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アークデヴィル Archdevil

出典 Bestiary 6 15ページ
 最も偉大で最も恐ろしいデヴィルは、地獄界ヘルのアークデヴィルである。それは強力な秩序と悪の申し子にして名状しがたくも洗練された半神であり、それぞれが地獄の層を形成する8つの広大な苦しみの次元界の一つを支配している。アークデヴィルそれぞれは固有のクリーチャーであり、デヴィルが宇宙を自分たちの意思で縛り付けるために用いる宇宙の腐敗と抑圧の連鎖の中で、それぞれが特定の役割を果たしている。最初のアークデヴィルは、その主アスモデウスが地獄界ヘルを自分の領界であると主張した後、すぐに権力を握るようになった。アスモデウスは他のアークデヴィルの台頭を支援し、時にはベリアルやメフィストフェレスにしたように直接それらを生み出した。それ以外にも、バールゼブルやディスパテルのように、天界への反乱の折りにアスモデウスに忠誠を誓った古き存在もいる。忠実な総督がさらに必要になると、アスモデウスはバルバトスやゲリュオンに施した昇格の秘奥のように、デヴィル種に属さないクリーチャーにアークデヴィルとしての力を与えることもある。

 真のアークデヴィルの下には地獄界ヘルに住む地獄の公爵がいる。これら地獄の貴族らはアークデヴィルと同じ力の一部を持つこともあるが、支配下に置く地獄の層を持たない彼らはアークデヴィルと同等の力を持っているとは言えない。地獄の公爵はクラス・レベルを上げたり、HDを上げたり、神話ランクを上げたり、不浄なる儀式を執り行ったり、十分に大規模である献身的な従者を集めたり、あるいはまれに冒涜的な領主の許可を得たりすることで、権力を得ることができる。しかしアスモデウスが地獄の公爵に(倒されたアークデヴィルや地獄の公爵への降格という罰を受けたアークデヴィルの代わりとして)独自の地獄の層を与えるまでは、そのようなデヴィルはそれ自体アークデヴィルではない。しかし、秩序の申し子である地獄の公爵やアークデヴィルは、アスモデウスと地獄界ヘルに忠誠を誓っていることには注意しなければならない。忠誠心のないものは、すぐに、そして必然的に裏切り者であることが明らかになり、暗黒の皇子によって罰せられる。地獄界ヘルには地獄の公爵が何体もいるが、アスモデウス自身が第九層を支配しているため、一度にアークデヴィルは8体しか存在できない。

 アークデヴィルとはコミューンコンタクト・アザー・プレインでつながり、ゲートで呼び出すことができる。しかしそのようにして呼び出された場合、そのゲートを通常は強制されることはない。一般に、アークデヴィルはゲート呪文に応える前に、巨大で重要な供物や生贄を要求する。

地獄界ヘルの各層 The Layers of Hell

 アークデヴィルそれぞれは地獄界ヘルの上層8層の1つを支配しており、その中では地獄の公爵らが領地を支配している。これらの層は巨大で、何百、何千ものより小さな副領域で構成されている。副領域それぞれは大陸の大きさであることもあれば、奇妙な秘密の都市のように小さなものであったりする。それぞれの層の環境、主題、特徴はアークデヴィル自身と同じように固有のもので、その主であるアークデヴィルの気分や意図に応じて変化させられる。しかしアークデヴィルは自分の領界を完全に支配しているわけではないので、強力な冒険者は支配者たるアークデヴィルの怒りを買うことなくその層に潜入し、様々な目的を達成できる。

 その領界にいる間、アークデヴィルは以下の追加能力を得る(以降のページに示されたデータには、これらの能力は含まれていない)。
  • 神話/Mythic:アークデヴィルは神話パワー能力(10/日、活性+1d12)を持つ、10ランクの神話クリーチャーとして扱う。アークデヴィルは、(神)が付記された擬似呪文能力の神話版を、その能力が神話呪文であるかのように使用するために神話パワーを使用できる。
  • 以下の擬似呪文能力を回数無制限で使用できる―ディサーン・ロケーションディマンドファブリケイトポリモーフ・エニィ・オブジェクト (領界の原住クリーチャーや物体に使用する場合、このポリモーフの持続時間係数は6増加する)、メジャー・クリエイション
  • 以下の擬似呪文能力を1日1回使用できる―バインディングミラクル(領界を操る物理的な効果や、アークデヴィルの関心を持つ領域に関する効果に限定される)。
  • 覚醒増大(変則)/Heightened Awareness:アークデヴィルは〈真意看破〉とイニシアチブ判定に+10の洞察ボーナスを得る。

キャンペーンにおけるアークデヴィル Archdevils in a Campaign

 アークデヴィルそれぞれはCR26~30の強力な力を持つ、固有のクリーチャーである。彼らのCRは地獄界ヘルの層における地位や影響力とは関係していない。それ自身の力、巧妙な備え、従えた大軍隊の間で、アスモデウスの副官らは邪悪と破滅の潜在性を、ほぼ同程度に保持している。いずれにせよ、アークデヴィルは一般に殆どの人間の英雄にとって手の届かない存在であり、慎重に検討することなしに冒険の中に配置するべきではない。大抵の場合、アークデヴィルは長いキャンペーンの最後の敵として使われるのが最良で――特にPC自身が神話キャラクターであるキャンペーンではそうであろう――、単にアークデヴィルに謁見することさえ、記憶に残るイベントとなるはずだ。

 しかし、アークデヴィルはほとんどの英雄では直接戦闘するには手に余る存在であるとはいえ、彼らは裏で糸を引く完璧なる首謀者であり黒幕であって、そしてキャンペーンのあらゆるレベルでモンスターや定命の者、そして教団全体を鼓舞し、指示することができる。アークデヴィルを世界に解き放つための不吉な儀式を止めることは古典的な一里塚であり、儀式が止められてアークデヴィルが地獄界ヘルに戻される前に、アークデヴィルとその手下たちとの短い出会いを演出できる。あるいは、英雄たちはアークデヴィルの資産を破壊し、増大する不利益を課し、アークデヴィルに対して使う強力な武器を集めることができ、それによってPCたちはその自力が減少したことの表現として(通常は負のレベルに対し完全耐性を持つにも拘らず)CRが低下した、あるいは負のレベルを負ったアークデヴィルに立ち向かうことができる……そのアークデヴィルが持ち前の力を再建し回復するまでの話だが。

アークデヴィル:ゲリュオン Archdevil, Geryon

この3つに別れた存在は、三匹の巨大な蛇の絡み合ったものに腰から下を飲み込まれた3人の人型生物の体をしている。

ゲリュオン CR29 Geryon

出典 Bestiary 6 24ページ
XP 6,553,600
秩序にして悪/超大型サイズの来訪者水棲秩序デヴィル他次元界
イニシアチブ +9;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+47
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC38)、シールド・オヴ・ロー(DC29)
防御
AC 47、接触32、立ちすくみ42(+8外皮、-2サイズ、+7盾、+4反発、+5【敏】、+15不浄)
HP 731(34d10+544);再生30(神性または神話)
頑健 +31、反応 +28、意志 +33;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 三重の身体全周囲視覚地獄の蘇生毒鱗マインド・ブランクダメージ減少 20/ エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、記憶喪失効果、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、[氷雪]、(魅惑);抵抗 [強酸]30;呪文抵抗 40
攻撃
移動速度 50フィート、水泳50フィート、エア・ウォーク
近接 +5アンホーリィ・クルーエル・ディスペリング・バースト・フレイル=+47/+42/+37/+32(3d6+19/19~20)、+1 ヘヴィ・シールド=+43/+38(2d6+15/19~20)、爪(×3)=+41(1d6+7)、尾の打撃(×3)=+41(2d6+7/19~20、加えて“毒”)
接敵面 15フィート、間合い 15フィート
特殊攻撃 運命理解術者滅ぼし腐敗の愛撫
擬似呪文能力 (術者レベル29;精神集中+40)
一般データ
【筋】38、【敏】21、【耐】42、【知】33、【判】30、【魅】33
基本攻撃 +34;CMB +50(武器落としおよび足払い+54);CMD 84(対武器落とし86、足払いされない)
特技 《足払い強化》《イニシアチブ強化》《擬似呪文能力高速化:マインドワイプ《強打》《クリティカル強化:尾の打撃、フレイル、ヘヴィ・シールド》《クリティカル熟練》《攻防一体》《呪文潰し》《上級足払い》《上級武器落とし》《盾攻撃強化》《二重斬り》《二刀流》《二刀流強化》《武器落とし強化》《盲目化クリティカル》
技能 〈威圧〉+48、〈知識:貴族、工学、自然、宗教、神秘学、ダンジョン探検、地域、地理、歴史〉+45、〈知識:次元界〉+48、〈言語学〉+48、〈交渉〉+48、〈呪文学〉+48、〈真意看破〉+47、〈水泳〉+21、〈知覚〉+47、〈はったり〉+48
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 水陸両生、変身(人型生物および蛇;シェイプチェンジ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(+5アロー・デフレクション・バッシング鋼鉄製ヘヴィ・シールド+5アンホーリィ・クルーエル・ディスペリング・バースト・フレイルホーン・オヴ・ライズ、その他の宝物)
特殊能力
運命理解(超常)/Perceive Destiny 割り込みアクションとして、ゲリュオンは3つの目でクリーチャー1体を凝視し、その過去、現在、未来を見通すことができる。これによりゲリュオンはそのクリーチャーに対して(これにはそのクリーチャーによる攻撃や効果も含まれる)、AC、攻撃ロール、対抗技能判定、反応セーヴに+4の洞察ボーナスを得る。この効果は次のターンの終了まで持続する。この効果をノンディテクションマインド・ブランク、その他占術からの防護を使用しているクリーチャーにも使用した場合、ゲリュオンは術者レベル判定(DC=11+効果の術者レベル+術者の神話階梯[神話効果の場合])に成功しなければならない。
記憶喪失への完全耐性(変則)/Immune to Memory Loss ゲリュオンはステュクス河の効果と、記憶を失わせたり記憶を改竄したりするすべての効果に完全耐性を持つ。
三重の身体(変則)/Threefold Body ゲリュオンの急所や感覚は、つながった3つの体全てに広がっている。聴覚喪失状態あるいは盲目状態を及ぼす効果は、それが範囲に作用するか、体それぞれを別々のクリーチャーとして作用させられるものでない限り、体1つにしか作用しない。体1つが聴覚喪失状態あるいは盲目状態になった場合、ゲリュオンは一切不利な効果を受けない。2つの体が聴覚喪失状態あるいは盲目状態になった場合、ゲリュオンは全周囲視覚を失い、目がくらんだ状態となる。3つすべての体が聴覚喪失状態あるいは盲目状態になった場合にのみ、ゲリュオンは聴覚喪失状態あるいは盲目状態となる。また、この理由により、ゲリュオンはクリティカル・ヒット、急所攻撃によるダメージ、同種の精密性によるダメージを、75%の確率で無効化する。
術者滅ぼし(変則)/Casterbane ゲリュオンは未来視により、割り込みアクションでグレーター・ディスペル・マジックで相殺を行え、信仰呪文を相殺または解呪する際+4のボーナスを得る。ゲリュオンはボーナス特技として《呪文滅ぼし》を得、防御的発動における精神集中判定に失敗した呪文の使い手は、その次のターンの終わりまでゲリュオンに対して立ちすくみ状態となる。
毒(変則)/Poison 尾の打撃―致傷型;セーヴ 頑健・DC43;頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);効果 1d6【知】吸収;治癒 3回のセーヴ成功。
毒鱗(変則)/Envenomed Scales ゲリュオンに近接接触攻撃、素手打撃、肉体攻撃のいずれかを命中させたクリーチャーはゲリュオンの毒に晒され、ゲリュオンに対して近接刺突武器もしくは近接斬撃武器でクリティカル・ヒットを確定させたクリーチャーも同様に毒に晒される。
腐敗の愛撫(超常)/Corrupting Caress ゲリュオンの肉体攻撃もしくは近接武器でダメージを受けたクリーチャーは、1ラウンドの間信仰呪文の発動、領域能力の起動、正のエネルギー放出、悪を討つ一撃を使用できなくなる(意志・無効、DC38)。この持続時間はセーヴに複数回失敗すると累積するが、セーヴに成功したクリーチャーは、以降24時間の間、ゲリュオンの腐敗の接触の目標にならない。これは[呪い]効果である。セーヴDCは【魅力】に基づく。

 冒涜の元凶ゲリュオンは、他のどのアークデヴィルよりも長く地獄界ヘルを支配してきた。アスモデウスとその軍団が地獄界ヘルに移住してきたとき、ゲリュオンは神の過ちの中の皇帝、アスラ・ラナとして君臨していた。アスモデウスと取引した後、ゲリュオンは兄弟らを裏切り、地獄界ヘルのデヴィルの支配を確実なものとする代わりに、荒涼としたステュギアの沼を支配し続けることになった。それ以来、ゲリュオンは地獄界ヘルで最も偉大で謎に満ちた支配者の一人に数えられている。そしてまた、ゲリュオンは不可能な真実を見定める異端児でもある。

 ゲリュオンは全長20フィートの鱗をまとった芋虫が3匹集まった結び目のような存在だ。その口からは、これまでに出会ったあらゆる存在の声を、それが定命のもののものであれ、フィーンドであれ、奇妙な存在であれ、部分的に再生し、話すことができる。アスモデウスとの契約の結果、ゲリュオンは今や真のデヴィルである。

ホーン・オヴ・ライズ

Horn of lies/法螺の角笛
オーラ 圧倒的・全て;術者レベル 30
装備部位 なし;市価 ―;重量 15ポンド
区分 上級アーティファクト

 この角笛は1日3回、即行アクションもしくは移動アクションとして使用できるグレーター・ホーン・オヴ・ブラスティングとして機能するが、爆発する可能性はなく、効果は1分間持続する。この角笛によって聴覚喪失状態になったクリーチャーは、心のなかで囁きや偽りの言葉が響き、知覚を歪めてしまう。聴覚喪失状態の間そのようなクリーチャーにとって他の全てのクリーチャーは視認困難を持っているかのように扱われ、[精神作用]効果に対するセーヴに-4のペナルティを受ける。加えて、聴力を回復するまで、技量ボーナスと洞察ボーナスは代わりにペナルティとして扱われる。

 上記の用法とは別に、1日に3回まで、角笛を使用して60フィート以内の仲間に信仰呪文に対するセーヴに+4のボーナスを与え、60フィート以内の敵が真実を話せないようにすることができる(意志・無効、DC25)。これには音声、筆記、その他ありとあらゆる意思疎通手段が含まれるが、命令、質問、呪文の音声要素など、真実でも偽りでもないことを妨げることはない。嘘を吐くことを強要されている間、ゲリュオンの敵は同時に被害妄想に陥り、誰も仲間とみなせなくなる。その結果、彼らは挟撃やチームワーク特技、援護アクションによる利益を提供したり受けたりすることができなくなり、(無害)な効果に対して常にセーヴを試みるようになる。効果を受けたクリーチャーは、アークデヴィルを信仰していない限り、信仰呪文を発動したり領域能力を使用したりできなくなる。この効果は1分間持続する。これは[音波、精神作用、呪い]効果である。

破壊方法
 混沌にして善の信仰呪文の使い手によって、エリュシウムの沈黙の記念塚の中で鳴らされたなら、ホーン・オヴ・ライズは13の部品に分割され、それぞれが蛇形のモンスターに変身する。24時間以内に13の蛇が殺されたなら、このアーティファクトは破壊される。しかしたった1体でも蛇が生き残ったなら、ホーン・オヴ・ライズは修復され、地獄界ヘルのアスモデウスの手に戻る。

ゲリュオンの教団 Geryon's Cult

 ゲリュオンは禁断の知識を渇望するものらに崇拝されている。その聖地は図書館の中に隠されていたり、忘れられた神々や堕落した王国の廃墟となった寺院の中にあったりする。

 ゲリュオンの邪印は影のある、赤と黒の蛇の頭だ。好む武器はヘヴィ・フレイル・ゲリュオンは秩序の領域と、大海凶暴デヴィル不屈の副領域を与える。

アークデヴィル:ディスパテル Archdevil, Dispater

このまさに悪魔といった存在は、王のローブを身にまとい、鉄の角のついた冠をかぶっている。手には黒い金属でできた長くて重いメイスを持っている。

ディスパテル CR27 Dispater

出典 Bestiary 6 22ページ
XP 3,276,800
秩序にして悪/大型サイズの来訪者他次元界秩序デヴィル変身生物
イニシアチブ +13;感覚 暗視60フィート、暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+46
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC37)、シールド・オヴ・ロー(DC29)
防御
AC 45、接触35、立ちすくみ35(+1回避、+10外皮、-1サイズ、+4反発、+9【敏】、+12不浄)
HP 643(33d10+462);再生30(神性または神話)
頑健 +29、反応 +31、意志 +34;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 地獄の蘇生マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、(魅惑);抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 38
攻撃
移動速度 50フィート、飛行60フィート(良好)
近接 ジ・イクリプシング・アイ=+49/+44/+39/+34(2d6+22/19~20/×3)、突き刺し=+39(2d6+6)
接敵面 10フィート、間合い 10フィート
特殊攻撃 急所攻撃+6d6、死の凝視辛辣なる機知
擬似呪文能力 (術者レベル27;精神集中+38)
一般データ
【筋】34、【敏】29、【耐】38、【知】33、【判】30、【魅】33
基本攻撃 +33;CMB +46;CMD 82
特技 《威圧演舞》《イニシアチブ強化》《回避》《擬似呪文能力高速化:ブレード・バリアー《強行突破》《強打》《クリティカル強化:ヘヴィ・メイス》《クリティカル熟練》《攻防一体》《上級フェイント》《鋼の意志》《鋼の意志強化》《フェイント強化》《武器熟練:ヘヴィ・メイス》《防御崩し》《迎え討ち》《よろめき化クリティカル》
技能 〈威圧〉+47、〈知識:貴族、工学、宗教、神秘学、歴史〉+44、〈知識:次元界〉+47、〈隠密〉+41、〈軽業〉+42、〈言語学〉+44、〈交渉〉+47、〈呪文学〉+44、〈真意看破〉+46、〈知覚〉+46、〈はったり〉+47、〈飛行〉+60、〈魔法装置使用〉+44
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 鋼鉄の王、変身(あらゆる人型生物;オルター・セルフ)、命令の声
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(ジ・イクリプシング・アイ、その他の宝物)
特殊能力
鋼鉄の王(変則)/Lord of Iron ディスパテルが許可しない限り、腐食効果(ラスティング・グラスプなど)はディスパテルから60フィート以内では機能しない。ディスパテルは知性のないアイアン・ゴーレム、アイアン・コブラ、その他の全てが鋼鉄で作られた人造に、自分がその製作者であるかのように指示できる。
死の凝視(超常)/Mortal Gaze 1ラウンドに1回、ディスパテルはフリー・アクションとして、60フィート以内にいるクリーチャー1体に凝視を向けることができる。凝視されたクリーチャーは負のレベル2を得る。この負のレベルは24時間後にDC37の頑健セーヴに成功しなければ永続的な負のレベルとなる。ディスパテルの死の凝視で死亡したクリーチャーは、1d4ラウンド後にゾンビ・ロードPathfinder RPG Bestiary 4 286)として蘇る。セーヴDCは【魅力】に基づく。
辛辣なる機知(超常)/Caustic Wit ディスパテルは洗練された侮辱とあざ笑うように意見を否定するのを得意とする。ディスパテルは1ラウンドに1回、フリー・アクションとして〈威圧〉判定の代わりに〈はったり〉判定を使用して30フィート以内にいる敵1体の士気をくじこうと試みることができる。ディスパテルによって士気をくじかれたクリーチャーは恐れ状態に加えて、羞恥心と自己嫌悪に満たされて1d4ポイントの【魅力】ダメージを受け、幻惑状態になる。この追加効果はDC37の意志セーヴに成功すれば無効化できる。侮辱されたクリーチャーはこの効果を終了させるために、毎ラウンド自分のターンの開始時にフリー・アクションとして新たなセーヴを試みることができる。しかし、これによって受けた【魅力】ダメージは回復するまで持続する。これは[精神作用]効果である。セーヴDCは【魅力】に基づく。
命令の声(超常)/Voice of Command ディスパテルのチャーム・モンスターおよびドミネイト・パースン擬似呪文能力のセーヴィング・スローのDCには+2のボーナスが含まれている。これは上記のデータに含まれている。例え現在ディスパテルやその仲間によって脅威を感じていたり攻撃されていたりしたとしても、クリーチャーはディスパテルのチャーム・モンスターに対するセーヴに通常得られる+5のボーナスを得られない。ディスパテルがドミネイト・パースンによって操られている人型生物に命令を出して本来の性質と異なる行為を行わせようとする場合、クリーチャーは自己破壊的な命令でない限り、その効果に抵抗するために新たなセーヴィング・スローを行えない。自己破壊的な命令であれば、クリーチャーはその命令に抵抗するために+2のボーナスを得て新たなセーヴを行える。

 ディスパテルはアスモデウスの最も古株で忠実な同盟者の一人で、地獄界ヘルの階層社会でも優遇されている。ディスパテルは一般に他のアークデヴィルの策略から距離をおき、アークデヴィルの中では特に、物質界の退屈で些細なことを気にかけている。彼の焦点は、この森羅万象を形作ったに違いないものの上にある共同体と機構の模範たる地獄界ヘルの永遠にして栄光ある完全化の構築である。ディスパテルは冷静で、創造的で、慎重で、計画的で、ある意味では公正な君主の鑑であるが、同時に、容赦がなく、冷酷で、人の心を操り、極度に傲慢でもある。階級、地位、宮廷生活のルールはディスパテルの寝食そのもので、礼儀作法の些細なルールに違反したものをすぐに軽蔑する一方、その精密な計画をすすめるために必要な場合には、すぐに礼節を捨ててしまう。アークデヴィルの中でただ一人、ディスパテルは宮廷の恋と結婚による面識を維持し、国家の問題については顧問と協議する。

 ディスパテルはまさにデヴィルのイメージを体現している。身長は13フィート。波打つ錆色の筋肉と洗練された威厳のある振る舞いにより、その兄弟の中で彼ほど豪華絢爛なものはない。

ジ・イクリプシング・アイ

The Eclipsing Eye/蝕の眼
オーラ 圧倒的・全て;術者レベル 30
装備部位 なし;市価 ―;重量 20ポンド
区分 上級アーティファクト

 ジ・イクリプシング・アイ+4アクシオマティック・アンホーリィ・ウーンディング・アダマンティン製ヘヴィ・メイスである。これは地獄界ヘル最大の都市の総督に与えた、アスモデウス自身によって力を吹き込まれた尊敬の証にして力の証である。地獄界ヘルで起動すると、使用時間に制限のないロッド・オヴ・ルーラーシップとして、所有者への忠誠を命じることができる。地獄界ヘル以外の場所では、この効果の持続時間は合計500分に制限されているが、その時間を使い切っても砕け散ることはない。地獄界ヘルで過ごした1時間毎に、使用した持続時間が1分間回復する。武器として使用した場合、ジ・イクリプシング・アイのクリティカル倍率は×3である。ジ・イクリプシング・アイは毎ラウンド最初に攻撃を命中させたクリーチャーに、ブラインドネス(9レベルにレベル上昇させたブラインドネス/デフネス、セーヴDC23)を自動的に発動する。

 ジ・イクリプシング・アイはディスパテルの業務用の杖であり、距離がどれだけ離れていようとも、次元界境界をまたいでさえ、フリー・アクションとして手にこのアイテムを召喚することができる。身につけている間、全ての秩序にして悪、中立にして悪、秩序にして中立のクリーチャーは、自身がサンクチュアリ呪文(術者レベル30、9レベルにレベル上昇させているかのようにセーヴDCは23)の効果を受けているかのように扱う。1日3回、ジ・イクリプシング・アイは以下の呪文の効果を《呪文レベル上昇》特技の効果で9レベルにレベル上昇させているものとして生み出すことができる:カーム・エモーションズディサーン・ライズディサーン・ロケーションディマンド

破壊方法
 アスモデウスはフリー・アクションとしてジ・イクリプシング・アイを破壊できる。それ以外の方法では、ステュクス河に100年間浸し、このアーティファクトを完全に錆びつかせることによってのみ破壊することができる。

ディスパテルの教団 Dispater's Cult

 ディスパテルは秩序を安寧に保つことへの献身、綿密なる計画、多元宇宙に平和と統一をもたらす可能性がある地獄界ヘルの暗き威厳を体現している。しかしそのような平和は、血や鎖、死によって贖われたものである。ディスパテルの聖地は壮大なものであり、一般には宮殿や巨大な記念碑に見られる。

 ディスパテルの邪印は赤い王冠に突き刺さる重く黒い爪だ。好む武器はヘヴィ・メイス。ディスパテルは欺き高貴秩序の領域と、指導者専制騙しデヴィルの副領域を与える。

アークデヴィル:バールゼブル Archdevil, Baalzebul

この唸る黒蠅の群れは、輝く赤い目を持つ翼の生えた天使のような形で騒然としている。

バールゼブル CR30 Baalzebul

出典 Bestiary 6 16ページ
XP 9,830,400
秩序にして悪/大型サイズの来訪者他次元界秩序デヴィル
イニシアチブ +14;感覚 暗視60フィート、擬似視覚120フィート、暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+49
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC39)、シールド・オヴ・ロー(DC30)
防御
AC 48、接触40、立ちすくみ37(+1回避、+8外皮、-1サイズ、+4反発、+10【敏】、+16不浄)
HP 717(35d10+525);再生30(神性または神話)
頑健 +30、反応 +30、意志 +36;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 簒奪地獄の蘇生マインド・ブランク群れの体ダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、[病気]、[氷雪]、(魅惑);抵抗 [強酸]30;呪文抵抗 41
攻撃
移動速度 飛行120フィート(完璧)
近接 +5アダマンティン製アイシー・バースト・アンホーリィ・“グッド・アウトサイダー”ベイン・ロングソード=+53/+48/+43/+38(2d6+24/17~20、加えて1d6[氷雪])、または叩きつけ(×2)=+47(8d6+13)
接敵面 10フィート、間合い 10フィート
特殊攻撃 噛みつく黒蠅業氷窒息させる群れ
擬似呪文能力 (術者レベル30;精神集中+42)
一般データ
【筋】36、【敏】30、【耐】41、【知】35、【判】32、【魅】35
基本攻撃 +35;CMB +49;CMD 90(足払いされない)
特技 《威圧演舞》《イニシアチブ強化》《回避》《かすめ飛び攻撃》《風の如き脚》《擬似呪文能力威力強化:コーン・オヴ・コールド《擬似呪文能力高速化:フリージング・スフィアー《技能熟練:はったり》《強行突破》《強打》《クリティカル強化:ロングソード》《クリティカル熟練》《電光の如き脚》《鋼の意志》《鋼の意志強化》《武器熟練:ロングソード》《不調化クリティカル》《防御崩し》
技能 〈威圧〉+50、〈隠密〉+44、〈軽業〉+48、〈言語学〉+50、〈交渉〉+50、〈呪文学〉+47、〈真意看破〉+49、〈知覚〉+49、〈知識:貴族、宗教、神秘学、地域、歴史〉+47、〈知識:次元界〉+50、〈はったり〉+56、〈飛行〉+54、〈変装〉+50、〈魔法装置使用〉+47
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 蠅の王群れの主
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(+5アダマンティン製アイシー・バースト・アンホーリィ・“グッド・アウトサイダー”ベイン・ロングソード、その他の宝物)
特殊能力
噛みつく黒蠅(変則)/Biting Blackflies バールゼブルの体は無数の蠅で構成されている。ラウンド中、最初にクリーチャーがバールゼブルを近接接触攻撃、肉体攻撃、素手打撃のいずれかで攻撃した際、そのクリーチャーはこれらの蠅から残虐なる刺し傷と噛み傷を受ける。そのクリーチャーは7d6ポイントのダメージを受け、DC42の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると痛みのため、1ラウンドの間吐き気がする状態になる。これらの噛みつく蠅は1ラウンドの間攻撃してきたクリーチャーにしがみつき、その次のターンに7d6ポイントのダメージを与えるが、これによって吐き気がする状態になることはない。範囲効果でダメージを受けるとしがみついている蠅は破壊されるが、蠅はバールゼブルの抵抗と完全耐性、呪文抵抗を保持している。バールゼブルが1ラウンドに5フィートより多く移動しなければ、バールゼブルの10フィート以内に近づいたかそのターンを開始したクリーチャーも同様の効果を受ける。噛みつく黒蠅が1ラウンドに効果を受ける目標の数に制限はないが、目標毎に1ラウンドに1回しか影響を受けない。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
業氷(超常)/Hellfrost バールゼブルが与える[氷雪]ダメージの半分は不浄なるダメージであり、[氷雪]への抵抗や完全耐性では減少されない。デヴィルはこの不浄なるダメージに完全耐性を持つが、()の副種別を持つクリーチャーに対しては2倍になる。
簒奪(超常)/Usurpation 30フィート以内のクリーチャーが自分を目標に呪文あるいは効果を使用したなら、割り込みアクションとして、バールゼブルはその術者として同じ効果を得る(タイム・ストップを使用した術者との通常のやり取りも含まれる)、バールゼブルは一度に簒奪された呪文効果を1つだけ得ることができる。新しい効果を複製すると、以前に複製した効果をすべて失う。
窒息させる群れ(超常)/Suffocating Swarm バールゼブルはフリー・アクションとして蠅の群れに変身したり元の体に戻ったりすることができる。蠅の群れに変化している間、その剣はスウォームの一部となり、【筋力】は1になる。蠅の群れの間、バールゼブルは本物の極小サイズのクリーチャーのスウォームとして扱い、4マスを好きな形で埋め、7d6+26ポイントのダメージを与える群がり攻撃を持つ。バールゼブルの群がり攻撃に対するDC42の頑健セーヴに失敗したクリーチャーは吐き気がする状態になるとともに、サフォケーション呪文(術者レベル30)と同じように窒息し始める。この窒息で殺されると、クリーチャーは1分後にヘルワスプ・スウォームに寄生されて蘇る(死亡した直後にDC42の頑健セーヴに成功すれば無効化できる)。セーヴDCのは【耐久力】に基づく。
蠅の王(超常)/Lord of the Flies 自分の力で(すなわち魔法のアイテム、呪文、擬似呪文能力によらずに)飛行しているクリーチャーが近接攻撃でバールゼブルに攻撃しようと試みたなら、DC39の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると攻撃は失敗して無駄になってしまう。加えて、セーヴに失敗すると、攻撃したものはバールゼブルの威厳に畏敬の念を抱いてしまい、1d4ラウンドの間、直接バールゼブルを見ることができなくなる。セーヴに成功したクリーチャーは24時間の間、この効果を受けない。これは[精神作用]効果である。セーヴDCは【魅力】に基づく。
群れの主(超常)/Swarm Master バールゼブルは群がりダメージと群がりの効果(わずらわすなど)に完全耐性を持つ。即行アクションとして、バールゼブルは30フィート以内にいる知性のないスウォームの移動先を指定することができる。
群れの体(変則)/Swarm Body バールゼブルの体は何百万もの小さな蠅で構成されている。バールゼブルはガシアス・フォームを使用しているかのように、狭い穴や開口部、亀裂を難なく通過できる。バールゼブルは解剖学的な構造を持たないため、クリティカル・ヒットや挟撃を受けることがなく、殴打ダメージ、斬撃ダメージ、刺突ダメージから半分しかダメージを受けない。HPが0未満にまで減少したなら、バールゼブルは窒息させる群れ(上記参照)に変化し、よろめき状態になるが、気絶状態にはならない。バールゼブルは自分がそうしようと望まない限り、特定の数のクリーチャーを対象とする(1体を目標とする呪文や光線を含む)呪文や効果に対して完全耐性を持つ。ただし、バールゼブルは[精神作用]効果の対象となる。バールゼブルは範囲に効果を及ぼす効果(飛散武器を含む)から半分だけ多くのダメージ(+50%)を受ける。バールゼブルは風力効果に対して単体の大型クリーチャーとして扱われる。

 バールゼブルはかつて"暗黒の皇子"の主たる副官であった。輝かしい"地獄の天使"はアスモデウスの側に立って支配しようとしたが、他のアークデヴィルと並んでいることに大きな憤りを感じていた。彼がより高い地位を要求し、より多くの存在を支配すべきだと主張すると、"地獄の主"は彼の壮麗なる天使の姿を壊滅させ、蟲の大群に置き換え、蠅の王として数百万の存在を支配するようにした。懲らしめられたバールゼブルは、それ以来復讐のために身を捩らせながら、地獄界ヘルの支配者の中で自分が最も偉大な存在であると証明したいという、飽くなき衝動に駆られている。その知識と力は膨大なものだが、彼は気まぐれでエゴイスト、そしてお世辞に弱く、些細なことでも怒る傾向がある。

 バールゼブルは身長15フィートの鎧を着たエンジェルに似ているが、蠅で構成された体をしている。

バールゼブルの教団 Baalzebul's Cult

 バールゼブルの教団員は、魔法、政治、その先の分野で、どんな犠牲を払ってでも意志の勝利を達成しようと努力している。そのような勝利が達成されると、彼らは取り残された人々の上でほくそ笑む。バールゼブルの聖地は常に周囲の都市や地形よりも高いところに建てられている。多くの場合、それはそびえ立つ塔や巨像で、文字通り、そして比喩的にも、大胆で冷酷な人々の手の中で敗北を待つ者たちを見下ろすのに適している。

 バールゼブルの邪印は、壊れた白い後光の中にある、輝く白いダイヤモンドの下に、斜めに傾いた壊れた黒い王冠が描かれたものだ。バールゼブル自身はロングソードの使用を好むが、その傲慢さのためにそれを崇拝者とともに持つことを拒んでいる――代わりに、好む武器はスピアである。バールゼブルは秩序の領域と、アンデッド殺人疾風デヴィルの副領域を与える。

アークデヴィル:バルバトス Archdevil, Barbatos

この人の形をした存在は、みすぼらしいフード付きのマントを身に着けている。フードの闇の中には不気味な目が光り、奇妙な形で痙攣している。

バルバトス CR26 Barbatos

出典 Bestiary 6 18ページ
XP 2,457,600
秩序にして悪/中型サイズの来訪者他次元界秩序変身生物
イニシアチブ +13;感覚 暗視60フィート、暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+44
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC35)、アンホーリィ・オーラ(DC28)
防御
AC 44、接触36、立ちすくみ34(+1回避、+8外皮、+4反発、+9【敏】、+12不浄)
HP 604(31d10+434);再生30(神性または神話)
頑健 +28、反応 +32、意志 +31;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 身かわし強化、地獄の蘇生マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、(魅惑);抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 37
攻撃
移動速度 40フィート;エア・ウォーク
近接 アイジャタス=+41/+41/+41/+36/+36/+31/+31/+26(1d6+19/19~20)、あご髭=+36(1d8+5、加えて“出血”および“病気”)
遠隔(訳注:特殊攻撃の間違い) 出血攻撃(2d6)、爛れの熱病棘だらけのあご髭反召喚
擬似呪文能力 (術者レベル26;精神集中+36)
一般データ
【筋】30、【敏】29、【耐】38、【知】29、【判】30、【魅】31
基本攻撃 +31;CMB +41(足払い+45);CMD 77(対足払い79)
特技 《足払い強化》《イニシアチブ強化》《回避》《擬似呪文能力高速化:コンテイジョン《強行突破》《クリティカル強化:クオータースタッフ》《攻防一体》《上級足払い》《上級二刀流》《神速の反応》《神速の反応強化》《二重斬り》《二刀流》《二刀流強化》《迎え討ち》《矢止め》
技能 〈威圧〉+41、〈隠密〉+43、〈軽業〉+40、〈言語学〉+43、〈交渉〉+41、〈呪文学〉+43、〈真意看破〉+44、〈知覚〉+44、〈知識:次元界、自然〉+43、〈知識:宗教、神秘学〉+40、〈動物使い〉+44、〈はったり〉+44、〈魔法装置使用〉+41
言語 全て(言語体得);スピーク・ウィズ・アニマルズテレパシー300フィート
その他の特殊能力 魂の球、変身(動物、人型生物、および魔獣;シェイプチェンジ)、我が名を口にしたものは誰ぞ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(アイジャタス、その他の宝物)
特殊能力
爛れの熱病(超常)/Festering Filth バルバトスの不浄な髭による攻撃が命中したクリーチャーは、DC39の頑健セーヴに失敗すると失明病 (Pathfinder RPG Core Rulebook 557ページ)になる。この病気を呪文効果によって除去しようとする場合、まずバルバトスの呪文抵抗を克服してから、通常の呪文のルールに従って病気を除去しようとしなければならない。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
魂の球(超常)/Sphere of Souls バルバトスは自分の似姿や動物に意識を投影しているときでさえ、全ラウンド・アクションとして、ディテクト・ソウツを持つクリスタル・ボールとして機能する磨かれた黒水晶の球体を1つ作り出すことができる。この球体は使用者に、13時間の間使用者が念視しているクリーチャー1体に対するステイタスの恩恵を与える。バルバトス以外のクリーチャーがこの球体を使用する各ラウンド毎に、そのクリーチャーはバルバトスのドミネイト・パースン能力に対してセーヴを行わなければならない。バルバトスは念視をしているクリーチャーが見る視界を、フォールス・ヴィジョンと同様に自由に操ることができる。また、この球体から10フィート以内にいる任意のクリーチャーに対して、距離無制限のスクライングディテクト・ソウツを使用できる。これはセーヴ不可であり、術者レベル判定に+10のボーナスを得る。通常なら(念視)呪文を妨げる効果は、そのクリーチャーにセーヴィング・スローを行えるようにするとともに、術者レベル判定へのボーナスを無効化する。バルバトスは同時に球体を13個まで持つことができ、距離に拘らずフリー・アクションとして球体1つを破壊できる。
棘だらけのあご髭(変則)/Barbed Beard バルバトスの切り裂くあご髭による出血ダメージは、血を止めるためにDC39の〈治療〉判定(魔法による治癒においては術者レベル判定)が必要となる。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
反召喚(超常)/Counterport 割り込みアクションとして、バルバトスは30フィート以内で使用されたあらゆる召喚術((瞬間移動)、(招請)、(招来)のいずれか)を無効化するか、30フィート以内に作用させるか、新しい適切な目的地を再設定するかすることができる。効果を受けたクリーチャーは10d6ポイントのダメージを受けるが、DC35の頑健セーヴに成功すれば、クリーチャーは半分しかダメージを受けず、通常通り瞬間移動できる。標準アクションとして、バルバトスは直前のターンの終了時以降に瞬間移動したクリーチャー1体を呼び出すことができる。これは上記と同じ効果を持つが、そのクリーチャーは瞬間移動した地点(その空間が現在何者かに占められている場合、最も近い適切なマス)に戻る。瞬間移動したクリーチャーはDC35の意志セーヴに成功すれば、呼び戻されることに抵抗できる。セーヴDCは【魅力】に基づく。
我が名を口にしたものは誰ぞ(超常)/Hear Name バルバトスは自分の名前が口に出されたとき、距離に関係なく、次元界の境界を超えていたとしても、自分の名前を聞き取ることができる。クリーチャーがバルバトスの名前を一息に3回口にしたなら、バルバトスはそのクリーチャーの名前と正確な位置を知る上、日本語にしてそのクリーチャーが口にした次の63文字分を聞き取ることができる。1日1回、口にしたクリーチャーから10フィート以内に生きている動物あるいはバルバトスの絵や像がある場合、バルバトスはその絵や像、動物を通してそのクリーチャーに言葉を伝えることができる。動物はDC35の意志セーヴに成功すれば、バルバトスの言葉を伝達することに抵抗できる。バルバトスはこの器を通して、最大13ラウンドまで観察し、会話し、擬似呪文能力を使用できる。しかし、このリンクを通して擬似呪文能力を使用すると、残り時間に拘らず、そのリンクは即座に終了する。セーヴDCは【魅力】に基づく。

 バルバトスは地獄界ヘルの公爵の中でも謎に包まれた存在で、ほんの千年前にアスモデウスに仕えることになった、彼方から来た存在だ。厳密にはデヴィルではないが、バルバトスは地獄の最上層のアークデヴィルである。バルバトスが来て以来、バルバトスは地獄の門番として、エンジェルや不浄なるものの襲撃から地獄界ヘルの外層を守り、最後の煉獄への道案内を必要とする呪われた魂や、失われた愛を最後に垣間見るためにすべてを捧げる、涙を流す嘆願者たちを相手にしてきた。

 バルバトスの服装は地味で、忌まわしい杖としわくちゃの外套以上のものはほとんど見せない。身長は5フィート。

アイジャタス Eyjatas

オーラ 圧倒的・全て;術者レベル 26
装備部位 なし;市価 ―;重量 4ポンド
区分 上級アーティファクト

 バルバトスはアイジャタスという強力な武器を身に着けている。これは人間のものでない眼球が無数に埋め込まれた、+4アンホーリィ・スピード・クオータースタッフである。1日3回、アイジャタスをクリーチャーに命中させたとき、使用者は目標の目を引きちぎって永久に盲目状態とし、2d6ポイントの出血ダメージを与えることができる。クリーチャーはDC30の頑健セーヴに成功すればこの効果に抵抗できるが、攻撃でクリティカル・ヒットが確定した場合はセーヴを行えない。アイジャタスがクリーチャーの目を引きちぎると、その目標に対してベイン武器として機能する。

 1日3回、アイジャタスの使用者はプライング・アイズを発動できる。加えて、使用者は回数無制限でアーケイン・アイを使用でき、他の次元界にいるものでさえスクライングを通して見ることができ、アーケイン・アイの30フィート以内に回数無制限でアイバイト(DC20)を使用できる。
破壊方法
 アイジャタスを破壊するには、このクオータースタッフの無数の目を、今まで人生で嘘ばかりを語ってきた定命のものが口にする揺るぎない真実の清めの光で盲目状態にしなければならない。そのようにして盲目状態にしたなら、アイジャタスを入り口のない、どこにも通じていない魔法のポータルに投げ込まなければならない。

バルバトスの教団 Barbatos's Cult

 バルバトスは世界と世界の間の波打つ次元を操る達人であり、宇宙の隠された中間空間に足を踏み入れるものや、動物や野生の獣を操って邪悪な魔術によってそれらを歪ませて忌まわしい従者に仕立て上げる者から崇拝されている。彼の聖地は十字路、市場、港の近くにあり、瞬間移動によってのみ到達できる場所もある。地獄界ヘルへの入り口(そしてあらゆる種類の出入り口)の守護者としての役割にふさわしく、バルバトスの教団では屋敷の入口が特別に崇められていることが多く、その神殿や聖地への入り口や門には、彼の肖像や邪印が描かれていることが多い。

 バルバトスの邪印は、逆三角形に赤い目が3つあるもので、邪印の三角形の部分は3本の不潔な髭のように見えることが多い。彼の好む武器はクオータースタッフで、秩序魔術の領域と、交易信仰デヴィル秘術の副領域を与える。

アークデヴィル:ベリアル Archdevil, Belial

その体の半分は天使のような翼を持ちきらびやかで美しいが、もう半分は鱗を持ち、傷だらけで、黒ずんでいる。

ベリアル CR28 Belial

出典 Bestiary 6 20ページ
XP 4,915,200
秩序にして悪/中型サイズの来訪者デヴィル他次元界秩序変身生物
イニシアチブ +12;感覚 暗視60フィート、暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+45
オーラ Baleful Beauty(30フィート、DC39)、シールド・オヴ・ロー(DC31)
防御
AC 46、接触35、立ちすくみ37(+1回避、+11外皮、+4反発、+8【敏】、+12不浄)
HP 676(33d10+495);再生30(神性または神話)
頑健 +37、反応 +23、意志 +31;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 地獄の蘇生反射変身不定形の構造マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、(ポリモーフ)効果、(魅惑);抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 39
攻撃
移動速度 50フィート、飛行120フィート(良好)
近接 +4アンホーリィ・スピード・ランサー=+51/+46/+41/+36(2d4+26/19~20/×3)、愛撫=+40接触(特殊)、翼(×2)=+40(2d8+6)、突き刺し=+40(1d6+6)
特殊攻撃 享楽的な希望不浄なる羽吹雪ランサー体得
擬似呪文能力 (術者レベル28;精神集中+41)
一般データ
【筋】34、【敏】26、【耐】41、【知】31、【判】28、【魅】37
基本攻撃 +33;CMB +45(武器落とし+49);CMD 80(対武器落とし82)
特技 《イニシアチブ強化》《回避》《かすめ飛び攻撃》《擬似呪文能力高速化:マス・サジェスチョン《強行突破》《強打》《クリティカル強化:ランサー》《攻防一体》《上級武器落とし》《上級武器開眼:ランサー》《上級武器熟練:ランサー》《人造クリーチャー作成》《その他の魔法のアイテム作成》《武器落とし強化》《武器開眼:ランサー》《武器熟練:ランサー》《魔法の武器防具作成》
技能 〈威圧〉+46、〈軽業〉+41、〈言語学〉+46、〈交渉〉+49、〈呪文学〉+46、〈真意看破〉+45、〈製作:武器〉+46、〈知覚〉+45、〈知識:次元界〉+46、〈知識:宗教、神秘学、地域〉+43、〈はったり〉+49、〈飛行〉+48、〈変装〉+49、〈魔法装置使用〉+49
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 変身(下記参照)
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(+4アンホーリィ・スピード・ランサー、その他の宝物)
特殊能力
愛撫(超常)/Caress ベリアルによって愛撫されたり口づけされたりしたクリーチャーは負のレベルを2得る。加えて、DC39の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1d4ポイントの【知力】ダメージ、【判断力】ダメージ、【魅力】ダメージを受ける。擬似呪文能力を使用する際に即行アクションとして、ベリアルは現在愛撫の効果を受けているクリーチャー1体に、その擬似呪文能力に対する全てのセーヴィング・スローを2回ロールして低い出目を使用するように強制することができる。セーヴDCは【魅力】に基づく。
享楽的な希望(超常)/Hedonistic Hope ベリアルの30フィート以内にいるクリーチャーが(それが敵であれ味方であれ)士気ボーナスあるいは利益をもたらす[感情]効果を得たなら、ベリアルは同じ利益を得ることを選択できる(同じ種類の複数の士気ボーナスがある場合、最も高いボーナスを選択できる)。加えて、ベリアルがクリティカル・ヒットを確定させたなら、目標に効果を及ぼしている全ての士気ボーナスは1分の間抑止される。
反射変身(超常)/Reflexive Shapeshifter 1分に1回、間合い武器でない近接攻撃が命中した際、割り込みアクションとして、ベリアルは1段階小さいサイズの異なる姿を取るために変身を使用することで、その攻撃に対するACに+10の回避ボーナスを得ることができる。これにより攻撃が外れたなら、その攻撃は一切ダメージを与えず、任意の方向へと最大30フィート移動でき、それから自動的に元の姿に戻る。この能力と移動は機会攻撃を誘発しない。
不浄なる羽吹雪(変則)/Fiendish Fluttering ベリアルが同じラウンドで翼による攻撃を2回ともクリーチャー1体に命中させたなら、舞い散る羽とでこぼこした鱗によって、目標は1ラウンドの間よろめき状態になり、1d4ラウンドの間目がくらんだ状態になる。DC41の頑健セーヴに成功すれば、目標はよろめき状態にならず、目がくらんだ状態の持続時間は1ラウンドに減少する。これは視覚に基づく効果である。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
不定形の構造(変則)/Amorphous Anatomy ベリアルの絶え間ない変身は外見だけでもなく体内でも発生し、重要な器官は急速に構成と位置を動かしていく。これにより、ベリアルはクリティカル・ヒットや急所攻撃による追加ダメージを50%の確率で無効化でき、(ポリモーフ)効果に完全耐性を持つ。ベリアルは新しい感覚器を作るために姿を変え損なわれた部分を補うため、聴覚喪失状態目がくらんだ状態、あるいは盲目状態を及ぼす物理的な効果を1ラウンド後に回復する。
変身(超常)/Change Shape ベリアルは変身で任意のクリーチャーの姿を取ることができるが、与えられる特定の能力はグレーター・ポリモーフにで得られるものに限られる。ベリアルが変身を使用するのは移動アクションである。
有害なる美(超常)/Baleful Beauty ベリアルがどのような姿をしていても、ベリアルは超自然的な美の一面を備えている。ベリアルに視線が通る、30フィート以内にいる全ての人型生物(ベリアルが人型生物でいるか本来の姿をしている場合)、もしくはベリアルの取る姿の種別である全てのクリーチャー(それ以外の姿の場合)は欲情に満たされてしまう。このようなクリーチャーは、次のターンにその姿に向かって近づいて口づけをする。これにより、このクリーチャーはベリアルの愛撫の効果の目標となる。あるいは、ベリアルは極端で恐ろしい姿を取ることで、このような種別のクリーチャーに1d6ラウンドの間吐き気がする状態にすると同時に、1d6ポイントの【筋力】ダメージを与えることができる。DC39の意志セーヴに成功すれば、いずれの効果にも抵抗できる。いずれかの効果に対するセーヴに成功したクリーチャーは、以降24時間の間この効果の影響を受けなくなるが、もう一方の効果に対しては新たにセーヴを試みなければならない。これは[感情、精神作用]効果である。DCは【魅力】に基づく。
ランサー体得(変則)/Ranseur Mastery ベリアルは間合い武器でないかのようにランサーで隣接する敵を攻撃でき、ランサーに関する特技の前提条件を満たす目的において、20レベルのファイターとして扱う。

 "蒼白の接吻"ベリアルはあらゆるクリーチャーの目に完璧な姿と顔として映る姿を持つ存在として、崇拝の対象としてアスモデウスに創造された。"デヴィルの皇子"はベリアルに事実上無制限に姿を変えられる能力を与え、このアークデヴィルが遭遇した者にとって最も魅力的な存在であれば何にでも、誰にでもなれるようにするとともに、インスピレーションを与える芸術や戦争を生み出すための無限の想像力を与えた。ベリアルは喜びの中にも痛みの中にも等しく至福を見出し、魔法や武術の分野での技術革新に拘らず、創造という行為に喜びを覚える。"蒼白の接吻"は地獄界ヘルの軍団のために新しい武器を作り出し、デヴィルの手下が敵に放つための魔法の新しい具現化方法を描き、地獄界ヘルのしもべとして全く新しい種族を生み出す。しかしこの不浄なる存在は、一度生まれた創造物をほとんど気にせず、すぐに新しい興味に移る。

 ベリアルの真の姿はアスモデウス以外に知られていない。アスモデウスはベリアルにさえその秘密を伝えなかった。"蒼白の接吻"はほとんど常に姿を変え、ときには意識せずに姿を変えているように見えることもある。他の地獄の公爵たちとの評議会では、ベリアルは通常、淡い肌と髪を持ちながらも燃えるような目をした、身長5~6フィートの繊細な人型生物として現れる。その武器や道具はいつも精巧に作られているが、その不規則な怒りで汚されたところに傷がついている。ベリアルの肉欲は飽くなきものでとどまるところを知らず、自由に姿、種別、性別を入れ替え、宇宙全体の定命のものと不滅の存在の愛人と関係を持ち、その行く末にあらゆる形の無数のハーフフィーンドを残している。

ベリアルの教団 Belial's Cult

 ベリアルは尊厳と礼儀正しさの仮面の下に、不貞の快楽と禁断の欲望を求める人々に崇められている。姦淫を為す者は、加虐趣味者や拷問者、そして更に甚だしい存在と共にこのアークデヴィルの儀式を祝う。自らの欲望を満たすために堕落の深みを測ろうとするそうした裏表のある詐欺師全ては、ベリアルの寿ぎを求める。"蒼白の接吻"の聖地は大都市や人里離れた美しい自然の中にあることが多いが、そこには陰鬱な娼館や虐待を行う畜殺場が隠されている。

 ベリアルの邪印は2つに別れた顔の仮面だ。その一方は笑顔で白く、もう一方はしかめっ面で赤い。好む武器はランサー。"蒼白の接吻"は秩序破壊魅了の領域と、激怒災害色欲デヴィルの副領域を与える。

アークデヴィル:マモン Archdevil, Mammon

この輝く存在は人の姿をしているが、4本の腕と複数の足、角の生えた頭はそのデヴィル的な性質を顕にしている。

マモン CR28 Mammon

出典 Bestiary 6 26ページ
XP 4,915,200
秩序にして悪/中型サイズの来訪者秩序デヴィル他次元界
イニシアチブ +16;感覚 暗視60フィート、暗闇を見通す、振動感知60フィート、ディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+46
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC37)、シールド・オヴ・ロー(DC29)
防御
AC 46、接触39、立ちすくみ33(+1回避、+7外皮、+4反発、+12【敏】、+12不浄)
HP 676(33d10+495);再生30(神性または神話)
頑健 +30、反応 +34、意志 +34;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 煌めく栄光地獄の蘇生マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、出血攻撃、(強制)、死霊術効果、睡眠効果、石化、[即死]効果、生命力吸収、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、[病気]、麻痺、(魅惑)、朦朧化;抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 39
攻撃
移動速度 50フィート、エア・ウォーク
近接 爪(×4)=+47(1d6+14/19~20)、突き刺し=+47(2d8+14)、鉤爪(×6)=+47(2d6+14/19~20)
擬似呪文能力 (術者レベル28;精神集中+39)
一般データ
【筋】38、【敏】35、【耐】40、【知】31、【判】30、【魅】33
基本攻撃 +33;CMB +47(盗み取り+51);CMD 86(対盗み取り88)
特技 《イニシアチブ強化》《回避》《擬似呪文能力高速化:ポゼッション《強行突破》《クリティカル強化:鉤爪、爪》《クリティカル熟練》《攻防一体》《上級盗み取り》《人造クリーチャー作成》《その他の魔法のアイテム作成》《盗み取り強化》《能力熟練:グレーター・オブジェクト・ポゼッション《鋼の意志》《魔法の武器防具作成》《迎え討ち》《よろめき化クリティカル》
技能 〈威圧〉+47、〈隠密〉+48、〈鑑定〉+46、〈言語学〉+46、〈交渉〉+44、〈呪文学〉+46、〈真意看破〉+46、〈装置無力化〉+45、〈知覚〉+46、〈知識:貴族、宗教、神秘学、歴史〉+43、〈知識:次元界〉+46、〈はったり〉+47、〈魔法装置使用〉+47
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 銀の皇子マモンの印略奪者
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3
特殊能力
煌めく栄光(変則)/Gleaming Glory 銀の皇子の輝く金属光沢を持った体は、光と魔法を反射する。明るい光の中では、60フィート以内にいるクリーチャーは自動的に目がくらんだ状態となり、自分のターンを10フィート以内で開始したり、10フィート以内に移動したりしたクリーチャーはDC37の頑健セーヴに成功しない限り1d4ラウンドの間盲目状態になる。これは凝視攻撃に対して行うように目を背けたり閉じたりするうことで回避できる。光線や魔法の遠隔接触攻撃は20%の確率で外れる。そうして外れた攻撃はさらに20%の確率で60フィート以内にいる無作為な目標1体に向けられる(それ以外の場合は無害なところに反射する)。マモンに憑依されている間、これらの確率はいずれも50%に増加し、反射された効果の作成者が60フィート以内にいるなら、マモンは無作為に選択する代わりにこのクリーチャーに反射させることができる。マモンに対する凝視攻撃や光に基づく効果(カラー・スプレープリズマティック・スプレーを含む)は光線と同じ確率で反射されるが、範囲に効果を及ぼす場合は単にマモンに作用しないだけに終わる。マモンは同様の確率で、プリズマティック・ウォールプリズマティック・スフィアーを害を受けずに通過できる。セーヴDCは【魅力】に基づく。
銀の皇子(超常)/Argent Prince その本来の姿では、マモンには肉体がない。このアークデヴィルは物理的な世界とやり取りするために、ポゼッション擬似呪文能力に依存している。その本来の姿では、マモンは肉体を持たず、ACに【魅力】修正値に等しい反発ボーナス(+11)を得、基本移動速度を50フィート、飛行速度を80フィート(機動性は完璧)に変更する。本来の姿では、マモンはその肉体に関連する能力(【筋力】、銀の皇子が憑依することで得る追加の完全耐性[後述]、エア・ウォーク、外皮ボーナス、肉体攻撃)を全て失う。
 マモンは肉体を持たずに他人とやり取りすることはほとんどない。憑依するお気に入りの体は銀の皇子――このアークデヴィルの理想の姿を表現した、強力な固有の人造である。銀の皇子はマモンのグレーター・オブジェクト・ポゼッション擬似呪文能力に対するセーヴィング・スローに常に失敗し、どのような距離からでも、次元界境界を超えてさえ、マモンは即行アクションとして銀の皇子を自分のそばに呼び寄せることができる。そうするなら、マモンは即座に銀の皇子に憑依できる。銀の皇子に憑依している間、マモンは常時作用する擬似呪文能力としてエア・ウォーク煌めく栄光能力(上述)、そして出血、死霊術効果、睡眠、病気、麻痺、朦朧効果に対する完全耐性を得る。マモンが銀の皇子に憑依していない場合(通常、他の物体や存在に憑依している)、銀の皇子は擬似呪文能力や超常能力を失うが、マモンの支配下にあり、マモンの指示通りに戦い続けたり、他の行動をとったりすることができる。もし破壊された場合、マモンは再度作り出すことができるが、それにはエレバスの奥深くにある工房に1年間こもる必要がある。
マモンの印(超常)/Mammon's Mark マモンが触れた硬貨、宝石、宝飾品の一部、芸術品には、13日の間、目に見えないマモンの映像が刻まれる。マモンは印のついたものの位置を感知でき(ロケート・オブジェクトと同様だが、例え別次元界にあったとしても作用する)、それを介してエンター・イメージのように意思疎通を行える。いずれの効果も、通常の10倍の距離まで作用する(エレバスにあるマモンの領域内では距離制限はない)。クリーチャーが24時間の間、印のついた物体を所持しているなら、マモンはそのクリーチャーの居場所を特定できる(ロケート・クリーチャーと同様だが、上記の距離の増加を得る)。これは回数無制限でフリー・アクションとして使用でき、その後印のついた物体が捨てられたとしても効果を発揮し続ける。マモンはそのようなクリーチャーに対して使用した(念視)効果の術者レベル判定とセーヴDCに+10のボーナスを得る。そのようなクリーチャーが(念視)に対する防護を与える効果で守られており、マモンがエレバスにいたなら、マモンは神話パワーを1回分消費することで、その効果を無効化できる。これは[呪い]効果である。
略奪者(超常)/Plunderer マモンはロッド・オヴ・メタル・アンド・ミネラル・ディテクションを使用したかのように、300フィート以内の富を感知できる。加えて、マモンは〈鑑定〉判定とアイテムの魔法の特性を識別するために行う〈呪文学〉判定に+10のボーナスを得るとともに、1ラウンド1回、視線の届く場所にあるアイテムの価値や特性を識別するために行う〈鑑定〉もしくは〈呪文学〉判定をフリー・アクションとして行える。また、マモンはアイテムを鑑定ないし識別したターンの終了まで、そのアイテムを武器落とししたり盗み取りしたりするために行う戦技判定に+10のボーナスを得る。

 マモンは強欲の主にして、アスモデウスに長きに渡り仕える堕天使である。はるか昔敵に殺されたが、その魂は忘却に身を任せることを望まず、自らの地獄の墓石に留まり続けた。マモンの生への渇望は、死した彼の周囲に積まれた猥雑な富の中にその魂を吹き込み、彼が複数の時代の富と一体になるまでそれは続いた。"掴む者"は今や地獄界ヘル全ての金庫番であり、自分の体に組み込むための新しい宝物を発見し、地獄の財産管理をアスモデウスに直接報告することで、ますますその輝きを増している。

 マモンは物体やクリーチャーに簡単に憑依できるが、最もよく憑依するのは身長8フィートの金属製で、かつての天使の栄光を見事に再現しているが、そのデヴィルの本質によってどこか汚された銀の皇子である。

マモンの教団 Mammon's Cult

 マモンは強欲の守護者であり、不徳の商人や強欲な強盗男爵に崇拝されている。その聖地は大邸宅や美術館、宮殿と言った猥雑な豪華さの中に存在することが多い。ある者は密かにマモンに供物を捧げ、またある者は耳を傾ける者全員に――あるいは聞く気のない者にさえ――聞こえるように恥ずかしげもなくマモンの名と強欲の力を賛美する。

 マモンの邪印は角の生えたデヴィルの頭部と、その名前が淡い銀青色で刻まれた、ミッドナイト・ブルーの硬貨だ。好む武器はショートスピア。マモンは工匠秩序の領域と、金属人造デヴィル労役の副領域を与える。

アークデヴィル:メフィストフェレス Archdevil, Mephistopheles

この赤い肌のデヴィルは曲がった角3組を眉の上から生やし、不揃いな翼を3組伸ばしている。

メフィストフェレス CR30 Mephistopheles

出典 Bestiary 6 28ページ
XP 9,830,400
秩序にして悪/大型サイズの来訪者秩序デヴィル他次元界
イニシアチブ +14;感覚 暗視60フィート、暗闇を見通すディサーン・ライズディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+50
オーラ 畏怖すべき存在(120フィート、DC41)、シールド・オヴ・ロー(DC32)
防御
AC 48、接触40、立ちすくみ37(+1回避、+8外皮、-1サイズ、+4反発、+10【敏】、+16不浄)
HP 752(35d10+560);再生30(神性または神話)
頑健 +31、反応 +33、意志 +37;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 灰の精髄フリーダム・オヴ・ムーヴメント地獄の蘇生マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、吸血、(強制)、クリティカル・ヒット、攻撃の正確さを基とするダメージ、視覚喪失、出血攻撃、生命力吸収、石化、[即死]効果、聴覚失調、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、(魅惑)、目がくらんだ状態抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 41
攻撃
移動速度 50フィート、飛行100フィート(完璧)
近接 +5アクシオマティック・アンホーリィ・フレイミング・トライデント=+55/+50/+45/+40(2d6+29/19~20、加えて1d6[火炎])、突き刺し=+50(2d8+8)、翼(×6)=+48(1d8+8/19~20)
接敵面 10フィート、間合い 10フィート
特殊攻撃 地獄の翼不浄なる恩寵
擬似呪文能力 (術者レベル30;精神集中+44)
一般データ
【筋】42、【敏】30、【耐】43、【知】35、【判】34、【魅】39
基本攻撃 +35;CMB +52;CMD 93
特技 《欺きの名人》《イニシアチブ強化》《回避》《かすめ飛び攻撃》《擬似呪文能力高速化:ドミネイト・パースン《強打》《クリティカル強化:翼、トライデント》《クリティカル熟練》《攻防一体》《人造クリーチャー作成》《その他の魔法のアイテム作成》《鋼の意志》《複数回攻撃》《魔法の武器防具作成》《魔法の指輪作成》《よろめき化クリティカル》《ロッド作成》
技能 〈威圧〉+52、〈隠密〉+44、〈言語学〉+50、〈交渉〉+52、〈呪文学〉+47、〈真意看破〉+50、〈知覚〉+50、〈知識:貴族、宗教、神秘学、地域、歴史〉+47、〈知識:次元界〉+50、〈手先の早業〉+45、〈はったり〉+56、〈飛行〉+54、〈変装〉+56、〈魔法装置使用〉+49
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 へつらいの尋問者
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(+5アクシオマティック・アンホーリィ・フレイミング・トライデントヴィジネイル、その他の宝物)
特殊能力
地獄の翼(超常)/Infernal Wings メフィストフェレスは3対の翼を持つ。6枚の翼全てが与えるダメージは同じものだが、翼攻撃によって与えられる追加効果はその性質によって異なる。燃える翼が命中すれば追加で1d6ポイントの[火炎]ダメージを与え、命中したクリーチャーはDC43の反応セーヴに成功しなければ着火する。竜の翼が命中すれば2d6ポイントの出血ダメージを与える。カラスの翼が命中すればDC43の頑健セーヴに成功しなければ永続的な失明状態になる。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
灰の精髄(変則)/Ashen Essence その外面とは裏腹に、メフィストフェレスの肉体は血肉ではなく、地獄界ヘルの灰と硫黄で作られている。メフィストフェレスは聴覚喪失状態目がくらんだ状態盲目状態になることはなく、吸血、クリティカル・ヒット、出血ダメージ、精密性によるダメージに対する完全耐性を持つ。加えて、1分に1回、近接攻撃もしくは遠隔攻撃が自身に命中した際、割り込みアクションとして、メフィストフェレスは自分の体とすべての装備を灰へと変えて崩れ去り、同時にその場所から30フィート以内の任意の地点に瞬間移動してそれらを再構築することができる。こうするなら、メフィストフェレスはその攻撃から一切のダメージを受けない。ケイナにある自分の領域内では、メフィストフェレスは神話パワーを1回分消費することで、300フィート以内にある地点まで瞬間移動するか、通常なら瞬間移動を阻害する効果の目標になっていたとしても30フィートの範囲まで瞬間移動することができる。
不浄なる恩寵(超常)/Profane Gift 全ラウンド・アクションとして、メフィストフェレスは同意するデヴィルでないクリーチャー1体の能力値1つに+4の不浄ボーナスを与えることができる。クリーチャーは同時に1つしかこの恩寵を得ることができない。また、この効果により、メフィストフェレスはテレパシーでこのクリーチャーと意思疎通し、メフィストフェレスの[精神作用]擬似呪文能力をこのクリーチャーに使用できる(いずれの効果も距離は関係なく、次元界境界をまたいでさえ作用する)。不浄なる恩寵はディスペル・イーヴルもしくはディスペル・ローで解除できる。メフィストフェレスはフリー・アクションとして解除し、目標に3d6ポイントの【魅力】吸収を与えることができる(セーヴ不可)。加えて、メフィストフェレスからウィッシュを受け入れたクリーチャーは、直ちに秩序にして悪になり(意志・無効、DC41)、1週間の間グッド・ホープの利益を得るが、その後1d6ヶ月の間クラッシング・ディスペアの効果を受ける(いずれも術者レベル30)。セーヴDCは【魅力】に基づく。
へつらいの尋問者(超常)/Flattering Inquisitor メフィストフェレスはクリーチャーの機嫌を取り、秘密を聞き出すことに長けている。メフィストフェレスのディサーン・ライズ擬似呪文能力は自身から30フィート以内にいるすべてのクリーチャーに自動的に作用し、嘘をついているかを知るために精神集中を行う必要がない(とはいえ、この範囲内で嘘をつこうとするたびに、通常通り効果を無効とするために意志セーヴを試みることができる)。メフィストフェレスからの直接の質問に答える際に嘘を吐こうとした場合、DC41の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1d3ポイントの【判断力】吸収を受け、24時間の間会話できなくなる(メフィストフェレスはこの強制的な沈黙の誓いをフリー・アクションで解除できる)。これは[精神作用]効果である。セーヴDCは【魅力】に基づく。

 メフィストフェレスはアスモデウスによって、地獄界ヘルの灰と業火から作られた。メフィストフェレスはお世辞と策略の達人であり、地獄の契約を体得しており、ケイナの鎖に繋がれた牢獄の次元界の守護者でもある。メフィストフェレスは新しい霊を探し求めていつまでも働き、複雑な取引や契約といったあらゆる方法で定命のものをおびき寄せ、魂を奪い取ろうとしている。

 メフィストフェレスは筋肉質で、身長12フィートの赤肌の人間の姿をしている。

ヴィジネイル Visineir

オーラ 圧倒的・全て;術者レベル 30
装備部位 なし;市価 ―;重量 1ポンド
区分 上級アーティファクト

 このアダマンティン製の羽ペンは魂の堕落の中でメフィストフェレスが持つと最も素晴らしい武器になる。機会攻撃を誘発しない全ラウンド・アクションとして、メフィストフェレスはマジック・サークル・アゲンスト・グッド(もしくはマジック・サークル・アゲンスト・ケイオス)を描いたり、マーク・オヴ・ジャスティスを配置したり、地獄の契約を記したりすることができる。これらの契約書はいくつかの恩恵を与えるが、一般にはウィッシュ呪文やデヴィルバウンド種テンプレートを与えるという形を取る。ヴィジネイル+1ウーンディング・キーン・アダマンティン製ダガーとして使用することもできるが、メフィストフェレスがそう使うことは滅多になく、戦闘ではトライデントを用いることを好む。この羽ペンは攻撃したクリーチャーそれぞれの血液サンプルを保持することができ、一度に33種の血液サンプルを同時に蓄積できる。この羽ペンは蓄積している血のクリーチャーに対してベイン特殊能力を得、またヴィジネイルはメフィストフェレスが目標のクリーチャー1体にウィッチの傷痕の呪術を使用したかのようにその目標に印をつけることによって、1マイルまでの距離にいればメフィストフェレスはそのクリーチャーに自身の擬似呪文能力を使用できるようになる(目標がケイナにいる場合は距離に制限はない)。メフィストフェレスは全ラウンド・アクションとして蓄積した血を消費することで、望む種類のシンボル呪文を書き込んだり、グレーター・プレイナー・バインディングを発動したかのようにそのクリーチャーを喚び出したりすることができる(そのクリーチャーの実際の種別に拘らず――これは来訪者の招請という制限を受けない)。
破壊方法
 アスモデウスがメフィストフェレスの作成物を台無しにする契約書を書くためにヴィジネイルを使用すると、この羽ペンは灰になり、メフィストフェレスも灰になってしまう。

メフィストフェレスの教団 Mephistopheles's Cult

 メフィストフェレスは不正を働く商人や政治家、退廃的な貴族、残酷な暴君に崇拝されている。その聖地はほぼ間違いなく大都市にあり、多くの場合、刑務所、宮殿、法廷の下に埋まった隠し部屋や、腐敗した貴族の秘密の部屋にある。

 メフィストフェレスの邪印は黄金の御光に斜めに突き刺さる緋色のトライデントだ。メフィストフェレスの好む武器はトライデント。知識秩序ルーンの領域と、記憶言語思考デヴィルの副領域を与える。

アークデヴィル:モロク Archdevil, Moloch

その巨大な姿は、しゅうしゅうと音を立てて炸裂するまばゆい炎で満たされた、黒く染め上げられた悪魔然とした鎧のように見える。

モロク CR29 Moloch

出典 Bestiary 6 30ページ
XP 6,553,600
秩序にして悪/超大型サイズの来訪者秩序デヴィル他次元界
イニシアチブ +11;感覚 暗視60フィート、霧を見通す暗闇を見通すディテクト・グッドディテクト・ケイオストゥルー・シーイング〈知覚〉+49
オーラ 地獄炉(10フィート)、畏怖すべき存在(120フィート、DC38)、シールド・オヴ・ロー(DC29)
防御
AC 47、接触34、立ちすくみ40(+13外皮、-2サイズ、+4反発、+7【敏】、+15不浄)
HP 731(34d10+544);再生30(神性または神話)
頑健 +39、反応 +24、意志 +35;[精神作用]効果に対して+8
防御的能力 急所防御(50%)、地獄の蘇生マインド・ブランクダメージ減少 20/エピック、銀、および善;完全耐性 [火炎]、(強制)、生命力吸収、石化、[即死]効果、[毒]、能力値吸収、能力値ダメージ、(魅惑);抵抗 [強酸]30、[氷雪]30;呪文抵抗 40
攻撃
移動速度 40フィート、エア・ウォーク
近接 ゴレレッチ=+46/+41/+36/+31(3d6+18/19~20/×4)、レミザイン=+46/+41(3d6+18/17~20/×3)、噛みつき=+42(2d6+7、加えて“つかみ”、および“着火”)、突き刺し=+42(2d6+7、加えて“着火”)
接敵面 15フィート、間合い 15フィート
特殊攻撃 火葬業火の魂、高速飲み込み、着火(2d6“地獄の業火”、DC43)、棘の剣匠飲み込み(20d10“地獄の業火”ダメージ、加えて“苦痛”、AC16、HP73)
擬似呪文能力 (術者レベル29;精神集中+40)
一般データ
【筋】40、【敏】25、【耐】42、【知】25、【判】34、【魅】33
基本攻撃 +34;CMB +51(突き飛ばし+53);CMD 87(対突き飛ばし89)
特技 《イニシアチブ強化》《擬似呪文能力威力強化:ファイアー・ストーム《擬似呪文能力高速化:ブレード・バリアー《強打》《クリティカル強化:バトルアックス、ロングソード》《クリティカル熟練》《攻防一体》《神速の反応》《神速の反応強化》《突き飛ばし強化》《二刀のかきむしり》《二重斬り》《二刀流》《二刀流強化》《魔法の武器防具作成》《よろめき化クリティカル》
技能 〈威圧〉+48、〈言語学〉+44、〈呪文学〉+44、〈真意看破〉+49、〈生存〉+46、〈知覚〉+49、〈知識:貴族、次元界〉+44、〈知識:宗教、神秘学、歴史〉+41、〈はったり〉+48、〈魔法装置使用〉+45
言語 全て(言語体得);テレパシー300フィート
その他の特殊能力 武具召喚地獄の要塞
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(地獄界ヘル)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(ゴレレッチレミザイン、その他の宝物)
特殊能力
棘の剣匠(変則)/Barbed Blademaster モロクはすべての武器に習熟している。加えて、モロクが手にしたすべての斬撃武器あるいは刺突武器は残酷で邪悪な棘が生え、モロクが所持している限りクリティカル倍率が1増加する。フォーティフィケーションを持つ目標は、モロクのクリティカル・ヒットを無効化する確率が通常の半分しかない。
武具召喚(超常)/Call Weaponry モロクは回数無制限のフリー・アクションとして、その武器であるゴレレッチ+3アダマンティン製アンホーリィ・ヴォーパル・バトルアックス)とレミザイン+3アクシオマティック・アンホーリィ・ウーンディング・クルーエル・ロングソード)をその手に呼び出すことができる。武器との距離は関係なく、次元界境界を超えて呼び出せる。いずれかの武器が破壊されたなら、標準アクションとしてその武器を再生成し、その手に呼び出すことができる。必要であれば、全ラウンド・アクションとして両方の武器を生み出すこともできる。この方法で武器を生み出す行為は機会攻撃を誘発するが、武器を呼び出す行為は機会攻撃を誘発しない。
地獄炉(変則)/Fiendish Furnace モロクの10フィート以内に侵入したか、そのターンをこの範囲で開始したクリーチャーは、2d8ポイントの“地獄の業火”ダメージを受ける(セーヴ不可)。加えて、モロクに近接攻撃を命中させたクリーチャーはDC43のセーヴを行わねばならず、失敗すると“着火”能力の影響を受ける。モロクが[氷雪]ダメージを受けた場合、モロクはその攻撃から[氷雪]ダメージを一切受けないことを選択できるが、そうすると地獄炉能力は次のターンの開始時まで無効化される。この選択は反射的なものであり、モロクのアクションの一切を必要としない。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
火葬(超常)/Incinerate モロクの“地獄の業火”を与える攻撃や効果によってHPが0以下に減少したクリーチャーは、即座に死亡状態になり、その体は灰になる(頑健・無効、DC38)。この方法で破壊されたクリーチャーは、ウィッシュトゥルー・リザレクションミラクル、もしくは神の介入によってのみ蘇生されることができる。セーヴDCは【魅力】に基づく。
地獄の要塞(超常)/Infernal Fortress 1日1回、全ラウンド・アクションとして、モロクは30フィート以内の地面の一点から要塞を屹立させることができる。この能力はモロクがインスタント・フォートレスを使用したかのように扱うが、この要塞は一辺60フィートの正方形で高さ90フィート、超大型サイズのクリーチャーまでが出入りできる点が異なる。作成すると、この要塞はモロクが再びこの能力を使用するまで永続する。再び使用すると、もとの要塞は消え去ってしまい、要塞の中にいたクリーチャーや物体はその時点で地面に落下する。
業火の魂(超常)/Spirit of Hellfire モロクが通常なら[火炎]ダメージを与える効果を使用した際、それは変わりに“地獄の業火”ダメージを与える。“地獄の業火”によって与えられたダメージの半分は[火炎]ダメージだが、残りの半分は不浄ダメージであり、[火炎]に対する抵抗や[火炎]に対する完全耐性で減少させることはできない。
飲み込み(超常)/Swallow Whole モロクの飲み込みによって“地獄の業火”ダメージを受けたクリーチャーはDC43の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると苦痛に圧倒されて叫び嘆くことしかできず、他のアクションを行えなくなる。これは[苦痛]効果である。目標が苦痛で叫ぶラウンド毎に、モロクの畏怖すべき存在は自動的に起動し、畏怖すべき存在に抵抗するためのセーヴDCに+4の不浄ボーナスを得る。セーヴDCは【耐久力】に基づく。

 モロクは地獄軍の恐るべき将軍である。地獄軍とはマーレボルジェの穴にいるモロクが率いる軍勢と、その次元界中に広がる副官に仕える軍団をあわせたものだ。モロクはアスモデウスと地獄界ヘルそのものに深い忠誠を誓い、デヴィルだけでなく、迷える魂や地獄界ヘルに住む他の住人、次元界間の傭兵らを、残忍で終わりのない戦役に参加させている。モロクは地獄界ヘルの全ての軍の配置とその詳細を説明でき、地獄界ヘルの基準から見ても恐ろしいほどの灼熱の拷問を背景として、軍事的な問題に関しては不服従や軍規違反を許さない。モロクは人間の信者に対して驚くほど良い反応を示し、地獄軍への食料や物資、兵士といった贈り物とその恩寵を喜んで交換する。定命の世界の炎の中でモロクに生贄として捧げられた者や死後にモロクの名誉のために儀式的な火葬を受けたものは、モロク軍の中で永遠に兵士として隷属されることになる。

 モロクは炎と鋼でできた巨大な巨人で、身長24フィート、重量5米トン。鎧のように見えるものは実際にはモロクの肉体で、その中には炎、灰、過去の犠牲者の焦げた骨片以外はなにもない。その燃え上がる外見とは裏腹に、モロクは冷静沈着な戦術家で、何百年にも渡って戦争を研究し、天界軍や地獄界ヘルの凶悪なライバルとの果てしない戦いの中で、知られているあらゆる戦術理論を実践してきた。

モロクの教団 Moloch's Cult

 モロクは軍将や暴君に崇拝されている。他の多くのアークデヴィルとは異なり、その信仰はしばしば公の場で行われ、一つ岩で作られた神殿建造物や消えることのない炎の穴を伴い、そこで“灰の雄牛”への生贄が火にくべられる事で捧げられるか、その生贄の心臓が切り取られて燃やされ、地獄の高貴な領主たちの命令の下でその勇気を“第六の主”が率いる不滅の軍隊へと焼き付ける。その聖地は黒く焼けた石と歪んだ鉄の祭壇で、巨大な銅鑼と火鉢が置かれ、戦争が全ての者にもたらす死の鐘を鳴らしている。

 モロクの邪印は、影のある赤と黒の雄牛の頭部であり、そのうちには病的な黄炎が描かれている。彼は(バトルアックスのゴレレッチとロングソードのレミザインを好むものの)すべての武器を使用できるが、好む武器はウィップである。それは、信者らが鞭で軍を率いることを好むからだ。モロクは秩序の領域と、戦術デヴィルの副領域を与える。
最終更新:2021年09月20日 04:46