ゆっくりいじめ小ネタ204 実験材料

八意永琳と鈴仙・優曇華院・イナバは実験施設にある実験用ゆっくりの繁殖施設にやってくる。
ここで繁殖させているのは例えば子育ての様子を調べたり、群の社会性を調べたりするモノではない。
駆除剤の実験などの薬物実験や強い紫外線を浴びせる耐久実験など、ゆっくりの身体に負荷を与える実験で使われる。
個性を必要としない。本当の意味での実験動物だ。

例えば左にあるケージで飼育、いやもう栽培と言うレベルなのだろうか、
そうされているのは疾患持ちのゆっくりだ。ただぱちゅりー種ではない。
ゆっくりの中でも平均的なゆっくりれいむに特定の疾病を引き起こす薬が与えられている。
疾患モデル動物と呼ばれる物だ。そのためここのれいむの平均寿命は短い。
中のれいむ達もそれを知ってか、まだ生態になる少し手間でもう子作りを始める。
性交による急性の栄養失調での死亡率は38%、普通に生活しているれいむ種同士の性交であれば、
例え成体になる少し前であっても同じ症状での死亡率は3%未満だというのに。
本来ゆっくりは社会性のある生き物で、仲間が死ぬとそれを弔うようにみんなで死体を食べるが、
ここではそれすら認めていない。死んだ個体があれば係りの兎が即座に回収し、
それは解剖に回される。中には巣の中に死体を隠す物もいるが、
そうなれば死体を食べたと思われる家族は全て殺される。
ここでは与えられた食事以外、何も口にしてはいけないのだ。

その隣のケージは無菌ゆっくりだ。
ここでは微生物を持たないゆっくりが育てられている。
帝王切開により母体から無菌状態で取り出された個体ばかりで、
基本的に親と言う物を知らない。そのためここでは繁殖がまともに行えないのだ。
子が生まれてもどうやって育てれば良いのか分からないのがほとんどである。
だから、殆どは放置され死に親に食われる。
たまに蔦ではなく出産で生まれる個体の中には餌を租借せずとも食べられるほどに成長し生まれるモノもいるが、
だからと言って生きていけるわけではない。
出産した母体を「おかーしゃん」などと呼んでも半分ほどの母体は母性本能に目覚めず、
これは何だろう?という目で先ほど自分の腹から出てきた自分とそっくりな物を見ている。
そこで、ああこれは自分と同じ仲間なんだと思われれば母性本能に目覚めずとも、
上手く餌さえ確保できれば生きていける。しかし、今までこれが自分の中に居て自分の食べていた物を食べていたんだとか、
今まで動きにくかったのはこれのせいなんだと思われると、母体であるはずのゆっくりは子に牙をむく。
殆どが蔦で生まれ、出産型であっても半数以上が死ぬのだ。
ここがどれだけ異常なのか、普段のゆっくりを知るものであれば理解できる。


鈴仙はあまりこの部屋が好きでなかったが、
嫌な顔をすれば、ここで働いている兎たちが嫌な思いをする。
そう思い、なるべくケージを見ないように、嫌な顔をいないように努力していた。
「別に気になさらずに。私達は慣れていますので」
永琳がこの部屋の責任者と話している間、手持ち無沙汰にしている鈴仙に一匹の兎が話しかけてきた。
「そ、そうですか」
自分でも引きつった笑いになっているのに鈴仙は気付き、手で口元を隠す。
「んー、鈴仙様はお優し過ぎるんです。これは、そうですね。例えるなら」
兎はそう言ってケージの中の疾患モデルゆっくりれいむを指差す。
「そう、油取り紙。ああいうものなんですよ。使い捨ての」
鈴仙がまた引きつった笑みになるのを見ると兎はフォローを入れる。
「そ、それに。私達は別にこの仕事が嫌いではありませんよ」
「そう・・・ですか?」
「そうですそうです。確かに調節が大変な物の管理ですが」



永琳は用事を終え、鈴仙の所に歩いてくる。
鈴仙と話していた兎にお仕事と頑張ってねと声をかけると、兎はとても嬉しそうに頑張りますと一礼した。
「さ、鈴仙、行きましょう」
そう言うと、永琳は鈴仙を連れて部屋を後にした。
廊下をしばらく行くと永琳は話を始める。
「疾患モデルのゆっくり、あれはぱちゅりー種の病気を発症させてるの。最近、それの痛みを和らげる薬ができたのよ」
急に始まったお話に鈴仙は少し驚きながらも聞いた。
「あの子達のおかげよ。これでぱちゅりー種の持病、少しは良くなるわ」
「赤ちゃんも産めるようになりますか?」
「んー、栄養状態にもよるけど。良い環境で暮らしているなら大丈夫よ」
鈴仙は少しだけ顔を緩ませ、心の中で疾患モデルのゆっくり達にありがとうと祈った。
「じゃ、じゃあ、あのれいむ達はどうなるんですか」


戻って先ほどの部屋、
「先輩、永琳様は何の用でいらしたんですか?」
「ああ、新薬の実験を今度からぱちゅりー種でやるからこの疾患モデルのれいむは処分しろってさ。まずガス」
「分かりました。じゃあ、ガスを用意しますね」
「私は焼却炉の係りに連絡しておくね」


鈴仙の言葉に永琳が答える。
「そうね。あの子ならガスで殺した後、死体は焼却処分でしょうね。きちっとする子だから」
そして、永琳は続ける。
「今度からてゐと交代なさい。あなたは少しゆっくりに感情を込めすぎるわ」




ケージの中にガスが注入される。疾患を持ったゆっくりれいむの動きは元々怠慢であったが、
それがより一層酷くなっていき、最後には動かなくなる。
空気感染はしないが、密閉できる容器に死体は入れられ、焼却場に持っていかれる。
容器を運ぶ台車には実験済み廃棄物の文字が書かれている。
その台車は鈴仙の横を通り、通路の奥にある焼却場を目指した。









~あとがき~
随分、間が開いてしまいましたが、やれ仕事がやれ冬のあのイベントがと忙しい・・・。
永琳に指とか踏まれたいなあと心を落ち着かせながらSSを少しずつ書く日々です。
今年もサンタには輝夜をお願いします。昔と違って何故かサンタさんは俺にプレゼントをくれませんが、
by118



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最終更新:2008年11月08日 13:15
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