てゐ×ゆっくり系3 遊ぶ

「むーちゃ、むーちゃ、ちゃーわせー」
赤ちゃんのゆっくりれいむはここで一人で暮らしている。
両親は随分前に実験で死亡した。親のゆっくりまりさの方は実験による破損が少なかったため最期に赤ちゃんに会うことができた。
とは言え、餡子の中に大量に異物を埋め込まれているため思考能力は低下し、
赤ちゃんに逃げろともなんとも伝えずに死んだけど、


「おねーしゃん、ゆっくりちていってね」
「そうさせてもらいますよー」
永琳様の言いつけで、赤ん坊の世話なんかしているが、
こんな奴が一体何になるんだろう。何も指示は受けていないし・・・。
適当といわれてるからテキトーでいいのかな。
香霖堂で買った外の世界のマッサージチェアにてゐは腰掛ける。
まさか、永琳様や鈴仙の古着があんな高値で買い取られるとは。
ただ、一番高値で売れたのが姫様の上等な着物じゃなく、寝巻きにしていたジャージだったのがあの店らしい。
「おねーしゃん、あそぼ」
「無理だねー、できないねー、お断りだねー」
「・・・じゃあ、れいみゅがおうたうたってあげる」
「迷惑だねー、独善的だねー、うるさいねー」


赤ちゃんのゆっくりれいむは困っていた。
遊びたい盛りなのに、誰も相手をしてくれる人がいないのだ。
いつも部屋にやってくるお姉さんは椅子に座ってゴロゴロしたり本を読んだりしてるだけだ。
何も楽しくない。ああ、思いっきり遊びたいな。ゆっくりれいむはいつもそう思っていた。
「おねーしゃん、おもちゃちょうらい」
「拒否だねー、嫌だねー、自分で作ってねー」
「・・・ボールちょうらい」
「断固拒否だねー、絶対嫌だねー、がんばって自分で作ってねー」
「・・・」
ゆっくりれいむが黙り込んだのに満足し、てゐは文々。新聞のマンガ欄を読み始めた。
ゆっくりれいむはつまらなかった。
誰も遊んでくれないから一人でゆっくりしていた。
食事も水もある。意外に美味しい。
つまらないながらも満ち足りた生活を送っていた。
しばらくして、赤ちゃんのゆっくりれいむはすっかり大人になった。


「はーい、残念ながらお前が死なずにゆっくりしてたから、イライラしてるお姉さんから仕方なく御褒美だよ」
てゐは本当にイライラしていた。
永琳はこのままこいつを群に戻すそうだ。
それも一番待遇の良い部屋にだ。このまま一人で死ぬんだと思っていたてゐは裏切られた気分だった。
「ゆっくりし」
「しねーよ!!」
「ゆ!!」
「他の仲間がいるところに連れて行くから、さっさとこのかごに入れよ!!」
「あそべる?」
「バカ知るかバカ、入れクズのろま、ゆっくりバカ、バカゆっくり。死なせるぞ、何百回も死なせるぞ」
てゐはキャラクターが崩れるほどイライラしていた。

ゆっくりれいむはそそくさとかごに乗り込む
「はーい、イライラ発、超イライラ行き特急がストレスマッハで発車です」
かごを持ち上げ部屋を出るてゐ。
「わー、おそらを」
「飛んでねぇよ!」
「わー、おそらを」
「絶対飛んでねぇよ!!」
「・・・」
ゆっくりれいむは目に涙をためて黙り込んだ。
「絶対に飛んでねぇからな!!」
その後、ゆっくりれいむが何か言うたびにてゐは聞こえるように舌打ちをした。



ゆっくりれいむは群に戻される。
はじめてみる子にみんな興味心身だ。
「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていくね」
すぐに友達になる。


「永琳様、何の実験か、教えてプリーズ。さもないとあの群に飛び込んで餡子のプールを練成してくるよ」
「それは後日お願いするわ。見ていなさい。あのゆっくりれいむはもうダメよ」


永琳の言葉通りになる。
ゆっくりれいむは最初、みんなと遊びたがった。
しかし、自分と同じぐらいのゆっくりは子育てやら何やらで忙しい。
「ゆ?あそぶの?いそがしいからあとでね」
「あそぶ?れいむ、こそだては?」
「れいむ、まだあそびたいの?ゆっくりしてないでおとなになってね」
「れいむはまだこどもだね!!」
下の世代と遊ぼうとしても相手にされない。
ゆっくりれいむは群の中で孤立していった。


「じゃあ、てゐ、お願いするわ」
両手に斧を装備したてゐが部屋に入ってくる。
「私は遊びの神、皆の者遊んでいるか」
「ゆっくりしていってね」
「断る。遊べ」
「ゆ?あそぶひまなんてないよ、ばかなの?」
「馬鹿はお前だ。遊びの神の前で何たる暴言」
自称遊びの神はゆっくりまりさを斧でかち割った。
「おかーしゃん!!」
さきほど殺されたゆっくりまりさの子どもが死体に駆け寄る。
「なんだお前、死を悲しむ前にやる事があるだろ」
「ゆ?」
「ゆ?じゃねぇよ。遊べよ!!」
また一匹、自称遊びの神はゆっくりを殺した。

「あ、あそぶよ。あそべばいいんだね?」
群のリーダーのゆっくりまりさが言う。
「イエス、遊べ。まずは追いかけっこだ。」
みんな走り回った。追いかけているのが誰とも知らず。
遊びの神は何もせずただ見守っていた。
一時間も走り回っていると、体力のないゆっくりパチュリーなどは疲れて動けなくなってくる。
「どうした、遊べ」
「む、むきゅ・・・むり、ゆっくり・・・させてね」
「プレイorダイ!!」
ゆっくりパチュリーは斧で真っ二つにされた。
パートナーのゆっくりまりさが駆け寄る。
「パチュリー・・・なんでゆっくりさせてくれなかったの」
「遊べよ」
「いやだ。ゆっくりしたい!!」
「じゃあ、お前は死体」
ゆっくりまりさは殺され、群の中では脱落するものも増えてきた。
脱落すれば死ぬ。追いかけっこはまだまだ続いた。
「はーい、追いかけっこやめー」
急に自称遊びの神からのストップ宣言
「自己紹介してなかった。ここに最近来たゆっくりれいむいる?」
「ゆ?あのこだよ」
ゆっくり達は一斉に部屋の隅にいるゆっくりれいむの方を向く。
「あの子、遊びたがってただろ?」
「うん、おとななのにね」
うるせぇ!!と答えたゆっくりまりさに斧を投げつける。
「大人とかどうでもいいんだよ。遊びに子どもも大人も生きるも死ぬもねぇんだよ」
ゆっくり達は怖がって相槌も打てない。
「えー、そのゆっくりれいむが遊びたいと強く願ったから天界の方から来ました遊びの神です」
一斉に遊びたがっていたゆっくりれいむを睨む。
「何睨んでるんだよ!!遊ばない奴の方が悪なんだよ!!」
遊びの神は投げた斧を拾うついでに何匹もゆっくりを潰す。
「じゃあ、追いかけっこを再開します」


しばらくして、部屋にはゆっくりれいむ一匹だけが残った。
遊びたいといっていた子だ。自分の我が侭が引き起こした惨状に半分気が狂っている。
「みんな、あそぼうよ!!」
ピョンピョン跳ねて、もう死んでいる仲間を遊びに誘う。しかし返答はない。
仕方なく、遊びの神の所に行く。
「おねーさん、あそぼ」
「無理だねー、できないねー、お断りだねー」
そう言って遊びの神は部屋を出て行く。
「・・・ゆゆ?みんなどうしたの?あそぼ?」
ゆっくりれいむはその後、ずーっと一人で追いかけっこをしていた。












~あとがき~
次回はもう少しはっちゃけたてゐの活躍が見てみたいです
てゐとかチルノにはえーりん実験室一部屋ぐらいぶっ壊して欲しいです

by118

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最終更新:2008年09月19日 20:54
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