けいおん!澪×律スレ @ ウィキ内検索 / 「SS9」で検索した結果

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  • SS9
    私は今世界中の誰よりも幸福なんじゃないかと思う。 「澪、一緒に帰ろ」 「うん」 照らす西日はまるでスポットライト。 二人だけの舞台をつくってくれる。 不意に手が触れ合った。 「あ、ごめん」 「だ、大丈夫」 なに謝ってんだ… チャンスじゃないか。 思い直し、意を決して澪の手を握る。 「り、律?」 「ヤダ?」 「イヤ…じゃないよ」 「へへ」 手を握ったまま、澪の家に向かう。 こうやって澪の家に寄って、それぞれお互いにしたい事をする。 幼なじみから関係が変わった今でも変わらない。 変わった事と言えば、二人の距離が遠くなってしまった事。 机に向かって何やらしている澪とベッドに腰掛け雑誌を読み漁る私。 何だか気恥ずかしくてお互い近付けない。 でも、いい加減その距離がもどかしくなり、極力いつもを装って距離を埋めようとする。 「みーお!こっちこいよ...
  • SS96
    投稿日:2010/07/11(日) 19 35 17 紬と二人で遊びに行って以来、律と紬の距離は一層近くなっていた。 夏休みもそろそろ終わりに近付いた頃、律は澪に電話を掛けようと携帯を 手に取った。 澪の電話番号は指が勝手に押してくれる。アドレス帳に登録してあるので それでかければいいのだが、小学生の頃からの癖だろうか、律は何故か 澪に電話を掛けるときは必ずボタンプッシュだった。だから澪の電話番号を 覚えているのなんて当たり前だった。 携帯をぱかり、と開け数字を押していく。 と、突然その携帯が震えて律はうわっと大袈裟に驚いて、携帯を落としそうになった。 それを寸前で受け止め、ディスプレイを見ると『ムギ』とあった。 「ったく、驚かせるなよなー」 律は呟きつつ、電話に出た。 「ムギー?どしたの?」 『あ、りっちゃん。良かった、家...
  • SS93
    投稿日:2010/06/20(日) 17 30 55  誰もいなくなった廊下を歩く。  三年生の教室が並ぶ廊下はひどく静かで、本当に卒業しちゃうんだなぁ、という実感が今更ながらに湧いてくる。 「……結局、律先輩と話せなかった」  ぽつりと呟いて教室の扉を開けた。律先輩のクラス。  確か席は……教卓の真ん前だっったっけ。  私は先輩の席に歩み寄ると、そっと机の上に指を走らせた。 「…………」  冷たい木の感触。律先輩の感触とは似ても似つかない。  そんなことを思うと、自然と目頭が熱くなってくる。  今日、この日をもって、律先輩はこの高校を去ってしまう。私を置いて。  その事実が胸に突き刺さって、思わずしゃがみこんでしまいそうになった。 「……先輩」 「なんだよ」 「ひっ!?」  突然背後から声がして、私は体を震わせて振り返る。  見ると教室の入り...
  • SS91
    投稿日:2010/06/11(金) 22 25 36 すっかり町中が秋から冬への衣替えを済ませた高校三年の十二月初め。 いつものように音楽準備室での勉強、そして息抜きのセッションを終えた私たちはこれまたいつものように帰り仕度を進めていた。 ただ、私だけはいつもと違うことを考えていた。 ここ最近、私の胸にはこれまで存在したことのなかったモヤモヤした何かが渦巻いていて、この日はその何かと決別すると心に決めていたのだ。 みんなが準備し終わるのを確かめると、私は普段どおりの自分を演じながら口を開いた。 「ごめん、私ちょっと用事残ってんだ。先帰ってていいよ」 嘘も方便。いや、嘘ではないな。私の気持ちを整理するという、大事な用事なんだから。 ちらりと一瞥する、元気よく手を振る、優しい笑顔を向ける、礼儀正しく一礼する。 四者四様の別れ方をするみんなを見送...
  • SS98
    投稿日:2010/07/27(火) 08 42 41 外のあまりの暑さに負け、エアコンをつけている私の部屋。 そこに、我が物顔で寛ぐヤツが一人。 ソイツは突然押しかけてきて、何を言うでもなくうちわ片手に床に寝転んだ。 まるで、自分の部屋かのように。 「み~お~」 「なに」 こうなることなど予想がついたはずなのに、招き入れてしまった私も私だ。 そう思って、次から次へと浮かんでくる小言は飲み込んだ。 「アイス食べたい」 怒るな、私。そうだよ、コイツは元からこういうヤツだったじゃあないか。何を今さら。 「冷凍庫に入ってるよ」 そして、コイツのためにしっかりとアイスを常備してあるのだ、我が家は。 どれだけ染まってるんだ、まったく。 「もってきて」 「自分で行け」 さすがにそこまでしてやる筋合いはない。……仮にも...
  • SS94
    投稿日:2010/06/27(日) 13 21 36 いつも一緒に居た。 隣に居ることが当たり前だった。すぐに何処かへ行ってしまうけど、必ず私の元へと 戻ってくると思っていた。 人見知りが激しくて、恥かしがり屋な私に声をかけ、受け入れ支えてくれた。 色々なことも教えてくれた。そして、音楽のことも。 ずっと一緒。 そう思ってたのに。 「りっちゃーん!」 「おう唯ー!なんだなんだー!?」 「見て見てこれー!」 相変わらず朝っぱらからテンションの高い唯、そして律。 私は教室の隅、窓に映る律の笑顔を見てまた泣きそうになった。 昨日律から届いた一通のメール。 『ごめん、これからしばらく距離をおこう』 冗談だとは思えなかった。いつもは多用する顔文字、絵文字が一つも使われていなかったし、 何より律が冗談でそんなことを言うなん...
  • SS97
    投稿日:2010/07/21(水) 21 14 41 「律ー?」 部屋に入ってみると思ったより片付いていて、律が私を泊める気満々なんだなと直感した。 私から突然訪れると大抵部屋は乱雑なのに、律から「ウチで遊ばない?」と電話が かかってこれば、こうしてこの部屋は片付いている。だから「ウチで遊ばない?」は 「ウチに泊まらない?」というお誘いの電話に近い。その為、小さなお泊りセットは常備している。すぐそこの家にとりに帰るのが面倒くさい、というのは単なる口実で、そんなわずかな時間でさえ律と離れたくなくなるのをわかっているから。 「お、澪ー」 部屋の主はだらしなくベッドに寝転がり漫画本から目を離さず手をひらひらと振った。 私は小さく溜息をつくと、荷物を置いて律の寝転ぶベッドの脇に座り込んだ。 「あ、澪、悪い、下に行って冷蔵庫からお茶と、あと適当に何か持って...
  • SS95
    投稿日:2010/06/29(火) 02 49 48 二人きりの時でも、基本的にお互い勝手に過ごしている。 私の部屋と律の部屋が、私にとって気を使わなくていい空間。それは律にとっても同じらしい。 まるで自分の部屋のベッドに寝転がるかのように、私のベッドに寝転がりながら雑誌を読んでいる。 そういうわけだから、それこそお互いが一人の時と同じ過ごし方をする。 けど、やっぱり一人の時とは違うこともあるわけで。 例えば。 「み~お~」 こうやって私を呼ぶ律の声がする、とか。 「んー?」 そして私が返事をしたり、とか。 「暇」 「そう」 目の前の雑誌を読みなさい。私は作詞をしていて忙しい。 嘘。律を観察しているので忙しい。 あぁ、これも一人の時とは違うこと、だな。 ……なんだ、違うことだらけじゃないか。 いやいや、これ...
  • SS92
    投稿日:2010/06/20(日) 15 51 58 流れる季節の真ん中で、ふと日の早さを感じます 3月9日・・・私にしたらお涙頂戴の陳腐な曲に聞こえたけど 今だけは、その曲に感情を入れざるを得ない 卒業式、といっても私のではない。先輩・・・つまり3年生の卒業式。 2年生にしたらそんなに感情移入するようなイベントじゃないはずなんだけど、 私にとっては・・・あの人との、しばしの別れ。 「ほら秋山、後輩が来てるよ!」 「ん?ああ・・・田井中。」 同級生や後輩に囲まれ、ちやほやされる澪先輩を 私は最初、遠くから見てるだけだった 自分を見てくれるかが、自分に気づいてくれるかが怖かったから 澪先輩が私に気づいてくれたのは、ほかの同級生に声をかけられてから・・・ まあいいけどさ。 「先輩、ボタンくだせえ。」 「はあ?早速なんだよそれは。」 ...
  • SS99
    投稿日:2010/07/27(火) 14 20 38 「りっちゃんってさ、弱み見せないよね」 それは何気ない唯の言葉が始まりだった。 部室に集まっていた律を除く全員が「ああ」と同意した。澪は小さな声で 「そうだな」と答える。遠い記憶を手繰り寄せてみても確かにあのに律が弱みを見せたことは殆ど無い。でもそんな律の弱みを知っているのが自分だけだと いうことに気付いて澪は少しだけ嬉しくなった。 「律先輩、怖いもの知らずって感じですもんね」 「澪ちゃんみたいに怖い話とか痛い話も平気だよねー」 「りっちゃんの弱いものってなんなのかしら?」 そんな会話が続いた後。突然唯は立ち上がった。 「よし、今から『りっちゃん隊員弱点探し』を決行しますっ!」 はあ!? 澪が呆れて練習を放り出して今にも出て行きそうな唯を止めようと紬と梓に 目配せした。しか...
  • SS90
    投稿日:2010/05/31(月) 06 10 50 いつも通りの朝、いつも通りの登校。 うーん。なんか面白い事、起こんないかなあ。 っと、前方に澪発見!……あ、いいこと思いついた。 「おっはよー!」 「うわっ律!……おはよ」 少し前を歩いていた澪に突撃。 肩に腕を回し、澪の耳元に口を近づける。 そして、精一杯の低い声で囁いてやる。 「今日のパンツは何色だい?」 「……はぁ!?」 おーおー、真っ赤真っ赤。へへ、やっぱ澪は面白い。 軽くからかっただけで、すげー良い反応してくれんだもん。 余は満足じゃあ。……なーんてな。 そんな事を考えながら、澪から離れようとすると、澪が腕を掴んできた。 「……の、色」 「え?」 小さい声でなにか言ってるけど、よく聞こえない。 すると、腕を引き寄せられて、今度は私が耳元で囁かれた。...
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  • 澪×律 別荘地 12
    ... 題 1行目 SS96 紬と二人で遊びに行って以来、律と紬の距離は一層近くなっていた。 短編120 「律、特訓しよう!」 SS97 「律ー?」 短編121 私は冷房の温度をちょっと低めに設定するのが好きだ SS98 外のあまりの暑さに負け、エアコンをつけている私の部屋。 SS99 「りっちゃんってさ、弱み見せないよね」 SS100 私は律に依存しているのかもしれない。 短編122 夢の世界から現実へと引き戻す鐘の音が喧しく鳴り響き、目を覚ます。 Good smell 「だーれかいるかー?」 SS101 いつから友達じゃなくなってしまったのだろう。 トップページ
  • 澪×律 別荘地 10
    ...募っていった想い。 SS90 いつも通りの朝、いつも通りの登校。 短編100 -みお!どっか出かけようぜ-! 短編101 「律、そろそろ寝るぞー」 短編102 本日休み、昨日は金曜日。約束特になし、いつもの自室と・・・ 短編103 少し風が強くて、窓のきしむ音が気になって・・・そんなこんなで眠れない夜 卒業 「いよいよ卒業だな」 短編104 「なぁ。私と組むのは、嫌なのか?」 短編105 澪を慕う人はたくさんいる。ファンクラブもできたり、 夜のりったんみおたん 澪が来るのを待つ夜は、どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう。 SS91 すっかり町中が秋から冬への衣替えを済ませた高校三年の十二月初め。 短編106 道を歩くと聞こえてくる ため息と称賛 短編107 澪はかわいい SS92 流れる季節の真ん中で、ふと日の早さを感じます SS93 誰もいなくなった廊下を歩く。 トップページ
  • 澪×律 別荘地 11
    ...ものを取り出した。 SS94 いつも一緒に居た。 短編113 あつい、あつい、あつい。 短編114 インターホンがなった。続いて玄関の開く音と共に聴きなれた少し低い声。 SS95 二人きりの時でも、基本的にお互い勝手に過ごしている。 短編115 中学を卒業して、高校に入ったらあいつとは離れ離れになる。 もっと もう、一ヶ月は前になるのかな。 短編116 今日は7月2日ムギの誕生日パーティーの片付けを終わらせた私たちは縁側に座って星を見ていた 短編117 律と二人。花火を見てる。 短編118 「あーあ、なんで赤くないんだろ」 短編119 ふぁーあ。あくびをひとつ。……眠い。 トップページ
  • 澪×律 4
    ... 題 1行目 SS9 私は今世界中の誰よりも幸福なんじゃないかと思う。 SS10 はぁ、澪は何時まで写真撮ってるつもりなんだろ SS11 冬の日 どんなに寒くても 私は幸せ 短編21 君は本当に無防備だよね。私を揺さぶるのが好きなのかな 短編22 私が君を好きになったのは必然だったのかもしれない。 短編23 「澪、あっちのバンドでも頑張れよ!」 SS12 「おっじゃまっしまーす」 短編24 律は明るくて、気さくで、誰とでもすぐ仲良くなれるから人が寄ってくる。 SS29 「うーっ、さみーなー!」 短編25 気が付くと見慣れない部屋にいた。 短編26 放課後、律の家に半ば強引に連れてこられた SS30 しとしとと窓の外で雨音が響いている。 短編27 「~で、~~とかさ~・・」 短編28 毎日一緒に学校に行って、部活も一緒で、帰りも一緒。 短編29 「コタツってあったかいのね」 短...
  • 澪×律 別荘地 12 まとめ2
    ...…! ◆ 「律ー?」SS97   491 :軽音部員♪  2010/07/21(水) 21 18 10 「そろそろ帰ろっかなあ」SS97   526 :軽音部員♪  2010/07/22(木) 12 48 51 ロミジュリ! りっちゃんがセリフを忘れる ↓ 律(そういえばこれってラブストーリーだったっけ?) ↓ 思い出すまでマジ告白で乗り切ろうとする ↓ 澪も赤面しながらも、がんばって合わせるが無理 ↓ ムギのカンペによってロミジュリの原作とは違いハッピーエンド ↓ (^ω^)どうしてこうなった!? ってなるんだろ? わかってるよ京アニ様   528 :軽音部員♪  2010/07/22(木) 13 36 41 526 ネタバレしやがって! 律「みおー、今日何食べたい?」 澪「暑くて食欲無いな…何も思いつかない…」 律「私もそうだから聞いたのに…何でもいいからさー」 ...
  • 澪×律 別荘地 12 まとめ1
    ...一層近くなっていた。SS96   22 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 19 50 13 ◆ 待ち合わせ場所の駅に行くともう既に紬は白い清楚なワンピースを着て待っていた。SS96   23 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 20 09 28 公園での遊びに飽きてきたのはもう昼時だった。SS96   25 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 20 25 40 澪はドアを開けたままの態勢で何秒間かくらい動きを停止させた。SS96   26 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 20 45 35 「ムギ、ちょい待って」SS96   27 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 21 01 28 「澪!」SS96   36 :軽音部員♪  2010/07/11(日) 22 15 23   42 :軽音部員♪  2010/0...
  • 澪×律 別荘地 10 まとめ2
    ...校三年の十二月初め。SS91   578 :軽音部員♪  2010/06/11(金) 22 29 06 「わかったよ。それじゃ少し待ってて」SS91   584 :軽音部員♪  2010/06/12(土) 03 05 36 よく考えると…いやよく考えなくても他人と同じアイス食べるって結構ハードル高いよな 俺は家族以外はだめだわ   588 :軽音部員♪  2010/06/12(土) 03 34 39 同性でも異性でも飲み回し食べ回ししてる自分は損だな りっちゃんは飲み回しとか気にしないけど澪ちゃんは気にする でもりっちゃんのは気にしないとか   594 :軽音部員♪  2010/06/12(土) 13 37 48 澪は変なとこで天然分発揮するし律は妙なとこで乙女モードになるから 今までは気にならなかったのに!って出来なくなる律と 急にやらなくなったからちょっと寂しいと...
  • 澪×律 4 まとめ1
    ...んじゃないかと思う。SS9   9 :名無しさん@お腹いっぱい。  2009/11/28(土) 21 46 36 手握るぐらいならいいかな?SS9   10 :名無しさん@お腹いっぱい。  2009/11/28(土) 21 47 45 以上です。 多少矛盾してるけど、気にしないで お目汚しすまん   16 :名無しさん@お腹いっぱい。  2009/11/29(日) 00 10 40 今まで会話文しか書かなかったけどってか書けないだけだけど 10みてうっひょーってなったテンションで妄想してた会話文を改良してみた 以下2レスほど   17 :名無しさん@お腹いっぱい。  2009/11/29(日) 00 11 21 はぁ、澪は何時まで写真撮ってるつもりなんだろSS10   18 :名無しさん@お腹いっぱい。  2009/11/29(日) 00 12 16 「いやだ...
  • 澪×律 別荘地 11 まとめ1
    ... いつも一緒に居た。SS94   301 :軽音部員♪  2010/06/27(日) 13 24 55 階段を下りて校舎の外へ。息を切らして辺りを見回すと、見慣れた後姿は何処にも無い。SS94   306 :軽音部員♪  2010/06/27(日) 14 13 35    307 :軽音部員♪  2010/06/27(日) 14 43 21 306 梓「澪先輩・・・う、後ろ・・・」 澪「ん?・・・・」 唯「はっ!!」 律「こ、これはその・・・」 澪「ふふふふ律、すまなかった。私の教育の不届きがいけなかったんだよなそうだよな」 律「あっだめ・・・やぁっ、ゆ、ゆるしてぇ・・・んんっ」 唯「ういぃ・・・激しいよう・・・」 憂「お姉ちゃん!ちょっとの我慢だから!」 梓「暑いですね・・・」 ムギ「暑いわね・・・」   327 :軽音部員♪  2010/06/27(日) 1...
  • Two of us9
    「律……?」  嘘だ。 「律っ!」  嘘だろ。  部屋には誰もいなかった。  静かなで痛々しい沈黙を貫いていて、私の荒々しい動悸の声が漏れてるだけ。  なんで。  なんで律がいないんだよ。  私はベッドの上を見た。  携帯電話だけが、ポツリと置いてあった。  なんで。  私はゆっくりベッドに近付いて、携帯を手に取った。 『早く帰ってこいよ。待ってるかr』  打ちこんでる途中。  どういうこと?  何かあったの?  打ちこんでる途中に、『打ちこめなくなる』状況になった? 「……嘘」  嘘、だよね。  そんなの、私、認めない。  嘘でしょ、律。  ねえ。  返事しろよ。  決壊した。  泣くの、別に堪えてたわけじ...
  • SS18
    注1 本SSは律澪分、唯梓分が均等に振り分けられて(るはず)ますので 澪×律スレ、唯×梓スレの両方に投下させて頂きます 注2 本SSは某「唯が梓に嫉妬するSS」を参考に作成されています 注3 本SSは既に律澪と唯梓はカップルになってる事を前提で話を進めさせて頂きます また、あからさまなキャラ崩壊が見受けられる可能性がありますのでご注意下さい 唯律澪紬「ワイワイガヤガヤ」 ガラガラ 梓「こんにちは、遅くなってすみません」 唯「あっ!あずにゃん!遅いよ~早く早く~♪」 梓「はい…でもその前に」 唯「?あずにゃんその手に持ってるのなぁに?」 梓「あぁこれは…ラブレターです」 唯「…え」 律「おっ、梓も隅に置けないねぇ~このぉ~」 澪「こら律、あまりからかうn」 ドンッ! ...
  • 澪×律 別荘地 10 まとめ1
    ...、いつも通りの登校。SS90   17 :軽音部員♪  2010/05/31(月) 06 12 24 どっと、疲れた。今日一日の授業は、何一つ覚えていない。SS90 なんていうか、ごめんな〜   20 :軽音部員♪  2010/05/31(月) 08 17 14 ーみお!どっか出かけようぜー!短編100 おわる!学校頑張るね!   32 :軽音部員♪  2010/05/31(月) 17 10 51 澪スレで耳掻きという単語を見て思ったが この2人はお互いにやってもらった事絶対にあるだろうな   33 :軽音部員♪  2010/05/31(月) 17 33 35 律「みおー、耳掻きー」 澪「そこの棚に入ってたと思うぞ」 律「ちーがーうー」コロコロ ぴとっ 澪「なんだー。甘えん坊め」 律「いーの!」 澪「うん……よし、どうだ」カリカリ 律「すっきりした!あんがとー」 澪「...
  • SS55
    投稿日:2010/01/25(月) 19 36 12 「ほーら、いくぞ!」 「ちょ、律!・・まてってば」 澪の手を引いて、走り出す。 一歩踏み出すのが、人よりも遅い澪。 踏み出してしまえば、誰よりも上手くやってのけるのにさ。 だから私は、その一歩を助けてやるんだ。 いっつも、そうしてきた。 これからも、そうするつもり。 だけどさ、もしかしたらもう。 澪は私の助けを、必要としていないかもしれない。 もし澪に、もう必要ないよっていわれたら。 わたしは、どうしたらいいんだろう。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 澪を助けることで、澪の支えになると思っていたのにな。 いつの間にか、それは私の支えになっていたんだ。 「うわっ、ちょ・・いったぁ・・こら、律!急に立ち止まるなよな!」 立ち止まった私の背中に顔を打ち付けたら...
  • Two of us
    第一話 Two of us1|Two of us2|Two of us3 第二話 Two of us4|Two of us5|Two of us6 第三話 Two of us7|Two of us8|Two of us9|Two of us10 すげえドキドキした!! -- 名無しさん (2011-12-10 07 03 23) 読みおわって、ため息がもれた。これは間違いなく傑作。 -- 名無しさん (2011-12-20 23 01 19) ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。これすげえ。 -- 名無しさん (2012-08-12 18 36 02) 名前 ...
  • SS131
    投稿日:2010/11/12(金) 14 25 06 律「………えっ?」 それは、本当に突然のことだった。 唯「びっくりだよねー」 何だよ……それ。 紬「ほんとね。でも、澪ちゃんだものね」 何をするにも常に一緒で、お互いのことは何でも知っている。 ……つもりだった。 さわ子「彼氏ができるのも頷けるわね」 私ハ、ソレヲ知ラナカッタ……。 律「なん、だよ……それ」 唯「あれ? りっちゃん知らなかったの? てっきり知ってるかと…」 さわ子「結構学校でも有名よ? 澪ちゃんに彼氏ができたって話」 梓「………」 紬「路地裏あたりで2人でいるのを見たって人がいたのよ」 唯「路地裏って、何だかえっちぃね!」 梓「その発想はなかったです」 澪に…彼氏? ははは、何を、バカなことを……。...
  • SS213
    澪「律!律!こ、ここなんてどうだ!?モンサンミッシェル!海に浮かぶ巡礼地だって!」 律「うーん、フランスかぁ、卒業旅行はハワイだったしヨーロッパもいいよな~」 澪「あとあと空中都市マチュピチュとか!」 律「う、浮かんでるモノ好きだな・・っていうか昨日プロポーズして、早速新婚旅行の計画とか。澪ちゃん浮かれてますねぇ」 今一応大学の講義中なのだが、澪は旅行パンフレットを広げて真剣な顔で計画を練っている。 まあ暴走してる澪もかわいいからいいんだけど。 唯「澪ちゃん達旅行の計画してるの?いいなぁ私も行きたいなあ~」 律「うお!唯!いや、えっとこの旅行は二人っきりじゃなきゃダメっていうかなんて言うか・・・」 紬「そうよ!唯ちゃん!邪魔しちゃ悪いわ! ・・・それで、プロポーズはどっちからしたの?」キラキラ 律「む、ムギまで!えっとその...
  • SS5
    雨の強い日だった。 雨は私の中にある不安を掻き立てる。 降り止む事のない雨の音を聞いていたらこの不安から抜け出せない気がする。 こんな時はいつもあいつの声を聞いていた。 あいつに会いに行っていた。 でも、今はもうできない。 お前は今何をしてるんだ? どこにいるんだ? 笑ってるのか? いつも隣にいたあいつはある日私の前から姿を消した。 そうか、あの日もこんな風に雨の強い日だったな。 確か、卒業式の次の日だった。 「卒業式はあんなに晴れてたのに今日はすごい雨だな。雨・・・か、何か歌詞書けそうだ」 机に向かって作詞ノートを開こうとした時、携帯が鳴った。 「公衆電話?・・・もしもし?」 「澪、今話せる?」 「律か?公衆電話ってどうしたんだ?」 「うん、ちょっと・・・」 律の様子がおかしい。 いつもの明るい声じゃない。 「今どこからかけてるんだ?」 「...
  • SS6
    君と私は釣り合わない ある日の体育の時間、 短距離走で学年5位という記録を出した君を見ていて思ったこと 私はというと、平均で言えば速い方ではあった でも、君と比べれば天と地程の差。 その差は一秒もないけど、 陸上で短距離となればそれでも天と地の差だよね いつからか、君に勝るもの、それが私にはなくなっていた気がする 君は多くの女子に囲まれてチヤホヤされて照れていて 私の周りには仲の良い二、三人の女子がいるばかり その女子だって、注目していたのは君だった 「ねえねえりっちゃん、澪ちゃんって運動できる方なんだね!」 できる方なんてもんじゃない。小中学生のころからどちらかといえばできる方だったし 高校に入ってからはまた運動神経良くなったみたいで。昔は私のが運動得意だったのにね 君に欠けてるものなんてない。 恥ずかしがりとか人見知りはあるけど、そんなものだって環境が良け...
  • SS2
    澪視点 私が目を覚ますと、抱きしめていたはずの律が毛布に変わっていた 一瞬自分の五感すべてを疑い、状況を把握できずにいた 律は自分を置いて帰ってしまったのか 眠っている自分に気を使い、起こさないように帰ったのかもしれないが、今そんな気づかいは私には必要無い ただただ、律の温もりが恋しいばかり わずかに律の温もりが残る毛布に顔を埋める。毛布の優しい肌触りと、脳裏に、身体に焼き付いた律の感触が、 私の中にある弱さを刺激した 気付けば、私は泣いていた。下にいる家族に気付かれぬよう、声を押し殺しながら 寂しい…ただただ寂しい……律に触れたい。 そのとき、私の耳に、今何よりも求めている音色が突き刺さった 「みーお」 声を出せないまま、振り向く。私だけしか知らない、悪戯好きの彼女 「ふふふ……予想以上の反応だなあ」 私は言葉もなく、ただ彼女の方に駆け寄り抱きついた...
  • SS4
    ―side澪― …一体なんだと言うんだこの状況は 私のファンクラブらしき人達がいきなりクラスに「今日は秋山さん(先輩)のFC結成1周年を記念して皆でプレゼントしようと思いまして」とか言いながら押し寄せてきて 只今私のクラスはカオス状態… 会員その1「秋山先輩これ受け取って下さい!」 会員その2「キャー!秋山さんやっぱりカッコいい!」 会員その3「秋山さん今年も学園祭決まってましたね!感動しました!」 会員その他「キャーワイワイガヤガヤ」 …いやまぁ皆悪い人達じゃないのはわかってるけど正直こういうのは苦手だし何より…は、恥ずかしい/// それにこんなところを律に見られでもしたらまた調子に乗って… ガラガラ 律「いよーっす!暇を持て余してた神々こと律様とムギ様が愛しの澪ちゅわんのとこに遊びにき………て………」 紬「あらま...
  • SS3
    女子校だからそういうのがあるのは知っていた。 でも、まさか自分がその対象になるとは思ってもみなかった。 幼馴染でずっと姉妹のように過ごしてきたあいつを好きだって事に気付いた。 気付いたのはつい最近。 澪の家で勉強を教えてもらってる時だ。 無意識に耳に髪をかける仕草。 ただそれだけだったのに、自分の中に妙な感情が湧き上がった。 すごく綺麗に見えた。 妙に色っぽく見えた。 澪が愛おしく感じた。 その日からどう接していいのかわからなくなった。 自然と澪を遠ざけるようになってしまった。 澪が何か話し掛けてきても素っ気なくしてしまう。 澪は少し怯えたような表情を浮かべそそくさと立ち去る。 何だよそれ。 何だかむしゃくしゃする。 異様に腹が立つ。 「律!今日は予備校ないから一緒に帰ろう」 部活終わりに澪が言ってきた。 一緒に帰りたいのに帰りたくない。 「...
  • SS7
    「単刀直入に言います、秋山先輩と別れて下さい」 「………え?」 ある日の放課後、私の下駄箱に一枚の封筒があった 内容はこうだった (今日の放課後、体育館裏に一人できて下さい。大事なお話があります) ムフフ♪私へのラブレターかぁ~♪いや~でもそれには応えられないんだなこれが だって私は今澪と付き合ってるからそれはできないんだよねぇ~ いやぁ~それにしてもモテる女ってのは困るもんだぁ …なんて考えが甘かった 呼び出されて来てみると一人の少女が 多分1年生なのだろうか、見ると容姿は澪の背丈はほぼ一緒でなかなか可愛い子だった。まぁ私の澪ほどじゃないが たがその子の目付きは澪以上に鋭い上にやたら私を睨んでた。 …なんか私悪い事したっけ? 「…軽音楽部の田井中先輩ですか?」 「うん、そうだけど…」 「質問があります。秋山先輩とお付き合い...
  • SS1
    律「まあ私が一号で澪が二号なのは明らかだな」 澪「なっ、なんで」 律「だって澪どん臭いじゃん。妖怪『コードに足引っ掛けパンモロ女』だし」 澪「うおおいっ!なんだよその汎用性なさすぎな妖怪は!」 律「まあそんなだから、少なくとも技ってガラじゃないね」 澪「どん臭い=力の二号ってのもおかしいだろ…」 律「いやほら背高いし手デカいじゃん。そしてそのデカい手でしょっちゅう殴られる可哀想なアタクシ」 ごちんっ 律「あづーっ!」 澪「お前がそうやって挑発するからだろ!」 律「でも澪しゃ~ん、   自分と同年齢のオナゴをネックハンギングツリーで浮かせられる女子高生なんて結構な逸材だと思いますよ?」 澪「お前がちっちゃすぎるだけだろ。大体どこに適所があるんだよ、その逸材は…」 律「そんなの自分で探せよ。全く、これじゃか弱いりっちゃんはデカ女に押し倒されても貞操を守れませんわ」 ...
  • SS8
    律「澪、ゲーセン行こうぜ!」 澪「―こんな寒いのに行くのか…?」 律が声をかけてきた。こんな季節に、よくそんな元気でいられるな。 ああ、早く家に帰ってこたつへ潜り込もうと思っていたのに… 律「いいじゃんどうせ暇なんだろ~?」 律は不満そうな顔を近づけてくる。 微妙に背伸びしているのが可愛い。 澪「…仕方ないな」 何だかんだで私は律に甘い。 気がつくと、いつものゲームセンターに入っていた。 この騒がしさが、微妙にテンションを上げる。 律「さあって、何やろっかな~」 澪「転ぶなよ…」 嬉しそうにクレーンゲームのコーナーに駆けて行く律。 私も急いで追いかける。 律「あ!!」 澪「な、何?」 律「見ろよコレ!私たちのぬいぐるみだ!」 そこには確かに、小さくなった私たちが居た。 いや、冷静になってつっこむと…...
  • SS22
    ふっふっふ! 昨日!私はすばらしーい物を手にいれた! 冬の必需品! そして。 「律、来たぞー」 「ちょっちまって!あ、寒いだろ、あがっとけー」 澪は何時もしてるマフラーをしていない。 つけてくんなーって前もって言っておいたからな。 そのまま外で待たせるのは流石に悪いから私んちに来て貰った。 「じゃじゃーん!これをみろ!」 「・・・マフラー?」 「そ。しかも二人用なんだぞ!」 「確かに、ちょっと長めだな」 もうちょっと良い反応がくると思ったのに。案外あっさりしてるのね、澪ちゅわん。 「・・・まさか私にマフラー巻いてくるなっていったのって」 「そのとおり!これを、二人で巻きたいと思います!」 あら、真っ赤な林檎の出来上がり。なんだ分かってなかったのか、にぶちんだなー、もう。 「そ、それ、つけて、学校いくの?」 「も...
  • SS51
    投稿日:2010/01/17(日) 10 14 42 律視点 ふぃー・・さっぶぃ。 あーあ、雨降ってら。 晴れて欲しかったのに、なぁ。 今日は、とっても特別な日。 そりゃあもう、クリスマスや正月やバレンタインなんて目じゃないくらい。 …そして私の誕生日よりも。 あ、私の誕生日と同じくらいにしとこ、怒られそうだから。 『律の誕生日のほうが、もっと特別だ!』って必死に言う姿が浮かんで、思わずニヤける。 …おっと、急がないと。 1月15日、それは。 言わずと知れた、澪の誕生日。 そんで私は、プレゼントだけ持って澪んちに行くトコ。 勿論そのまま泊まるんだけど、着替えは一切持たない。 澪の服はちょっと大きいんだけどな。 でも、澪の匂いがするんだ。したら、借りた方が良いに決まってるじゃん? 誰に問うでもなくそう思って、一人頷く。・・変人だな...
  • SS23
    「……こんなところにいたのか律」 「お、澪。どしたの」 「それはこっちのセリフだ。わざわざ屋上まで来てなにしてるの」 「ん? いやー、別になにってわけじゃないんだけど」  言いながら、あたしはちょいちょいと空を指差した。 「いい天気だなーって」 「……どう見てもめちゃくちゃ曇ってるぞ」  苦笑する澪。まあ、当たり前だろう。  澪の言う通り、あたしたちの頭上に広がる空はどんよりと暗く、  今にも雪を落としてきそうな分厚い雲が広がっているのだから。 「寒いだろ。ぼーっとするなら部室にしなよ」 「んー……まあ、もうちょっとしたら戻るよ」 「…………」  澪は何か言いたげな顔をしていたけれど、やがて諦めたようにため息をついて、 「まったく」  そんな悪態をつきながら隣にやってきた。 「澪は戻りなよ。寒いだろ」 「律の方が寒そう。コートもマフラーもしない...
  • SS84
    投稿日:2010/05/21(金) 03 31 23 ―――ここ数日、律の“付き合い”が悪い。 部活終わりの買い食いもしなくなったし、唯や私が誘っても 「悪い、今ダイエット中なんだ」 「今日はちょっと、弟と用事があるんだよね」 とかのらりくらりとかわして帰ってしまう。 挙げ句に、私がおごると言っても断られてしまった。 三度の飯より空腹が嫌いなあの律には有り得ないことだ。 結局、律を除いた四人でクレープを食べたり、“りっちゃんがいないなら止めとこう”という唯の言葉で学校から直帰、なんて事が続いている。 一体どうしちゃったんだよ、律。みんな心配してるんだぞ? ほんのちょっぴり退屈な日々を過ごし、やってきた土曜日。 そろそろ傷んできたベースの弦とピックの買い出しに楽器店へと出掛けた私は、その道中、見慣れた背中を見付けてしまった。 (律……!)...
  • SS10
    はぁ、澪は何時まで写真撮ってるつもりなんだろ 声かけても「んー」とか「あぁ」とか全然かまってくれない あーあ、つまんないなぁ 「りーつっ」 そんな風に考えてたら、私をほったらかしにしてる張本人が声をかけてきた かまってくれなくて結構いじけている私は、むすくれた顔で振り返る その瞬間、パシャリというシャッター音 え? 「ふふっ」 ポカンとした私の目の前にはいたずらっぽく笑う澪 …やられた 「不意打ちは卑怯だぞ!」 「このカメラ、デジカメじゃないからなぁ」 抗議してみるも、暗に消せないということをいって尚も笑う澪 しかも、この写真どうしよっかなぁ~とかいってるし! …ふふん。でもな、この程度で慌てる私ではないのだよ! 「これを見ろ!」 「・・封筒?」 驚くなかれ!この封筒には3日前...
  • SS43
    投稿日:2010/01/01(金) 02 37 56 「澪ーみかんとって」 「お前の方が近いだろ、ったく」 なーんて言いつつも、ちゃんと渡してくれるあたりが、澪らしい。 受け取ったみかんを剥いて。ひとつ、口に放り込む。 …すっげー甘くて、美味しい。 「澪、このみかんすっげー甘いぞ」 「そう?・・よかったな」 甘そうなの選んで渡してくれたんだと思ってみる。 …自惚れかな。 「ほんとに甘いぞ、ひとつ食う?」 「うん、もらう」 澪がこっちを向いてきたので、その口にみかんを放り込む。 「どーだ?」 「ん。・・あ、ほんとに甘い」 「だろー!さっすが私!」 「選んだのは、私だぞ」 まったくもって、そのとおり。 …だけど。 「澪が私のためにって選んでくれたやつが甘かったんだから、私が凄いんだぞ!」 「んなっ!・...
  • SS77
    投稿日:2010/04/19(月) 00 20 58 「おいーっす!」 音楽室のドアを開け、みんなに声をかける。 「りっちゃんおいーす!」 「もう、律先輩遅いですよ」 唯が元気な声が響き、梓からはいきなり手厳しい言葉。 ムギはニコニコしながら「今日はフィナンシェよ」なんて言ってる。 いつもの風景、いつもの日常。 多分、変わったのは私だけ。 普段の部活風景だというのに、私の心はまったく落ち着かない。 「わりーわりー、ちょっと先生に呼び止められちゃってさ~」 これだって嘘だ。先生と話してたのは事実だけど、5分程度で用事をすましすぐに解放された。 「どうせ律のことだから、こないだ掃除さぼったのがバレたとかそんなとこだろ?」 澪が開口一番呆れたように言う。 「それは前に怒られたから問題ないぜ!」 「問題大ありだ!」 いつものやりとり。普段どおりの関係。 こん...
  • SS30
     しとしとと窓の外で雨音が響いている。  深夜、暗い部屋の中。  眠気でぼやけた思考の中で、ああ明日も雨かなぁ、なんて  そんなことを思っていると、ぽたりと指先に雫の落ちる感触がした。 「……ん」  ベッドの中でそっと目を開ける。  暗闇に慣れない視界の中、けれどすぐそばにあるその顔ははっきりと見えた。 「り、律……?」  指先を濡らしたその雫の正体に気が付いた私は、ぎょっと目を見開く。  隣ですやすやと寝息を立てていた少女。  その瞳から、ぽろぽろと涙が溢れている。 「え、な、どうして」  滅多に、それこそ小学生のとき以来見た記憶のない律の涙。  ただただ戸惑うことしか出来ない私は、ワケも分からず指先でその涙を拭う。  どうしよう。どうしよう。  こういう時は起こすべきなのか、それともそっとしておくべきなのか。  ぐるぐると回る思考の中で、結局私は、...
  • SS52
    投稿日:2010/01/17(日) 16 31 01 今日の練習 唯は法事で学校休み、梓はインフルにかかって早退、ムギは用があるって言ってたな。部活にはこない。 という事は 「…律と2人か」 自然と口からこぼれた言葉を聞いて、何となく感じるイヤな予感。 別に律が嫌いって訳じゃない。むしろ… いや何でもない、 とにかくイヤな予感がした。 おそるおそるドアノブに触れる左手が部室に入るのを躊躇させる。 「…ただの予感だしな」 ドアノブを捻り、部室に入る。 そこには、隅に体育座りをして泣いてる律がいた。 ちょっと近づいて声をかける。 「…律?」 「うわぁっ!!」 「ヒィッ!?」 …沈黙。 部室の空気が凍りつく。 「…どうしたんd」 「ぃゃあ、何でもないよ...
  • SS68
    投稿日:2010/03/10(水) 03 13 20 あら皆さん、こんばんわ。こんな時間までお仕事ですか? そうだわ。いい機会だし、ここで一つ澪ちゃんとりっちゃんのずっこけ話を紹介しますわ。 これはね、とある休日の話 りっちゃんは澪ちゃんに借りたCDを返しに行ったの 「おじゃましまーす」 かなり長いこと付き合ってる二人だから、 もうアポを取るため電話を入れたり、チャイムを押しもせず家に出入りしているの。 結構なことだけどセキュリティ面では問題ありね・・・我が家は執事がしっかりしてるからいいけど あらごめんなさい、話の続きをするわね それで、りっちゃんたら澪ちゃんに対してのイタズラ心が尋常じゃないから、 こっそり澪ちゃんの部屋に向かって、一気に入って驚かそうとしたの。 その心が、ある意味裏目にでた瞬間ね。 (よおし、ばれてないよな・・・...
  • SS88
    投稿日:2010/05/30(日) 23 53 10 澪が入院した。 たしかに昨日、なんだか熱っぽいとか話してて、だから代わりにベースを持って帰ったんだ。 でも、そのやり取りの後で急に入院するなんて話になるとは思いもしない。 澪の携帯に電話したら澪のお母さんが出て、「りっちゃんには言っておこうと思って」 と言って、概ねの説明をしてくれたのだ。 大事じゃないから、と言ってはいたが私からしたら澪が入院という事実だけで 冷静を保てなくなる理由には十分だった。 とにかく澪の声が聞きたい。 澪が苦しんでるなら傍にいたい。 でも現実はそんなに上手くはいかなくて、いくら幼なじみで親友で恋人でも、 学生で、まだ子どもの私には澪の助けになるすべがない。 今すぐ私が駆け付けたって、きっと周りの迷惑になるだけなんだろう。 夜中になっても眠れず、ふと軽音部のことを思い出した。 ...
  • SS58
    投稿日:2010/01/25(月) 22 14 47 私の気持ちは 間違っている きっとそうだ いつも助けている気持ちでいたけど、本当は助けられていた 彼女を救うことで、私も救われていた。結局自分のことしか考えていないんだ 私しか助けてやれない、それは大きな勘違いだった 唯やムギでも、彼女を救ってやることはできる  自分が彼女の特別なんだってずっと思い込んでいた きっと違う、それは正解じゃない 私はただ、彼女と一緒にいたかっただけ そんな想いが爆発して、周りを見ることができなくなった 極端なまでに視野が狭くなって、彼女以外のものが目に入らなくなった 気がつけば、みんながいる部室で 彼女の唇を無理矢理奪っていた 終わりかな、これで・・・全部終わりだ もう彼女は私を見てはくれないだろう・・・・・・私を見たく無くなるだろう 終わりだね。 ど...
  • SS21
    この世で一番美味しいもの・・・それは、何かな 「38度もある・・・」 季節の変わり目はよく風邪を引く。まだ暖かいかなと思って薄着で寝て うっかり風邪を引いた。そういう単純な話 ずっと天井を眺めていると、思い浮かぶのはやっぱり律の顔。 食欲もわかず、トイレに行く以外のことでは布団から出る気もしない 恋の病かと間違えそうなほど、ただただ無気力で。時間が過ぎるのもゆっくりな気がする そんなことを思っていると、高くチャイムが鳴り響く 「澪ー、りっちゃんが来てくれたわよー!」 ああ、やっぱり来てくれた。 「はーいっ」 さっきまでの無気力が一気に吹き飛ぶ。なんだ、やっぱり恋の病か? 階段を元気に駆け上がってくる足音、その足音が部屋の前に来たと思うと、急に鳴り止む そして数秒して、わざとらしく静かにドアを開け、私の求めていたものがひょこっと顔を出す 「澪ー?起きて...
  • SS32
    律視点 朝、澪と待ち合わせ。 珍しく私の方が早く着いたので、澪を待つ。 少ししたら澪がきた。何時もこんくらいに、ここに居るのかな。 「おーっす」 「あれ、律の方が早い。おはよ」 「なんだよー、私が早いとダメなのか?」 「いや、珍しいから」 自分でもそう思ってたけど、他人に言われるとなーんか釈然としない。 何て思いながら澪を睨むように見る。・・あれ? 「澪、今日は髪結んでるのな」 「うん。たまには、いいかなって」 今の髪型はいわゆるポニーテールってやつ。 澪は外に居るとき、あまりこういうを髪型しない。家ではしてるけど。 「・・変、かな?」 ちょっと俯きながら聞いてくる。 そんなふうに聞かれて、『変だ』というやつを見てみたいよ、ほんと。 …そういや、この髪型が似合ってるといったことは、なかったかもしれない。 聞かれたこ...
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