No001 ピカチュウ
ピリピリして、とても良い具合い。
備考;ピカチュウに差してる時、10万ボルト使われたらどうなるの?
結論;とても気持ちが良い。
No002 プリン
とろけるプリンです。
備考;何が?
結論;具合が
No003 コイキング
『コーイキーング!』
備考;どうやって進化するの?
結論;白いハイドロポンプ
No004 イシツブテ
ゴリットシテカタインデス///
備考;どんな感じ?
結論;新感覚オナホ!
No005 ワンリキー
ちょっと、奥さん。この子、gtmtもショタもいけるんですってよ!
備考;ksmsは?
結論;出来ます。ちゃんとトイレに行きましょう。
No006 イワーク
『しめつける』最高です!
備考;イワークは女の子?
結論;イワークは女の子!
No007 タケシ
まぁ、いわゆる『漢』ってやつですよ。ゴーリキーって感じですかね(笑)
備考;イヤッフー!
結論;アッー!
No008 コラッタ
強くやりすぎると千切れます。
備考;前の穴は?
結論;千切れます(貴方が
No006 ギャラドス
凄く、吸ってくれます。えぇ。
備考;性別は?
結論;君次第
No010 ゴールド
ショタはいいねぇ、リリンの文化の極みだねぇ。
備考;で、どう思った?
結論;ミュウを捕まえなきゃ!
No011 フシギダネ
介護用の性処理にピッタリ!
備考;宿り木のタネは?
結論;貴方が植え付けるんですよ
No012 オーキド
実際は、単なる糞野郎。
備考;今は?
結論;旅立ちました。
No013 助手
非常に状況に慣れやすい。すぐによがる。
備考;何が好き?
結論;プリンが好き(性的な意味で


一通り見て、レッドは図鑑を閉じた。
そして、改めて決意する。
レッド「僕、コレを使って、必ずポケモンマスターになりますよ!じっちゃん(オーキド)の名にかけてッッ!!」
助手「あ、そうそう。今後、僕オーキドを名乗りますんで、お願いしますね」
レッド「分かりました」
助手「それで、レッドさん。今度は何処に行くんですか?」
レッド「そうですね、次は――」
レッド「やっぱり、最初の時と同じ道筋を通りたいんですよ」
レッド「次は、ハナダです!」
こうして、レッドは助手……あらため助手キド博士に別れを告げ、マサラを旅立った。
道中、プリンを乱獲してみたり(全ておいしく頂きました)、ニビジムがお寺に変わっていたり、ピッピの集落に性病を伝えたり、山男の伝説の一ページになったりと色々あったが、レッドは全てにしっかりとけじめを付けてハナダに辿り着いた。



トキワシティを出る時に、どっからどう見てもニートのピザデブが『よう、レッドじゃねぇか!チャンピオンロードいらいだろ?なつかしぃなぁ、俺だよ俺、ブヒヒッ』っと親しげに話掛けて来たが、面識が無かったので挨拶代わりにマルマインを突っ込んであげたのはまた別のお話。

ネオ・ニートの皆は、真似しちゃダメだよ☆
レッド「ふぅ、やっと金玉橋の辺りかぁ」
ハナダに行くと決めはしたものの、特に行き先も決まっていなかったレッドはマサキにも挨拶しに行くことにしていた。
何だかんだで、彼には随分とお世話になっているからだ。
レッド「まだ、あのふざけた金玉トレーナー達はいるのかなぁ」
そんな事を呟いていると、橋の向こう側で悲鳴が聞こえた。

男「だ、誰か助けてくれぇー!」

――時間変わって、数時間前の金玉橋周辺。

チャオ(^・^)Chu♪
アタシの名前は、カスミ☆
モテカワスリムで、ポケモン体質の愛されガール(^^ゞテヘ
チャームポイントはこのキャワイイポニーテールかな(爆)
何処にでもいる普通の女の子なんだけど、あえて皆と違う所をあげるとすれば、水ポケモンに目がないって事かな(笑)
そんなアタシは、今彼氏とデートの真っ最中(≧ε≦)
何か、卑猥な名前が付いた橋の側にいるんだけど、彼氏はそんな名前が気に入ってるみたい(`ε´)プンプンッ
でも、そんな所が……大好き/// (o≧∇≦)oo(≧∇≦o)キャーイッチャッタ!
そんな、アタシの彼は――
空手大王「マジ、パネェ」
――いつも胴着を着ている空手大王♪
とぉっても筋肉質でぇ、最近茶髪にメッシュのキメ系でチョーカッコイイんだからぁ8(*^^*)8
空手大王「パネェ、この名前マジ、パネェ」
空手大王「マジパネェって、ほらカスミ!ちょっとコレ読んでみろよ」
カスミ「もうっ(*/o_/*)
空手大王「パネェ」

――でも――
カスミは、遠くを仰ぎ見る。
――アタシの初恋は、この人じゃない。
はじめはただの生意気な奴だと思ってたけど、ポケモンでバトルするだけで、私の心を拐っていったあの人。
私は、今でも心の一部を失ったままでいる。
――貴方は、大変物を盗んでいきました。



だ・け・ど☆
空手大王「マジ、パネェ」
カスミ「今は、貴方がだーい好きっ!」
空手大王「パネェ」

そう言って、カスミが空手大王に抱きついていると、急に、近くの草むらで不穏な音がした。
……ガササササッ
カスミ「うわっ、コワーイ。DAIGO(空手大王を略してなまってこうなった)助けてぇ(T_T)」
空手大王「パネェ、マジ俺パネェからよ!絶対カスミをパネェパネェするからよ!カスミはマジ、パネェしてろよ」
そうして、草むらから出て来たのは――

(^q^)「あばばはばばばば」ブリブリブリッ

――ポケモンなのか何なのか、よく分からない化物だった。

カスミ&空手大王「ギィヤァアアアアアアア――――!!」

空手大王「パネェエエエエエエ――!パネェどころじゃ済みませんよ奥さんッッッッ!!」
空手大王はそう叫んで、カスミを突き飛ばして走り去っていく。
カスミ「ちょ、テメェ!アタシをパネェしてくれるんじゃねぇのか――」
しかし、慌てながらもカスミは冷静に考える。
……乱暴な彼氏にも、文句を言わずに付き従っていくアタシって…………す・て・き(ハート)
カスミ「あぁん、待ってよDAIGO―――!」

そうして、二人は走り去って行った。
辺りには、わけの分からない生き物だけが残った。
(^q^)「あばばばばばばば」ブリブリブリッ

すえた――臭いがした。
――戻ってきて、現在。

男「助けてくれぇー!」
見ると、男が走って逃げてくる。
レッド「どうしたんですか?」
男「どぉしたもこうしたも……って、レッドさん!」
男はレッドを知っている様だ。面識はない。
トキワシティでも似たような事があったので、レッドは特に驚かなかった。
レッド「えぇ、レッドです。どうしたんですか?」
男「大変なんですよ。なんか、この橋の向こうに、ポケモンなのかなんなのか良く分からない化物がいるんですよ!」
男「あぁ、レッドさん!最強のポケモントレーナーなんでしょ?あの化物退治してくださいよ!!」
正直、ポケモン(朝日的な意味で)トレーナーとしてはまだまだ駆け出しだったが、訂正すると面倒だ。
そして、そんなお願いはもっと面倒だった。
だが、

レッド「……やれやれ仕方ないな。これもチャンピオンのつとめかな」
そう呟いて、レッドは男が逃げてきた方向に歩きだす。
正直、レッドはその化物に興味があったのだ。
男「ありがとうございます!じゃ、僕はコレで」
そう言って、男は走り去った。
レッドはそれに背中で返事をして、奥へと足を進める。
――はじめ、それは単なるすえた臭いだった。
酸っぱいような、なんというか、そんな臭い。
だが、あるラインを超えた所で、それは決定的な臭いに変わった。
レッド「腐廃物……いや、これは」
そう、それはまごう事なき排泄物の臭い。
『アババババ』
声が聞こえる。
レッドは、その方向をそっと覗いた。
(^q^)「あばばばはばば」プリュリリッ
そこには、化物がいた。
そう、それ以外に、表現のしようが無いのだ。
ポケモンなのか、何なのか、緑と赤と青と……数えようもない程の色がぐちゃぐちゃに混じったような色彩。
スリムなのかピザなのか判別がつかない体型。
背中にあるのは、羽なのか、その出来損ないなのか、それすら判別が付かない。
ソレを確認した途端、漂っていた臭いが、明確な悪臭になってレッドを襲った。
レッドは込み上げる吐き気を必死で抑えながらも、木陰からなんとかソレを確認する。
レッド(幸いにも、こちらに気が付いていない)
こんな化物、退治するどころの話ではない。
レッドはそそくさとその場から退散しようとした。
『……ッヅイテモウタ』
レッド「え……?』

(^q^)「ボケwwモンwwwドwwグッヅイデwwwモ゛ウタwwwwあばばばばばばばばばばばwwwwwwwwwww」プシャーッ

レッド「!!!?」
レッド「お、お前……マサキ……なのか?」
余りの衝撃に、さっきまで感じていた吐き気は悪臭とともに消し飛んでしまう。
レッドは、いつの間にか隠れるのを辞めていた。
(^q^)「アデェー、デッドグンダャダイデツカ…………アバブルボェ?」
……何て言ってんのか、わっかんねーよ!!
レッドは、思わず心の中で叫んでいた。
実際に口に出さなかっただけ、レッドも大人になったという事か。
(^q^)「アデュー、アバブェェ?…………アバァwwwwwww」
レッド「なんという池沼」
レッドは考えていた。
おそらく、一度に沢山のポケモンと合体してしまった為、こうなったのだろう。
よくよく見て見れば、あの尻尾の様な物はヒトカゲの尻尾の様に見えなくもないし、肌のドロドロした感じはベトベターかもしれない。
……あの、羽モドキだけはよく分からんが。
とにかく、このままでは会話すら成り立たない。
レッド「マサキ、とりあえず小屋に行くぞ」
そう言って、レッドはマサキに手を差し出すず。
(^q^)「アバッ」ベチャァ
レッド「……」
(^q^)「あばばばばばばばwwwwwww」

――レッドは、殺意の波動に目覚めたレッド進化した!


――――滅・殺――――


レッド「着いた。前と変わって無いなぁ」
そう言って、レッドはマサキの小屋を見上げる。
前と変わらない、こじんまりとした小屋だった。
(:*#;q^%$:)「あ、あばばばwww…………あぶぁ」ブリュリュッ
マサキには触れなかったので、即席の首輪を作って引っ張って来た。
正直、首輪越しでも気持ち悪い。
レッド(まったく、途中であぇぎ出さなきゃ命は無かったはずなのに、運の良い奴だぜ)
レッドは小屋へと入った。
小屋の中は、マサキの汚物が壁にまでひりついており、汚れている。
(*;q^%$)「あばばば ばばばwwwww」
レッド「はぁ……あの頃すっごく流行っていたから買いに走ったこのスニーカー が汚れちゃうよ」

そう呟いて、ふと、マサキの机の上に日記がおいてある。
マサキのの様だ。
レッド「ふむ……」
何か、マサキを元に戻すヒントが無いかと、レッドは日記のページをめくった。
×月○日 天気;晴れ
今日はヒマやったから、朝からvipに入り浸っとったワ。
そしたら、凄いおもろいスレ見つけたんや!マジで腹抱えてもうたwww
コイツは凄いでッッ!!

○月×日 天気;くもり時々イシツブテ
今日、朝起きて昨日のスレ確認してみたら、なんか、流れがまるっきり変わっとった。
確かに、コイツら……中々、興味深い事言っとる。
な、なんや、ワイ……興奮してきた///

○月×日 天気;天気なんかどうでもええワ!!
なんや、なんやこの高鳴りは、自分が自分じゃないみたいや。
スレによると、ポケモンとのこのスキンシップは、ポケモンにとっては天使のプレゼントらしい。
……イーブイが、尻尾をふりふり。
ワイ…わいわぁぁあああ!!
○月×日 天気;(何も書かれていない)
タマムシシティに行って、天使の羽買ってきた。
――ワイは、天使になる。
『天気も日にちも書かれておらず、来るべき日、とだけ印されている』
ハッハ――!ワイは天使やッッ!!
天から降臨した存在やで、ハクリューより神々しいんやで。
なんや、イーブイ、そんなに縮こまってからに……ホレホレ、ヒトカゲもこっち来んかい。
なんや、二人じゃ寂しいんか?なら、ベトベターも、ケーシィも、ナゾノクサも出したるわい。
ほーら、コレで寂しくないやろ?
ほーれ、オチンチンビローンwwwww
ほりゃ、ほりゃ、どや?ワイのハクリューは?
そーら、良い声で泣くやんけ、イーブイ!
そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃ
――以下、三十行程同文が続く。
……ふぅ、たっぷりワイのハクリューの破壊光線を注ぎ込んだったワ。
しっかし、ベトベターでも突っ込む所間違えんかったらハクリューが溶けずに済むワ。
コレは新発見wwwwww今度のポケモン学会ではコイツを発表するかwwwww
さて……と、床がタイルやったからポケモン合成ルームでやっとったけど、流石にこりゃぁ掃除せんとまずいワ。
さて、開くボタンはコイツやったかな……マズイ!?マシーンが動き始めた。いかん、ひらかなあああああああアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ――――カユ、ウマ。

(以降のページ)

あばばばばばばばばばばばばばはwwwwあばばばばばばばばばばばばばはwwwwあばばばばばばばばばばばばばはwwwwあばばばばばばばばばばばばばはwwww

――パタンッ。

レッドはマサキの日記を閉じた。

レッド「なんて間抜けなんだ……」
(^q^)「あばばばばばばばばばばwwwwww」バリュッ、バリュ、ドリュリュッ
ポケモンの驚異的な治癒力を得たのか、もう回復したマサキを眺めながらレッドはそう呟く。
前々から、始めて会った時からマサキはこんな風な間抜けだった。
だが、今回はいくらなんでも結果が酷過ぎる。
(^q^)「ボケwwモンwwwドwwグッヅイデwwwモ゛ウタwwwwあばばばばばばばばばばばwwwwwwwwwwwツナガルノハ゛wwwwサ゛キッチョダケデwwwおkwwwあばばばばば」
とりあえず、元に戻してやらなければならない。
そう思い、レッドは尋ねる。
レッド「マサキ、どうやったら元に戻るんだ?」
(^q^)「あばばばばばばwwww」プシャーッ
レッド「また、前みたいにどっかのボタンを押せば戻るんじゃない無いのか?」
(^q^)「あばばばばばばwwww」プショーッ
レッド「マサキ、僕じゃそこの所は分からないんだ。頼むよ」
(^q^)「あばばばばばばwwww」プシ、プショッ
レッド「テメェ聞いてんのかよコラ、マサキッッ!」
(^q^)「あばばばばばばwwww」チロッ、チロロ…

―そんなやり取りを、およそ30分は続けた。


――会 話 不 可 能 ――


レッドは思わず、汚物で汚れた壁を殴りつけてしまった。
凄く汚い。
レッド「駄目だ。知能が低過ぎて会話どころか、返事すらしねぇ!」
レッドは手を汚物にまみれさせたままで、頭を抱える。
1000通も応募に出して手に入れたお気に入りの帽子が、汚れてしまった。
レッド「クソッ、放り込んで適当にボタンを押してぇが、そうもいかない」
レッド「何でボタンが内側に付いてるんだよ!」
マサキと一緒にノコノコ入り込んで、こんな池沼とくっつけられる訳にはいかない。
(^q^)「レ゛ッドwwwwレ゛ッドwww」
レッド「あぁ!何だよ!?」



(^q^)「オチンチンビローンwwww」





――おめでとう、レッドは拳を極めし者に進化した!


(゜q゜)

レッド「金玉を握り潰してやったぜ」

(゜q゜)

レッド「もう、コイツはこのままでいい。僕の知った事か」
そう言い、レッドはマサキの小屋を後にしようとする。
しかし、このまま何もせずに手ぶらで帰るのはレッドにとっては何だかシャクだった。
レッド「…」チラッ
(゜q゜)「…」
レッド「……」
(゜q゜)「……」
レッド「……」
(゜q゜)「……」
レッド「……」
(゜q゜)「……ゴクリ」







レッド「いや、流石にねーよ」
手ぶらでも仕方が無いか、と諦めレッドはマサキの小屋を後にする。
すると、足元に何かが落ちていた。
レッド「ん……これは、『コイ(キングの)空』?」

すると、橋の方から誰かがやって来ていた。
空手大王「マッジ、パネェ。パネェパネェ、カスミパネェ。マジ、パネェ」
(訳;本当に大変な事です。カスミさんが慌てて、本を落としてきてしまった様なのです。私はソレを取りに向かわされているのです。本当に、大変な事です。)
空手大王はそんな事を呟いていると、目の前にいつの間にかいたレッドが目的の物を持っている事に気が付いた。
空手「マジ、パネェ!マジ、パネェんけど、マジ、パネェパネェなもんで、マジ、カスミパネェ―っつか、マジパネェっす!」
(訳;本当に驚いた!本当に驚くべき事に、拾って頂けたんですね。実は大変驚くべき事があって、大変カスミさんが驚いてソレを落としてしまったんです。自分が代わりに取りに来たというわけです。本当にありがとうございます!)」
そう言って、空手大王は頭を下げる。
レッドは何を言っているのかはさっぱり分からなかったが、どうも自分はこの本を取りに来たと主張してるらしい。
レッド「貴方は……コレを探していたんですか?」
空手大王「パネェ!」
レッドはとりあえず肯定と受け取った。
レッド「そうですか、はい、どうぞ」
空手「マジ、パネェ!」
そう言って、空手大王は何度も頭を下げる。
それにしても、この男――

レッド「せっかく、拾ってあげたのですから、対価を頂きたいですなぁ」
空手大王「パネェ?」
――随分と良い体をしている――
レッド「拾って貰った相手には、お礼を……常識でしょう?」
――そして、レッドは――
レッド「分かりますね?」
――さっきから、お預け状態だった――



空手大王「……パネェ」
レッド「……ニタリ」


空手大王「パネェッ―――――――――――――!!」



――空手大王の声が、ハナダにこだました。

空手大王に『あなをほる』くらわせたレッドは、ぼんやりと草むらで佇んでいた。
空手大王「……パネェ、ケツパネェ」
空手大王が、余韻に浸っているのか、小さく鳴いている。
レッドは、無性に吸った事も無いタバコが吸いたくなっていた。
レッド「さーて、コレでとりあえずハナダには特に用事は無くなったなぁ……」
空手「パネェ……カスミ、スパネェ」
レッド「!?」
空手大王の言葉に、聞き覚えのある単語が混じっていた。
レッド「カス……ミ?」
レッドは霞がかった記憶の底からその名を呼び覚ます。

レッド「カスミって……」
レッド「カスミにも…穴はあるんだよな?…ゴクリ」
空手「パ、パネェ!?」
そう呟いて、レッドはカスミの事を思いだす。
そう、カスミ。
レッドが旧・ポケモンマスターを目指して旅立ち、二人目にであったジムリーダー。
勝気で、口は悪かったが、どこか繊細さもあって。
本当の所は、大いなる海の様な優しさを持った。
水ポケモンマスターの……女の子。

そして、レッドが始めてまともに会話した歳の近い女の子。
……少し、少しだけだが、レッドの胸はときめいた。
思えば、カスミにはマサキ以上の大恩があった。
余りにも新品の自転車を自慢してくるので、つい、ついついパクっていってしまったのだ。
まぁ、その自転車も、ピカチュウが暴れた時に大破してしてしまったのだが……
あの頃は気にしていなかったのだが、よくよく考えるば、アレはとんでもなく高価な物だったような気がする。
確か…100万だったか?
どう考えてもボッタクリの値段にしか思えないが、とても気軽にパクって良いような物では無い。

――僕は、大変な物を盗んでいきました。

レッド「……」
レッドは財布の中を覗き込む。
中には、うなる程のオーキド(故人)の顔があった。
レッドはまだチャンピオンとして君臨していた当時に、挑戦してくるトレーナー達(主にワタル)から荒稼ぎしていたのだ。
今なら、あの暴利にも何とか立ちうち出来るだろう。
レッド「まぁ、利子もあるだろうし、コレだけでなくもっと良い物もあげなきゃね……フヒヒッ」
空手大王「パネェ!?」
レッド「さぁて、一体どんな風に成長したものか……」
レッド「まぁ僕としては別に当時のままでも全然構わないけどね……フヒョッ!」
空手大王「パァ―ネェ―……」
すると突然、空手大王がゆらりと立ち上がった。
空手大王「パネェ!マジ、パネェ!?パネェパネェパネェッッ……カスミパネェは俺がマモパネェッッ!!」
(訳;貴方!本気でそんな事を言っているのですか!?貴方の思惑は分かっています。確かに、貴方は素敵な物をお持ちですが、カスミは私の命次に……いや、命よりも大切な存在なのです!カスミは、私が守るッッ!!)

レッドには空手大王が何を言っているのかさっぱり分からなかった。

が、レッドの道筋を塞ぎ、ファイティングポーズを取っている事から、自分の邪魔をしようとしている事だけは分かった。

レッド「……僕と、バトルしようっていうのかい?」

レッド「……良いぜ、久々に、マトモなバトルをしてやるよ」

そう言って、レッドはニヤリと笑う。
腐っても、レッドは最強のポケモントレーナーだ。
空手大王ごときでは、相手になろうはずもない。

レッド「(こんなザコ、ピカチュウ一匹で十分だろ)」

そう呟いて、レッドは腰のベルトを探る。

レッド「……あれ?」



――モンスターボールが 無 い ――



レッドはよーく、よくよく思い出す。

あの洞窟での一夜の後、レッドが手慣れていなかった為か、レッドの手持ちポケモンは切れ痔が酷くニビシティのポケモンセンターに強制入院させられていたのだ。

レッド「そういや……取りに行くの忘れてた」

あれから、ポケモンを相手にポケモンを使用する必要が無くなっていたため、その事自体を忘れてしまっていたのだ。


空手大王「……マジパネェ」

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最終更新:2008年09月23日 16:30