ゆっくりいじめ系624 うーうー!ってやつかわいい

 ここは、広大なゆっくり平原。
 ゆっくり名所である池や、川、森、山など、ゆっくりたちが思う存分絶頂にゆっくりできる場所。
 そんなゆっくり平原の辺境の森で、ゆっくり霊夢は空を飛んでいた。
 もちろん自力ではない。
 自力で飛べるゆっくりなど、捕食種であるゆっくりれみりゃとゆっくりふらんだけだったのだ。
 ゆえにゆっくり霊夢は夢見心地だった。まさか空を飛べる日が来るだなんて。
 頬が風を切って進む感覚。
 ぐんぐんと流れていく景色。
 徐々に、だが確実に遠くなっていく地面。
 視界は広がり、遥か彼方まで見渡せる。
 生まれてから死ぬまでに見ることなど、絶対に叶わない素敵な光景。
 ゆっくり霊夢の小さな胸は感動でいっぱいだ。
 それもこれも、みんなこの「うーぱっく」のおかげだった。
「わぁい!おそらをとんでるみたい!」
「ばかだぜれいむ!まりさたちはおそらをとんでるんだぜ!」
「うー!」
「とんでる!とんでるよ!!うわぁ~♪とりさんよりはやいや!」
「う~♪」
 ゆっくり霊夢はご満悦の表情で、自分とゆっくり魔理沙を乗せて飛んでいる二匹のゆっくり種を
見ながらついさっきのことに思いを馳せた。

 うーぱっく。
 外見はゆっくりれみりゃを直方体にしたものだが、性質はそこまで強暴ではない。
 なぜなら、出会い頭に襲撃してこなかったから。
 いや、たしかに急に近づいてきたから、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の二匹は思わず死を覚悟した。
自分たちも、今までにいた他の仲間と同じようにゆっくりれみりゃに食われるのだと思った。
 だが、目を瞑り震えながら身を固めていた二匹に聞こえたのは「うーうー!」という人懐っこい声だった。
 恐る恐る目を開くと目前にぱたぱたと浮遊しているそれ。
「ゆぎぃっ!」
 恐怖の声をあげる二匹。
 しかし覚悟した苦痛はいつまでもやってこない。
 よく見るとそれは一つの動作を繰り返している。しかもにこにこ笑顔で、だ。
 顎を上げるようにしているそれをゆっくり霊夢はこう解釈した。
「ゆぅ……?なぁに?の、のせてくれるの?」
「うー♪」
 いかにも!と言うように返答する。
「だっ、だめだぜれいむ!あぶないぜ!それはれみりゃだぜ!!」
 ゆっくり魔理沙が警告する。多少見た目が違い、少し人懐っこいからといってそれはゆっくりれみりゃに
違いないのだ。どんなに懐いていたとしても、それが猛獣だと忘れてしまったら危険な事故が起こる。
 自分たちより圧倒的に強い相手には、警戒はいくらしてもしすぎると言うことは無い。
 だが、ゆっくり霊夢はそれの誘いに乗った。
 すでに死んだ身だという気持ちだったからだろうか?
「ゆっくりはいるよ!」
 言って飛び跳ねると、ゆっくり霊夢の体はそれの頭頂部に開いている窪みに収まった。
「ゆ?ゆ、ゆ、ゆゆゆ?」
 徐々に浮かび上がってくる。飛んでいるのだ。
 目線が高くなる恐怖にいくらか震えていたが、ゆっくり霊夢はすぐに慣れてしまった。
 それがゆっくりと静かに飛翔していることも関係しているだろう。
「まりさー!すごいよ!おそらをとんでるみたい!」
「れいむ、うらやましいんだぜ!はやくかわるんだぜ!!まりさによこすんだぜ!!」
 ゆっくり魔理沙は、それに乗ってくるくると飛んでいるゆっくり霊夢を見て顔をゆがめていた。
「ねぇねぇ、れいむはいいからまりさをのせてあげて!ゆっくりおねがい!」
 しかしそれはゆっくり霊夢の言うことに反応しない。ただ「うー」と鳴くだけだった。
 もどかしげに身を震わせ、声を張り上げる。
「ねぇ!ゆっくりきいてるの?まりさとかわってあげてよ!ゆっくりしていってね!」
「うーうー!!」
 それをかき消すかのような大きな声でそれは鳴いた。
「ゆっ!?」
 するとどこからともなく同じような泣き声が聞こえてくるではないか!やがて、いくらもしないうちに
もう一匹のそれが姿を現した。
「うーうー」
「うー」
「うっうー」
「うぅ~」
 何らかの意思の疎通。そして後から現れたそれはすぐにゆっくり魔理沙へと降下していった。
「ゆぅ?のせてくれるのか?だぜ」
「う~♪」
「ゆゆゆぅ~~~!」
 感極まったような高めの声で慌てて飛び乗るゆっくり魔理沙。
 どっしりと座ったようなそのおさまり具合は、まるでそれが自分のために存在しているかのような
錯覚をゆっくり魔理沙に与えた。
 素晴らしい一体感。
 これを覚えてしまえばゆっくりアリスの強制すっきりなど物の数ではない。
「すごいぜ!ゆっくりとんでるんだぜぇ!!」
「まりさ!まりさぁああぁ!!」
「れいむぅううぅぅううぅぅぅ!」
 二匹はランデブーするかのようにお互いの周りを旋回し、揃って空を飛ぶ幸運を堪能し始めた。
 並んで飛行し、川を越え、枝を飛び越えて流れるように飛んでいく。
 地面を飛び跳ねているだけでは、決して味わえない愉悦。ゆっくり霊夢たちは今、幸せの絶頂にいると
思った。自分たちはなんて幸せなんだろう!そして、この出会いに感謝したくなった。
「ゆ?そうだ!おなまえをゆっくりおしえてね!」
「うー?」
「おなまえだよ、お・な・ま・え。れいむはゆっくりれいむっていうんだよ!れいむってよんでね!」
「うー……ぱっく……」
 とまどいがちに伝えるそれ。
 うーぱっく。
 ゆっくり霊夢はそれを聞くと目を輝かせて
「うーぱっくっていうんだね!ゆっくりしようね!うーぱっく!」
 と頬を紅潮させて言った。
「まりさも!ゆっくりするぜ!ゆっくりまりさっていうんだぜ!」
 二匹のうーぱっくはゆっくり霊夢たちを乗せて何処までもいつまでも飛んでいた。


 木に成っている実を貪り食べていた二匹は、いつのまにか日が傾いていることに気づいた。
 空は茜色に染まっていて、吹く風も冷ややかになり、鴉の鳴き声がどこか哀愁を誘う。
 沈む夕日を今までに無い高みから望んで、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙は思わず涙ぐんだ。
 圧倒的な情景。
 空を翔る鳥たちは、いつもこんなものを見ているのか。
 髪を撫でて耳を抜けて過ぎ去る風は、こんなにも冷たく、もの悲しいものだったか。
 二匹に去来する思い。
 それがなんなのか理解できないし、言葉にもできない。だが、ただ「そこにある」と感じることは出来た。
 二匹はなんだか無性におうちに帰りたくなっていた。
「ねぇうーぱっく!ゆっくりかえりたいよ!ゆっくりかえしてね!」
「う、うー!」
 うーぱっくは一声鳴くと、もと来た空を引き返し始めた。
 ゆったりとしたその飛行は、余計に「帰る」ということを意識させ、二匹の心は逸っていく。
 大地が近づき、森の深緑に包まれる。
 木と土の匂い。慣れ親しんだそれが二匹の鼻孔をつくと、言い知れぬ安心感がにじんだ。
 ゆっくり霊夢はおうちに帰ったら家族に今日のことを言って聞かせてあげようと考えていた。
 うーぱっくとの出会い、初めて大地から離れたこと。
 風を切って飛ぶ感覚。
 大空の青。流れ往く雲の白。夕焼けの茜色。
 お日様が沈んでいくと、風が寂しく聞こえること。
 きっと妹たちは羨ましがるに違いない。母はそれは凄い体験だったね!とまるで我が事のように
喜んでくれるだろう。そうだ、明日は妹達も誘ってうーぱっくとも遊ぼう!ゆっくりしたいい考えだね!
 ゆっくり霊夢は自然と表情が緩んでいった。
「れいむ!れいむ!!」
「ゆ?」
 そんな物思いに耽っていたゆっくり霊夢を、親友のゆっくり魔理沙は緊張したような声で必死に呼びかけていた。
「どうしたの、まりさ」
 見ればゆっくり魔理沙はどこか緊張した面持ちで、やや汗ばんで見える。
「かおいろがわるいよ、まりさ。ぽんぽんとらぶる?」
「ちがうよぅ!まえをみるんだぜ!!」
「?」
 ゆっくり魔理沙の必死の訴えに、きょろきょろと見回すゆっくり霊夢。
「ゆゆっ!?」
 そこは見たことのない場所だった。
 森の中でも他に類を見ないほどに木々が鬱蒼と茂っており、空のように広がっている木の葉のせいか
どこか音が遠くにあるもののように聞こえてくる。
 夕暮れではあるが、ここは特に暮色が濃い。夕闇の彼方から何か得体の知れないものがひっそりと
這いずり出てきてもおかしくないと思えるほどだった。
「ここどこぉおぉおお~~~っ!?」
「うー!うー!」
「ゆっくりかえしてほしんだぜ!おうちにかえすんだぜ!」
「うっう~~!」
 ゆっくり霊夢たちの叫びに声を返すうーぱっく。しかしそこに意思の疎通は皆無だ。
「うー!うー~~~!!」
 誰かに呼びかけるような嘶き。
 するとどうだろう、周りの森林から唱和するように同じ泣き声が聞こえてくるではないか!
 そしてがさがさと枝葉を揺らして現れるのは五匹のゆっくりれみりゃだ。
「ひぃっ!!」
 五匹は悲鳴をあげたゆっくり魔理沙を、そのにこにことした笑顔の目のままでねめつけると
二匹のうーぱっくを取り囲むようにして羽ばたき、進み始めた。
 その先には洞穴があった。
 そこは巣だ。
 ゆっくりれみりゃの巣窟なのだ。
「うーうー!」
「ぎゃおーーーー」
 わずかに漏れ出てくる泣き声が、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙を心胆寒からしめた。
 二匹は恭しく運ばれる供物のような態で奥へ奥へと連れて行かれる。お互いを見詰め合うが
どちらも涙目で震えていて歯の根があっていない。
 うっすらと月光のような冷たく柔らかな光を皓々と発する岩々が過ぎ去り、湿った空気が
まるでからみつくように流れている。しっとりとした天井の岩肌からは、時折水滴が落下しており
水の弾ける音がこだましている。
 平常であれば、涼しくて水滴の音も耳に心地よいこの洞穴は、とてもゆっくり出来る場所であろうが
すでにゆっくりれみりゃの巣になっており、それ以上に二匹はうーぱっくに連れられゆっくりれみりゃに
囲まれているのが現状だ。とてもゆっくりする暇などない。
 唯一できることは、ゆっくりと死の覚悟をすることだけだろう。

 どれほど進んだろうか?先にはまばゆく光るものがある。
 巣の広間なのだろう、今までになく明るいそこにはたくさんのゆっくりれみりゃがいた。
 体のないやつ、あるやつ、小さいやつ、大きいやつ、うーぱっく。
 さまざまだ。
 さまざまだが、それぞれが思う存分ゆっくりしていた。
 ゆっくりと、していた。
 左に目をやれば、そのゆっくりれみりゃはうーぱっくと五匹ほどで小さなゆっくりぱちゅりーを空中で
キャッチボールのようにして遊んでいる。地面には親と思しきゆっくりぱちゅりーが声を上げて、弱い体を
なんとか飛び跳ねさせているが、空中のそれらには決して届くことはない。
「むっぎゅぅ~~!むっぎゅぅうううぅぅ!!」
「……むきゅっ!……みきゅぅうぅ!!」
 弄ばれている子ゆっくりぱちゅりーは生来の脆弱さもあいまって、すでに半分以上死に体だ。
投げ飛ばされ受け止められているので、ゆっくりれみりゃの牙で帽子はずたずたになり髪もぼろぼろ、
肌に至っては蒼白を通り越して蝋のように白くなっている。見れば右目が飛び出てぶら下がっている
のがわかるだろう。
 しかしそのゆっくりれみりゃたちは気にしない。玩具だからだ。下で必死に取り返そうと飛び跳ねている
親ゆっくりぱちゅりーが、とうとう口から紫色をしたクリーム状のものを吐き出していても相も変わらず
にこにこ笑顔で放り投げ、受け止めて別のゆっくりれみりゃに放り投げていた。

 右を見れば、そこには大きなゆっくり魔理沙がいた。
 本当に大きい。1メートルくらいはあるだろうか。それに3匹のゆっくりれみりゃが群がっていた。
それらは胴体が生えていて、ぷにぷにとした手足もしっかりと動いていた。
「いいこえでなくんだどぉ~!」
「もっとだどぉ~~~!」
「そんなんじゃまんぞくできないんだっどぉ~♪」
 一言ごとに平手や拳、蹴りを叩き込んでいる。その一撃ごとに大きなゆっくり魔理沙は
「ゆぐっふ!ぶぎゅぎゅっ!だべっ!やべでよぉおっ!やべっでゅんだぜ!!ぶめぎゃっ!?」
 と声を上げていた。見れば皮は裂け、目は片方が飛び出しており、ところどころに餡子が滲み出ている。
「へたくそなんだぞぉ~」
「いぎゃっ!」
 一匹が口に手を差し込み、歯をへし折ったのだ。これでゆっくり魔理沙の口の中には歯がなくなってしまった。
「まりゅしゃしゃみゃに……きょんなこちょしちぇ、ひぃ、たぢゃでしゅむとおみょうにゃ!だじぇ!!」
 怒りと復讐心を湛えた燃えるような目。それに見つめられても三匹はにこにこ笑顔を崩さなかった。
 むしろ、嘲笑の色が混じっていた。
「う~♪おまえのむれはもうないんだっどぉ~~」
「わすれたのか?どぅー」
「みんなみんな、れみりゃたちでくってやったんだどぉ~~~♪」
「なかなかうんまかったんだどぉ~☆」
「ほめてやるんだどぉ~~」
「ゆっ!?」
 そうだ。そうだった。
 大きなゆっくり魔理沙の脳裏にあの光景がよみがえる。
 このゆっくり魔理沙は運が良いゆっくりだった。幼い頃、家族が獣に襲われたときもそれに跳ね飛ばされて
すぐ側の茂みに転がり込んだことで一匹だけ助かった。その後、仲間と狩りをしていて二手に分かれたバッタ
を追いかけたときも、相棒のゆっくり霊夢が追いかけた先には蜂の巣があって死んだのだった。
 それから大きくなり、自分が支配する群れを持ったときまでその運の良さは発揮されていた。さらに言えば
体が大きくなったことで、自身を脅かすものが比較的少なくなっていたことも災いした。
 脅威を、自分たちゆっくりは弱い立場であり、それを脅かすものが存在するということを、失念していたのだった。
 それが致命的だった。
 夜に、ゆっくりれみりゃの襲撃があったのだ。
 自分を頂点に、おおよそ50匹はいた群れ。そのほとんど全てがたった3匹の、今目の前にいるゆっくり
れみりゃによって屠られてしまった。群れには自分に及ばないまでもそれなりに大きなゆっくりもいたというのに、
まるで手も足も出なかった。
 虐殺と蹂躙の限りを尽くした3匹は自分を含めた何匹かのゆっくりをこの場所に運び入れて、
自身の群れの餌や玩具としてゆっくり魔理沙たちを扱った。
 それから続いた地獄の毎日がその恐るべき夜の記憶を薄めたのだった。
「これをみるがいいどぉ~~~」
 一匹が飛び上がり、もたもたと上昇してゆっくり魔理沙の帽子をひっぺがした。
「ゆ゛っ!」
 帽子を剥がされるという、今まで感じたことのない刺激に、思わず声を上げてしまう。
 頭頂部は露出し、うっすらと餡子が滲み出て甘い匂いが漂い始めた。
 すると、あたりのゆっくりれみりゃたちの目がこちらに向く。だが、その3匹はそれらを無視して
剥がしたものをゆっくり魔理沙の眼前で広げたのだ。
「ゆげぇえぇえぇえぇぇぇんっ!?!?」
 帽子から、剥がれた髪の毛が垂れているが、問題はそれではない。
 そこには苦悶の表情を浮かべたゆっくりたちの顔の皮がいくつも貼り付けられていたのだ。
 どれもこれも苦痛と怨讐に満ちており、まるで見ているゆっくり魔理沙を恨みぬいているようであった。
 自分は今までこんなものを頭にくっつけていたのか!?
「こっちはおまえのこどもなんだどぉ~~!さいごまでおとーさんおとーさんやかましかったんだどぉ~~~」
「これはれいむだどぉ~」
 ゆっくりれみりゃは憤怒の形相で歪んでいる顔の皮を指す。
「こいつはぁ、こどもをまもろうとしてとびかかってきたから、ひっぱたいたらすぐしんだんだどぉ~」
「あれはもろかったんだどぉ~!わらえたんだどぉ~~~☆」
「こどものさけびが、すっごくたのしかったんだどぉ~☆」
「なかみがよじれてしぬかとおもったんだどぉ~~♪」
「ゆっぐっぐぐぐ!!!」
 ゆっくり魔理沙は目の前に広げられた家族のデスマスクに悲しみの嗚咽を上げていた。
 やがてその様子に飽きたのか、三匹のゆっくりれみりゃはそれを放り投げると、周りで様子を伺っていたほかの
ゆっくりれみりゃたちに向かって
「こいつはもういらないんだどぉ~☆」
「すきにするんだどぅ~~♪」
「ちゃんととどめはさすんだどお~~~」
 と言い放った。
「ゆっ!?ゆっぎゅりだずげでね!?」
「おまえはもうあきたんだどぉ~~」
「もっとおもしろいこといえ!」
「うっうー!うあうあ♪」
「いやあぁあぁあああぁぁぁ!!」
 たくさんの爛々と輝く瞳。それらが一斉に大きなゆっくり魔理沙に向かって飛び掛っていった。
 楽しそうな声に混じり、痛みをうったえ命乞いをする声が聞こえ、さらに大きいゆっくり魔理沙の皮を引き裂き
肉をかき混ぜ、引きちぎり、咀嚼する音によって覆い隠されてしまった。

 また別のほうを見れば、そこにはうーぱっくやゆっくりれみりゃに餌をやっている胴体付きのゆっくりれみりゃがいた。
 子ゆっくり霊夢を思い切り放り投げて、それを口で咥えて捕るというゲームじみたものだった。
「やめちぇぇええぇっ!!たちゅけちぇぇえぇぇえええぇぇ!」
「いじわりゅしにゃいでゅぇぇえええぇぇ!」
「おかあちゃあぁあぁあああぁぁぁん!!」
「うるさいんだっどぉ~、おかあちゃんならあれだどぅ~☆」
 ゆっくりれみりゃの指差す先には、ただの肉塊があるだけだった。あたりに餡子を撒き散らし、わずかに見える
リボンの赤が、それをゆっくり霊夢だと理解させるただひとつのものだった。
 おそらく頬を左右に引っ張ったのだろう、顎下あたりから無残に二つに裂けている。
「おかぁちゃぁああぁああぁぁぁん!!!」
「いっぱいたべるんだどぉ~、たっくさんあるんだっどぉ~~♪」
「うー!うー!」
「うっう~~!」
「うぁー!うあー!」
 何処もかしこもそんな様相だ。
 これがゆっくりれみりゃの食事なのだった。
 ゆっくりれみりゃにとって、ゆっくり霊夢やゆっくり魔理沙などのゆっくりは、餌であり玩具なのだった。
 だから軽々しく弄び、蹂躙する。壊れてしまうなんて構いやしない。
 壊れてしまえば捨てればいいのだ。
 玩具はそこらじゅうにたくさんあるのだから。

「それはなんだどぅ~?」
 大きなゆっくり魔理沙を虐めていたゆっくりれみりゃが一匹、うーぱっくのほうへとやってきた。
 そのふわふわとした浮遊は、とても飛んでいるといえる速度ではなかったが、それでも囚われたゆっくり霊夢と
ゆっくり魔理沙の二匹にとって脅威であることに変わりはなかった。
「うー!うあ~!」
「うあー♪うっうあ~♪」
 うーぱっくが何を言っているかはわからない。しかしひょっとしたら自分たちは食べられないかもしれない。
 ゆっくり霊夢たちはそんな淡い希望めいたものを抱いた。
「まりさをたすけてほしいんだぜ!!はやくはなすんだぜ!!」
 ゆっくり魔理沙も身をよじりながら必死に訴えかけている。だがゆっくりれみりゃはそれらを無視して
うーぱっくの言葉に耳を傾けている。
「ごはんをじぶんでとるなんて、えっらいんだっどぉ~~☆」
「うあ~~☆」
「どおじでぞんなごどい゙ゔの゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙ぉぉぉっ!!!」
「たべちゃだべだんだぜええぇぇっっ!!おいじくないんだぜえええええ!!!」
「う~?」
「おどもだぢっ!ぜっがぐれいぶだぢど、おどもだぢになれだどおぼっだのにぃいぃいぃぃぃっ」
「あじだはがぞぐどいっぢょにもっどゆっぎゅりじだがっだのにぃぃいいいい!!」
「なんでだばじだの?どおじで!?どおじでぇえええええぇぇぇぇっ!!??」
 涙をだくだくと流しながら絶叫するゆっくり霊夢。
 しかしうーぱっくは意に介さず、ただ一言
「うー!」
 とだけ鳴いた。

「あっぁつぁつっ!!へんだよぉっ!!れいむぅっ!!へんなんだぜぇ!」
 ゆっくり魔理沙が声を上げる。今までにない声色に、ゆっくり霊夢は嗚咽を上げながらも振り向いた。
「どうしたの、まりさ」
「なんかからだがへんなんだぜ!おかしいんだぜ!!」
 ゆっくり魔理沙は、自身に襲い掛かりつつある異変に気づいた。体が崩れ始めているのだ。
「と、とけてるううぅうううぅぅぅ!!!まりざのかりゃだがどげでりゅんだじぇぇえええぇぇぇ!!!」
 左右に体を暴れさせるゆっくり魔理沙。しかしその体はにちゃにちゃとした粘液が付着し、とろとろの
液状になり流れ始めていた。
 これがうーぱっくの最大の特徴だ。
 うーぱっくはゆっくりれみりゃの変種である。つまり捕食種なのだ。しかしうーぱっくは成長すると
経口摂食をしないようになり、このようにゆっくりを自身に乗せてじょじょに溶かしていってしまうのだ。
 何故かはわからない。
 しかし自然界にも似たような生き物が存在するのだから、それほど不思議なことでもなかった。
「うわあああぁあぁああぁぁっっ!!まりゅいざをだじゅげでぇええぇぇっ!!おねがいいぃい!!」
「うー?」
「ああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 よくわからないと言うように唸るうーぱっくに、ゆっくり魔理沙の絶叫は続く。
「まりざああああぁぁぁっ!!ま゛ぁり゛ざあああああぁぁぁぁっ!!!!」
 さらにゆっくり霊夢の絶叫も重なる。思わず聞きほれたくなるほど甘美なる合唱。
 そこにゆっくりれみりゃが声をかけた。
「すのばしょをいえばたすけてやるんだどぅ~」
「ゆっ!?」
「さっきかぞくっていったんだど~~~♪」
「えらぶんだどぉ~~~★」
「いっ、いやだよ!!かぞくはだいじだもん!」
「どっちでもいいんだっどぅ~~☆」
 いつのまにか、うーぱっくの周りにはあの三匹のゆっくりれみりゃが集まっていた。



「おねぇしゃんおしょいね?」
 ちっちゃなゆっくり霊夢は巣の中で不安そうに母ゆっくり霊夢に話しかけた。
「だいじょうぶだよ!まりさといっしょだったし、きっとまりさのすでゆっくりしてるんだよ!」
「ゆっ!きっとしょうだにぇ!うりゃやましいよ!」
 母ゆっくり霊夢の言うことを素直に聞き、よそのおうちにお泊りをする姉を羨ましがる妹。
 よくある家族像だった。
 このゆっくり霊夢の家族は母ゆっくり霊夢に、ゆっくり霊夢、妹ゆっくり霊夢の三匹だった。
 出産環境が劣悪だったせいか、母体になったつがいのゆっくり霊夢から生えた蔦には未熟な実がいくつか
成ったが、しっかりと生れ落ちたのは二匹だけだったのだ。それでも片方は未熟児だったが。
 しかし朽ちたゆっくり霊夢の黒ずんだ死骸は二匹の子の最初の栄養となり、その血肉のなかに脈打っている。
 母ゆっくり霊夢は、つがいのゆっくり霊夢の、文字通り化身とも言える二匹の姉妹をとてもゆっくりと大事に
育て上げていた。ゆっくり霊夢は健康そのもので、すくすくと育ち元気に野原を駆け巡り、今では母と一緒に
十分な餌をとれるほどになった。
 もしかすると巣を出るなどと言い出すかもしれないが、それもまたひとつの生き方だ。そのときは祝福して
しっかりと送り出してやろうと、母ゆっくり霊夢は考えていた。
 思えば自分も若い頃は親の庇護から飛び出し、この平原で将来つがいになるゆっくり霊夢と出会ったのだ。
 愛し子であるゆっくり霊夢にゆっくりした未来がありますように。
 そうして母ゆっくり霊夢は、もうひとつの愛し子、目の前でゆぅゆぅとしている妹ゆっくり霊夢を見る。
 生まれたのはゆっくり霊夢と一緒だったが、こちらは未熟児ゆえに発育が悪いのだ。もうしばらくゆっくりと
母ゆっくり霊夢が育てる必要があった。
 外は夜の帳も落ち、そろそろゆっくり眠る時間だ。妹ゆっくり霊夢を巣穴の入り口から守るように身を寄せる。
 お互い肌をすり合わせて、眠気を誘う心地よい震えが全身をゆっくりと包み始めた。
「ゆぅ~~、ゆぅぅ~~~」
 妹ゆっくり霊夢はすでに半分眠っていた。母ゆっくり霊夢はそのゆっくりとした様子を微笑みながら優しい眼差し
で見つめ続けて、体を揺らしていた。
 やがて母ゆっくり霊夢にも眠気がやってきた頃に、それは来た。



「う~、おまえのすのばしょはまりさがはいたんだどぅ~♪」
「!?」
 ゆっくり霊夢はじめじめとした狭い場所に押し込められていた。ここはゆっくりれみりゃの食料庫で
岩肌にあいた穴にそれぞれさまざまなゆっくりたちが無理やり押し込められていた。
 ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙、ゆっくりぱちゅりー、ゆっくりさくや、ゆっくりめーりん。他にも
ゆっくりみょんや、ゆっくりちぇんと、種類も大きさもまちまちなゆっくりたちが穴に納まっている。
 特筆すべきは、そのどれもが生きているということ。
 ゆっくりれみりゃは、食事と遊戯を一緒に行う傾向があるのだ。さんざん弄び、傷つけ、恐怖を植えつけ、
自身の暴力を味わわせた後に、ゆっくりとそれらを食す。
 餌を壊す感触と、耳を振るわせる悲鳴と嗚咽、傷つく皮とそこから噴出す餡子が目を楽しませ、ゆっくり
れみりゃの食事をより一層味わい深いものにするのだった。
「ど、どおいうごどぉおおおおぉぉぉっ!!!」
「たすけてやるかわりにいわせたんだっどぉ~~」
 このゆっくり霊夢はうーぱっくに食べられる運命にあった。
 だがしかし、絶叫と共に飛び出た「家族」という言葉がそれを変えた。ゆっくりれみりゃがその家族ごと
食べてやろうと考えたのだ。
 しかし一向に巣の場所を言おうとしないので、この場所に安置しておいたのだ。
「あのまりさはとけるより、おまえをうるほうをえらんだっどぅ~~~♪」
「ゆぅううぅぅ」
「ばかなやづだっどぉぉお☆」
「ゆあぁあぁあぁああぁぁぁっ!!!」
「いまごろまりさはかぞくとゆっくりしてるんだどぉ~~」
「ゆぎゅううううう」
「おまえはかぞくとここでくわれるんだど~~~☆」
「ゆぐぁああぁああぁあ!!まりざあああぁああああああ!!!」
「かぞくがそろったら、いっしょにくってやるんだどぅ~~♪」
 そう言うと、ゆっくりれみりゃは近くの窪みにはまっているゆっくりみょんを掴み取った。
「ち、ちんぽ~~~」
「こうやってくってやるんだど~~」
「きょせいっ!?」
 そのままがぶりとやった。ゆっくりみょんは白眼を剥いて痙攣している。それを二口で食べてしまった。
「ああ、あああ、あああああ!!!」
「おもしろいかおなんだどぅ~!ゆかいだどぉ~~~♪うっう~、うあ♪うあぁ♪」


 やがて、家族がそろったのかゆっくり霊夢はゆっくりれみりゃに引き摺られてあの広間へと来ていた。
「ゆっくりはなしてね!」
「ゆっきゅりはなちちぇにぇ!!」
 そこには案の定、ゆっくり霊夢の家族がいた。
 羽ばたいているゆっくりれみりゃに咥えられていて、うかつに暴れようものなら地面へと落下してしまう。
二匹には抵抗のしようがなかった。
 だがそれだけではなかった。
 その場所には他にもゆっくり魔理沙の家族もいたのだ。
「ゆっくりおろしてほしいんだぜ!まりさはおいしくないんだぜ!!!」
「ゆっきゅりおろしゅんだじぇ!」
「ゆぅううぅぅっ!?どうじでなんだぜ!?どおじでまりさのすをおしえたんだぜ!れいむううぅぅぅぅっ!」
 その叫びはゆっくり霊夢のお友達のゆっくり魔理沙のものだ。
「まりさがさいしょにうらぎったんでしょ!!れいむはしってるんだよ!れいむのすをおしえたって!!!」
 ゆっくり魔理沙の言葉に、怒りをあらわにしてゆっくり霊夢は声を荒げた。
「まりさなんかとけちゃえばよかったんだよ!!どおじでれいむのすをしゃべったの!?」
「し、しらないんだぜ!まりさはなにもいってないんだぜ!!」
「じゃぁどおじでれいむのかぞくがこんなどごろにいるのおぉぉおっ!!!」
「れいむがまりざのずをしゃべるからだぜえええぇええぅ!!!」
 ゆっくり霊夢の追求に、ゆっくり魔理沙の絶叫が重なる。
「ぞんなのまでぃざがれいびゅのじゅをじゃべるがらでじょおおおおおお!!じがえじだよっ!!」
「だからじららいっでいっでるんだぜえええええっ!!!ひどいんだぜぇぇ!!」
 泣きながら言い争う二匹を、周りのゆっくりれみりゃたちはにやにやと笑いながら眺めていた。
 ゆっくりれみりゃはこの二匹をはめたのだった。 お互いがお互いを裏切ったと思い、復讐に
お互いの巣の位置を喋ったのは、ゆっくりれみりゃたちにとって愉快の種だった。
「じゃぁどおじでれいびゅのかじょくがごごにいりゅのぉおおっ!?」
「れみりゃが、れいみゅがまでぃじゃのじゅのばじょをいっだっでいっだんだぜ!!」
「まりしゃがれいびゅのしゅをおしえたっでぎいだよぉお!!」
「うーうー!」
 そんな言い争う二匹をよそに、うーぱっくがゆっくりれみりゃになにかをうったえた。
「う~!そろそろでなーだどー!」
「うーうー!うあうあ~~~♪」
「うーぱっくはれいむとまりさをたべるといいどぉ~」
「れみりゃはちっちゃいまりさをいただくんだっどーー☆」
「じゃぁれみりゃはおっきなれいむをたべちゃうぞ~~~♪」
「やめちぇね!おいちくないちょ!!やめてっていっちぇるにょにぃ!!」
「こっちはおいちくないいだじぇ!まりしゃはどくなんだじぇ!!ちんじゃうんだじぇ!!」
「やべでええぇえぇっ!!そのこがなにじだっていうのぉおおぉぉっぉっ!!」
 妹ゆっくり霊夢はゆっくりれみりゃに握り締められて、中身を漏らした。ゆっくりれみりゃはそこから
ゆっくりと中身を吸い上げていく。じゅるじゅると音を立てて萎んでいく妹ゆっくり霊夢。
 中身と一緒に元気を吸い取られているようだった。
 母ゆっくり霊夢は叩かれ殴られ、千切られて止むことのない悲鳴をあげ続けて食われた。少しでも声を
上げることをやめると苦痛を与えられるのだ、最期には口の下あたりが自然と裂けていた。
 ゆっくり魔理沙の家族たちも体中を弄ばれて、痛めつけられながら食べられている。
「れいむのばがああぁぁぁつ!!おまえがうーぱっくなんがにのるがら゛っ!!」
「ぶぎゃっ!までぃざだってのっだでっじょっ!?!?」
 うーぱっくに乗せられてもなお、罵声を浴びせあっている二匹。
 その体はぐずぐずに蕩けていてもう満足に動くことは出来やしない。
 もはや眼と口を動かしてその意識を失うまで緩慢な痛みに身を委ねるしかない状態になってしまった。
 二匹にとって幸いなのは、傷みがほとんどないことだろう。
 きっといつ自分が死んだのかもわからないほどゆっくりと食べられるに違いなかった。



 ここは、広大なゆっくり平原。
 森に行けば優しい風が木々を揺らし、耳ざわりの良い音楽を葉が奏でるゆっくり名所のひとつだ。
 そんな心地よい音に混じって声が聞こえてくる。
 どこか畏れを含んだような、何かを知りたがっているような、そんな声。
「うー♪」
「ゆゆ?……乗せて、くれりゅの?」
「うぅ~~♪」
「ふわっ!しゅごいしゅご~~~い!!おしょりゃをとんでゅぇりゅにょぉおおお~~♪」


終わり。

後半失速してしまった。
狩りの時、うーぱっくは体付きのゆっくりゃを乗せて自由に空を駆けます。
ガンダムのドダイやゲターみたいな感じなのですw
飛行速度:ゆっくりふらん≧ゆっくりれみりゃ>うーぱっく>ゆっくりれみりゃ(体つき)

著:Hey!胡乱

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最終更新:2008年09月14日 05:29
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