ゆっくりいじめ系2228 ゆータン

初SSですあまり肉体的な虐めはしません


「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー♪」
「いいこだからおかあさんにもちょだいねえぇぇぇ!」
「「ずりゅいー!れーみゅにもちょーだい!!」」

 水槽の中でおいしそうにケーキを頬張る赤れいむが一匹。その周りを取り囲むのはその姉妹である二匹の赤れいむと親のれいむ。
 これらは男が森で見つけ、拾ってきたゆっくりれいむの一家である。

 男は赤れいむを一匹だけ水槽の中に隔離し、「君はかわいいから特別だよ」と言い、水槽の赤れいむには分不相応なお菓子を与えている。
 水槽の外にまで漂ってきたケーキの芳香とそれを食べる赤れいむの表情を見て、れいむ親子は我慢できずに水槽の中の赤れいむに訴えていた。その訴えが聞こえていないのか、赤れいむは一心不乱にケーキを貪る。
 赤れいむが無視していると、親子は男に訴えの矛先を向けた。
 しかし男は「この子は可愛いからね、君たちと違ってね。」と、れいむ親子の心をえぐる。

「ゆっふっふ♪」

 水槽の赤れいむはほくそ笑んでいた。

「おなきゃいっぱいー」

 店で買ってきたピースケーキを3分の1に分けたのを与えられたのだがそれでも赤ゆっくりには十分に過ぎた量だった。

「いらないのならおかーさんにちょうだい!」
「「ちょーらい!!」」

 水槽の外の親子は赤れいむのおなかいっぱい宣言を耳ざとく聞きつけ、せめて残りだけでもと水槽の赤れいむに訴えた。
 そのれいむはすでに寝床で目を閉じている。このまま騒がれていてはかなわないと、男は水槽のれいむを揺り起こし、残りを外の親子にあげてもいいかと確認を取る。

「いいよ、おきゃーしゃんとれいみゅにあげて」

 赤れいむは煙たそうに言った。自分の親姉妹を哀れんでの発言ではなく、睡眠を邪魔されたくなくて言ったのだろう。
 水槽の中の赤れいむにはゆっくりが好みそうな甘いお菓子を与え続け、水槽の外の親子にはその余りを与ええ続けた。
 無論、それだけでは飢え死にしてしまうので、男の食べ残しや野菜くずも与えてはいる。しかし毎日お菓子で満腹になる赤れいむに対し、野菜くずでお菓子の穴埋めをしている親子は徐々に不満を募らせていく。
 お菓子の味を知っているが故にその不満も大きくなっているのだろう。

「れいむ、君はお菓子を食べ過ぎたから口の中が病気になって、ゆっくり出来なくなるよ。」

 ある日男は水槽の中の赤れいむに対し、治療することを提案する。毎日おいしいお菓子をくれる人間だからと、赤れいむはその言葉を信じ治療することを了解した。
 半田ごてをコンセントに繋ぎ、十分に熱せられたのを確認すると、ピンセットで赤れいむの舌をつまむ。

「ほわひ!ひゃっははへふ!!」

 生まれて始めて見る異様な物体。それに恐怖を感じ、治療の中止を求める。しかし男は赤れいむの呻き声を無視し、伸ばした舌に半田ごてを当てる。言葉にならない悲鳴が部屋中に響いた。

「ゆっくりくるしんでね!」
「「あまあましゃんをひとりじめしたばちゅだね!」」

 舌を焼かれ苦しんでいる赤れいむを見て嘲笑う親子。すでに水槽の中と外では大きな隔たりが出来ていた。

「ゆふぃー、ゆふぃー」

 舌を焼かれ、満足に言葉を発することも出来ない水槽の赤れいむ。一応砂糖水で火傷の痕を治しているが、その舌には二度と戻らぬものがあった。
 治療の傷が癒え、以前と同じように舌を動かせるようになった頃、ちょうど男がその日の夕飯を持ってきてくれた。
 今まで食べてきたおいしいお菓子たち。その味、香り、外見は赤れいむの餡子脳にしっかりと刻み込まれている。そして目の前にあるお菓子。その見た目は何度と無く食べてきたあのケーキ。
 目を閉じると口の中に甘い香りがとろけるように広がり、舌に甘みが染み込んでいくのが餡子脳内で再生される。目を閉じたまま鼻腔を広げると、ケーキの味がより鮮明に再現されていく。
 れいむは限界まで口を広げてケーキにかぶりついた。舌を焼かれた嫌な記憶も、ケーキを一杯食べて「しあわせ~」な気持ちになれば、忘れられると思ったのだろう。
 一噛み、二噛みと口中で、クリームが、スポンジが、とろとろに混ざりあっていき 『なにこりぇ?』 赤れいむの咀嚼が止まる。その顔には困惑の色が、目には涙が浮かんできた。
 この形は美味しいケーキ、この匂いも美味しいケーキこの味は・・・

『なにこりぇ!?』

 涙を流し、プルプルと痙攣しながら口の中でぐちゃぐちゃになったものを垂れ流す。 赤れいむの味覚は死んでいた。男が半田ごてで焼いてしまったから。せっかくのケーキも「ふかふか」した物と、「とろとろ」した物でしかなくなっていた。
 あの美味しいケーキの記憶。記憶の中のケーキの形、記憶の中のケーキの匂い。目の前にあるケーキは、間違いなく記憶の中に有るあのケーキ。だが口の中でそのケーキはケーキでなくなってしまう。

「なにもったいないことしてるのおおおぉぉぉ!?ばか!しね!」
「「ばかにゃの!?しぬにょ!?」

 ケーキを吐き出すところを見た親子は水槽の中のれいむを怒鳴りつけた。水槽の赤れいむの舌を焼かれたことは知っていたが、それで味覚が死んだとは理解できないのだ。
 外の親子には食事に不満があって吐き出したようにしか見えないのだろう。今までは家族の罵倒を聞こえながらも無視していた水槽の赤れいむだが、今はまったく耳に入ってこないようだ。 呆然としている水槽の赤れいむに「もう要らないのか?」男が問いかけるとハッとした表情で男を見る。

「いじわるちないで、ちゃんとしたごはんちょうらいね!」

 自分の舌がおかしくなった事に気づいていない赤れいむは、偽物を食べさせられたと思ったのだ。すると男は無言で食べかけのケーキを取り出し、外の親子に「食べろ」と言って差し出す。

「はっふっ、はっふっ、うっめっ、これめっちゃうっめえ、めちゃうめええ!」
「「むぅーちゃぁ、むぅーちゃぁ、とーってもちあわちぇえええ!!」」

 残されたケーキを貪り、歓喜をあげる水槽の外の親子。その様子を中からじっと見つめる赤れいむ。

「・・・好き嫌いしちゃだめだぞ」

 男は優しくたしなめると、空になった皿を手にして部屋を出た。 結局一口もご飯を口に出来なかった赤れいむ。視線を自身が吐き出したケーキに移し「にゃんでおいちくないの・・・?」と呟くと、涙を目に溜めていた。水槽の赤れいむが泣いている事に気づいた外の親子は、ニタニタといやらしい笑みを浮かべていた。
 水槽の赤れいむが味覚を失ってからも、出される食事に何一つ変化はなかった味覚の異常に気づかぬ水槽の赤れいむは、毎日お菓子を食み、吐き出し、涙を流していた。
 そしてその様子を見ている外の親子はお菓子を吐き出す赤れいむをなじり、お菓子に舌鼓を打ち、幸せの中、まどろんでいた。 日に日に水槽の赤れいむは衰弱していった。

「可愛いれいむの為に、お前達が力になってやってくれないか?」

 ある日、水槽の中の赤れいむに無理にでもお菓子を食べるようにしてくれと男は親子に頼んだ。

「ゆっくりりかいしたよ!」
「「りかいしちゃよ!」」

 お菓子と親子を水槽に入れると、男は部屋を出た。 そして隣の部屋から親子の様子を盗み見ていた。

「ふん、ぜいたくしすぎなんだよ!」
「「ぜーたく!」」

 親子は衰弱した赤れいむを気遣うことなど全くなく、目の前のお菓子を貪っていた。

「こんなおいしいものの・・・うっめ・・・あじがわからないなんて・・・めっちゃうめ・・・ばかなこにはもったいないね」
「「むーちゃむーちゃ、もっちゃいない!」」

 食事をしながら罵倒している。男の願いなど忘れてしまったのか、お菓子をすべて平らげると弱りきった赤れいむに

「ひとりじめしたばちがあたったんだよ!ゆっくりとしね」
「「ばちあちゃり!」」

 と、はき捨てるように言った。

「もっちょ・・・ゆくりしたか・・ちゃ・・・」

 食事が終わると同時に、赤れいむは息絶えた。

「おお、ばかなれいむがやっとしんだよ」
「「やっとちんだね!」」

 最後まで親子は赤れいむに対して優しさのかけらも見せることはなかった。 隣の部屋で一部始終を見届けた後、水槽のある部屋に戻った男が「お前たちともお別れだな」と告げる。
 あまりに急な発言に固まる親子。安住の地を失う現実に餡子脳がついてこれない。ひと時の後、れいむ親子はどうしてと訪ねる。
 全く理由が解らないから。男は「俺は可愛いあのれいむだけ居ればよかったんだが、親姉妹と別れさせるのは可哀想と思って お前達も連れてきたんだが・・・」と、やんわりとれいむ親子に「おまけだった」と伝えた。
 水槽の赤れいむが死んだからには、れいむ親子を飼う理由が無いというのが男の主張だ。だがれいむ親子は食い下がる。男の発した「可愛い」という単語に食らいついたのだ。

「でも、れいむたちもとーってもかわいいでしょ?あのおばかよりずぅーっと、ね?」
「「かわいーでちょでちょ?」」

 せっかく手に入れた美味しいお菓子とあったかいお家。それを手放さまいと、必死で可愛さのアピールをしていたが、

「・・・死んだ我が子を馬鹿呼ばわりするゆっくりなんて、可愛さのかけらもないね」
「「「そんなああああぁぁぁ」」」

 ショックで固まる親子を無理やり家の外に放り出し、別れの言葉も無しに戸を閉める。
 放り出された後も、れいむ親子は男の庇護を求めて家の周りに張り付いていた。男が外出するまで玄関前に張り付き、戸が開くなり潜り込もうとするが蹴り飛ばされた。男が帰宅するまで扉の前で座り込み、帰ってきた男に懇願するが無視された。男が家に入るために戸をあけた隙にもぐりこもうとしても、即座に蹴り飛ばされた。
 あるとき、空腹に耐えかねて家の周りの草や虫を口にしてみたが、体が受け付けなかった。
 親はもちろん赤れいむたちも今まで口にした事のある食べ物だったはず。しかしあの、甘くとろける様な享楽の日々が餡子脳を書き換えてしまったのだろう。
 時折ほかの野良ゆっくりが家に侵入を試みようと近づいてきたが、親れいむはその度に追いはっらていた。お菓子を、お家を他のゆっくり達に奪われまいとして。
 その姿を男は見ていたが、決して同情などしなかった。むしろ笑っていた。 それでも親れいむは男にすがり付き、野良ゆっくりを追い払う。
 それもこれもあの甘いお菓子と暖かいお家を取り戻すため。有る筈も無い一抹の望みを繋げていたのは甘い記憶だった。
 そのうち空腹に耐え切れず赤れいむは一匹、二匹と息絶え、ついに親れいむは独りぼっちになる。
 一匹になっても親れいむは戦っていた。空腹と、男と、野良ゆっくりと。
 しかしついにれいむはゆっくり出来ることなく、息絶えた。

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最終更新:2009年02月28日 22:57
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