ゆっくりいじめ系784 ゆっくりアトラクション(前)


※fuku2180、ゆっくり鉄骨渡りの設定を引き継いでいます。






「ゆっくりしていってね!」
「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」

目覚めの挨拶からまりさ一家の一日は始まる。
森にある、自ら掘って作った巣の中には親まりさ1匹、赤まりさ6匹、赤ぱちゅりー1匹がいた。

「おかあさんはごはんをとってくるから、みんなはゆっくりまっててね」
「むきゅ、ゆっくりまってるわ!」
「ゆっくちぃ〜」

親まりさは毎日、赤ゆっくり達の世話で休む間もないが、親まりさは幸せだった。
「ぱちゅりー…………まりさは頑張るよ…………」
死を覚悟でまりさとすっきりすると同時にこの世を去ったパートナーに思いを馳せる。
大好きだったぱちゅりーの死には大声で泣いたが、その数日後、

「ゆ……ゆっきゅりちていっちぇね!」
「ゆ……ゆっぐり゛じようね゛え゛え゛……」

まりさの頭の茎から一番に産まれた赤ぱちゅりーを見て、再び涙する。
ぱちゅりーの餡子を引いた、ぱちゅりーそっくりな赤ゆっくり。
さらに産まれる自分そっくりな赤まりさ達。この子達を命に代えても守りきろうと強く思った。



「ごはんをとってきたよ!みんなでゆっくりたべようね!」

運のいいことに、今日はクズ野菜が落ちていた。
普段森に生えるものではない。きっと天国のぱちゅりーのプレゼントだろうと思った。

「「「「「「むーしゃ、むーしゃ…………ちあわちぇ〜♪」」」」」」

満足そうにクズ野菜をほおばる赤ゆっくり達を見て、親まりさも笑顔になる。
と、そこに、

「クズ野菜を見つけたゆっくりを追いかけてみれば、こんなところによく作ったもんだな」
「だ、だれ!?」

突如、聞きなれない声がする。

「ああ、俺は虐待お兄さんさ。君達を捕まえるためにやってきてね」
「ゆ!こっちこないでね!ゆっくりでていってね!」
「そうはいかないな、虐待お兄さんだもの。よっと」

巣の中に男の右手が入ってくる。
しかし、巣の奥にいるまりさ一家には届かないようだ。

「こ、こわいよー」
「ゆっきゅりできないわ!」
「だいじょうぶだよ、ここにいればつかまらないよ!」

カタカタ震える赤ゆっくり達を安心させるため、親まりさは力強く言い切る。
内心は親まりさも怖いのだが、赤ゆっくりに不安を与えるわけにはいかない。
それに、現に男の手は届かないのだ。

「もうあきらめてね!ゆっくりおうちにかえってね!」
「うーん、しょうがないな。引っ張り出してくれないか?」
「うー!」

その声と共に、1匹のゆっくりが巣の入り口に姿を現す。
大きな顔と2枚の羽、体無しのゆっくりれみりゃである。
こういう時のために、男が連れてきたものだ。

「れ、れみりゃはこないでねえええええ!!!!!」
「うー!うー!」

れみりゃに喰われるかと思いきや、れみりゃは家族に牙を突き立てることはしなかった。
代わりに、あっという間に全員巣の外に引きずり出される。

「ふむ……赤ゆっくりは合計7匹か。あいつの要求した数より一匹多いから食べていいぞ」
「うー!」
「ゆ゛!」

れみりゃは一匹の赤まりさに喰らいつく。
体の小さな赤ゆっくり。小さな断末魔を上げ、すぐにれみりゃの胃袋に収まった。

「ま、まりざのあがぢゃんがあああああああ!!!」
「むきゅうううううん!」
「まりちゃのいもうとがああああ!!」
「はいはい、お前らはこの箱に入ってお兄さんと一緒に帰ろうね」

男は加工場製透明ケースに親まりさと赤ゆっくり達をポイポイと放り込む。

「これでゲームに必要な6匹、と。じゃああいつの所に帰るとするか」
「うー!」

上機嫌で帰路についた一人と一匹と、まりさ一家の表情は対照的だ。

「まりちゃ達、どうなりゅの…………」
「だいじょうぶだよ!おかあさんがたすけてあげるから!」

できもしないと分かっていても、強がりを言うくらいしかなかった。



男はそのまま人里へ行き、家に入っていった。
そしてまた別の、若干年下気味の男が彼らを出迎える。

「お疲れ様です。わざわざこんな面倒事を頼んですみませんね」
「まぁ俺も今回の虐待には興味津々だからな。この程度の手間は問題じゃないさ」
「そう言って頂けると助かります。お前も行儀よくしていたか?」
「うー!」

さて、この出迎えた男、まりさ一家を捕まえた男の隣人であり、男同様虐待お兄さんである。
そしてこのれみりゃは、この隣人のペットであった。
隣人は男に『赤ゆっくり6匹と親ゆっくりを捕まえて欲しい』と頼み、戦力としてれみりゃも貸し出した。
数々の虐待を共にしてきた仲、れみりゃも男には懐いているようだ。

「さて、それで道具は揃っているか?」
「バッチリです」

隣人は道具を一式、机に並べて男に見せる。
それは工具のノミと、5枚のごく小さな鉄板。
赤ゆっくりが入る程度の底面積の、縦長で透明な直方体の小さな箱を6つ。それらは1から6まで番号が書かれている。
さらに箱の上の方に4辺のうちの1辺だけ鉄板が差し込めそうな切れ目があり、その周囲は黒い紙で覆われていた。

「さすがだな。それじゃあ早速始めようか」
「ええ、この時を楽しみにしていましたよ」

隣人は箱からゆっくり達を取り出した。
親まりさは隣人の頭の上をパタパタ飛び回っているれみりゃに襲われるかと怯えていたが、そんな気配はないようだ。
そして6匹の赤ゆっくり達は6つの箱にそれぞれ1匹ずつ入れられていった。

「ゆ!ちぇまいよ!」
「ここじゃゆっくちできないよ!」

箱のサイズは赤ゆっくりがギリギリ入れる程度。
箱の中は、自由に動き回れる余地は全くない。

「なにするのおにいさん!赤ちゃん達をゆっくり出してね!」

透明ケースに残された親まりさが騒いでいる。

「ククク……そうはいかぬな……これから貴様らには、ゲームをしてもらうのだから……」
「げ、げーむ?」

隣人はいやらしく笑ったかと思うと、急に口調が一変した。
また始まったか、と男は心の中で一人ごちる。
この隣人、普段は真面目な青年なのだが、ゆっくり虐待になると性格が豹変するという困った癖がある。
溜めるような言い方が多くなり、一人称もコロコロ変わったり。
最初は男もかなり戸惑ったものだが、数々の虐待を共にこなしてきた今はもう慣れっこだ。

「説明しよう……わしはこれから一度だけ、この箱の中へノミを振り下ろす……
 そんなことをしたら赤ん坊はどうなるか……分かるな?」

ゆっくり達の顔が青ざめていく。
ノミの先は見るからに鋭い。あんなものを喰らえば、とても生きてはいられないだろう。

「や、やめてね!まりさのあかちゃんをころさないでね!」
「ククク……心配無用……そのためにこの鉄板があるのだからな……」
「ど……どういうこと?」
「この鉄板は箱の切れ込みに差し込むことができる……これを差し込めば……」

隣人は説明しながら、箱の一つに鉄板を差し込んだ。
そして右手のノミをその箱目がけて強く振り下ろす!

「「「「「「「ゆ!」」」」」」」
ゆっくり達の悲鳴と共に、キンッという金属音。
隣人の振り下ろしたノミは鉄板に阻まれ、下にいる赤ゆっくりまでは届かない。

「このように……ノミは鉄板に阻まれ赤ん坊は助かるという仕組みだ……」

そして男は親まりさを透明ケースから出し、赤ゆっくり達と同じ机の上に置く。
結果的には大丈夫だったが自分の子供の危機だった、まだ平常心ではないようだ。

「それじゃあ俺達は10分ほどこの部屋を出る。時間が来たらノミを振り下ろしにまた来るぞ」
「ククク……どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……」
「うー!うー!」

親まりさと箱に入れられた赤ゆっくり達を残し、2人と1匹は部屋を出て行った。



親まりさは現実を受け入れ切れなかった。
昨日までの赤ゆっくり達との幸せな生活が、いきなりこんな事態になってしまった。
しかも既に1匹の赤まりさがれみりゃの犠牲となっている。
しかし。

「こわいよおおおお!」
「おかーしゃんたちゅけてえええ!」
「まっててね!かならずおかあさんがたすけるからね!」

今自分がやることは、とりあえずこの鉄板を箱に差し込んで子供を守ること。
すぐに頭を切り替え、鉄板を口にくわえようとしたが。

「ゆ……いちまいたりない……」

箱の数は6つだが、鉄板は5枚。
必然的に、子供を一匹無防備にしてしまうのだ。
『どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……』
ここに来て初めて、親まりさはその言葉の意味を理解した。

「おかーしゃん、はやくちて!」
「はやくまりちゃをまもっちぇね!」

赤ゆっくり達はそんなことは知らず騒いでいる。
いや、よく見ると3の番号の箱の赤まりさ、それと6の番号の箱の赤ぱちゅりーは黙っている。
この2匹は他の4匹に比べ賢く、既に鉄板が一枚足りないという意味を分かっていたのだ。

「みんな、よくきいてね……じつはいちまい、いたがたりないんだよ……」
「ゆ!どういうこちょなの!」
「だから、ひとりだけまもれないんだよ……
 もしそこにあれがふりおろされたら、たぶん…………しんじゃうんだ……」

死ぬ、という言葉を聞いて赤ゆっくり達は泣き叫び始めた。
先の赤まりさと赤ぱちゅりーは相変わらずのだんまりだが。

「まりちゃ、ちにたくないよおおお!」
「たちゅけてええええ!」
「だいじょうぶだから、おかあさんのはなしをきいてね!」

親まりさが必死になだめるも、赤ゆっくり達は騒ぎ続ける。
そんな中、赤ぱちゅりーの一喝が飛んだ。

「むきゅ、うるさいよ!だまってね!」

いきなりの姉からの大声で、赤ゆっくり達はビクッとして騒ぐのをやめた。

「だいじょうぶ、たとえいたがなくても、はこはむっつもあるわ。
 おにいさんはいちどだけふりおろすといってたわ。そうそうあたるものじゃないわ」
「で、でも……あちゃることもあるんでちょ……」
「むきゅ……そうだけど、かくりつはひくいわ……」
「じゃあ、まりちゃはいやだよ!ほかのだれかにしてね!」

再び騒ぎ出す赤ゆっくりを見て、赤ぱちゅりーは親まりさ共々頭を痛める。
確かに確率は6分の1とはいえ、死の危険はあるのだ。
死にたいわけではないが、姉として妹達をそんな危険に晒すわけにはいかない。
だからその危険な役目に自分が立候補しよう、と思ったところで、予期せぬことが起こった。

「……そのやくめは、まりさがひきうけるよ!」

そう叫んだのは、先ほど赤ぱちゅりーと共に黙っていた赤まりさだった。
この赤まりさは、赤ぱちゅりーに次いでの2番目の姉である。
赤ぱちゅりーを除けば姉妹でもダントツに賢く、妹達の面倒をよく見ていた。
そして幼いながら責任感が強く、妹達を守るために名乗りを上げたのだ。

「ほ、ほんとうにいいの……」
「おかーさん、これがおねーさんであるまりさのやくめだよ!」
「むきゅ……それならわたしが……」
「いいんだよ!かくりつはひくいっていったでしょ!だいじょうぶだよ!」
「おねーちゃん、ありがとう!」
「これでたちゅかったよ!」

死の危険があるにも関わらず、笑顔を見せる赤まりさを見て親まりさは涙を流さずにはいられなかった。
ぱちゅりー、ぱちゅりーのあかちゃんはこんなにもいいこだよ。
どうか、このこをたすけてあげて。
天国のパートナーに祈りながら、親まりさは箱に鉄板を差し込んでいった。
この赤まりさが入った3の番号の箱を除いて。



「さて、そろそろ終わったか?」
「きたね!いつでもいいよ!」

親まりさが、再び部屋に入ってきた2人と1匹と対峙する。

「ククク……では始めるとしようか……」

隣人がノミを持って机に座り、ついにゲームが始まった。






予想はしていたが、男はゆっくり達のに呆れるばかりだった。
勝負が始まってすぐのこと、隣人が、

「目星はついた……1かな……」

と言ってノミを近づければ中の赤ゆっくり達はおろか、親まりさまで「ゆ〜」と安堵の表情。
賢い赤まりさや赤ぱちゅりーも、まだ幼く表情まで気が回らないようだ。

「いや、2かな……」

ゆ〜。

「ククク……4も怪しそうだな……」

ゆ〜。

「いやいやいや、3も捨てがたい……」

ここで、ゆ!と皆でビクッとする。
ゆっくり達は無意識的にやっているのだろうが、バレバレである。

「それとも……6か……」

ゆ〜。

「いや……やはり3か……」

ゆ!

「む……5のような気がしてきたぞ……」

ゆ〜。

「………………3………………」

ゆ!

すぐに振り下ろしても良かったのだが、そこはさすがに虐待お兄さん。
男と隣人は、しばらくそうしてゆっくり達で遊んでいた。



「ククク……散々迷ってきたが、ついに決心したぞ……」

段々飽きてきた隣人は、ついにノミを振り下ろす決心をする。
いよいよか。ゆっくり達の表情がこわばった。

「鉄板のない箱は……おそらく4……!」

叫ぶと同時に、4を目がけてノミを振り下ろす。
助かった、と安堵するゆっくり達。
金属音と共に、悔しがる男達の姿がゆっくり達の目に浮かんだ。






しかし、隣人は箱にノミを突っ込まず、寸止めした。

「と見せかけて実は……これだっ…………!」

隣人がノミを打ち下ろしたのは、すぐ隣りの3の箱だった。
皆が大好きだった赤まりさは真っ二つに切られ、この世を去った。






「おかーしゃんのうそちゅきぃー!」
「たちゅけるっていったくちぇに!」
「ちね!やくたたずのおかーしゃんはゆっくちちね!」
「むきゅ……おかあさんはわるくないわよ……」
「ぱちゅりーおねーしゃんまで、なにいっちぇるの!」
「ごべんね゛え゛え゛えええ!!!!」

4匹となった赤まりさは、箱の中で親まりさを責め続ける。
たまたま隣人が振り下ろしたところを無防備にした親まりさのせいだと思っているようだ。
自分にも責任の一端があるとも知らずに、いい気なものである。
さて、そろそろいいだろう。男はゆっくり達に話しかけた。

「いやぁ、残念だったなぁ。でもお前らのせいでもあるんだぜ」
「ゆ!なんでまりちゃのちぇいなの!」
「まりちゃ、なんにもちてないよ!おかーしゃんがわるいんだよ!」
「いや、それがさ……あの死んだ赤まりさの箱にノミを近づけるとさ。
 誰とは言わないがお前らの中で何人か、明らかに怯えた反応する奴がいたんだよ」

本当は全員なのだが、それではこれから期待するような面白いことは起こらない。

「いや〜かわいそうに。お前らの中でバカ正直に反応する奴がいたせいで死んだからなぁ。
 まあ誰とは言わないけどさ、そいつらのせいで死んだようなもんだしな」

少しの間、ゆっくり達はポカンとしていた。
が、少しして男の話を理解した赤まりさ達は一斉に喧嘩を始める。

「ゆ!おねーちゃんをちなちぇた、まぬけなゆっくりはまりちゃじゃないよ!」
「まりちゃでもないよ!おねーちゃんでちょ!」
「なにいっちぇるの!わたちたちのなかでいちばんばかなあんたでちょ!」
「そうだよ!このまえだってまりちゃのぶんまでごはんたべちゃって!」
「ちがうよ!まりちゃじゃないもん!」
「(むきゅ……たぶんわたしの……いや、わたしたちのせいだわ……)
「やめてえええ!!!けんかしないでえええ!!!」
「うるちゃいよ!もしかしておかーしゃんなんじゃないの!」

この責任の押し付け合いを見たいがために、わざと『何人か』と言ったのだ。
自分勝手なまりさ種らしく、期待通りの展開である。

「ククク……見ろよ、れみりゃ……」
「うー?」
「仲の良かった者が……些細な誤解……つまらぬすれ違いで…………
 仲違い……醜く言い争う様は……いつ見ても…………楽しい…………!」
「うー!」

れみりゃは分かってるのか分かってないのか、隣人の頭の上を飛び回るだけであった。

「今日は仲違いさせるところまでだったな。次は3日後だったっけ?」
「ええ、それまでに準備は済ませておくので、3日後にまたいらして下さい。
 れみりゃと一緒にお待ちしていますよ」
「うー!」

虐待していない時は、いつもの正常な隣人に戻っているようだ。
しかし虐待時が最も輝いていると言われる虐待お兄さん、むしろあちらが正常なのかもしれない。
虐待お兄さんにとっては、異常こそ正常である。

男は自宅に帰っていった。その日、隣人は親まりさ一家には餌を与えなかった。



翌朝。

「おーいれみりゃ、ご飯だぞ〜」
「うー!うー!」

隣人がれみりゃに与えたものは、ハチミツを塗った食パン。
それと川で釣ってきた魚を焼いたもの。野生のゆっくりから見れば破格である。

「どうだ、上手いか?」
「うー!」
「ククク……かわいいのう、かわいいのう……」

れみりゃと対照的に、透明ケースに入っている親まりさとまだ箱にいる赤ゆっくり達は空腹に襲われている。
なにせ男に捕まえられた昨日の朝から何も食べていないのだ。

「まりちゃにもそれをちょうだいね!」
「ごはんをくれないおにーちゃんはちんでね!」
「むきゅう……」
「分かった分かった……やろうじゃないか……」

隣人は親まりさのケースにクズ野菜をばらまく。
れみりゃの食べているものと比べれば遥かに落ちるが、ゆっくりの食事としては十分だ。

「ゆ!なんでおかーしゃんにだけあげるの!」
「おかーしゃんにあげるのならまりちゃにちょうだいよ!」
「ククク……貴様らにやる食べ物などないわ……」

冷たく言い放つ隣人。
それを聞いて、赤まりさ達がまたも騒ぎ始めた。

「おなかちゅいたよおおおお!!!」
「ゆっくちできないいいいいい!!!」

この4匹の赤まりさはことあるごとに騒いでいる。
迷惑な存在だが、泣き叫んでいるゆっくりを見て楽しむのが虐待お兄さんである。

「ゆ……まりさはいらないよ。あかちゃんたちにあげてね……」

親まりさはクズ野菜に手をつけずに言った。
昨日は自分の子供に散々罵倒されたとはいえ、やはり親であった。
このまりさはいわゆるゲスまりさではなく、昨日ノミで突かれた赤まりさ同様立派なまりさなのだろう。

「だが……却下っ……!」
「ゆ!な、なんで!」
「そうしたいからさ……食え……食わねば赤ゆっくり達の命はないぞ……」
「ゆ……」

子供の命とは比べられない。
申し訳なく思いながらも、クズ野菜に手をつけ始めた。
そんな親まりさに隣人は、赤ゆっくり達に聞こえないように囁く。

「ククク……それと食事中のいつものセリフ……頼んだぞ……」
「そ、そんあことあかちゃんたちのまえでいえないよ!」
「言わねば……赤ん坊が死ぬだけだ……」

そう言われるとどうしようもない。
涙を流しながら、親まりさは食べ続ける。

「むーしゃ、むーしゃ……しあわせ〜……」
「ゆがあああああ!!!!」
「ちねおかーしゃんはゆっくちちねえええええ!!!」
「むきゅ〜、みんなやめるのよおおお!」

赤まりさ達は親まりさの事情も知らず、口汚く罵る。
親まりさを庇うのは、赤ぱちゅりーだけだった。



ゆっくり一家が捕まえられてから、3日がたった。
再び男は隣人の家を訪れ、そして初めて赤ゆっくり達は箱から出された。
食事は常にれみりゃ豪勢、親まりさにはクズ野菜、赤ゆっくり達は無し。
育ち盛りの赤ゆっくりが3日も何も食べていないということは、かなり餓死に近づいているということだ。

「あかちゃんたち、しっかりしてね!」
「ゆ……ゆっくちちたいよ……」
「ごはんがたべたいよ……」
「むきゅ……」

いい感じに弱っている赤ゆっくり達に向かって隣人は言った。

「ククク……そんなに飯を食いたいなら食わせてやろう……」
「ゆ!ごはんくれるの!」
「ゆっくちもってきてね!」

瀕死なはずなのに、突然のご飯宣言に色めき立つ赤ゆっくり達。
男と隣人はほくそ笑んだ。この程度の元気さはないと面白くない。

「いいだろう……ただし、食いたければ戦え……」
「ゆ?」
「飛んでもらおう……貴様らには……空を……!
 ククク……そう……!貴様らがこれからするのは…………
 生存率25%……クォータージャンプ…………!」









あとがき
今回は指きりジャックをゆっくりでやってみました。
次回はクォータージャンプ。さすがに皆殺しの魔女は無理でしょうけど。

過去作
ゆっくり鉄骨渡り




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最終更新:2008年09月17日 22:27
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