ゆっくりいじめ系2517 ちぇんマー投げ

初投稿なので何か変かもしれません。あしからず・・・一応現代社会が舞台です

ゆっくりが突如現れてから1年程が経ち、人々はいかにゆっくりを有効活用するかで盛り上がっていた。
現れた当時はこの謎のナマモノの存在に多くの人々が興奮し、恐怖し、関心を抱いたものだが、
今となっては畑やゴミ捨て場を荒らす害獣というのが一般の認識だ。
だが人間とはたくましい生き物で、何とかゆっくりを役立てられないだろうかと必死に考えた。
食用・飼育用・ストレス解消用などが考え出され、ゆっくりは人々の生活に取り込まれていった。
そして現在、ゆっくりを使ったスポーツが流行している。丸いからボールとして使えるという理由でだ。
ゆっくりは生物としてはまだ確立されておらず、政府もゆっくりの扱いについては黙認していた。
何しろ中身がでたらめな上に人語を話すのだ・・・。異世界からやって来たと言っても誰もが納得するだろう。
さて、話を戻すがゆっくりを使ったスポーツは多種多様であり、その種類は数え切れない程存在する。
その中でも特にマイナー、だが確実に人気を伸ばしつつあるスポーツがある。『ちぇんマー投げ』と呼ばれるスポーツだ。
俺はゆっくりのことを別にどうとも思っていない。好きでもなければ嫌いでもないのだ。
だが友人たちは皆ゆっくりに熱中しており、俺はいつも話題に入れずにいた。だから流行に乗るためにちぇんマー投げとやらをやることにした。

「お前もやってみろよ。クセになるぜぇ~。」
「ちぇんマー投げねぇ・・・。ハンマー投げのパクリじゃないのか?」
「ところがどっこい!!全然違うんだよ!まぁやってみりゃ分かるって!いつか大流行するぞコレ!!」

俺は友人の誘いに屈し、そして今ちぇんマー投げセンターに来ている。

「お前そもそもゆっくりについて知らないだろ?こっちで投げる用のちぇんが飼育されてるから見てみろよ。」

俺は友人に連れられセンター内の奥にあるガラスケースを覗いてみた。中では猫みたいなゆっくりが幸せそうに暮らしていた。

「こいつらが『ちぇん』と呼ばれるゆっくり、このスポーツの主役さ。」
「へぇ~・・・。こいつらがねぇ・・・。」

「わきゃりゅよー!わきゃりゅよー!」
「わかるよー。とってもげんきなあかちゃんなんだねー。」
「らんしゃま~・・・。むにゃむにゃ・・・。」
「むーしゃむーしゃ、わかるよー!すっごくおいしいよー!」
「ゆっくりできてしあわせだよー・・・。」
「わからないよー。しっぽがちくちくするよー・・・。」
「わかるよー。しっぽにわらがささってるんだねー。いまぬくよー。」
「しゅりしゅり・・・。わきゃりゅよ・・・。あっちゃきゃいよー。」
「こたつはゆっくりできるよー。なんだかねむく・・・すやすや・・・。」

ケースごとに5~10匹のちぇんが入れられており、皆かなりゆっくりしていた。素人の俺でも分かるぐらいゆっくりしていた。

「投げる直前まで最高の環境で存分にゆっくりさせてやるのさ。その方が投げられた時の絶叫がいいんだって。」
「何か・・・可哀そうじゃないか?」
「お前はまだ覚醒してないからそんなこと言うのさ。ほら、見てみろよあそこの人・・・。ここの常連さんだぜ。」

俺がこっそり横を見ると、幸せそうにしているちぇんを見て1人の男がワナワナ震えていた・・・。
そして突然叫びだした。

「ふをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!わかるよわかるようっせぇぇぇぇぇぇっ!!!今ぶん投げてやるぜぇぇぇぇぇ!!!!!」

男はひゃっはぁぁぁぁっと叫びながら受付に向かいマッハで手続きを行なっていた。彼がかの有名な『虐待鬼意山』か・・・。

「違うよ。彼はAランクの虐待士、人呼んで『虐待鬼威酸』さ。」
「俺には違いが分からん・・・。」

仕方ないので受付に行って手続きを行い中に入れてもらった。中を抜けると巨大なドームのようになっておりかなり広かった。

「俺らは第5ブロックだ。俺は大人ちぇん、お前は初心者だから子ちぇんでいいだろ。」
「ブロックって・・・?」
「ああ、ブロックごとに特殊フィルム付きガラスで区切られててな、他のブロックからちぇんの悲鳴が漏れないようになってるんだ。」
「・・・どうして・・・?」
「どうしてって・・・。そりゃ自分たち用のちぇんが怖がらないようにさ。怖がって暴れられたら上手く投げれないだろ?」
「なるほどね・・・。納得・・・。」

第5ブロックに入りドアを閉め少し進むと、そこにはすやすや眠っている大小2匹のちぇんが箱の中に入っていた。
後はハンマー投げと同じ感じのフィールドだ。俺はふと納得した。何でちぇんなのかを・・・。

「2本の尻尾が鎖で、本体が鉄球ってことか・・・。」
「そゆこと。じゃあ俺から投げるよ。しっかり見とけよ~。」

すると友人は成体ちぇんを軽くポンポンと叩き目を覚まさせた。ちぇんは眠そうな顔でアクビをし、友人の顔を見た。

「ここどこー・・・?わからないよー・・・。」
「やぁ!これから君と遊んであげるお兄さんだよ!よろしくね!そらっコレをあげよう!」

友人はポケットからビスケットを取り出すとちぇんに食べさせた。ちなみに食べ物は基本自腹である。

「わかるよー!おにいさんはとってもやさしいんだねー!!」
「そうそう、だからお兄さんと遊ぼうね。すごく楽しい遊びがあるんだけどどう?」
「どんなあそびかわからないよー。でもおにいさんとならいいよー!」

なるほど・・・。ゆっくりとは随分単純なんだな・・・。俺は友人の話術よりちぇんの純粋さに驚いた。
純粋なのはいいことだが、悪く言えば単純ってことなんだよな~・・・。お、友人がちぇんの尻尾を掴んだ。

「今からクルクル回るからな~。そ~れ!!クルクルクルクル~・・・。」
「うにゃぁぁぁぁぁぁっ!?わからないよぉ~~~!!!!」

2本の尻尾をそれぞれ左右の手で掴み、ハンマー投げの要領でブンブン振り回し始めた。
ちぇんは最初こそ楽しそうだったが、しばらくすると絶叫していた。まああれだけ回ってれば誰だって叫ぶよな・・・。

「わぎゃらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「おっしゃぁぁぁ!!!おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
「わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・!!!!!」

友人が手を放すと、ちぇんはものすごい勢いで飛んでいった。まるで本当にハンマーを投げたようだ。
ちぇんは宙を舞い回転しながらかっ飛び、そして重力によって下に落ちた。

ちぇんは分からなかった。何で自分が空を飛んでいるのか。何で優しかったお兄さんがこんなことするのか。
そして何で地面が自分に迫っているのか・・・。

「わぎゃらなぁぁぁぁぁぁぁっうぎゃべっ!!!!!」

ちぇんは地面に勢い良く叩きつけられた。唖然とする俺、満足気な顔で落下地点を眺める友人。

「よっしゃ!自己ベスト更新だ!やっぱ誰か見てるとやる気出るな~!!」
「飛んだな~・・・。ここからでも叫び声聞こえたぞ・・・。それと落ちた時の音も・・・。」

「わ・・・わがら・・・ない・・・よ・・・。」

ちぇんは何も分からず混乱していた。何でこんなに痛いのか。さっきまであんなに楽しく幸せな暮らしをしていたのに・・・。
ああ、らんしゃま助けてらんしゃま・・・。苦しい痛い辛い帰りたい・・・。

「さ、今度はお前の番だぞ。子ちぇんは尻尾が切れやすいから慎重にな。千切れたらロクなスコア出ないからな。」
「あ・・・ああ・・・。」

俺は箱から寝ている子ちぇんを手に取った。どうやら睡眠薬で眠らされているようだ。揺すってみるとそっと目を覚ました。
子ちぇんの大きさはせいぜいソフトボールぐらいの大きさだ。手の上で子ちぇんは不思議そうに俺を眺めている。

「わからないよー・・・。おにいさんだれー?こたえてねー・・・。」
「・・・悪く思うなよ・・・。」

俺は友人みたいにはせず、すぐに尻尾を掴み回転し始めた。情が移ったら嫌だからだ。どんどん回転を速めていく・・・。

「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?わきゃりゃにゃ・・・ぶぎゃべっ!!!!」

しまった・・・。尻尾が切れてしまった・・・。目の前の地面に激突した本体はピクピク震えていた・・・。
手の中の尻尾もまだちょっと動いている。気持ち悪くなって急いで地面に放った。

「あ~あ・・・。まあ最初は誰だって上手くいかないさ。地道にいこうぜ。」
「いや、何かこれからもやるみたいな話になってるんだけど・・・。」
「わ・・・わぎゃら・・・な・・・。」
「チビのくせにまだ生きてたぞ・・・。ほら、尻尾から黒いの出てるだろ?」
「本当だ・・・。チョコクリームだっけ・・・?」
「そうそう、こいつら生き物を気取ってるけど所詮はこの程度のナマモノなんだよ。だからそんな罪悪感に満ちた顔すんな。」
「ああ・・・、そうだよな・・・。よし、次はもっと遠くに投げられるように頑張るぞ!!」
「その調子だ!投げて投げて投げまくるぞ!じゃあ俺ちぇん追加の注文してくる!!!」

俺は不思議な気分だった。いけないことをした気分だが、同時に心が満たされた気分になったのだ・・・。
俺もひょっとして虐待派だったのだろうか・・・。今は目の前で痙攣してるちぇんを見ても少しも心が痛まない。

「覚醒したのかな・・・。俺・・・。」

その後俺と友人は計6匹のちぇんを投げ飛ばした。帰る時ふと後ろを振り向くと、天井のスプリンクラーから
大量のシャワーが降り注いでいた・・・。ああやって投げ終わったちぇんを掃除するんだな・・・。俺はまた納得した。

「いや~。お前も覚醒してくれて良かったよ。またな!」
「ああ、もう暗いから気を付けて帰らないと・・・。」

俺はちらっとガラスケースを覗いた・・・。そこではさっきと変わらぬちぇんたちの幸せな姿があった。

「わきゃるよー!わきゃるよー!これはもうふさんだよー!」
「すごいよー!もうしゃべれるようになったよー!せいちょうがたのしみだよー!」
「らんしゃま~・・・むにゃむにゃ~・・・。」

しばらく眺めていると何匹かのちぇんが箱に入れられ運ばれて行った・・・。俺はそれを何となく確認した後センターを出た・・・。

ゆっくり・・・野生の多くのゆっくりが人間と関わり不幸になった。だがあそこのちぇんたちはどうだろうか?
幸せだろうか?それとも不幸なのだろうか・・・?俺には分からなかった。

「分からないよー・・・。こんなスポーツが流行する世の中が分からないよー・・・。」

俺はちぇんの真似をしながら自転車を走らせた。これが俺がゆっくりに興味を持ったきっかけであった・・・。

「そうだ・・・。帰りに食用ゆっくりでも買ってみるかな・・・。食ったことないし・・・。」




それから数ヶ月後・・・、友人の宣言通りこのちぇんマー投げは大流行し、大会が開かれる程の盛り上がりを見せた。
俺は磨いた腕を試すべく、大会の会場に向かっていた。すでに俺に迷いはなかった。

「ひゃっはぁぁぁぁぁ!!!!宇宙の彼方まで飛ばしてやるぜぇぇぇぇ!!!!」



      • 後に彼はあらゆるゆっくり使用スポーツで活躍することになるが、それはまた別のお話・・・。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年04月19日 00:51
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。