「よう佐々木」
「やぁ、キョン。それは残像だよ」
背後から佐々木に肩を叩かれる。
何!? って佐々木と思ったらこれ九曜じゃねえか!
「――これ――――――物をさす言葉―――」
「……キョン、キミは女性に対する気遣いというものをもう少し学ぶべきだと思うよ」
「人をからかう奴が言う事か!」
「それよりほれ、ホワイトデーのプレゼントだ」
「ほう。まさかキミがこのイベントを忘れていなかったとは驚いたよ」
「ははは俺だっていつまでも昔の俺じゃねえさって」
胸をそらして笑った俺を、ざわざわと九曜の髪が絡め取る。
「な」
「素晴らしいよキョン。これでバレンタインデーをすっぽかしてなければ完璧だったね」