さらわれたにんげん

※私怨です。
※それでも収録していただけるなら投棄所行きでも構いません。



さらわれたにんげん



凍えるような寒さの中、青年は動く事ができなかった。
最愛の娘を人質に取られていて、相手の要求を飲まない親がいるだろうか。

「ゆっふっふっふ、おにーさんのおちびちゃんはまりさが預かっていくよ!返して欲しかったら一人で裏山にゆっくりきてね!」

そう言い放ってまりさはスィーに娘を乗せて走り去っていった。

「畜生ッ!」
「まさか子供の目に枝を突きつけて、スィーで逃げるとはな」
「で、どうするんだ?このままってわけにはいかないだろ」
「当然だ!娘は俺が取り戻す!」

当時彼は娘を連れて広場へ散歩に来ていた。
昨日の農作業がたたったのか、娘が広場で遊んでいるのを見て、ついうたた寝をしてしまった。

「ゆっくり寝たらこの結果だよ!」

要求通りに一人で裏山へと向かった。
そこには数十にもなるゆっくりの群れがあった。

「おにーさん、ゆっくりしてるね!」
「…おい、用件はなんだ?」
「おお、こわいこわい!おにーさんはゆっくりしないで、村の皆をここに集めてね!」
「はぁ?」
「聞こえなかったの?バカなの?死ぬの?村の皆をこの洞窟に集めてね!」

青年が村へ戻って事情を説明すると、村人は渋々要求に従った。
村人は洞窟へと入り、入り口を背に人質の少女に枝を突きつける監視れいむが一匹

「ゆふふ、たったいっぴきのおちびちゃんのためににんげんさんもがんばるね、れいむがそっちがわでもおなじことをしたとおもうけど!」
「で?お前らの目的はなんだ?」
「だれもいなくなったむらから、にんげんさんのおやさいさんをいただくんだよ!」
「なるほど、饅頭にしては良くできた作戦だな…で?お前はどうするんだ?」
「ゆ!?」
「ゆっくり全員が村に向かってむーしゃむーしゃするわけだろ?お前は?」
「ゆゆゆゆ!れ、れいむはみんながもってきてくれるおやさいさんでゆっくりするよ!」
「持ってくるわけねぇだろ、そのまま反対側の森に全員で移動してゆっくりするんだよ」
「まりさがれいむをうらぎるわけないよ!」
「じゃあなんでお前だけしかいないんだよ、持って帰ってくるなら力のあるゆっくりだけでいいだろ」
「ゆゆっ!?」
「スィーがあったらそれこそ全員で行く必要もないしな、おめでとう見捨てられいむ♪」
「ゆがぁぁぁぁぁ、ばりざのやづぅぅぅぅ!!」

れいむは少女から離れると、反転して村の方向へ飛び出していった。

「ゆぴっ!?」
「飛び出したところで、人間さんの速度に勝てるはずないけどな」

青年はゆっくりせずにれいむを踏み潰した。





一方村では





「どぼじでおやざいざんがないんだぜぇぇぇぇぇ!!」
「まりさのばかぁぁぁぁぁぁ!おやざいざんなんでどこにもないじゃないいいい!」
「もうおうちにもどっても、ごはんなんてないわよぉぉぉぉぉ!」

越冬準備に失敗したまりさの思いついた誘拐大作戦。
人間の人質を利用し、村の人間全てを誘拐して、その間に野菜を盗む。
夏~秋にかけて実行すれば、成功していたかもしれない。

今は雪積もる冬。

雪に埋もれた野菜を掘り出すのは、饅頭であるゆっくりには命がけの作業。
それでいて必ずしもゆっくりできる野菜にあたるとは限らない。
野菜がダメならにんげんさんのおうちがと意気込んでみるが、そうもいかない。
理由はどうあれ戸締りを怠るはずがない。

「やぁまりさちゃん」
「ゆひょぉぉぉ!?ど、どうしてにんげんさんがここにいるのぉぉぉぉ!」





あとがき

ゆっくり虐待スレ110 >>826に捧ぐ
人間はゆっくりと違って仲間を見捨てませんからね。
その結果、里単位でさらわれちゃいましたよ。
ざまぁみろ。

一時のイライラでつい書き上げた。
ほんわか虐待系を書いていたはずが、何故こんな事に…

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最終更新:2009年04月22日 03:32
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