漫画 漂流教室パロ ネタばれ注意
荒廃した未来へ飛ばされたゆっくり!果たしてゆっくりはこの先生きのこれるか!!
200匹もの様々なゆっくりが、ある日学校の中で目覚めた。
「ゆゆ、ここどこ?」
「わからないよー」
「まりさのおうちは?」
「れいむのかわいいあかちゃんは?」
「おかあしゃんおなかしゅいたよー!!」
至る所から困惑の声が上がる。
それもそのはず、自分たちはおうちでゆっくりしていたのだから。竹林のゆっくり駆除を兼ねての実験材料確保のためにイナバたちが様々な集落に睡眠剤が散布し、この永遠亭の実験場に運び込んだことなど分かるはずもない。
そして状況の分かっていないゆっくりたちは最初うろたえていたが、やがて危険がないとわかるとさっそくゆっくりプレイス宣言を始めた。
「ゆゆ!きょうからここがまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」
「ひろーい♪ここにゃらゆっきゅりできるね!」
「けどおなかすいたね!ここにはくさもないからゆっくりさがしにいこうね!」
なお、ゆっくりが移動しやすいように全ての扉は開かれている。
ぴょんぴょんと思い思いの方向へ広い廊下を跳ねまわるゆっくり。その光景は非常におぞましいものであった。
「ゆゆ?ここからおいしそうなにおいがするよ!!はやくいこうね!」
餌の匂いを嗅ぎつけた、先ほど赤ん坊を探していた一匹のれいむが食べ物のにおいにつられてとある部屋に向かって飛び込んで行った。
部屋の名前は給食室と書かれており、そこには沢山の辺りに散らばった野菜や、お菓子が積まれていた。
「ゆー!すごいよ!さっそくたべるよ!!」
いちいち喋らずとっとと食べればいいものの、そんなことを言いながら丁度目の先に転がっていた野菜に向って跳ねるれいむ。
「あーん、むーしゃむーしゃ しあわう゛ぇえ゛え゛!?」
仏のアルカイックスマイルですら般若の相に変わる、例の言葉を出そうとしたとき、れいむは謎の痛みを後頭部に受けた。
「うー?まじゅいんだどー、これもぽいっするどー♪」
それは今回の実験で唯一捕獲された希少種の胴体付きれみりゃだった。
ガシッボカ!餡子を吸われた。れいーむ(笑)
そもそもお菓子が積まれているのに野菜が散乱している状況に疑問を持たなかったのだろうか?警戒心の欠片もない饅頭である。
一方その頃、外に出たゆっくりは信じられない光景を見た。
「ゆゆ!おそとはすなでいっぱいだよ!」
「どうしてー!?これじゃゆっくりできないよー!!」
「ちーんぽ!」
そこには草も虫も花も何もない荒涼とした死の世界、砂漠がどこまでも続いていた。
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その後他の場所の探索を終えた沢山のゆっくりたちが給食室の前に集まってきた。
ここは先ほど入って食べられたゆっくりは聞こえなかった、あるいは食べ物の誘惑に負けて聞かなかったふりをしたのかもしれないが、絶えずれみりゃの歌や声が聞こえるので近づこうとしなかった場所である。
しかし他の場所は全て調べ終え、そのうえ外は砂漠。もう食べ物があるところはここしかない。
だが実際に遭遇したものはもとより、姿を見たこともないゆっくりでさえ幼少のころから親にれみりゃはゆっくりできないものとして語られ、餡子の髄まで恐怖心を染み込んでいるゆっくりたち。
いくら空腹であろうと安易に中に踏み入ることができずに遠巻きからお菓子を貪り食うれみりゃの様子を見ていた。
「まりさがゆっくりはなしてみるんだぜ!あんなにあるんだから、きっとすこしはわけてもらえるんだぜ!」
そんな中、一匹の若いまりさが意を決して叫んだ。体中から汗を流し震えている。明らかに無理をしているのが見て取れる。
「ゆっだいじょうぶなの!?まりさ!」
そんな様子を見て、口々にまりさを気遣う声をあげるゆっくりたち。けれどその中に一緒に交渉に行く者はいなかった。
これもゆっくりの自己満足を満たすための形だけのものである。
「ゆっへん!まりさはおはなしがとくいだから、ゆっくりきいてくれるんだぜ!」
「わかったよ。ゆっくりがんばってね!」
そんな仲間の腹の内を知ってか知らずか、励まされて意気揚々と乗り込んでいくまりさ。
「こんなにいっぱいあるんだから、ゆっくりたべものをわけてね!」
「う~、うるさいどー?ここにあるたべものはぜーんぶこうまかんのおぜうさまのものなんだどー♪」
「でもおやさいはたべないんでしょ?まりさたちはたべるから、ゆっくりはやくちょうだいね!」
「おやさいはぽいっしてあそぶんだど~。ばかなこははやくこのごーまかんのおしろからでないとたべちゃうんだど~♪う~う~うぁうぁ~~♪」
「「「ゆぐぐぐぐ!!!」」」
取りつく島もなく、踊りを続けるれみりゃ。そんな様子に苛立ちを感じるのは被捕食者であるゆっくり種も同様か、延べ200のゆっくりの怒りは恐怖を押しのけ天元突破した。
「「「ゆっくりしんでいってね!!!!1111」」」
れみりゃダンスのせいか、とてもゆっくりとは思えない速さで襲いかかるゆっくりたち。その中にはさきほどの若まりさもいた。
「うっうー?なにするんd「「「「しね!!!!!!」」」」う゛あ゛ーー!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!!1111」
いかに捕食者といえど、数の暴力には勝てない。
「だぢげでえ゛え゛え゛!!ざぐや゛どごお゛お゛お゛お゛お゛ーーーーー!!!!!」
まず20あまりのゆっくりが唯一攻撃できる足に食らいつき、ビーバーが木を倒すように削り取っていく。
次に倒れてきたれみりゃの肩を噛み千切り、腕の動きを封じ残った危険な頭をよけて、胴体をじわじわと咀嚼していく。
「うっめ!これめっちゃうっめ!!」
「しあわせー!」
その後5分もしないうちに食いつくされたれみりゃはババくさい服と帽子だけしか残らなかった。
しかしそれだけではこの大群の胃袋を満たすことはできない。さっそく野菜やお菓子を食い散らかしていく。
れみりゃに勝ったという喜びからか、その勢いは最早止まることもない。先を見通す目を持たないゆっくりたちは、1週間分を想定されて用意された食料を僅か3日で喰い尽してしまった。
「むきゅー。もうたべるものがなくなっちゃったわ・・・」
「どーするの!?このままじゃゆっくりできなくなるよ!」
「とかいはのありすはうえじになんてごめんよ!?」
丁度そのとき、砂漠から一匹の憔悴しきってぼろぼろのゆっくりが奇妙な葉っぱを持ってやってきた。
「ゆゆ!?そのはっぱさんはどこにあったの?ゆっくりしないでこたえてね!」
そのぼろゆっくりはゆっくりできていない状態のゆっくりたちを見て、一言
「もっとゆっくりしたかったよ・・・」
というと、息絶えてしまった。
だが何もないと思えた砂地獄にも食べるものがあるとわかったゆっくりたちははかりしれないほどの希望を与えられた。
「これでゆっくりできるね!ゆっくりはっぱさんをさがそうね!」
「「「ゆっくり探すよ!!!」」」
すぐさま捜索する準備を整え、ぼろゆっくりの這った後を辿り大移動を開始する群れたち。
そのまま半日が過ぎる頃、ようやく森らしきものが見えてきた。
「やっとゆっくりできるね♪こんどはたべすぎないようにしなきゃね!」
「「ゆっくりはやくいくよー!」」
競争するように走る子ゆっくりたち。
「ふしぎなもりだね!」
「ゆっくりできるのかな?」
「ゆー、あそこにおいしそうなみがあるよ!ゆっくりたべるよ!」
他のゆっくりがその方向に目を向けると、ゆっくりでも届く高さの枝に確かに実がなっていた。
しかし、それを食べた瞬間
「ゆぐっ?じゃりじゃりするよ!ゆっぺっぺ!!」
どういう原理だろうかかじったら途端に実は砂となってしまった。もっとも食べた物を全て餡子に変えるゆっくりがいるのだから、かじって砂になるなど大したことではないのだが。
遅れて到着したゆっくりも異変に気づき、騒ぎ始めた。
「このもりはゆっくりできないね!ぷんぷん!」
「とかいはにはこんなきもちのわるいところにあわないわ!」
森でこんなことを騒いでいたら、獣や鳥に餌にされることは確定的に明らかである。
実際森の奥で寝ていた「あるもの」が目を覚ましてしまった。
ガサガサ!!
「「ゆ?なにかいりゅよ?ゆっくりしちぇいっちぇね!」」
初めに「それ」に気づいたのは赤ちゃんゆっくりたちだった。
「ゆっきゅりs・・・
シュバッ!
挨拶は謎の音で遮られる。そして現われたのは
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ノ ,⌒. lヽ j /、lヽ ト、_,,.',
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{k_ _/ヽエレガントさ` ┴ ┴ ◯) ゙. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ ) ノズビョッズビュル
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メ!川!,ハj´ ̄ ̄ `'くヽ、 !l ` ー ヾ, '=彡'',) ''"
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/⌒ヽ_ノ / /⌒\ / ヘ \ \ノ⌒\\\ヽ/ヽフ
<_ノ <_ノ \__ノ <_ノ \_フ\_フ\_へ_フ
「「「「ゆ?」」」」
それが残りの赤ゆっくりたちの最後の言葉だった。
その後は一方的な虐殺。立ち向かうゆっくりや実を吐いて攻撃するもの、逃げるもの仲間を犠牲にするもの全て平等にゆっくりできないまま200匹もの数が取り込まれた。
きめぇ丸強化プランを頼まれたヤゴコロ先生が、持てる技術の全てを投じて改良を加えたこのかおす丸。性能は十二分に証明することができた。
「おお強い強い。これならばドスの十や二十は容易いですね。」
今日もかおす丸はゆっくりを取り込み続ける・・・
先生きのこれませんでした
閑話休題――――
「ところで師匠。この実験普通に戦わせたほうがよかったんじゃないですか?」
イナバが質問をしてきた。
「いえね、姫様がどうしてもとおっしゃってね。最近外から流れ着いた書物を再現したかったみたいだけど・・・・」
たまたまそこに実験の様子を見終わった姫様が通る。
「まったく思い通りにいかないなんて舐めた饅頭ね!えーりん、次はこれよ!」
「ええと・・・これは・・・・寄生獣ですか?」
取りあえずこの内容だと胴体付きのゆっくりを大量に仕入れる必要があるわね。
空を仰ぐ。
まだまだ私の苦労は続きそうだ。
チラシの裏
漂流帽子のタイトルだけみて衝動的に書き上げてしまいました。
ここまで読んでくださった中で、文章に至らぬ点がありましたらぜひご指摘してください。
最終更新:2008年09月15日 01:47