ゆっくりイジメ?小ネタ8 ゆっくりと老人

ゆっくりを潰してばかりでは芸が無いので
ゆっくりの涙腺を破壊するシチュエーションを書いてみた




年老いた老人と紅白のゆっくりが縁側に座っていた
「お前と会ってずいぶんと経つね」
老人はそのゆっくりの頭を愛おしいそうになでる
「ゆっゆっゆ♪」
ゆっくりは気持ちよさそうに目を閉じてその手を甘受する
沈みかける夕日を眺めながら老人は言葉を続けた
「お前と出会った時のことは、まるで昨日のことのように覚えとるよ」

庭の雑草の生い茂る箇所を指す

「お前があそこからいきなり飛び出してきて」
「ゆっくりしていってね!」
「そう言ったっけか、私は最初どこの妖怪の類かと驚いたが、今思えば馬鹿な話だ」
老人が縁側に置いてあるお盆から煎餅を取るとゆっくりの口に運ぶ、ゆっくりはそれをくわえてもしゃもしゃと咀嚼する
「旨いかい?」
「うめぇ!めっちゃうめぇ!」
その返事に老人は微笑む
「うれしかったよ、息子夫婦に捨てられたこんな私に毎日会いに来てくれて、話し相手になってくれたのだから」
人里から離れた所に隠居していたこの老人は世間でゆっくりがどのような扱いを受けているか知らない

ゆっくりとの思い出がこみ上げてきて、老人の目にうっすらと涙が浮かぶ
「時間というのはあっというまに過ぎていく」
「ゆっくり過ぎてほしいね!もっとゆっくりしたいね!おじいさん、今日もゆっくりしようね!」
うれしそうに言うゆっくり

「そうしたいのは山々なんだがね。どうやらこれ以上一緒にゆっくりできそうにないんだ」
ゆっくりがその言葉の意味がわからずに首をかしげるように傾く
「すまなかったねぇ、私のような老いぼれと関わったせいで、お前は仲間たちから離れて独りぼっちになってしまった」

徐々に夕闇が一人と一匹を包んでいく

「この家はお前が好きに使うといい、おんぼろな家で申し訳ないがお友達と冬を過ごすときはそこそこ役立つはずだ」
これは遺言だった
「お前とゆっくりできた日々は本当に幸せだった。まるで孫が遊びに来てくれた・・・いや、お前は私の孫だ。そう思わせてほしい」

老人は自らの死期を悟る
「ああ、つかれた。しばらくゆっくりさせてもらおうか」
「ゆっくりしていってね!」
いつも通りのやりとりに満足して、老人は優しく笑った

老人はその笑顔のまま縁側に寝そべった
「ゆっくり起きてね!ゆっくり起きてね!」
いつも朝に、老人を起こすように上に乗って元気よく飛び跳ねる
老人は起きない
じゃれるようにぶつかっても、やさしく噛みついても

老人が起き上がることは無かった

(もっとお前とゆっくりしたかったよ)どこからかそんな声が聞こえたような気がした

「やだよ、もっと・・・・いっじょ、に、ゆっぐ・・・・りじたいよ・・・ひとりじゃ・・・ゆっくりでき、ないよ」

老人がもう動かないのだとゆっくりが理解した時
小さなあばら屋に大きな泣き声が木霊した
あの小さな体のどこから絞り出したのか
その声は遠く離れた人里にすら聞こえるほどだった

日が落ちてもゆっくりの涙が枯れることはなかった
冷たくなった老人の傍ら、「ゆっ……!ゆっ……!」と嗚咽を漏らす。

不意に、草木の繁茂する宵闇の中から大きな影がひとつ飛び出した
「あ~あ。道草してたらこんな時間とはねぇ……帰ったらまた説教だよ……おや?」
歪な刃の鎌を背負った、長身の女性だった
「こんな辺鄙な所で一人か。看取る者もおらず、さぞ寂しかったろうに」

雑草を掻き分け、女性はあばら屋へ近づく
すると彼女と老人の亡骸の間に割って入るように、紅白の饅頭が転がり出た

「おねえざああん!ゆっぐりだずげでええ!」

「へぇ、これは……幻想郷で流行ってるらしい饅頭かい。
 残念だけどあたいは死神さ。それ、この鎌でお前さんの命を奪ってやるぞ」

「ゆっ!?ゆっぐりやめでえええ!!」

「…なんてね。お迎えはあたいの仕事じゃないから安心しな」
彼女はそう言って肩をすくめ、ゆっくりの涙を拭ってやる
旨いと評判の饅頭らしいが、こんな涙や涎でふやけたモノを持ち帰っても生ゴミになるだけだろう

「お前さんはこんなところで何をしているんだ?」
ゆっぐゆっぐ…と泣き止まないゆっくりだったが、
彼女に自分が老人と一緒にゆっくり生活してきたことを説明しようとした
語彙が貧相で要領を得ないゆっくりした説明に、彼女は辛抱強く耳を傾けてくれた

大方の事情を把握すると、彼女はゆっくりを諭すように言った
「饅頭よ、この人間の霊魂はもう冥界へと旅立ってしまったんだ。
 お前さんがいくら泣いても、もう戻ることはないよ」
「ゆっ…ぐ……」
知能の低いゆっくりとはいえ、
老人とゆっくり出来なくなったという事実だけは何故かはっきり認識出来た。

「……だが、お前さんがこの老人の側に居てやったことで、この老人の霊魂は少しだけ救われたようだね」
「ゆっ……?」
「親しい友もおらず、親族にも忌避された。この老人のために財産を使ってやった者など、数えるほどしかいない」
「ゆっ!?ひどいよ!?」
「だがね、最期にお前さんがこの老人に僅かながら財産と呼べるものを与えたよ」
「ゆ、ゆっくりせつめいしてね!?」
ゆっくりは困惑顔でぽんぽん飛び跳ねる。
「ああ、っと……そうだねぇ」

そのとき、女性の脳裏に彼女の上司のしかめっ面が過ぎった。
「うっ!?」
彼女が急に縁側から腰を上げたため、彼女のひざでゆっくりしていた饅頭はぽてん、と転がり落ちた。
「おねえさん!ゆっくりたちあがってね!」
ゆっくりを縁側に戻してやると、彼女は放って置いた鎌を引っ提げた。
「ごめんよ饅頭、もう帰らないと」
「ゆっ!?おねえさん!さっきのわかんないよ!?」
涙目になって足袋に噛み付くゆっくりを宥めると、彼女は言った

「この老人の霊魂は、三途の河を無事に渡ることを許されたのさ」
ゆっくりがますます不思議そうな顔をする。

「あたいの船で、ゆっくりとね」

そう残し、彼女は一目散に職場へと戻って行った。

ゆっくりに彼女の言葉の意味はよく分からなかったが、自分が老人と居て幸せだったように
老人もまた、ゆっくりによって幸せな時間をゆっくり過ごせたのだと、改めて思った。

エピローグ

-閻魔の地下室-

「きゃん!…で、ですから、時は金なり、ですよ!
 あの饅頭と過ごした時間が財産だったんですよ!饅頭だけに旨いこと言いましたよね?きゃんっ!?」

「小町……貴方は少し私情を挟み過ぎる。今日という今日は百叩きの刑ですよンフフ……」





っていうのは全部ゆっくりの夢で

ゆっくりが小町に手伝ってもらって老人を埋葬

埋葬した後でゆっくりが小町に老人の蘇生は出来ないのかと尋ねる

つ換命「不惜身命、可惜身命」

老人はゆっくりの生命力を得て墓からイヤッホォォォ

朽ちて変色したゆっくりを墓に埋めてめでたしめでたし

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最終更新:2008年09月14日 09:13
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