開発者インタビュー

■レヴォーグ【開発者インタビュー】 (2014.2.3)
 http://www.webcg.net/articles/-/30224

 2014年春に市場投入される、スバルの新型ワゴン「レヴォーグ」。その誕生の背景は、どの様なモノだったのか?開発責任者に話を聞いた。

<質問のみ抽出>
 ●Q1: 新しいレヴォーグは「国内専用モデル」といわれてますが、どのあたりが“国内専用”なんですか?

 ●Q2: そうはいっても、納得しにくいのがボディーの寸法。たしかに全長は短縮されましたが、全幅が1780mmもあるなんて、とても日本向けに見えませんが?

 ●Q3: 違うんじゃないですか? 「インプレッサ」がだんだん大きくなってきた結果、レガシィとの板挟みで、この全幅しか選べなかったようにも見えますが?

 ●Q4: インテリアに関して、日本の消費者に喜んでもらうポイントとは?

 ●Q5: スバルって、そういう表面的な「見せ方」にこだわらない価値観が特色だと思っていたのですが?

 ●Q6: 今スバルは、多くの点で「トヨタ」と共同で仕事をしています。そして、見た目や質感、コストダウンは「トヨタ」の特技。レヴォーグの開発にも、「トヨタ」からの影響を受けましたか?

 ●Q7: それにしても、景気回復とはいえ、国内のクルマ市場、決して活況とは言えません。ちゃんと売れますか?

 ●Q8: そうすると、レヴォーグが「レガシィ」を食っちゃうんじゃないですか?

 ●Q9: つまり、将来のレガシィについては、あまり国内でのヒットは期待していない?

 ●Q10: それにしても、最近はワゴン界が低調すぎます。そんな中でレヴォーグがワゴンだけというのは、少し冒険なのでは?

<回答のみ抽出>
 ●A1: 皆さんは車体のダウンサイズを話題にしてくれますけれど、実はもっと広い意味で「国内のお客樣が何を求めておられるのか、それにスバルが応える事が出来ていたかを全面的に見直した」というのが基本。そこに力を集中したという点で「国内専用」なんです。

 ●A2: 確かに、その点では小さいとは言えないかもしれません。
 お客さまの声を集めてみると、広い室内スペースの為に「現行レガシィ(ツーリングワゴン)」くらいの全幅があるのは受け入れられるけど、フェンダーフレアが張り出した「アウトバック」はどうも……という傾向があります。その辺りに正解があるのかな、と。

 ●A3: 大切だったのはデザインなんです。これまでのスバルって「側面がペタッと平らに見える」と言われたことが多かったでしょ。「あまり色気がない」とか。
 今のレガシィも「箱っぽい」という声があります。そのぶん凝縮感も濃いのですが。そこに「豊かさ」とか「厚み感」を持たせたかった。
 しかし、それは、5ナンバー(全幅1700mm以下)じゃ無理っぽい。だからといって、1800mmを超えると広すぎる。
 駐車スペースの関係で1750mmが限度というお客樣もいらっしゃるけれど、いろいろ調べてみて、どうやら1780mmあたりでギリギリ妥協できそうだと選んだわけです。

 ●A4: やっぱり質感だろうと。プラスチック感やパキパキ感を徹底的に排除したかったです。
 その上で面の部分を上質なピアノブラックで彩るとか、要所要所にクロムのアクセントを配するとか……。

 ●A5: そうでしたが、社内の考え方、感じ方がだいぶ変わってきたのは事実です。
 質感とか意匠とか、感覚的に捉える部分をもっと重視しようと。
 そして「日本人が日本の為に、どういうモノが作れるかを考えよう」となったんです。その為には金も使いました。
 「次期WRX」(2013年11月にロサンゼルスオートショーで発表)とセットの形で仕事を進めて、コストを下げる努力も必要でしたけれど。

 ●A6: そう思われるのも当然かもしれませんけれど、これは富士重工が独自で手がけました。
 それより欧州車を含め、色々なクルマをベンチマークにしました。
 アウディ(の計器盤)とか、あとはBMWとか。どうやって質感を高めているのか観察しました。

 ●A7: スバル自身が把握しているレガシィのお客樣が約30万人います。その他に約10万人、その合計40万人の皆さんに振り向いてもらえるかどうかが努力目標になります。

 ●A8: すでに次世代レガシィのコンセプトモデルは発表してますが、これから行く道を考えると、率直に言って日本が主軸の車種とは言いにくい。
 そういう意味では(レヴォーグが)そのポジションを受け継ぐわけで、共食いになるとは言えない。

 ●A9: 対米特化と言えるかもしれません。
 日本では最近ヨーロッパ系が元気ですから、そちらとの競争かなと。
 しかし、欧州車を意識してレガシィを元気にすると、それはそれで国内ユーザーのニーズから離れる可能性はあります。

 ●A10: まだまだ日欧ではワゴンが活躍する余地があります。
 その中で、まずレヴォーグをジャパン・ベストに仕上げる意味は大きいと信じてます。
 運転していただければわかりますが、レヴォーグはワゴンであるだけでなく、「スポーツカー」(2.0DIT:最高出力300ps(221kW)/最大トルク40.8kgm(400Nm)でもあるんですから

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最終更新:2014年02月11日 02:20