくすぐったい。あとちょっと恥ずかしい 「よ、よせやい澪ぉ。自分でやるよお」 「いつも思ってたけどお...
  • だいきらい
    三月の、終わり。 明日は、四月一日。エイプリルフール。 嘘ついても大丈夫って、日だけど… …‥律はいつも、嘘ついてばっかり。 小さい頃から、嘘ついて私をからかって 大きくなっても……変わらない。 中学の時は、一緒に桜高受験して、合格発表の日。 貼り出された受験番号前にして、「落ちた………」って。 見え見えの嘘だったんだけど‥‥私を泣かせたり。 高校に至っては、事ある毎に嘘ついて。私を怒らせた。 大事な部活の書類提出忘れたり くっだらない嘘ついたり その他諸々‥‥どうでもいいような事ばっかり、嘘ついて誤魔化そうとした。 その度に、私に怒られてばっかりだった。 一緒の大学に入っても、勿論律は変わらない。 たまーに、少しは大人になったかなーって、思わせたりするけど 結局‥‥私をからかって、くっだらない嘘ついて、私から拳骨を貰う。 そ...
  • 短編9
    今日は体育祭。目立つのは嫌なのにアンカーに抜擢されてしまった。 だからって手を抜こうとは思わない。 それに絶対負けたくない奴がいるから。 「澪〜今日は絶対負けないからな」 「私だって負ける気はないぞ」 そんな事を話していると出番が近付いてきた。 1組と2組が僅差で走ってくる。 バトンを落とさず受け取れるか心配だったが無事受け取り瞬時に全力に切り替える。 視界の端には律の姿。 コーナーに入るとこで少し抜かされた。 速度を上げ走る。 律も負けじと速度を上げる。 幼馴染だからって手加減はしないぞ。 私は律を抜かしにかかる。 あと半周でゴールだ。 律を追い越す事に成功した。 だが、ここで気を抜くとすぐに抜かされる。 重くなりつつある足を懸命に前に出す。 もうすぐでゴールだ。 そう思った刹那、後ろからズザザーと物凄い音と観衆からの悲鳴が聞こえた。 ...
  • SS56
    投稿日:2010/01/25(月) 21 17 26 この思い、いつか君に届くかな―― まだまだ夏の暑さが残る9月。 今日、桜高では球技大会が行われている。 講堂の中はいつもと雰囲気がガラリと変わり生徒たちの熱気であふれている。 講堂ではクラス対抗で バスケやバレーが行われていて何ともにぎやかである。 私はそんな中、体を動かす訳でもなく和とギャラリーでバスケの試合を観戦していた。 和「澪は出ないの?試合。」 澪「私は球技は得意じゃないし、こーやって見てる方が楽しいかな。」 それに、転んでヒザ擦りむけて血が出たりなんかしたら…… うっ……考えただけで無理。 そんな風に私が思っていても 私たちの下のコートでは選手たちが必死にボールを追いかけ走り回っている。 試合に勝って狂喜する人たちもいれば ...
  • SS30
     しとしとと窓の外で雨音が響いている。  深夜、暗い部屋の中。  眠気でぼやけた思考の中で、ああ明日も雨かなぁ、なんて  そんなことを思っていると、ぽたりと指先に雫の落ちる感触がした。 「……ん」  ベッドの中でそっと目を開ける。  暗闇に慣れない視界の中、けれどすぐそばにあるその顔ははっきりと見えた。 「り、律……?」  指先を濡らしたその雫の正体に気が付いた私は、ぎょっと目を見開く。  隣ですやすやと寝息を立てていた少女。  その瞳から、ぽろぽろと涙が溢れている。 「え、な、どうして」  滅多に、それこそ小学生のとき以来見た記憶のない律の涙。  ただただ戸惑うことしか出来ない私は、ワケも分からず指先でその涙を拭う。  どうしよう。どうしよう。  こういう時は起こすべきなのか、それともそっとしておくべきなのか。  ぐるぐると回る思考の中で、結局私は、...
  • SS170
    軽音部で、新年会(といえばいいのか?)。 皆で仲良くおせちを食べ合ってわいわいしていた。 はずが。 「律ぅ……うう~……」 そんな席に、澪の声が響いた。 あー、さわちゃんのアホ。 いやさわちゃんは悪くないか。おとそぐらい正月は普通だよな……。 それに澪がお酒に弱いと知ってたの、私だけだし。 うん、皆に罪はない。 「顧問命令よ! 隣の部屋で澪ちゃんを介抱してきなさい!」 「な、なんだよそれ!」 「うぅ~、律~……」 澪はといえば、おとそ一杯でデロデロに酔っている。 顔は真っ赤にしていて、やたらと私の名前を呼んで抱きついてきた。 唯たちもおかしそうに笑って、私に言う。 「そーだよ、なんとかできるのはりっちゃんだけだよー」 「さあ、隣の部屋へレッツゴーよりっちゃん」 「澪先輩お酒弱すぎじゃないですか...
  • イノセント10
     大学へ行く準備をしていると、お風呂から澪が出てきた。  貸してあげたタオルを体に巻いていた。そして頭にもタオルを被っている。  私は腕時計をはめながらその姿に衝撃を受けた。 「律、ドライヤーとかは……」  胸から下は全てタオルが隠してしまっているけれど、触れたら折れてしまいそうな細い肩や、鎖骨が妙に色っぽかった。  頭はタオルを被っていて表情しか見えないけれど、でもお風呂上がりの暖かい熱気が澪の顔を火照らしている。 「律?」 「……あ、えっ? な、何?」 「ドライヤーとか……くしとか、貸してくれないかな……?」 「あ、ああうん。わかった」  私はなんだか澪の体をジロジリ見ていた自分が恥ずかしくなって、逃げるようにドライヤーやくしが置いてある場所へ走った。  オーブンレンジのすぐ横だ。実家の部屋に置いておいた鏡もすぐ横に置いてあるので、いつもそこでセットしている。 ...
  • SS246
    最近澪が私を警戒している気がする。 普段はどうってことないんだけどなんかそんな気がする。 特に最近、私が澪の家に泊まったり、澪が私の家に泊まった りすることがめっきりなくなった。 澪がなんだかわからないけどそれを避けるんだ。 そんなある日の出来事だった。 「うわー雨強くなってきた。やっべー」 部活が終わり、いざ帰ろうとなって雨が強まって困る私。 「天気予報で雨っていってただろ。傘もってこなかったのか?」 澪が半分呆れた顔で聞いてくる。 「持ってこなかった!澪ちゃん入れて!」 「はあ…しょうがないな。………あれ?」 鞄の中から傘を出そうとしていた澪の表情が曇る。 「澪?」 「傘…忘れた…」 「マジ?」 「どうしようりつぅ~」 ちなみに唯達はもう帰ってしまっている。今日に限って私が教室 に忘れ物をしてしまったせいだったりする。 「聡に傘もってこさせる...
  • 青ジャージ
    学校の帰り。私はちょっと恋人の家に寄ってCD借りて帰ろうと思って。 いつものように二人で家路に着いたら。 雨に、降られた。 梅雨の中休みー、とかテレビで言ってたから、すっかり油断してた…。 私と律は、急ぎ足で部屋に入った。 「‥ったく。天気予報もアテになんないよなー」 律がボヤきながら制服を脱いだ。 「あぁ‥」 私は、思わず顔が赤くなった。 「‥澪も着替えな‥って」 律は素早く私の様子を察知した。 「みーおー」 律はスタスタと近寄ってきて ぎゅっ 「ぅわっ!」 抱き着いてきた。 「赤くなんなよー。な?」 下着姿で無邪気に笑った。 「もう、恥ずかしがるような間柄でも無いだろー?」 笑顔と、バスタオルを手渡してきた。 「そ、そうだけど…」 私は目線を逸らした。 「けどー、じゃなくて!澪も早く着替えな?風邪引くぞ?」 「‥わかった」...
  • SS57
    投稿日:2010/01/25(月) 21 42 02 久々に澪がうちに泊りにきた。 夕飯を食べた後は、軽くゲームをして漫画を読んでお風呂。 先にどーぞと、差し出したのは寝巻き代わりの私のジャージだった。 澪には少しきついみたいで、ぶーぶー言っていた。 確かに…。 先に上がって髪を乾かす澪は、少し小さめのそのジャージのせいでいつもより体のラインが出てて、思わず私は視線をそらした。 ――頼むよ、ジャージで色っぽいとかこいつ、何着せりゃいいんだよ…。 思わずごくりとなった喉の音を聞かれたくなくて、ごまかす様に慌てて自分もお風呂に入った。 出る時に盛大に頭から水をざぶりとかけた。 なんだか色々のぼせていたから、少し冷静になりたかった。 戻ってきたらお約束と言うかなんと言うか、澪はもうすでにベッドですやすやと寝息をた...
  • SS168
    『しょうらいはりっちゃんのおよめさんになりたいです』 「………」 澪の家にいつも通りに行くと、澪は大掃除の途中だった。 「忙しい時に来るなよ…」 と澪から迷惑がられたので、私も大掃除を手伝うことにした。(勝手に) んで、澪の部屋の押し入れの中を掃除してると、澪の小学生の時の作文を数枚見つけてしまった。 ちょっとした悪戯心で読んでみると… 冒頭の文が書かれてあった。 題名、将来の夢。 そういえば、私も書いた覚えがある。 確か、パイロットって書いたっけ。 ん?あれ? でも澪は確かパティシエって発表してたような… もしかして、下書きかな… まあ流石にこれを出すのは澪には無理か。 ふふ、全く可愛いなぁ… ってこれ読んでたらいけないんじゃないか。 絶対澪に怒られる。 …でも、もう一枚だけ… 『わたしのしょうらいのゆめはりっちゃんのおよめさん...
  • SS89
    投稿日:2010/05/31(月) 02 51 03 出会ってから、ずっと。ずーっと、募っていった想い。 伝えよう。私の、気持ち。 「澪」 立ち止まって澪を呼ぶ私と、黒髪をなびかせながら振り返る澪。 澪の背後には、夕日が真っ赤に輝いていて。なんでか分からないけど、その光に勇気づけられた。 「私、な。……澪の事が、好きなんだ」 風がそよぎ、長い黒髪がさらわれていく。真っ赤な夕日が、真っ白い肌を照らす。 何度も何度も見たことがあるその姿が、いつも以上に輝いて見えた。 「……私と、付き合ってください」 澪は、最初吃驚した顔をしてたけど。直ぐに真剣な顔つきになって……頷いてくれた。 すごく、すっごく嬉しかった。でも、どうしていいかわかんなくて。 告白した後のことなんて、さっぱり考えてなかったんだもん。 澪も、どうしたらいいのか、わ...
  • SS86
    投稿日:2010/05/27(木) 19 07 45 「荷物、持とうか?」 「え? いいよ別に。これ結構重いし」 「……じゃあ、半分持つ」  律の手から、カバンの取っ手の片方を強引に奪い取った。  ずっしりと重たい旅行鞄。律の一ヶ月分の生活の重みがここに詰まっている。 「しっかし、たった一ヶ月の短期留学だってのに唯も大げさだよな」  そう言って苦笑いをすると、律はちらりと私の方を見て続ける。 「さすがに空港で会うやいなや泣き出すとは思わなかったよ」 「律がいない間、唯かなり寂しがってたからな」 「そうなの?」 「そうだよ。律を空港まで迎えに行こうって言い出したのも唯なんだぞ」 「そっかあ……今度お礼言っておかないとな」  そんなやりとりをしながら、律の家までの道を歩く。  唯は今すぐにでも「りっちゃんお帰りなさい会」を開きたかったらしいけれど、 ...
  • SS100
    投稿日:2010/07/29(木) 02 04 53 私は律に依存しているのかもしれない。 律は優しいし、気遣いの人だから私はついつい甘えてしまう。 一緒にいると心地よくてたまらない。 律の前だとわがままになるんだ、私。 けれどそんな律は、いつも他人のことばかり気にかけている。 そのくせ自分のことは溜め込んで、誰にも気付かれないうちにじわじわと飲み込んでしまう。 たまにそれがうまくいかなくて爆発しちゃう時もあるけど、そんなになるまで本当の意味で頼ってくれない、甘えてくれないなんてやっぱり悲しい。 そうだ。 それならせめて、律を思いっきり甘えさせてあげよう。 「律」 そんなことを考えてから数日が経った。 今日は金曜日。 今は二人っきりの帰り道。 「んー?」 「今日さ、泊まりに来ないか」 「どうしたんだ急...
  • SS209
    今日は律が私の家に泊まりに来る日だ。 金曜日。土日は学校休みだし、「しゅくだい多いし、澪しゃまに手伝ってほしいなー、なんて…」とか言われたら 「はいはい。ちゃんとノートと教科書ぐらいは持って来いよ」と言わざるを得ないだろ………どうせ夜遅くまで居座って「もうこんな時間だしぃ~」とか言って泊まってくんだし。 律は私の承諾を得るや否や、いつもの待ち合わせ場所で「ちょっと待ってて!!」と言い残すと大急ぎで帰宅しバッグをパンパンに膨らまして制服のまんまやってきた。 肩で息をしながら「ごめんごめ~ん」って言いながら駆けてくる律、可愛い。でも「まったく…先、行くぞ」とか、ちゃんと待ってた癖にツンツンする自分がもどかしい。 「待ってよみお~」なんて言いながら私のブレザーの裾を掴む律を、私は我が家へ誘った。 「おっじゃまっしまーす!!」 私より先に玄関に飛び込んだ律の声が私の家に響く。 「あ...
  • 短編124
    投稿日:2010/08/02(月) 03 27 25 「ねえ、澪。」 律が呼ぶ。 その声はなんだか今にも泣き出しそうだった。 律は私のベッドに横になっていて、私はベッドを背もたれに雑誌を読んでいる。 今日は二人で遊んだあと、そのまま私の部屋まで来ていたのだ。 「どうした?」 急に弱々しい声を出すもんだから心配になって振り向くと、やはり泣き出しそうな表情の律と目が合った。 「ねえ澪、こっちきて」 そう言って腕を引っ張るので私はベッドに腰掛ける。 すると後ろから抱き締められた。 ぎゅう、と細い腕を腰に回して身体をくっつける。 「律ー、どうしたんだ?」 私も体勢を横にしながら問い掛ける。 二人とも同じ方向を向いたまま、顔は見えない。 本当は律がなんで泣きそうなのかもわかっていた。 もうずっと前から、私達はお互いの気持ちを知っていた。 その上でごまかし続けて...
  • 冬の明日
    「澪、見てみろよ!」 「なんだよ?」 テーブルの上の準備をしていたら、律が陽気な声を上げた。 窓際に立って外を見ている律が、外を見つめながら私に手招きする。 少しばかり興奮したような口調が気になった。 私は持っていた物を置いて立ち上がり、律の横へ移動する。 窓の外を見た。 「雪だ」 もう辺りは真っ暗で、向かいの家の屋根も黒の輪郭がほんのり見える程度だ。 その染みいるような黒の世界に、白い花びらが待ってるような光景。 私が思わず呟いた一言。それは花びらじゃなくて、紛れもなく雪だってわかってる。 だけど幻想的な視界の色は、息をすることさえも忘れかけた。 久しぶりに見る。一年ぶり。いや、もっと――……。 高校に入ってからは、見たのかな。見たのかもしれないけど、覚えていない。 いつだって雪が降っているのは、私の心の中と、詩の中だけだった...
  • ROCK!!28
     並木道を、手を繋いで歩いた。  律の手は私のより小さいけれど、包み込むような暖かさがあった。  横顔も、照れくさいような嬉しそうなどっちとも取れる表情。  なんだか懐かしくて、くすぐったくて。  嬉しかった。 「澪」 「うん?」 「……ごめん。あと、ありがとう」 「なんなんだよ」 「その、今までの事全部謝っとこうと思って」  律の横顔は突然真面目になった。  いっつもおちゃらけて笑ってるくせに、ふと見れば真剣な顔。  律はそうだった。そんな奴だった。  律のそんな顔を横で見るのは、久しぶりだった。  でも、この感覚は何度もある。  ――いつか目にした、君の―― 「二年の時、迷惑掛けてごめん」 「それはもういいよ。私も悪かったんだ」 「受験に失敗してごめん」 「……それも」 「大学辞めさせちゃってごめん」...
  • 進路!
    本編 澪×律 別荘地 9 670 :軽音部員♪  2010/05/26(水) 01 54 54   この話と合わせてくるのは予想通りだ 幼律澪かわいすぎる…   671 :軽音部員♪  2010/05/26(水) 01 55 20   律澪回想いれてくるとは   672 :軽音部員♪  2010/05/26(水) 01 56 28   あはひひぃっ!!やったあたたたたひひひひ ろりつみお!ろりつみお!ろりつみお二週連続!!ぶっはぁっ!!   673 :軽音部員♪  2010/05/26(水) 01 59 05   なかなか良かったんじゃないでしょうか? 小さなりっちゃんがあまりにもイケメン過ぎた。 幼少律澪はそのまま付き合ってしまっても違和感まったく無し   674 :軽音部員♪  2010/05/26(水) 02 00 26   残念なのは少し急ぎ足で消化しちゃったね。...
  • SS214
     今まで何度も歩いた、学校から家へ至る帰路。 今日だけで数えても、登校時に通っているので既に二回目だった。 それでも飽きた事は無い。何時も律と一緒に歩いてきたのだから。  今も、律は隣を歩いている。 二人の間で交わされているのは、他愛も無い話題だった。 学校でもプライベートでも、時間を共有する事が多い私達。 故に互いの得ている情報は近似し、話にサプライズは少ない。 けれど問題は無かった。 恋愛は損得勘定から繋がる機能的結合では無く、 感情から繋がる原始的結合なのだから。 つまり何を話すかよりも、誰と話すかが重要という事。  私達の進行方向からベビーカーを押して歩いてくる女性は、 結婚の際には所得や所属組織と言った機能的な物差しで配偶者を計ったかもしれない。 それを間違ったやり方だと言う心算は無いけれど、私は採用しない考え方だ。 律だから選ぶ、それだけのシンプルな...
  • ROCK!!29
     流れる川を、河川敷に下りる階段の中ほどに座って眺めていた。  約束の時間よりちょっとだけ早く来ていて、静かな時間が流れていた。  セミの声も先週ほど五月蠅くもなく落ち着いていて、もう一週間ほどで八月は終わるんだとなんとなく感じた。  涙は枯れていた。  今は、なぜ律先輩が私と会おうと言ってくれたかという疑問に頭が向いていた。  律先輩に酷い事を言った私。皆と一緒にいる資格もないくらい最低な事をした。  だから、律先輩も誰にも会いたくないんじゃないかって……そして、一番律先輩が会いたくないのは私だと思っていたのに。  なんで。  どうしてなんだろう。  私なんかに。  また胸が疼いて。  俯きかけた。  その時だ。 「梓」  ――優しい声で、名前を呼ばれた。  私は後ろを振り返った。  階段の一番上で、私を見下す瞳。 「……律先輩」...
  • 短編213
    「秋山って美人だよな」 「密かに胸大きいしな!」 「体育の時、超揺れてんの」 同級生の男の子たちの雑談が、クラスの喧騒の中に混じる。 …聞こえてるんですけど 「羨ましいねぇ」 「物静かで大人しいのに身体だけ立派で」 「3組の田中君、秋山さんのこと好きなんだって」 「マジー?」 女の子の囁きも少し聞こえた。 だから聞こえてるって。 まぁ私が一人静かにしてるから聞こえるのかもしれないけど。 うるさい。 誰にも聞こえないよう、ぽつりと呟いた。 本当、耳障りだ。 男子の大きい声でするつまらない話も。 女子の他人の噂話で盛り上がってるのも。 人を偏った目でしか見ていない。 ほっといてくれたらいいのに… 本当、気持ち悪い。 でもね。 「澪は美人だよなぁ」 「胸だって大きいしさぁ」 「体育の時もめっちゃ揺れてたし!ばいんば...
  • SS110
    投稿日:2010/09/25(土) 00 28 50 特に用事はなかったし、拒否権もなさそうだったので渋々ながら律の家に行ってみる。 けれども、ついてみれば部屋に連れていかれただけで何も無い。……用事があったんじゃないのか? 仕方が無いので、暫く勝手に過ごすことにする。 あたりを見回すと放置してある雑誌が目に入った。 雑誌は5冊ほどが乱雑とも綺麗とも言いがたい状態で置いてあり、なんとなく右から二番目を手に取る。 表紙を見ると、音楽系の雑誌しかないと思っていたのにまさかのファッション誌。 少し驚いて他のも確認してみると残りの4冊は全部音楽系の雑誌だった。 ま、まぁ律だってこう言うのは読むよなあ。 「なぁ、澪」 「なんだ?」 表紙をめくるのとほぼ同時に、律が声をかけてきた。 折角雑誌を読み始めようとしたところだったのに……なんとなく出鼻をくじか...
  • 梅雨!
     本編 澪×律 別荘地 9 7 :軽音部員♪  2010/05/12(水) 01 57 25   久々の「りーつー」キター!! そしてボタンとめるの早い律、それを当たり前のように知ってる澪になんかエピソードを感じた んで来週は澪回か。律澪に期待していいのかなっ……?!   9 :軽音部員♪  2010/05/12(水) 01 58 15   いいなーと思ったら吉田回だった   14 :軽音部員♪  2010/05/12(水) 02 13 37   このスレの住人なら これだけでいろいろな妄想が出来るはずだ   22 :軽音部員♪  2010/05/12(水) 02 47 52   澪が律の机に座ってるのがなんか良かった   23 :軽音部員♪  2010/05/12(水) 02 56 59   りっちゃんの部屋に編み物セットがあるみたい。あと編みかけのマフラーらしきもの ...
  • ROCK!!2
     駅に向かう途中のゴミ箱に、律と私の二人で買った参考書が捨ててあった。 「皆見て!」  唯とムギがそれを見て、不安そうに表情を歪めた。 「それ、りっちゃんの……」 「駅に向かったってことかしら?」 「わからない……わかんないよ!」 「澪ちゃん落ち着いて」  ムギが私の肩に手を置いた。  落ち着いていられるわけがなかった。  律が落ちた。  律が落ちちゃった。  私たち皆で通うはずだった大学に、律だけ落ちた。  律はそんな自分を情けないと思ったのか、番号が掲示された番号をしばらく見て突然走り出してしまった。  私はまさかと思ったけど、まさかは当たってしまっていた。  律が――。  律の悲しそうな顔が浮かんで、体が震える。律の涙や声が頭に残響する。  やめてくれって頭に懇願したって、嫌でも律の顔は甦る。律の優しい声も悲しい声も全部浮かんでくる。  ずっと一緒に...
  • メリクリ
    今日は、クリスマス・イヴ。 街は浮かれ気分で、正にクリスマス一色。 我が放課後ティータイムも例外無く、クリスマス一色。 私がいつもの調子で 「よーし!今日はクリスマスの前夜祭だー!」 と声を上げると 「ケーキだね!りっちゃん!!」 唯がふんす!と立ち上がり 「クリスマスケーキ、手配しておいたの~♪」 と、ムギがいつものニコニコ顔で大きめのケーキを持ち出してきた。 「急に呼び出されたと思ったら、こういうコトだったんですか…」 受験真っ只中の梓が、相変わらずの呆れ顔を浮かべ 「まぁ…折角だから。息抜きだと思って、な?」 澪がなだめた。 唯の実家を会場に「クリスマスの前夜祭」は、なんだかんだで盛り上がった。 憂ちゃんにも手伝ってもらった…っていうか、唯が前夜祭の事を伝えた途端はりきったらしく。 料理はそれはそれは豪勢なモノだった。 ちゃっかり話を聞きつけたさわち...
  • 短編166
    投稿日:2010/11/18(木) 01 03 05 「えへへ、みーお」  ごきげんな声で言いながら、律がころころとベッドの上を転がってくる。  素肌と素肌がぴたりと触れて、そのくすぐったさに思わず身をよじらせてしまった。 「なんだよ」 「ふふふ、実はさ、澪」 「なに?」 「私、澪のこと嫌いなんだぁ」  律は私の胸元にぐりぐりと頭を押し付けてきて、仔犬のように甘えてくる。  嫌い……ねえ。そんなニコニコして言ってたら説得力は皆無だ。 「酷いなあ。傷ついちゃったぞ、私」  ぎゅうっと律の細い体を抱きしめて髪の毛をくしゃくしゃに乱してやると、  腕の中の律がきゃあきゃあと子供のようにはしゃぐ。 「だってー、ベッドの中の澪こわいんだもん」 「……そ、それは、律が」  律が誘ってくるから……いろいろと抑えられなくなっちゃうんだろ。  そんな文句を返そう...
  • SS40
    投稿日:2009/12/25(金) 04 38 35 軽音部の皆とのクリスマスパーティを終え、私と律は二次会と称し 律の家でお泊りすることになった。別に二次会なんて言わなくてもいつものことなんだけど それで他愛もないことを話していると、 「なんかクリスマスっぽくないなあ。」 と律がつまらなそうに言い、少し考えた後ふと何かを思いつくと、部屋を出て下の階に下りていった 何がなにやらわからないまま、とりあえず帰りのコンビニで買ったチョコを一つ噛み砕く 手元が寂しくなり、律の本棚から適当に音楽雑誌を取り出し流し流し読んでいると、そのうち階段を駆け上がる音が聞こえてきて 部屋のドアが勢い良く開かれ、律が何やら小さめのダンボールを持って入ってきた 「何だよそれ?」 「へへ、クリスマスを彩る小道具だよ!」 何かと思っているうちに律が箱の中から何か取り出した。なんのことない、そ...

  • 「おいおいコレどうすんだよ…」 朝シャンしようとパジャマを脱いで風呂場にチラッと映った自分の背中 なんてことない、いつもの有様だけど 困ったことに今日はプール授業の日だった 「まさか分かっててやったんじゃないだろな…」 悩んでても仕方ない とりあえずさっさとシャワー浴びないと遅刻確定だ キュとカランを捻って温い水を浴びる 「イチチ…沁みるなぁ…」 シャワーの温い水でこうなんだ 塩素いっぱいのプールに入ったらどうなっちゃうんだろ 想像しただけでピリピリする 「…でも問題はそこじゃない」 そう、問題はクラス中にこの哀れな背中を晒すことだ うっかり『どうしたのその背中?』などと聞かれたら上手い言い訳が思いつかない リビングに裸で寝てたら飼ってる猫に爪砥ぎされたとか? 「…意外にいけるな」 そうだ、要はコソコソ...
  • プリン
    大学に入学し、澪とアパートで二人暮らしを始め。 一つ屋根の下、二人きりで過ごす事も当たり前になって一年が過ぎた、ある土曜の夜。 リビングでゴロゴロしている私に、キッチンから澪が声を掛けてきた。 冷蔵庫を開けながら 「律ー。プリン、知らない?」 「あ、食べちった」 「…え?」 「わりぃわりぃ。後で買っとくよ‥」 私は日中。冷蔵庫に一個だけ残っていたプリンを食べた。 どうやら澪がとっといた代物だったらしい。 「うん、わかった」 澪は冷静に答え、寝室へ入って行った。 私は、ゴロゴロしながらテレビのリモコンを手に取った。 土曜の夜は、平穏に過ぎて行った。 翌日。私と澪はHTTの練習に向かうため、身支度をしていた。 「律ーそろそろ着替えよっかー」 澪が寝室から現れた。既に澪は身支度を済ませていた。 私は部屋着から着替えようか、と立ち上がり寝室のクロー...
  • 短編64
    投稿日:2009/12/28(月) 01 23 19 私の隣ですやすやと寝息を立てる律。 そっとその顔を覗き込むと、むにゃむにゃと動く口元が可愛くて思わず微笑んでしまった。 「子供みたいな顔しちゃって」 小さな頃から変わらないその寝顔。頬をツンとつつく。 「うーん……」 「ふふっ」 鬱陶しそうに顔を歪める律が面白い。 ほんと、律の寝顔を見てるのって面白いし、幸せだ。 ……どんな夢、見てるのかな。 と、そんなことを思っていると、律の口がわずかに開く。 「むにゃ……こら、やめろ……ゆい……」 「……………………」 ……こら。 誰の夢、見てるんだ。 たかが夢とはいえ……ちょっと複雑だ。 「……ばか律、見るなら私の夢見ろ」 相変わらず夢の中から帰ってこない律の耳元でそう囁いて、ちゅ、と頬に触れる。 次に違う子の名前呼んだら、ほっぺじゃ済まないんだから...
  • イノセント19
     気まずかった。  話題がないわけじゃない。  話したいことなら山ほどあるし、謝りたいことも、言いたいこともたくさんあった。  だけど、今私が抱えている鞄の中にチョコレートが入っている。  そして想いと伝えたい相手――律が、すぐ横にいるのだ。  だからどうしようもなく緊張して、言葉にならなかった。  だけど、律は律だった。 「なあ、澪」  優しい声だった。  私は、その声色で少しだけ緊張が解れた気がした。 「……うん」  しかし、それしか言えない。  横を見ると、律と目が合って。  数秒見つめあった。  そこから、会話が続いた。 「正直に言うと、私、あんまり食事会乗り気じゃないんだ」 「……なんで?」 「――わからない?」  律は、不敵に笑った。  それは普段の律からは想像もつかないような、女っぽくて、そして私を嘲笑うようで。  だ...
  • 澪「律の首筋(*´Д`)ハァハァ」
    投稿日:2010/05/10(月) 02 57 28 私はベッドの上にいて、澪はベッドに寄りかかって雑誌を見ている。いつもの光景。 ふと目の前にある、艶やかな黒髪に手を伸ばす。 触れてみるとサラサラとした感触が気持ちいい。 何度も撫でたり梳いてみたりを繰り返しながら、やぱ黒髪ロングは美人の特権だよなぁ…なんて考える。 ふいに、触れていた髪が指から離れ、黒髪の張本人が私のほうを向いた。 「なんだよさっきから」 澪は笑いながら肩にかかった髪をかきあげる。 その姿を見て、あらためて澪は綺麗なんだなと感じた。 「いやー澪の髪ってホントに綺麗だよなぁ」 ベッドに横になったまま、今度は至近距離にある澪の前髪を触った。 「ありがと。でもなんで急にそんなこと言いだすんだ?」 「んーなんとなく?私はロングヘアーとか似合わないし」 人は自分にないものを持ってる人に惹かれるって言...
  • 夕空モノローグ
    私と律は、薄くなる夕暮れを眺めつつ。うたた寝をしていた。 「‥くんくん」 「なっ‥何するんだよ‥」 律が私の髪の匂いを嗅いできた。 「‥」 にこっ 「なんだよ‥」 律は無邪気な笑顔を見せ 「澪、いい匂いだからな!」 「‥」 私は、照れた。 「‥くんくん」 「わっ!」 私は、仕返しして 「やっ、やめろよ‥」 「律からやってきたんじゃん」 私から離れようとする律を ぎゅっ 抱き締めて、捕獲した。 「くんくん‥」 「…」 私は律を胸に抱きかかえ、律の茶髪の匂いを堪能した。 多分、無言の律は悔しいカオをしてるんだろう。 「‥くんくん」 律が、私の胸の中で匂いを嗅いだ。 「‥ん?」 律を見下ろすと 「‥澪のおっぱい。いいにおぉっ!」 っぎゅうぅぅっ 意地悪く見上げた律を、私は思いっ切り抱き...
  • SS99
    投稿日:2010/07/27(火) 14 20 38 「りっちゃんってさ、弱み見せないよね」 それは何気ない唯の言葉が始まりだった。 部室に集まっていた律を除く全員が「ああ」と同意した。澪は小さな声で 「そうだな」と答える。遠い記憶を手繰り寄せてみても確かにあのに律が弱みを見せたことは殆ど無い。でもそんな律の弱みを知っているのが自分だけだと いうことに気付いて澪は少しだけ嬉しくなった。 「律先輩、怖いもの知らずって感じですもんね」 「澪ちゃんみたいに怖い話とか痛い話も平気だよねー」 「りっちゃんの弱いものってなんなのかしら?」 そんな会話が続いた後。突然唯は立ち上がった。 「よし、今から『りっちゃん隊員弱点探し』を決行しますっ!」 はあ!? 澪が呆れて練習を放り出して今にも出て行きそうな唯を止めようと紬と梓に 目配せした。しか...
  • 短編29
    「コタツってあったかいのね」 「ムギちゃん初めて?」 「うん」 「今まで知らなかったなんて勿体無いな。私はもうコタツに住みたいぐらいだ」 「何言ってんだよ」 変な事を言い出す律を小突いてやる。 「おっと!そんな事していいのかな?みおしゃん」 妖しい笑みを浮かべて何やらコタツの中でごそごそとしている。 「何だよ?・・・・ひゃっ」 「澪ちゃん?」 ツツーっと太ももを指で撫でられ声を上げてしまった。 「な、何するんだよ」 「へへへ。澪ったら可愛い声出しちゃって」 「おまえが変な事するからだろ」 「ふふふ。仲良しね」 「だねぇ」 「ち、違う」 何だか唯とムギの視線がキラキラしているのは気のせいか・・・。 そんな事を思っているとコタツの中に入れていた手をギュッと握られた。 ニコニコしながら何事もないように唯やムギと話す律。 「澪ちゃん顔が真っ赤よ」 「ほんと...
  • たなばた
    時計の両針が頂点で重なって。 天の川、なんてロマンチックな単語が行き交う夜。 私は、恋人を味わっていた。 「りつー?」 私に、上に乗られた恋人は甘い声で答えた。 「‥なに?」 私は、左手で恋人の右手を誘った。 「‥ココ」 右手で促し恋人を、抱き起こした。 頬を赤くした恋人に向かって 「‥ぎゅって、して?」 もとめた。 ぎゅってしてくれた恋人は、そのまま右手のナカユビを入れて。 たくさんたくさん、かきまわして。 たくさん…私は、気持ち良くなって。 「‥りつ」 「‥ん?」 「‥もっと‥」 ‥ほしいな、と私が言うと。 恋人はヒトサシユビも、入れてきた。 私は身体を震わせながら、時折恋人を抱き締めて。 恋人は私のそんな様子を見て、微笑んだ。 かきまわされながら 私は、恋人の右手に左...
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