【都民割で行く八丈島】
第2話)八丈島は東京都

《旅行記|伊豆諸島|八丈島》

八丈島2日目、事実上この1日が今回の旅のほぼ全てになるが、スクーターを借りて島の主要な見どころを回ることにした。

八丈島は東京都に属している。そして島を走る車は何と品川ナンバー。ということはオイラも品川ナンバーのバイクに乗れるのだ!! なんかちょっとセレブな気分に浸れそうと思ったのだが、借りた原付のナンバーはなんと「八丈島」。なぜバイクだけナンバーが違うのかは謎であるが、ともかく「お前に品川ナンバーは似合わん」と神様に告げられたようである。しょぼん。

八丈島 旅行記|スクーターで観光スポットを巡ってゆく
スクーターで観光スポットを巡ってゆく

幸い天気も良く快調にスクーターを飛ばして見どころを回る。大里地区の玉石垣、樫立地区の服部屋敷跡、中之郷地区の裏見ヶ滝や足湯きらめきなど、観光パンフに載っているスポットを巡ってゆく。

雄大な自然の中にある八丈島であるが、所々で違和感を感じることがあった。例えば漁港にあるコンテナ。

 「JF東京都漁連」

とそこには大きく書かれていた。東京都に漁業組合とは違和感だらけだが、よく考えると伊豆諸島や小笠原諸島など東京都は離島王国なのだ。漁協があっても何らおかしくはないのだが、どうも感覚的に馴染まない。

八丈島 旅行記|東京都に漁業組合
東京都に漁業組合

他にも八丈島が東京都であることに違和感を覚えることがあった。最終日に町営バスで空港に向かったのだが、なんとこのバスでも東京都のシルバーパスが使えるのだ。理屈で言えば東京都なのだから当たり前だが、車窓に雄大な八丈富士の姿を見つつ、東京都シルバーパスと言われても、これもまたどうも感覚的に馴染まない。

八丈島 旅行記|東京都シルバーパスが使える町営バスは全座席がシルバーシート
東京都シルバーパスが使える町営バスは全座席がシルバーシート

さらについでに言うなら、この町営バスは全座席がシルバーシートであった。だが、車社会の離島で町営バスの利用者は運転できないお年寄りだけ。ということはシルバーシートにしなくても自然と全席シルバーシートになってしまうと思うのだが…

東京都がらみでもう一つ言うと、八丈島の北東に「長友ロード」なるスポットがあったので行ってみた。ここはなんとJリーグ・FC東京所属の日本代表・長友佑都選手がトレーニングをしたことから命名された。八丈島一周道路から分岐する坂道でダッシュを繰り返していたというのだが、その分岐店には直筆サインを刻んだ石碑が立っていた。そしてその石碑を裏から見ると背番号「5」が燦然と輝いている。

先日カタールW杯の出場メンバーが発表され、見事長友選手も選出された。そしてその2日後に各選手の背番号が発表されたが、八丈島の関係者は背番号発表の方にさぞかし気をもんだことであろう。幸いにも長友選手の背番号は「5」に決定。石碑の背番号を書き換えずにすんで関係者はホッとしたに違いない。

八丈島 旅行記|日本代表・長友佑都選手がトレーニングをした「長友ロード」
日本代表・長友佑都選手がトレーニングをした「長友ロード」

長友ロードを訪れた後、観光パンフに載っていない裏名所を訪れてみた。それは日本三大廃墟の一つと言われている八丈オリエンタルリゾートホテルである。浦安にあるネズミでおなじみのテーマパークの運営企業に似たような名前だが全く関係はない。

大昔まだ海外旅行が自由化されてない頃、八丈島は「日本のハワイ」と呼ばれ大いににぎわったらしい。そうした需要を取り込むための大型リゾートホテルであったのだが、経営が破綻し今はその巨体が放置されているという。

グーグルマップを頼りに廃墟跡に向かうと、遠くからも巨大な廃墟が印象的な尖塔とともに見えてきた。リゾート入口からゲート内のロータリーに入ることができたが、ロータリーの中は草ぼうぼうである。バイクを止めて建物の方に向かうと、敷地内は雑木林と化して無残な姿を晒していた。

八丈島 旅行記|日本三大廃墟の一つ「八丈オリエンタルリゾートホテル」
日本三大廃墟の一つ「八丈オリエンタルリゾートホテル」

さらにしばらく行くとここから先は「立入禁止・(罰金刑有)」の看板が目に留まった。あの巨大なホテルの内部は今どのように変わり果てているのか興味が尽きないが、罪人にはなりたくはない。

島流しを食らう前にオイラは三大廃墟の一つを後にしたのであった。

(続く)


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最終更新:2022年11月23日 12:48