晴れた日には、2人でそぞろ歩きを
今日、私・槇野晶は渋谷センター街へと繰り出している。
レディたるもの、ファッションの一つや二つは気を遣わねば。
……「どうみても幼女」とか「その眼鏡は邪魔」とか言った奴。
即刻前に出てこい、顎に飛び膝蹴り入れてやろう。返品不可。
レディたるもの、ファッションの一つや二つは気を遣わねば。
……「どうみても幼女」とか「その眼鏡は邪魔」とか言った奴。
即刻前に出てこい、顎に飛び膝蹴り入れてやろう。返品不可。
「コワイ顔してどうしましたですの、マイスター?」
「ああいや、不埒な読者諸兄にちょっと釘をな、ロッテ」
「よくわかりませんけど、マイスターも大変ですの~」
「それよりもだ、この服はロッテ的にどうだ?」
「わぁ……この色合いがステキですの~♪」
「ああいや、不埒な読者諸兄にちょっと釘をな、ロッテ」
「よくわかりませんけど、マイスターも大変ですの~」
「それよりもだ、この服はロッテ的にどうだ?」
「わぁ……この色合いがステキですの~♪」
そう。今日来たのは何も私の為ではない、ロッテの為でもある。
開発当初こそ様々な色眼鏡で見られまくった“神姫”ではあるが、
アミューズメント施設にバトルフィールドが普及した努力もあり、
昨今では趣味としての市民権を得ている。故に、今日の私の様に
お気に入りの“神姫”を肩に乗せ、歩く者も珍しくはないのだ。
主要ユーザー層が男性とは言え、女性ユーザーもいるのだぞ?
開発当初こそ様々な色眼鏡で見られまくった“神姫”ではあるが、
アミューズメント施設にバトルフィールドが普及した努力もあり、
昨今では趣味としての市民権を得ている。故に、今日の私の様に
お気に入りの“神姫”を肩に乗せ、歩く者も珍しくはないのだ。
主要ユーザー層が男性とは言え、女性ユーザーもいるのだぞ?
「ふむ、この色合い。デザインはどうだい、ロッテ?」
「ちょっとシンプルですけど、お出かけによさそうですの」
「よぉし、では今日の参考品は“これ”としようか」
「わ~いっ、お洋服の素材決定ですの~♪」
「ちょっとシンプルですけど、お出かけによさそうですの」
「よぉし、では今日の参考品は“これ”としようか」
「わ~いっ、お洋服の素材決定ですの~♪」
さて、MMSショップ“ALChemist”の店長なぞをしている私だが、
当店では正規品の販売だけでなく点検修理・改造も行っている。
各種バトル用ハンドメイドパーツの製作は妥協無く請け負うし、
いかがわしい改造も……真面目な事情があればやらんでもない。
だが、それ以上に私が目玉商品として力を注いでいるのが……。
当店では正規品の販売だけでなく点検修理・改造も行っている。
各種バトル用ハンドメイドパーツの製作は妥協無く請け負うし、
いかがわしい改造も……真面目な事情があればやらんでもない。
だが、それ以上に私が目玉商品として力を注いでいるのが……。
「マイスターの作るお洋服は、綺麗だから好きですの~♪」
「こらこら、ディスプレイカメラがぶれるぞ。すりすりは後っ」
「……あっ、マイスターごめんなさいですの。てへへっ……」
「仕方ない娘。後20秒でスキャン完了だ、待っていろ?」
「こらこら、ディスプレイカメラがぶれるぞ。すりすりは後っ」
「……あっ、マイスターごめんなさいですの。てへへっ……」
「仕方ない娘。後20秒でスキャン完了だ、待っていろ?」
“神姫の為の洋服”。ショップブランドとして細々と制作中の
これが好事家──ドール用の服で飽きたらぬ人々──に受けた。
ブランド名はとある作品に準え“Electro Lolita”としている。
私が元々洋服好き……友人はコスプレと揶揄するが、ともかく!
そういう嗜好と、ロッテのCSCが産み出した“少女趣味”という
性格のコラボによって、この生業は急速に軌道に乗っている。
これが好事家──ドール用の服で飽きたらぬ人々──に受けた。
ブランド名はとある作品に準え“Electro Lolita”としている。
私が元々洋服好き……友人はコスプレと揶揄するが、ともかく!
そういう嗜好と、ロッテのCSCが産み出した“少女趣味”という
性格のコラボによって、この生業は急速に軌道に乗っている。
「よし、終了。後は私流に大胆アレンジして……うむうむ」
「そして試作品が出来上がったら、わたしが試着ですのっ!」
「そう言う事だ、今回はクロスタイプで一ついってみるかね」
「あ、アーマータイプではないんですの?軽くていいですけど」
「デザインのアレンジからすると、布の方が決まりそうでな」
「そして試作品が出来上がったら、わたしが試着ですのっ!」
「そう言う事だ、今回はクロスタイプで一ついってみるかね」
「あ、アーマータイプではないんですの?軽くていいですけど」
「デザインのアレンジからすると、布の方が決まりそうでな」
趣味作の第一号から現在まで、モデルはずっとロッテである。
ボディラインが豊かな他タイプの神姫に頼むのもいいのだが、
アーンヴァルタイプの“妹”相手だと、俄然やる気が違う物だ。
そしてだからこそ、時間が掛かっても妥協のない逸品が出来る。
元より職人(マイスター)とは、そういう存在であろう?
ボディラインが豊かな他タイプの神姫に頼むのもいいのだが、
アーンヴァルタイプの“妹”相手だと、俄然やる気が違う物だ。
そしてだからこそ、時間が掛かっても妥協のない逸品が出来る。
元より職人(マイスター)とは、そういう存在であろう?
「じゃあ、この後はマイスターのお洋服を選んであげますの」
「なっ!?なな、私の服はいいと何時も言ってるだろう?」
「だめですの~、さ、行きましょう行きましょう~♪」
「あ、こら。ディスプレイを引っ張るなっ!」
「なっ!?なな、私の服はいいと何時も言ってるだろう?」
「だめですの~、さ、行きましょう行きましょう~♪」
「あ、こら。ディスプレイを引っ張るなっ!」
突然の事で驚いた向きもあるかもしれない。まあそのなんだ。
詰まる所、これがロッテに与えている“モデル料”な訳である。
ウェアラブルPCのカメラ・ディスプレイを兼ねた眼鏡をぐいぐい
引っ張られつつ、不平を言いながら連れられていく私も……。
詰まる所、これがロッテに与えている“モデル料”な訳である。
ウェアラブルPCのカメラ・ディスプレイを兼ねた眼鏡をぐいぐい
引っ張られつつ、不平を言いながら連れられていく私も……。
「これを、楽しみにしているのかもしれんな」
「あ、マイスターの本音聞けましたの~♪」
「う゛……うるさいぞロッテッ!?」
「あ、マイスターの本音聞けましたの~♪」
「う゛……うるさいぞロッテッ!?」
──────だって、言ったら照れくさいじゃない。