ゆっくりいじめ系1278 彼岸花

「ゆゆ~~♪ まりさのあたまもきれいだね!!」
「ゆゆ♪ ありがとうね!!」
 ここはゆっくり達が集まる一つの群。
 殆どのゆっくりが卵生、しかも植物の様に頭部に形成された花から卵を産み落とすと言う出産方法であるこの群には、当然何時の季節も頭の上に綺麗な花を付けたゆっく
りが沢山いる。
 その生殖方法上、当然装飾具が邪魔なゆっくりもいるため、ここでは髪飾りは重大な意味を持たない。
 そしかも、仲間思いのゆっくり達は、にんっしんっしているモノにとても親切に接してくれる。

「ゆゆ♪ こっちのまりさもきれいだね!!」
「ゆ♪ ありがとうだぜ!!」
 そんな事に目を付けたのは、ゆっくり魔理沙。

 以前勇敢にも人間に勝負を挑み、帽子を捨てられ命からがら逃げ込んだ先がこの群であった。
 暫く様子を見ていた魔理沙は、頭に花を付けているゆっくりは優遇されている事を理解し、近場からつんできた一本の花を苦労して頭につけ、堂々とこの群に居座った。
 そこは、魔理沙が考えるよりも、遥かに過ごしやすい群であった。

「ゆゆ♪ まりさは、あかちゃんがひつようなんだぜ! たべものがひつようなんだぜ!!」
「ゆっくりりかいしたよ!! それじゃあ、このむしさんはまりさにあげるよ!!」

「まりさもふかふかした、べっどがひつようなんだぜ!!」
「むきゅ!! それじゃあ、このわらをわけてあげるわ」

 そんなこんなで、魔理沙は思ったよりも優雅な生活を楽しんでいた。
 当初は同種が一匹死んだら帽子を貰って離れようと思っていたが、ここまで上手くいくとは思っても見なかったようで、味を占める毎にだんだんとその様な考えは薄れていった。 
 今は、本来の目的など忘れ、即物的な毎日を送っていた。

「ゆ~~!! ゆ~~!!」
 唯一の難点といえば、数日おきに頭の花を変えなければならない事であった。
 つける事に慣れたが、それでも既に季節は秋になっている。
 春先からここに流れ着いた魔理沙によって、付近の花は全て刈り取られ、残るは一握りだけとなっていた。
「ゆゆ!! これはこまったんだぜ!!」
 それでなくとも、これから季節は冬になる。
 ろくに食べものを集めていなかった魔理沙にとって、これから一人でがんばっても集める事が出来る量はたかが知れている。
 ふと、自分の狭い巣の中にある食料の備蓄を思いだし、余計焦燥を加速させる魔理沙。
 それでも、誰かのお家に居候させてもらおうと考えていたのだが、何日もずっと同じ室内にいてはいずれかれるところが見られてしまう。
 もしかすると、今までも嘘がばれてしまうのではないかと考えていた魔理沙は、そうならないような方法をあれやこれやと考えて、今に至っていた。
 しかし、夕に半年ほど考えたにもかかわらず、上手い方法を考えられずにいたのである。

「ゆゆ~~~……」
 ばれたら群を追い出されるだろう。
 そうなったら、帽子のない自分はいったいどうなってしまうのか。
 ならいっそ、この群の魔理沙から帽子を奪って他の群に行った方が……

「ゆゆ!!」
 そこまで考え、魔理沙は初めて閃いた。
「ゆっゆ♪ どうしてきずかなかったんだろうね!! まりさのおばかさん♪」
 それはとても簡単な事だったようで、魔理沙は安心して直ぐに寝入ってしまった。
 心地よさそうな寝息を立てて眠る魔理沙を見ると、くれぐれも思いついた方法を忘れないで欲しいと感じられた。

 翌日。

「ゆゆ!! れいむ!! れいむ!!」
「ゆゆ? どうしたのまりさ?」
「れいむに、こづくりのこつをおしえてもらいたいんだぜ!!」
「ゆゆゆ!! ゆっくりりかいしたよ!! けいけんほううなれいむに、まっかせてね!!!」
 魔理沙は一匹の霊夢に話しかけ、二人っきりになる事に成功した。
 家の近くを通るだびに、沢山の幼い子供達と一緒に歌を歌っていた、見るからに子煩悩な霊夢であった。
 それゆえに、魔理沙が頼むとすんなりと了承してくれたのだが。


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最終更新:2011年11月13日 03:07
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