26-607「閉鎖空間が赤で染まる日」

「んん・・・!もう!なんでクリスマスイブも潰してまでこんなことしなくちゃならないんですか?
今日こそ説得に応じてもらいますよ、キョンさん」
「そりゃこっちの台詞だ。お袋たちは『ごゆっくり』とか言って外に食べに行って
俺はお前と二人っきりで飯を食うことになるし・・・」
「あなたが頑固なのがいけないんですよ」
「・・・・・・ケーキは無しだな」
「あ、それはいただきます。だから私のショートを取らないで!」
「元々俺のだ!」
「女の子にはやさしくするものです」
「誘拐犯以外には優しいから心配すんな」
「根に持つ人は嫌われますよ」
「まったく構わないが何か?」
「ポンジーと同じタイプなのです」
「あいつと一緒にするな」
「じゃあショートぐらいくださいよ」
「……食って良いから帰れよ」
「今日は説得に応じるまで帰らないのです」
「寝る場所なんかないからな!」
「組織から支給された良い子のお泊りセットがあるので心配御無用なのです」
「今日ぐらい帰ってくれ!」
「なら話を聞いてください!」
  ピンポ~ン
さて今日はクリスマスイブ。キョンのことだからフラグラばかりで一人のはずだ
前々からキョンの部屋には洋服や下着を隠しているからね
なし崩しでお泊りが出来るってもんだよ、くっくっ
「ホラキャクガキタカラオマエハカエレ」
「ソウヤッテニゲヨウタッテダメデスヨ」
おや先客がいたようだ。でも会話から察するに招かれざる客みたいだね
『キョンの将来の妻』の僕が来たからには帰ってもらうとするか…
「あ…佐、佐々木さん・・・奇、奇遇ですね…」
な、なんで彼女がここにいるんだ?キョンはいつから浮気する甲斐性ができたんだ?
落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…
『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…僕に勇気を与えてくれる
1…いや1は違う、2…3…5…7…11…13…17…19…ふう落ち着いた
いいだろう泥坊猫め…人の夫に手を出すとどうなるか思い知らせてやろうじゃないか…
「そんな急ぐことないじゃないよ、橘さん。まだ帰る気はなかったんだろう?
中でゆっくりお話でもしようか・・・」
「いや…ちょっと用事を思い出したので先に帰るのです」
「そうやって逃げようたってだめだよ」
帰す気はさらさらないんだからね、くっくっ
「ひぃっ!キョ、キョンさん!助けてほしいのです」
「あの~佐々木さん?ちょっと怒r「キョン、君の部屋を借りてもいいかい?」
「サー・イエス・サー」

「さてわざわざこの聖夜に何をしに来たのかな、橘さん?」
「別に聖夜とかは関係ないのです、信じてください佐々木さん
イベントなんか関係なくキョンさんの家には毎日来ているのです」
「へぇ、ま・い・に・ち?」
「あ……」
「馬鹿、空気読め」
「きっちり話してもらおうか…内容次第では橘さん、君を閉鎖空間に送ってあげよう」
「ごめんなさい、ごめんなさい。だから神人の群れの中に行かせるのはやめて~」
Happy Christmas Eve

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最終更新:2007年12月29日 00:18
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